※この記事にはネタバレが含まれているかもしれない。
S17 E24 「The Smelly Kipper」 (サカナなんてこわくない)
脚本:アンドリュー・ブレナー
内容:ある晩、ティッドマス機関庫ではジェームスがパーシーを脅えさせている中、ヘンリーはジェームスにフライング・キッパーを牽かせようとする。
【高評価点】
・今期の中で最もクラシックシリーズに近い。
・ジェームスの気の進まなさが、BGMとマッチして伝わってくる。
【低評価点】
・クランキーの吊り上げた木箱は炭水車にぶつかったのに、何故かジェームスの機関室でなく、頭部に魚が被る不思議。
【その他、面白かった点や小ネタ】
・恐らく元ネタは原作『汽車のえほん』37巻の「Sliding Scales」。
・S03「いたずらはだめだよ、ジェームス」も彷彿とさせられる。
・今回も怪談役はジェームス。
・ジェームス「何言ってんだい、パーシーも僕みたいに勇敢になればいいのさ」
・ヘンリー、今度はジェームスにフライング・キッパーを押し付ける。
・すべてを悟っているかのようにジェームスを見守るトーマス。
・フライング・キッパーに何故か無蓋車。
・その無蓋車が消えているシーンがある(CGミス)。
・ポーターの車高が低すぎて、バッファーが役に立っていない。
・臭い魚から逃げるジェームス。
・ジェームスが戻ってきた時、郵便配達に出かけたはずのパーシーが機関庫にいる。
・強気で約束したにもかかわらず、ヘンリーに全て夢だと思わせるジェームス。
・ジェームスのせいで混乱と遅れが生じるヘンリー。
・魚臭いのが嫌で、立場から逃れようとするジェームス。
・突然、ジェームスのランプが出現(CGミス)。
・ポーター「やあジェームス、君の客車は?」
・ジェームスの炭水車や貨車が消えているシーンがある(CGミス)。
・久しぶりに歌ういたずら貨車たち。
・貨車「「ジェームスはサカナがこわい ジェームスはサカナがこわい♪」」
・死んだ魚がどアップで映る。
・貨車の目玉が凄い回り方をする。
・ポーター「魚っていうのは、貨車に載せるモンだよジェームス」
・ジェームス、(TVシリーズでは)初めてフライング・キッパーを牽引。
・魚が一番嫌いなせいか、魚のにおいで真っ先に目が覚めるトーマス。
・ゴードンのランプ棒が消えているシーンがある(CGミス)。
・ゴードン「ジェームスはトップハム・ハット卿に(魚の)お土産を持ち帰ってきたってのか」
・トーマス「でも君の真っ赤なボディはピカピカできれいだよ」
・パーシー「きっと魚の油にかかったんだね。いつもよりずっと輝いてるよジェームス」
・からかわれた後、ヘンリーに愛想笑いをするジェームス。
・ラスボス臭のするトップハム・ハット卿。
今回からフライング・キッパーに無蓋車が追加される。有蓋車に顔をつければいいのに…と思ってしまうのはだめですかね…。
目玉をパチンコ玉のようにコロコロと回す貨車たち。個人的にトラウマです。
【感想】
UK,USテレビ未放送S17エピソード第4弾。実はこれ、24話らしい(?)。でもAUSと順番変わらないから気にすることはないね。
「きょうふのゆうれいれっしゃ」のように、ジェームスによる怪談から始まる。一見ホラー回のように見えて、実は全く違う。機関庫の皆はその話を信じず、ほとんど気にしていないが、とっても臆病なパーシーだけは別。彼は夜中に郵便配達に行くのだが、行く前からこんな話をされたら…、嫌だよねぇ。彼を気の毒に思ったトーマスはジェームスを止めるが、「パーシーも僕みたいに勇敢になればいいだろ」とジェームス。ナルシストぶりをふんだんに発揮。それを聞いたヘンリーは、ジェームスが勇敢であることを証明させるべく、今夜のフライング・キッパーを牽かせようと提案。また押しつけか()。ジェームスは余裕で彼と約束。ジェームスのこれから起こす行動をまるで悟っているかのように見るトーマスがまた面白い。ジェームスが潔癖なことを知ってるし、なにより魚関連トラブルの経験者だしね。
すまし顔で港にやってくるジェームス。しかし案の定魚臭さに押され、機関庫へ戻ってしまう。それから寝起きのヘンリーにさっきまでの出来事を夢だと思わせ、キッパー牽引を押し返す。なんて奴だw
もちろんジェームスのおかげでダイヤはめちゃくちゃ。ヘンリーは配達に遅れ、機関庫に戻ってきたのは朝方。ハット卿はプンプンしながら機関庫で待っていた。事情を知らない彼はヘンリーを叱る。ヘンリーは「寝過ごしたのは、ジェームスがキッパーを牽く夢を見たから」と。ここまではジェームスの計画は順調。しかしほかの仲間はヘンリーほど甘くはない。しっかり覚えていたトーマスとゴードンは「夢じゃない」と答える。ハット卿は、ヘンリーとの約束を破り、さらに遅れを出させたジェームスに罰を与えようとするが、どうしても魚から逃げたいジェームス。そういう気持ち、なりますよね。しかし責任をとらなくてはならない。
ジェームスは憂鬱な気分で再び港へ。ポーターにからかわれながらも、勇気を振り絞ってキッパーに近づく。そんな彼を見て面白がって歌いだす貨車たち。こいつらホントかわいい。
貨車に気をとられたジェームスは、周りをよく見ずにクランキーがつり降ろしている、魚の入った木箱に衝突。炭水車にぶつかったのに、なぜか頭部にかかる魚の死体たち。おかげで「みどりのクジラ」のヘンリーのように体が魚まみれに。ジェームスの不注意もあるけど、クランキーのせいでもあるよなって思っちゃうのは僕だけか。それをみて大笑いする貨車たち。パチンコ玉が回転するかのようにコロコロとあり得ない方向に目玉が回転する様は、軽くトラウマです。模型時代と「BMM」の目玉回転は好きなのに。ポーターも「魚ってのは貨車に載せるものだよ」とからかう。ぜるさん、そんなポーターが気に入りました(
全身が魚臭くなってしまったが、我慢してキッパーの配達を実行。魚から離れたそうに、できるだけ大急ぎで配達に向かう。
配達を終えたジェームスは、ティッドマス機関庫へ戻る。機関庫の仲間たちはその魚の生臭いにおいで目が覚め、一斉にジェームスの方を見る。彼の車体に魚が一匹へばりついてるのを見て、「ハット卿にお土産を持ってきたってのか」とからかうゴードン。それに続いてトーマスとパーシーも「魚の油にかかって、いつもよりボディが輝いてるね!」と皮肉。この仲良く罵り合う雰囲気、大好きですw
そこへトップハム・ハット卿が。登場の仕方に威圧感を覚えるが、彼はにこにこしながら、「よく頑張ったな」とジェームスを褒める。そして魚臭い彼に戦車のご褒美を与える。とっても幸せそうなジェームス。よかったね。彼は、暫くは魚を見ないようにと心から願った。…このときはまだ、今期が終わってすぐ、再び魚に出会うことになるとは夢にも思っていなかっただろう(
原作を読んでるような気分で楽しかったです。たぶん元ネタは原作37巻の「Sliding Scales」じゃないかなと思います。あれもジェームスがヘンリーの代わりにキッパーを牽く回ですから。(内容は大幅に異なりますが)。
各キャラの性格をしっかり掴んでるし、今期の中で最もクラシックシリーズに近いんじゃないかと思いました。 でも、考えてみればパーシーの臆病設定ってブレナーの後付けなんだよね。自分がトーマスを脅かした時のことは覚えているんだろうか。
【日本語版について】
あとでと言ってるだろう!
総合評価:9/10
次回は「クレーンきかんしゃハーヴィー」です。その名の通りハーヴィーが主役!