※この記事にはネタバレが含まれています。
S18 E01 「Old Reliable Edward」 (たよりになるエドワード)
脚本:アンドリュー・ブレナー
内容:ゴードンは、年寄りのエドワードを古いから信頼できないとからかう。
【高評価点】
・S02以来、エドワードの支線について言及される。
・手伝っても感謝されない後味の悪さに一括を入れる展開が面白かった。
・オールドファンにはうれしい内容で、HiT社の望む教育にも良く、なおかつ誰でも楽しめる面白さ。メインキャラがトーマス、エドワード、ゴードンのみで、初期みたい。実に良いスタートだと思う。
【低評価点】
・丘の麓まで下がる筈なのに、中途半端なところで止まるゴードン。客車に引っ張られないの?
・懲らしめ方は面白いが、急行の走る線路へ割り込むのは危険すぎる。また、トーマスが自分でポイントを切り替えているように見える。事前に信号手に連絡していたのか? 馬鹿な真似をするなあ。
【面白かった点、小ネタ】
・エドワード主役回。S01「エドワードのおてがら」とS06「やくにたつきかんしゃエドワード」を彷彿とさせられる。また、それらが元ネタと思われる。
・Mixed Traffic Engineと紹介されるエドワード。
・真顔で罵る初期と違い、軽口を叩いてエドワードをからかうようになったゴードン。
・珍しく反論するエドワード。
・エドワードとゴードンの並走がS13「たんじょうびのいたずら」冒頭を彷彿とさせられる。
・急行客車にもテールランプ。
・赤いトラウザーズを危険信号の赤旗と勘違いするゴードン。
・それがきっかけで、ゴードンの丘で立ち往生してしまう。
・トラウザーズが風で飛ばされ、ゴードンの口にくっつく。
・CGシリーズで初めて喋るウェルズワースの駅長。声優はキース・ウィッカム。
・エミリーやトーマスにからかわれ、アニーとクララベルに笑われるゴードン。
・平台の貨車、色違い(赤)が登場。
・トーマス「赤いトラウザーが? 危険信号に見えたって?」
・エドワードが汽笛を鳴らした時、トーマスが汽笛を鳴らしたみたいになっている(CGミス)。
・お馴染みの後押しエドワード。
・後押しを手伝ったのに感謝されないことをトーマスに愚痴るエドワード。一番付き合いが長いからこそだろうか。
・相変わらず仲間外れのトビー。
・ゴードンの失敗を大いに笑い続けるパーシー、ジェームス、エミリー、ヘンリー。
・エドワード「ゴードンは速くて頼れるけど、僕の助けがないと丘を登れないみたいだね」
・トーマスがゴードンより速く走れると言うと、皆が息をのむ。(HOTR、S16全否定)
・エドワードに目配せをするトーマス。
・本作からナップフォード駅構内に巨大信号が復活、複雑なポイントレールが追加。また、6番線側の側線がなくなる。
・ゴードンの前をゆっくり走って従わせるトーマス。
・ある意味初期より生意気なトーマス。
・ゴードンを、惨めな人を見る目で見つめるクララベル。
・止まりそうで止まらない絶妙なスピードで丘を走り、ゴードンを立ち往生させるトーマス。
・エドワード「いつも自分の丘で立ち往生なんかして、とても頼りになる機関車には見えないね」
・ゴードンに「ありがとう」を言わせるため、一度見捨てようとするエドワード。まさに親。
・手伝ってもらったら感謝するということを学んだゴードン。
エドワードと言えば、ゴードンの丘での後押し。今回でも後押しして活躍するが…
本作よりナップフォード駅構内に巨大信号が2つ追加(うち1つは復活)され、より鉄道らしくなりました。ギリギリで隠れていますが、複雑なポイントレールも追加。また、前期まであったはずの、5番線方面の側線は何故か消えてしまっています。
【流れと感想】
さあ、ついにやってきた第18シーズン。TOTBのキャラクターが新登場し、オリバーとトードやダンカンが復活するというイメージが強いですが、僕は何よりエドワードとトビーの主役回がきたということをとても喜びました。エドワードとゴードンの絡みがまた見たいなぁと考えていたら、本当に来たというわけで、楽しみに今日という日を待ち焦がれていました。
前期ではあまり出番がなかったエドワードの主役回。お約束の、その話の主役紹介から始まります。エドワードは客車も貨車も牽くミックスド・トラフィック・エンジンであると説明されています。わー、専門用語だー。
幾つかの機関車、特にゴードンは時々彼を古くて信頼できないとからかうことがある。また言い出し始めたかこいつは。全然変わってないじゃん。でも、真顔でシリアスに「チビ」やら「リタイアした方がいい」やらは言わず、軽口叩くだけだから一応成長はしたのかね。
でもエドワードは自分の支線を任されるほど、トップハム・ハット卿から信頼されている。おおー、支線についても触れてくれるとは! かなり久しぶりだなぁこういうのは。
とまあ1分くらいと長めの前置きでしたが、嬉しい説明があったので無駄ではないだろう。ゴードンが急行列車を牽いて、自分の丘へやってくるところから物語が始まります。ゴードンの丘を登っていると、線路上に何やら赤いものがひらひらしている。それを危険信号の赤旗だと思った彼は、慎重に停車。ところがそれは赤旗ではなく、赤いトラウザーだった。
ぶふwww 風で飛ばされた赤いトラウザーがゴードンの口に密着。こういうコメディ要素を入れてくるのも面白い。これは真面目に爆笑しました。しかしいったい誰のトラウザーなのだろう。洗濯物が風で飛ばされてきたのかな? そんなところでトラウザーとじゃれあってる暇はない。ゴードンは再び走り出そうとするが、丘の途中で止まったため再スタートができない。なんだかS06「やくにたつきかんしゃエドワード」を彷彿とさせられます。
一方、エドワードはウェルズワースの駅長からゴードンが丘で立ち往生していることを聞く。駅長が話しかけるのはいつものことだけど、ウェルズワースの人は何気にはじめてで何か新鮮。古くて頼りにならないとからかわれたばかりのエドワードは気が進まなそう。「ああ、またか」と言ってるということはいつも丘で立ち往生してるのか?
エドワードが到着する間、ゴードンは苛々しながら待っている。エミリーやトーマスにからかわれ、きまり悪そうに唸るゴードン。お前それでも主人公かってくらいトーマスの畜生ぶりが発揮されている。これぞトーマスって感じ。ここでようやくエドワードが到着。ゴードンに罵られながらも、エドワードは後ろから後押しして手伝う。無事に頂上へ到達し、再スタートすることができたが、相変わらずゴードンはエドワードに「ありがとう」も言わず走り去っていく。S01「エドワードのおてがら」を彷彿とさせられるシーンですねぇ。
いつもはしょんぼりしながらも「ま、いいか」で済ませていた彼だが、とうとうあの態度に我慢の限界なのか、トーマスに「ゴードンを後押しして手伝っても「ありがとう」も言わずに走り去っていくんだ」「おまけに古くて信頼できないって」と愚痴を吐く。彼らしくもないが、トーマスに相談するのは付き合いが長い故か。NWR開業1年後から入線して、ヘンリーやゴードンが来る前から一緒に働いてるしね。彼になら本音を吐けるということか。また、ここでアニーがへんに反応しているのはS01「あなにおちたトーマス」意識でしょうか? その回で彼女たちはゴードンを尊敬しているという描写がありました。いつも失敗ばかりして、とうの昔に失望してるとは思いますが、この段階で彼への尊敬心が完全に消え失せたような感じですね。そんなエドワードに、トーマスは「あの大きな機関車を懲らしめてやろう」と ある計画を立てます。
その晩、ゴードンの失敗談をトーマスが語り、ティッドマス機関庫の機関車たちは大いに笑っていた。これもまた懐かしい雰囲気を醸し出していますね。しかしみんなツボが浅いなぁ。こんな職場には就きたくないねw 更にエドワードも「ゴードンは速くて頼れるけど、僕の助けがないと丘を登れないみたいだね」と皮肉。もうやだこの島畜生しかいねえ。ここでトーマスは調子に乗ってあることを宣言。機関車たちは全員息をのむが、トーマスは自信たっぷり。エドワードに目配せをする。どうやら例の計画らしい。
次の早朝、トーマスはゴードンの居るナップフォード駅にやってきた。仕事も兼ねて、約束を果たすためだ。トーマスはゴードンよりも速く走れるというのだ。不公平だと思ったゴードンは、彼にヘッドスタートを与えるが、もちろん自分より速く走れるだなんて思っちゃいない。というかダイヤ的に大丈夫なのかこれ。まあ各停だからな。位置に着くと、トーマスは10分前にスタート。アニーとクララベルは心配そうだけど、トーマスはドヤ顔。
暫く走っていると、案の定後ろにゴードンが。クララベルが慌てるも、トーマスはゴードンの居る線路に横入り。今回もトーマスが勝手にポイントを切り替えたように見えるけど、恐らく事前に信号手に連絡してあるのだろう。(…信号手もその計画に乗るほどバカじゃないと思うけど…)。ゴードンは他の線路に切り替えろと言うが、この先に切り替えられるポイントはない。彼はトーマスのスピードに従いながら進むしかなくなってしまった。
トーマスの意地悪はまだ終わらない。彼は意地悪そうな笑みを浮かべながら、ゴードンの丘に近づくにつれ、わざとスピードを落としていく。ゴードンは慌てるも、トーマスはやめない。ここで"哀れな人を見下すような目"でゴードンを見るクララベル。こわいww 尊敬心を完全に忘れてしまったようだ。 最終的に止まるか止まらないかの絶妙な走りになり、………、ゴードンはまたしても丘の途中で止まってしまった。
そこへエドワード登場。これらは、ゴードンがエドワードに「ありがとう」を言わせるチャンスを作るためのトーマスの作戦だったのだ。そんなゴードンを見てエドワードは「いつも自分の丘で立ち往生なんかして、とても頼りになる機関車には見えないね」と皮肉を言って立ち去ろうとする。
G「待て、俺を押すんじゃないのか?」
E「君は僕の助けなんて必要ないと思っていたよ。だって僕は古くて頼りにならない機関車だもの」
うへ
G「でも俺はお前の助けが必要なんだ。もう古くて頼りないなんて言わないと誓うから…! 頼むよ…」
ゴードンが必死で訴えるも、エドワードの姿は見えなくなってしまった。なかなか生々しい。いつも自分を助けてくれる聖者のような仲間に見捨てられるのは怖いことだし、絶望感は凄いだろうね。その方がからかわれるよりもずっと(精神的に)辛い。そんな教訓。実際によくありますよ、そういうこと。ゴードンには良い薬だろう。でもなんだかんだで引き返してくるエドワードはやっぱり優しいね。これで懲りただろうと後ろにつき、後押しを始めます。
E「何か言うことがあるんじゃない?」
G「あ~、なんてこった」
E「ごめんって?(威圧)」
G「だからその…、ありがとう…、ありがとうエドワード…」
こうしてエドワードはゴードンの態度を許したのだった。もうこの終盤のやり取りが面白くて仕方ない。思わずニヤニヤしてしまうw まるで悪がきをしつける親のようだ。「ありがとう」を言う難しさっていうのもね、こう…来るね。どんな些細なことでも、助けてもらったら、ちゃんと「ありがとう」とお礼を言わないとね。
問題点が幾つかありリアリティには欠けるものの、上で書いた高評価点の通り、従来の手伝っても感謝されない後味の悪さに一括を入れる展開が面白かったし、登場キャラクターもクラシックシリーズ(S1~7)の機関車しか登場せず、トーマスとエドワードとゴードンのみで展開されていくという、かなり原点回帰をした回でした。最初期のを9分弱の尺にしたらこんな感じだろうなと思うくらい初期っぽくて、原点回帰がとにかく多いS18の第1話に相応しい、実に良いスタート。こういうオールドファンにはうれしい内容で、HiTが望む教育に良い教訓があり、尚且つ誰でも楽しめる、そんな内容で素晴らしかったと思います。
終盤の、鉄道や乗客に迷惑かけたりする点はアレだけど、この話は大好きになりました。エドワード主役回の中で3,4番目に好きかも。
【日本語版について】
タイトルは「たよりになるエドワード」。10月5日に「はやすぎよ おそすぎよ」と同時に放送。
[面白かった点、小ネタ]
・ベテラン機関車エドワード。
・Danger signal→危険を知らせる旗
・子供たちの声は原語版ボイスの上に、日本語版ボイスが重なっている。声優は不明。
・駅長の声優は恐らく河本邦弘。
・トーマス「まさか赤いズボンが、危険を知らせるだなんて」
・今回からアニーとクララベルの声質が若干高めになる。かわいい。
・ジェームスとパーシー、台詞なし。
・トーマス「やっぱり僕の方が速く走ってるみたいだねぇー アハハ」
・エドワード「はっきり言って、君ってあまり頼りにならないんだね」(太字のところは強調させているため、グサッとくる)。
・ゴードン「約束する、頼りにならないなんてこれからは絶対に言わないよ! た~の~む~…」
・エドワード「なんだって?(威圧)」
今回のキャラクター紹介はエドワード。今までと異なり、映像がS18に変更されている。
総合評価:9/10
次回はアニーとクララベルがメイン!「Not So Slow Coaches」です!