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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

きかんしゃトーマス 第18シーズンレビュー 7

※この記事にもネタバレが含まれています。

 

 

 

 

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S18 E07 「Duck in the Water」 (みずにつかったダック)

脚本:アンドリュー・ブレナー

内容:立ち往生したダックを救出する前に、ジェームスは信号を倒してしまう。

 

 

【高評価点】

・稲妻の光や雨の描写がリアル。

・ロッキーのフックが揺れまくるアニメーションが素晴らしい。ハラハラ感。

・(モデル機が大西部鉄道で働いていた)パーシーやロッキーが、ダックの支線にいるのを見ると、なんだかキャラクターに拘っているような気がする。

 

【低評価点】

・フックがぶらぶら揺れて危ない状況なのに、当たりそうな作業員が逃げないのに違和感。しゃがむとかいうモーションを。

 

【面白かった点、小ネタ】

・ダックと見せかけてジェームス主役回。

・パッと切り替わる画面。

・ダックの隣にあった客車が次のシーンで消える(CGミス)。

・ナップフォード駅のシーンで、ダックがプラットホームに近すぎて、梯子が乗り上げてしまっている(CGミス)。

・何を言われても表情一つ変えず、冷静に対応する大人なダック。

・雷を迷惑がる大人たちと、楽しそうな子供たち。

・フェンランドの水かさが増しているシーンは、「ながされたトビー」を彷彿とさせられる。

・ダックの支線、久しぶりにTVシリーズに登場。(映るのは支線の一部分のみ)。

・陸橋の線路が消えている。TOTBではジェームスが渡っていたはず。

・水たまりで立ち往生するダック。「パーシーとこうずい」「Down the Drain」を彷彿とさせられる。というかオマージュ?

・ジェームス「あーあ、どうやらまた別の仕事が来たようだぞ…?」

・余計な仕事がしたくないジェームス。おやくそく。

・ジェームス「ふーん、ダックは水の中にいるのが好きなんですね」

・早く客車を牽きたいがために、ロッキーがアームを固定位置に戻す前に出発してしまうジェームス。

・ダック、前期で(小ネタ的な意味で)大活躍だったカモと夢の共演。

・ロッキーのフックが給水塔、標識、カカシにぶつかる。

・ロッキー「すまんカラスさん」

・信号を押し倒すロッキー。

・ジェームス「君は水の中にいる方が好きなのかと思ってたよ」

・ダック「ダックはただのあだ名だもの。僕の本名は、モンタギューさ(自慢げ)」

・一瞬、妙に模型顔っぽくなるオリバー。

・倒れた信号に気づかず、ジェームスに衝突するオリバー。

・結果再び水に落ちるダック。

・同じく信号に気付かず、オリバーに衝突するパーシー。

・三度水に落ちるダック。

・ロッキーをかばうジェームス(前回で学んだ結果?)。

・自分の過ちに気付いたジェームスをほこりに思うハット卿。

・ナレーション「太陽が輝いている限りいつも、ジェームスは真っ赤なボディの素晴らしい機関車だ」

 

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 ダック入水(にゅうすい)。機関室に水が入ったようには見えないけど、火室が濡れて動けなくなってしまう。

 

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S17で(小ネタ的な意味で)大活躍だったカモとダックが遂にコラボ(笑)

ダック、ダックダックダックandダック。とてつもなくシュール。 これがやりたかっただけのような気がしなくもない。

 

 

【流れと感想】

  ダック主役回、と見せかけてジェームス主役回という久しぶりのタイトル詐欺。

 

 一番最初のシーンは水面に映るダック。これがタイトルカード。こういう遊び心いいですね。ダックが水の中に!(笑)

次の場面は一転して、今にも雨が降り出しそうな暗い空。季節は冬。いきなりですね。ナップフォード駅でダックが貨車を牽く準備をしていると、ジェームスが客車を牽いてやってくる。客車を牽くことを自慢したいのかからかうが、ダックは表情感情一つ変えず対応。大人だなぁダック。昔だったら「なんだよぉ!」って感じで怒ってた。なんか今期のジェームスは自分のボディを見せるよりも客車を牽いて乗客を運ぶことに執着しているように見える。

ジェームスが走り出して間もなく、雷が鳴り始める。稲妻の閃光がリアルだなぁ…。次第に大雨が降り出す。雨に濡れる描写もまたリアル。相変わらずペンキにも執着心があるようで、昔のヘンリーみたいなことを言い出すジェームス。そういやランボードがピンク色に見えるんだけど、これはペンキが少し流れ落ちてるってことなのかな? 赤いボディが反射してるのかな? 水を弾くと聞いてるから流れはしないと思うけど。

あれから沢山の大雨が降った影響で、川や沼の水かさは上昇。ダックの支線の線路上では大きな水たまりもできている。ってここダックの支線だったのか!? TVシリーズでもダックの支線復活というところだが、路線一部分だけ。巨大で深い水たまりを見つけたハロルドは、そこに機関車が入らないようハット卿へ報告するため旋回。しかし時すでに遅く、ハロルドがいなくなってすぐダックが水たまりへ入ってしまい、蒸気があげられず立ち往生。こう、水の中で立ち往生するっていうのはS03「パーシーとこうずい」や原作33巻「Down the Drain」を彷彿とさせられます。特に「Down the Drain」及び33巻は全体的にビルとベンのお話なので、いつかオマージュっぽいのをやりそうだなと思っていたけど、今回の被害者は水に似合うダックということで、あからさまなオマージュはありませんでした。

ナップフォード駅でジェームスが別の旅客列車を牽く前に待機をしていると、ハット卿が。ロッキーを連れて、洪水で立ち往生したダックを救出するという内容。ジェームスはやりたくなさそうに口答えするが、どんなに綺麗な蒸気機関車も時には自分の好きでない仕事もしなくてはならない。

 

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間もなく、ジェームスは、ブレーキ車を線路に戻し終えたロッキーを発見。ところが、ジェームスはロッキーのアームが固定位置に戻るのを待たずして出発。体やフックが左右にぶらぶら揺れながら走り出してしまう。あーあーあー、危ない! 右の作業員逃げろよ、危ないぞ。ロッキーがどんなに注意しても、ジェームスは話を聞かない。しかもこのジェームスときたら、早くダックを救出しないといけないという考えではなく、一刻も早くダックを救助して旅客列車の仕事に戻りたいという考えだからもうジェークズすぎる。昨日のトード回ではすごくいい奴だったのに。

 ロッキーのアームとフックはカーブを曲がるたびに大きく揺れる。BGMはないけど、このアクションシーンはなかなかハラハラものです。トンネルに入るシーンなんかもうガツガツぶつかってるじゃないですか。プラレールで再現したくなるなあ(笑) この激しい走行の合間にダック&ダックの何とも言えないシーンが挟まるのがまた面白い。このギャップの差である。

この後もロッキーは給水塔や、標識、カラスが止まったカカシにフックを衝突させる。事故現場に近づくと、ジェームスは注意信号(黄色)が赤になっているのをチェックし、スピードを落とす。

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ところが、案の定ロッキーのフックは信号にぶつかってしまい、信号機はぶっ倒れて使えなくなってしまう。いくらなんでも脆すぎだろうw 他の頑丈な建造物と異なり真っ先に倒れてしまったので、ロッキーは何にぶつかったのか気づいていない。あーあ、こりゃ面倒なことになるぞ。

洪水で立ち往生しているダックを発見したジェームス。ダックは火室が濡れて動けないので、ロッキーの後ろへ着くために一旦待避線に入り、ロッキーの後ろへ。機関士たちがポイントを切り替える描写があるのはすごくいいことだけど、この待避線都合よすぎないか。(まるでチャギントンみたい)。まあスムーズだからいいけど。ポジションを変えたジェームスはロッキーを押し、ダックに近づける。

D「これで乾いた線路に戻ることができると思うと嬉しいよ」

J「君は水の中にいる方が好きなのかと思ったよ!」

ジェームスがどんなにからかおうが、ダックは気にしない。だってダックというのはただのあだ名で、本名はモンタギューだもの。バッファーにチェーンがひっかけられ、ダックは吊り上げられる。

そこへ、オリバーが貨物列車を牽いてやってきた。でも信号機が倒れているので注意信号には気づかない。いつも走ってる支線なんだから位置くらい覚えておけよw カーブを曲がってすぐ目の前でジェームスが止まっていることに気付きブレーキを掛けるが、時すでに遅く、オリバーはジェームスに、ジェームスはロッキーにぶつかり、ダックを水たまりの中に落としてしまう。なんて地味でシュールな玉突きだろう。ぶつかってきたオリバーにジェームスは「注意信号が見えなかったのか?」と怒る。でもオリバーには注意信号なんて見えやしない。だって倒れて故障しているんだもの。

ロッキーは再びダックを持ち上げ、オリバーは危険信号の旗を立てにバックしようとする。ところが、今度はパーシーが貨物列車を牽いてやってきて、彼はオリバーのブレーキ車に、オリバーはジェームスに、ジェームスはロッキーにぶつかって、再びダックを水の中に落としてしまう。シュールすぎるにもほどがある。ところでロッキーってこんなに細かったっけ。形状を明確に覚えてない故、変に違和感を覚える。

そんな地味な玉突きを繰り広げているうちに、報告を聞いたハット卿がハロルドに乗せられてやってきた。「いったい誰のせいでこんなことになったんだ」とハット卿。自覚のあるロッキーが反省。事情を説明しようとした時、ジェームスは彼をかばって事故だという説明をします。これは前回で学んだ結果でしょうか。

J「誰のせいでもなく事故なんです。僕が急いでて、ロッキーの準備がまだで、その…」

R「…(チラッ)」

J「だから…」

D「…(チラッ)」

J「ああ、僕のせいです…」

ようやく自分の過ちに気付いたジェームス。自分の有罪を認めた彼をハット卿は誇りに思う。まあ…成長したな。ジェームスは責任もってダックの貨物列車を代わりに牽くことに。ナレーションに皮肉を言われて幕が閉じる。

 

盛り上がりという盛り上がりはなく、あらすじを見て思っていたほど大きな事故というわけでもなく、ちょっとニトロっぽい流れで、正直退屈でしたが、ファンサービスは多めなので「Signals Crossed」よりは悪くない。素晴らしいアニメーションと笑いを誘うシュールなシーンとキャラクターの厳選には評価します。ただのクレーン車ではなく、人格のあるロッキーを活用したトラブルっていうのは面白かった。

キャラの厳選に関してはトーマスが一度も出てないこと。これぞ『きかんしゃトーマス』って感じ(この作品で主人公が出ないのはもはや当たり前)。それから、今回事故に関わった車両、ジェームス以外はGWRに関係しているところです。ダックとオリバーはもちろんのこと、パーシーのモデルになった機関車はGWRだし、ロッキーのモデルは4台くらいGWRで働いていたそうです。パーシーのモデルがGWRであることを知らなければ、きっと最後不可抗力で追い打ちをかけた機関車はトーマスになっていたかもしれません。ちなみに僕はついさっきまでパーシーのモデル機がGWRの機関車であることを知りませんでした。だからダックやオリバーとあんなに仲が良いんだろうな。

あまり関係ありませんが、ダックとジェームスが絡み、ジェームスのせいで信号が倒れるという描写は、なんだか原作28巻の「Crossed Lines」を彷彿とさせられました。読んだことはないですが()。

 

 

総合評価:8/10

 

 

次回は、その昔GWRなどイギリスの鉄道で使われていた、スリップコーチが登場!

「Duck and the Slip Coaches」です!