※この記事にはネタバレが含まれています。
S18 E17 「No Steam without Coal」 (せきたんがないビルとベン)
脚本:デイビー・ムーア
内容:クレイピッツの石炭が不足しているとき、ビルとベンは石炭を使い果たしてしまう。
【高評価点】
・ティモシーの特性が活かされている。
【低評価点】
・ティモシーはソドー島で唯一のオイルで動く蒸気機関車と説明されているが、同じくオイルで走る蒸気機関車のビクターを忘れてはいけない。
【面白かった点、小ネタ】
・ティモシー、ビルとベン主役回。
・エキストラのエドワード以外、スティームチームが一切登場しない珍しい回。
・ベンを煽るビル。
・ビルに負けたくないがために石炭を待たずに出発するベン。
・ポーター「おい、気を付けてよビル…、ベンだったかな?」
・ソルティー「気をつけろベン…ああ、ビル…紛らわしいな」
・ブレンダムからクレイピッツまで競争するビルとベン。
・浮かれすぎてマリオンの話を真面目に聞こうとしないベン。
・さりげなく2回も"掘れなくなること"を心配するマリオン。
・ビルとベンのおかげで道がふさがれているのに、彼らの隣を通り抜けていくマリオン(CGミス)。
・ティモシーのアドバイスを聞こうとしないビルとベン。
・自ら真ん中の機関車になり、力を見せるビル。
・速さを競争しあうビルとベン。
・ふざけ過ぎてティモシーと正面衝突しそうになるベン。
・ベン「ナーナナナーナ」(舌を出しながら)
・しつこいティモシーをいじめるただの悪がきなビルとベン。
・仲間外れ扱いされるティモシー。
・ベンの石炭入れがアップで映る。
・ティモシーの汽笛から蒸気が噴き出いるときにソルティーの警笛が鳴る(SEミス?)。
・どっちが先に石炭を入れるかで喧嘩になりそうになるビルとベン。
・ビルとベンに感謝をさせるマリオン。
・マリオン「それから?(威圧)」
・なんだかんだで笑顔で許すマリオンとティモシー。
ティモシー、正式にTVシリーズ初登場。双子のビルとベンと一緒にクレイピッツで働く、小さな青いタンク機関車。とてもフレンドリーで親切だけど、お人好しで騙されやすく、よく双子に利用される。燃料は石炭ではなく、島ではあまり見かけない珍しい油。アクターはティム・ウィットナル。モデル機はニューヨーク市のベル・ロコモティヴ・ワークスで製造された、オープンキャブの油炊き蒸気機関車。
罐に石炭をくべるシーンは、たとえ無駄にしてたってなんだかワクワクします。
【流れと感想】
長編キャラクター主役、準主役回ラッシュ。今回はティモシー。どちらかというと準主役ですが。
朝焼けに輝くある日のブレンダム港。いいね。ビルはクレイピッツで使う機器を、ベンは石炭を運ぶためにそこへ来ていた。ビルの支度は整っているが、ベンはまだ石炭を待たなくてはならない。ビルはそんなベンに「僕が一番にクレイピッツにつくね」と煽る。闘争心を燃やす負けず嫌いなベン。石炭を待つことを忘れ出発。双子は競争を始める。「負けたら〇〇(汚物)な!」みたいに一人真剣になって挑むベンを見てると、なんだか懐かしい。よくやったよね、こういって最終的に勝ったら敗者をしょうもないことで見下すっての。港を飛び出していくビルとベンに「どっちだ?」と首をかしげながら注意を呼びかけるソルティーとポーターが面白い。双子は気にも留めないけどね。
『Old Reliable Edward』同様、別の線路へ割り込むのは危険だけど、ビルの前に出て最終的に競争に勝ったベン。貨車は空のまま。競争に勝ったことでいい気になって、マリオンの話をまともに聞こうとしない。彼女は自分たちが走ったり掘削作業をするには石炭が必要不可欠だと伝えたが、ベンはティモシーには関係ないだろうと指摘。
確かにティモシーは別。何故なら彼は石炭ではなくオイルを燃やして走る蒸気機関車だからだ。油炊きの蒸気機関車は彼含めこの島に僅かしかいないので、とても特別。彼自身も自慢に思っていた。(ファンから見れば霧島勢の入れ代わり)。
でもマリオンが言いたいのはそういう事じゃない。ビルとベンはホッパーの石炭を使い果たしたら自分たちがその後どうなるか、どれだけ必要なモノなのかなんて真面目に考えていない。「そのうちやるよ」とほったらかし。夏休みの宿題をやらない子供のよう。
ティモシーのアドバイスもおちょくるかのように華麗にスルー。双子は再び競争を始める。今度はどちらが速く効率よく貨車を運べるかがテーマだろう。ビルは自ら真ん中の機関車になって陶土の貨車と機器を積んだ貨車を同時に運ぼうとする。でもビルの小さなボディと力では大量の石炭を燃やさないと動けない。(それでもちょっとしか動けないが)。石炭を無駄に消費していく機関助士。
ベンは速さのみを極めるのか、少ない貨車を牽いて速さを証明しようとする。すると、反対方向からやってきたティモシーと正面衝突しそうになる。ベンは相変わらずふざけっぱなし。そしてこの表情よ。ナーナナナーナ ナーナナナーナ。
一緒にふざけあうことができない真面目すぎるティモシーに突っかかってくる双子。給油中の彼の背後から突然汽笛を鳴らして驚かしたり。でもティモシーは面白くない。危うく事故になりかねないところだったと注意をする。そんなティモシーをつまらない奴だといい、燃料が異なることをいいことに仲間外れ扱い。自慢に思ってるだけに、深く傷ついただろうな。彼らが油炊きのティモシーを軽蔑しているのは、恐らく蒸気機関車の本質的なディーゼル機関車に対する敵対意識が出ているのかもしれない。
ビルとベンが石炭を補給しようとホッパーの前に止まっていると、いつものようにガラガラと石炭が出てこない。とうとうクレイピッツの石炭を使い果たしてしまったのだ。ベンが石炭を運びに行かなかったために、双子は立ち往生。それに競争で石炭を無駄に消費してたんだから自業自得。石炭の大切さをようやく理解。双子はティモシーを見つめて石炭を持ってきてほしいと頼み込む。ティモシーはマリオンも困っていることを把握すると、仕事の効率を優先すべきと判断したのか、文句ひとつ言わず港へ出発。
石炭を受け取り、ホッパーに積み込む。自分たちの行いに反省の色が見られないビルとベンに、マリオンが「ティモシーに何か言う事があるんじゃない?」と、双子に感謝を求める。最初は恐る恐るティモシーに感謝と謝罪をするけど、やっぱりふざけ交じりでティモシーの機嫌を取ろうとするビルとベン。だけど、なんだかんだでティモシーもマリオンも笑顔で許すのだった。なんて暖かい職場だろう。どっかの機関庫と違って。
展開は序盤の方からわかりきってたけど、全然つまらなくはなかった。寧ろ安心感があるし、和解の仕方はいかにもトーマスっぽいなと感じました。レギュラー勢の出番が全くないのもこれまた初期っぽい。だからと言って新キャラのみではなく、S02からいるビルとベンが主役で登場スポットも昔からある場所なのがミソ。登場キャラクターのこだわりを感じます。今まで嫌というほど出てきたトーマスの出番が近頃減ってきてるのは個人的にうれしいです。
ビルとベンのウザさは相変わらずだし、以前よりもタチの悪いいじめかたをしてたけど、なんか憎めないんだよね。それに競争シーンやおふざけはコミカルで面白くて、可愛い。
ティモシーはこれまた聖者ですね。双子のお兄さん的存在なんだけど、ボコと同じかと言えばそうではなくて、すごくいじられやすく自分一人では彼らをまとめることはできない。彼らをまとめられるのはマリオンがいてこそ。あの時マリオンがいなかったらティモシーはビルとベンを暫くの間見捨てていたかもしれない。それにビルとベンはあの後反省すらせずまたティモシーをいじめてたかも。だからと言って役立たずというわけではない。穏やかで真面目な彼がいたからこそこの暖かい職場ができているのではないだろうか。あと、つぶらな瞳と小さく回転するロッドが可愛い。
2つ前のお話を見た限りだとマリオンはただのおしゃべりと掘削好きなクズだと思ってたんだけど、意外としっかりしてるんですね。相変わらず掘ることばかり考えてる印象もあるけど、ビシッと双子を叱れる。今回は特にクレイピッツのリーダー的存在というか、まとめ役なお姐さんというか、S06以降のメイビスポジションでしたね。(たぶんリーダーはティモシーなんだろうけど)。特に最後の威圧気味で感謝と謝罪をさせるシーンは面白かった。ティモシーとマリオンはお兄さんお姐さんというより、双子の両親ともいえる存在だろうか。この2台もいいコンビですしね。
…ところで、機関士が溜息だけだけど声を上げた件に関しては、次期または次の次で喋りだすってことに期待してもいいんですかね? …いや、これくらいで期待しちゃいけないか。
【日本語版について】
タイトルは「せきたんがないビルとベン」。11月2日にBパートとして「ゲイターにあいたい」と同時放送。
[面白かった点、小ネタ]
・ベン「僕が勝ったいっちばん ゴミの貨車は君だ♪」
・マリオンの声優は森千晃。
・oil-burning steam engine→ 重油燃焼式の蒸気機関車
・ティモシーの声優は岩崎卓也。
・ベン「あっかんべーだ」
今回新たに加わったティモシーは岩崎卓也さんという方が演じられました。それから、クレジットには省略されてしまいましたが、マリオンは森千晃さんが演じられたそうです。2台ともすごくキャラとマッチしていて素晴らしかったです。
総合評価:8/10
次回はスペンサー主役と思いきや…? 「Spencer's VIP」です!