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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

きかんしゃトーマス 第18シーズンレビュー 15

※この記事にはネタバレが含まれています。

 

 

 

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S18 E15 「Spencer's VIP」 (スペンサーとふくだいじん)

脚本:アンドリュー・ブレナー

内容:本土から戻ってきたスペンサーはVIPなお客を連れてくるが、線路を間違えてしまい…

【高評価点】

・各機関車の機関士たちが一斉に点検しているシーン、いいね。

・スペンサーの走るルートが地図に忠実。

・一見すると一昔前のCGシリーズのような流れに見えるにも拘らず、ハット卿が運輸サービスの優秀賞をもらったり、特別な来訪者が副大臣であるという設定が妙に現実的で素晴らしい。

 

【低評価点】

特になし

 

【面白かった点、小ネタ】

・スペンサー及びソドー島の機関車たちの主役回。

・ハット卿が車のドアを閉めた音で目を覚ますトーマス。

・特別な仕事を持ってティッドマス機関庫にやってくるハット卿。この流れは久しぶり。

・VIPを「vee-eyed-pea(直訳すると"V字目をしたエンドウ")」と聞き間違えるパーシー。

・本土の建物はナップフォード駅前の時計塔の流用。

・VIPこと副大臣初登場。

・伯爵同様、ソドータイムスを読む副大臣

・ケルスソープ駅で、スペンサーがスピードを上げて通過したおかげで乗客の帽子が吹っ飛ぶシーンは、S10「トーマスとかぜ」を彷彿とさせられる。

・エドワードの客車が消えているシーンがある(CGミス)。

・信号を無視するスペンサー。

・信号手がスペンサーをエドワードの支線へ誤って引き込むシーンはS02「しせんをはしったゴードン」を彷彿とさせられる。

・何故か動物園駅のプラットフォームにいるキリン。

・クレイピッツを走るスペンサー。

・何故か線路わきに貨車が無造作に置いてある(CGミス?)。

・嬉々と副大臣から渡された新聞紙を受け取って目を通し、ソドータイムスだとわかると、付き人に渡して副大臣を追うハット卿。

・売られた喧嘩を買うトーマスとジェームス。

・エピソードを通して、ナップフォードJCTの信号と複雑なポイントレールが消えているシーンが多数あり(CGミス)。

・相変わらずナップフォードJCTに慣れていないトビー。(マスターしているようだが、ゴードンが迷惑そう)。

・乗客の目の前で後悔するスペンサー。シュール。

・かっこよく決めようと駅前で急ブレーキをかけるジェームス。

・そのせいで客車がぶつかり合い、乗客のバッグ類が吹っ飛ぶ。

・ジェームスの失敗を笑うことに夢中で、プラットフォームに着く前に停車するゴードン。

・信号無視したおかげでオリバーと正面衝突しそうになるダック。

・このシーンでオリバーのスケールがどれだけ小さくなっているかが判明。

・ダック「物事には二通りのやり方があるんだよオリバー。グレート・ウエスタン流と…」

・オリバー「…ダメダメ流(wrong way)だろ、わかってるよ。でも君は間違った道(wrong way)から来たよ」←うまい

・急ぎのあまり、作業員の合図をチェックせずに出発するトーマス。

・そのおかげで石炭を被るアニーとクララベル。

・クララベル「客車に石炭はいらないわよ!」

・反省したスペンサーを見直し、全て許す副大臣

ディーゼル機関車型のトロフィーをハット卿に渡す副大臣

 

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信号無視したせいでエドワードの支線及びクレイピッツに迷い込んでしまったスペンサー。もちろんこの後ビルとベンにからかわれる。このシーンのカメラワークがなんか好きです。 

 

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 本土の副大臣(次官?)初登場。アクターはティム・ウィットナル。モデルの人物は不明。ところでこのBRクラス08のトロフィーはなんなのだろう。

 

 

【流れと感想】

 『勇者とソドー島の怪物』のネタバレを避けるためにとすっかり間が開いてしまいました。これ以降のS18レビュー記事自体は昨年9月~今年1月に書いた物なので、少し古い情報が載ってるかもしれません。(見つけ次第追記していきますけどね)。

 

 朝焼けの機関庫で機関車たちが一斉に点検されながらウトウトしているとトップハム・ハット卿が"特別な知らせ"を公言するためやってくるところから始まる物語。つい最近まで呆れるほど散々行われた流れなのに久しぶりのように思えるのは何故だろう。

どうやら政府からV.I.Pが来訪するらしい。そのV.I.Pとは"deputy minister"、つまり副大臣、もしくは次官ということだろうか。運輸省の者らしく、ハット卿はこのお偉いさんから運輸への貢献についてお言葉を頂いたようだ。なんと現実的な。これまで機関車たちにとって割とどうでもいいような"特別な仕事"や"特別な知らせ"ばかりだったのでこれは新鮮だ。まさしくこれぞ鉄道らしいというか、きかんしゃトーマスらしいというか。

いつものように「自分が迎えに行きます」と主張するゴードンだが既にスペンサーが副大臣を乗せて駅に向かっている。しかしこのスペンサー、相変わらずの自惚れ屋。スピードが自慢の彼は早めに到着しようと副大臣の忠告を聞きもせず、S10「トーマスとかぜ」のようにケルスソープ駅で紳士の帽子を吹き飛ばしたり、エドワードの通過を待たずに信号を無視したり。おかげで彼はエドワードの代わりに彼の支線に入り込んでしまう。S02「しせんをはしったゴードン」のオマージュですかね。

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動物園のそばを通り過ぎる時、ゾウの鳴き声で異変に気付いた副大臣だが、専用機関車としてのプライドなのかスペンサーは何があっても止まろうとはしない。そのまま彼らはクレイピッツで迷子に。ここでようやく線路を間違えたことに気付く。頻繁に島に来てる割には地理を把握できてないようで。しかし、KOTR序盤のブルーマウンテン採石場のシーンもそうだったけどこれまた妙な光景だこと。

ナップフォード駅に到着したころには当然予定よりかなり遅れており、副大臣はカンカン。ハット卿がお褒めの言葉に期待する中、返ってきたのは満足できないとの批判とスペンサーを非難する言葉。ハット卿にとって非常にまずい状況だが機関車たちにとってはいかに自分たちが優秀かを副大臣に見せる大きなチャンス。こうして、誰が副大臣を本土へ連れて帰るかの争いが始まった。この光景は「じょおうへいかがやってくる」など多数のエピソードを彷彿とさせられます。中には意外な仲間も争奪戦に参加している。(個人的にエドワードが参加していなくてほっとしてます)。

皆が走り回ってる中、スペンサーは自分の非を素直に認め、深く反省している。こいつも成長したな。馬鹿みたいに争奪戦に参加している機関車たちよりも断然賢く見える。

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 一方他の機関車たちは誰もが他の輩より速く走れることを証明しようと必死に走り回る。ここからの流れが面白い。

旅客列車を引っ張っていたジェームスは1秒でも早く駅に着こうと急ブレーキで停車。長く働いてるくせに少しでも調子に乗るとこんなことをするものなのか。おかげで客車と客車がぶつかってE08と同じように乗客はくらくら。急行を牽いてきたゴードンはジェームスをからかかう事に集中したあまり、駅に到着する前に停車してしまったり。ジェームスの方が危険だが一歩上手というw

皆がそろって至る場所で酷いケアレスミスを起こす。速さを競う事ばかり考えていたダックは赤信号を無視したおかげで反対側からやってきたオリバーと正面衝突しそうになったり。完全にダックが悪いのに自分に非があることを自覚せずグレート・ウエスタン流とダメダメ流(wrong way)をオリバーに教えようとするダックに対し、「間違った道(wrong way)からきたのは君だ」とオリバーに返されるのがまた面白い。ダックもアホになったな…。(オリバーのスケールに関しては散々突っ込まれてるのでここでは省略します)。

中でもトーマスの失敗は特にひどい。石炭が補充してる間、焦っていたのか作業員がチェーンを上げる前に走り出してアニーとクララベルに石炭が被ってしまう。一体どういうミスだよ(笑) 作業員もチェーン上げろよって。

 

一日が終わるころには問題を起こした機関車全員が「普段より張り切りすぎるとかえって多大な失敗を招くことになる」とハット卿に叱られる。あの中にトビーも居たってことは彼も何かしたのかな。

ハット卿が車で副大臣を送ろうと駅を出ようとすると、すっかり反省したスペンサーがダメもとでチャンスを求める。すると副大臣はすんなり受け入れてくれた。「スペンサーの言うとおり、誰にでも二度目のチャンスが与えられるべき」と。これまで散々繰り返されてきたあの天丼と同じ流れなのに、この言葉で妙に納得してしまうのは何故だろう。「今日の失敗は忘れて明日にもう一度訪問するからその時に真のソドー鉄道を見せてくれたまえ」と主張。なんて優しい副大臣なんだ。

日を改めて副大臣がもう一度来島。教訓を心得て、一つ一つの物事をしっかりとこなすように努力する機関車たちの姿を見て副大臣は感心。ハット卿に運輸省からのトロフィーを授与。何故クラス08の形のトロフィーなのかは不明(無煙化推奨の暗示?)だが、これにて一件落着だ。めでたしめでたし。

 

 

僕が期待してた以上に面白かった。非常に過去作のパロディ要素の多い回でしたね。「トーマスとかぜ」「しせんをはしったゴードン」「じょおうへいかがやってきた」「はたらきもののきかんしゃ」「みんなあつまれ しゅっぱつしんこう」など連想させられるエピソードが多数ありました。

全体を通してS09~12,13~16のような流れであったにもかかわらず、全然つまらないと思うことはありませんでした。寧ろ教訓もはっきりしてるし道徳的で面白かった。人気キャラクターも勢揃いで賑やかだったし、各キャラクターの失敗は酷かったけどコミカルで面白いし、なにより"副大臣から運輸サービス賞を授与する"ってのが原作っぽくて非常に良いコンセプトだと思いました。難しいことは僕にはよくわからないですけどね。

 

 

総合評価:9/10

 

 

次回はゲイターとトード主役回、「Toad's Bright Idea」です!

トードは今シーズンで2度目の主役となります。