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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

きかんしゃトーマス 第18シーズンレビュー 16

※この記事には、今年春公開予定の映画「勇者とソドー島の怪物」のネタバレが含まれています。

閲覧は自己責任ですが、特にご覧になられていない方は、この記事を閲覧されないことを強く推奨します。

 

 

 

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S18 E16 「Toad's Bright Idea」 (ゲイターとトード)

脚本:デイビー・ムーア

内容:帰りの船に間に合うようオリバーの代わりに急ぎ足で貨車を牽くゲイターだが、トードは彼のランプが故障している件について指摘する。

【高評価点】

・トードの性格とブレーキ車としての特徴がふんだんに活かされている。

・忠告してくれる人の有難さとランプの大切さを学べる。

・単なる尺稼ぎかもしれないが、ポイントによる路線切り替えや方向転換をしに行くシーンにこだわりを感じる。

 

【低評価点】

・ゲイターがダックの支線で働くのを知るシーンやパーシーとすれ違うシーンなどあまりにも矛盾が多く、ジェームスとのシーンと繋げたかっただけのようにしか見えない。TOTB本編と違い、貨車に防水シートがかかっていないなど、同じ時系列であるにもかかわらず統一されていない部分も多い。

 

【面白かった点、小ネタ】

・ゲイターとトードの主役回。

・『勇者とソドー島の怪物』のサイドストーリーとして描かれている。

・話の構成としてはS12「ジェームスのたいあたり」と似ている。

・ゲイター「僕はコンテナじゃないんだよソルティー」

・オリバーとトード、ゲイターと初対面。

・ランプが消えた状態のゲイターに絶叫するオリバー。

・叩くと一時的に直るランプ。

・急ぐことしか考えてないのか、貨車に対して良いイメージを持っていないのか、トードの忠告を無視するゲイター。(本人曰く怪物呼ばわりされることに苛ついていたようだが、物語を通してトードに対しての表情と態度を見るに後者が妥当かも)

・ジェームスがゲイターを見て絶叫するシーンがこの回の中盤でリンクする。一部の映像は流用だが音声は新録。

・初めて怒りの表情を見せるトード。

・トードの言及で"砂利の採掘場"が登場。アールズデールへの伏線か、SCCの事か?

・やむを得ずブレーキをかける正義感の強いトード。

・トードの忠告があまりにもうるさかったのか、彼と連結を切り離すゲイター(の乗務員)。

・すぐに自分の過ちに気付くゲイター。

・トード「機関車がスピードを出しすぎて危ないとき、減速させるのが僕の役目ですから」

・自分のテイルランプの片方をゲイターに貸すトード。(ここでトードのランプは赤から白に切り替えが可能という事実が判明)。

・トード「僕は滅多なことじゃ驚きませんから」

・↑といった瞬間に鳴った船の汽笛に驚くトード。

・ゲイターとトードが別れ際の会話をしている間に出港する船。

・船の汽笛の後に何故かゲイターのランプが点灯。急行用の標識灯に。

 

 

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今回の主役コンビ。トードがいっぱい活躍してくれててぜるさん嬉しいよ。

 

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 ゲイターと初対面のオリバー。実は製造された年が同じな2台。

 

 

【流れと感想】

  ゲイターがいよいよ正式にTVシリーズに登場すると聞いた時は新しいものが好きな僕としては期待が半分、そして「もうくるのか」と半分ゲンナリしていましたが、番組説明から漂うサイドストーリー感(?)はワクワクしてました。

 

 上記のとおりどうやら今回のお話はTOTB基い『勇者とソドー島の怪物』のサイドストーリーで、物語中盤のパーシーが"勇敢"について学ぶ場面~ジェームスがフラインぐ・キッパーを牽く出来事の夜間、ゲイターは島で何をしていたのかが描かれている模様。長編の後日談であるE13「Missing Gator」同様TVシリーズでこういう話をやるのは初めてなのでとても新鮮ですね。ただ長編を見てない人には「なんでいるの?」といった疑問を抱きそう。

いつも活気にあふれ賑わっているブレンダムの港で暇そうに佇む一台の機関車。彼こそE13でまるで死んだかのようにちょくちょくと回想で登場していたゲイター。ソドー島に派遣されて暫く働いていたがそろそろ帰る時間。しかし船の到着が遅れておりゲイターはそれを待っているのだった。それでも自分だけ仕事がないのを不平に思うゲイター。夜になって港の主任がゲイターのそばへやってくる。オリバーが船に積む荷物を運ぶ途中、ダックの支線で故障してしまったらしく、ゲイターが代わりに運ぶことに。あれ、でもおかしい。TOTB本編では昼間(パーシーに"勇敢"について語る場面)の時点でダックの支線で働くことが決まっていたはずだ。それにその時は貨車も牽いていたし。むむむ…、早速辻褄が合わない演出だが、どちらのフラグも立っていなけりゃパーシーが成長しなかった、オリバーの故障も関係なかったわけだし仕方ないか…?

ゲイターは嬉々とオリバーの元へ。ところが接触が悪いのかランプが消えた状態だったため、オリバーはびっくり。そういえばパーシーが彼と出会う時もランプが消えてた状態だったな。オリバーに言われて気づいたゲイターの機関士はコンコンと叩いてランプを再点灯。ランプって叩いて直るものなのかw

どこかで方向転換し、トードにも挨拶をしたゲイターは貨車を連結して走り出す。ところが出発して間もなくまたランプが消灯。すぐに止まって点けるべきだと主張。さすが先頭車両をサポートするだけある。ゲイターは何故か不満そうだけど。仕方なさそうにランプを点灯させるため分岐点で止まるゲイター。そこへ反対の線路からジェームスが。

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…なるほど、ここに繋がるわけか。TOTBを見た人なら思わず「ああ!」となるような、ならないような。あのシーンでトードを牽いていたと思うと個人的には結構胸熱なんですが(笑) でもゲイターとジェームスが遭遇した分岐点って一体どこなんだろう。ゲイターがダックの支線から走り出して間もないということはループ線(ウィルキンソン地図参照)かな。驚いたジェームスはUターンしてウェルズワースの方まで戻っちゃった感じかしら(そもそもジェームスは何処に向かってたんだ?)。それにしてもパーシーにしろジェームスにしろ暗闇の中ランプがないだけでモンスターに見えるものなのかな。蒸気も出てるし線路の上にいるのに。まあ自分が神経質になった状態で突然ライトをつけずに走る自動車にクラクション鳴らされ(または運転手に声をかけられ)て驚くのと同じか。

 

 暫く走っていると今度はパーシーとすれ違う。(このシーンも本編を見てる人からするとなかなか謎)。ここでトードはまたゲイターのランプが消えていることに気付く。正義感が強く真面目なトードはゲイターに何度も忠告するが安全より船が優先と考える当の本人は無視。終いには安全を有する為トードが自分の車輪の犠牲してまでブレーキをかける始末。まさにブレーキ車の鑑。

ところがそれがきっかけで不機嫌になったゲイターはトードがあまりにも鬱陶しかったのか彼をおいて港へ進むという強行に。トードと会うのが初だから彼のことがよくわからないのは仕方ないとして、ゲイターがいつも働いてる鉄道でも貨車はここと同様に悪戯好きであまりいいイメージがなかったのかな。貨車なんかに命令されたくはないと。もしくは自分の性能故に普段からブレーキ車をつけてないとか。資料によれば自分で貨車のコントロールができるくらい高性能みたいですからね。ゲイターって良くも悪くも強がりですよね。

そのままトードを置いて走り出すゲイター。しかしすぐに線路にばらまかれた砂利に気付いて緊急停車。トードの言った通りでした。視界が良くないまま砂利だらけの線路をスピードを上げて進むのは危険ですからね。船を急ぐゲイターにとってはもし脱線したら元も子もない。

砂利と聞いてアールズデールやキルデインを彷彿とさせられるのは僕だけでないはず。ダックの支線が出たから最初は僕もアールズデール鉄道が登場する伏線かなと思ったんですが、砂利落としのあるアールズバーグはブレンダムとは反対方面だし、ジェームスを追いかけた後なら既にエドワードの支線にいるはずだからクレイピッツのことかもしれない。(なぜグラベルピッツって言い換えたんだ?)。となるとビルとベンが乱暴に貨車を振り回す様子が目に見える。それにしてもこの分岐点もなかなか謎。

大人しく戻ってきたゲイター。自分の過ちを把握し反省するも、ランプがもう点灯しないので動こうにも動けない。落ち込んで途方にくれているゲイターを見たトードは、そこである名案を閃くのだった。

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それは自分のテイルランプの一つをゲイターに貸すということ。なるほど、その手があったか。思わず僕も「ポン」と手を叩きました。しかもテイルランプって赤から白に切り替えられるんですね。全然知らなかった。

少しギリギリだったもののスムーズに港につけたゲイター。トードにお別れの挨拶をするついでに、今晩の事を謝罪。TOTBではそんなに気にしてなさそうに見えたけど、割と怪物呼ばわりされることに腹を立てていたようでつい苛立ってしまったのだとか。そうこうしているうちに船のホーンが港一体に鳴り響く。こうしてゲイターはまだソドー島に滞在することになったのでした。

 

 

ちょっと期待はずれだったけど悪くはなかったです。E13「Missing Gator」の後すぐに放送され、(番組説明文を除き)なんの説明もなく始まったのでTOTB未視聴者の間では「なんで島にいるの?」と疑問を浮かべる人も多かったのは確かですが、それを除けば長編を見ていない人でもとくに矛盾なく十分に楽しめる内容だったと僕は思います。しかし内容そのものが薄く(E13よりはマシ)、矛盾点が非常に多くてサイドストーリーとしては残念だったなと。

だけどもランプの重要性や、トードの性格とブレーキ車ならではの特徴が活かされていることは大変評価したい。ゲイターの本来の性格とも言えそうな彼の本心もこの回でなんとなくわかりました。

視聴者の間で「尺稼ぎ」という意見が多かった、フルで流れる方向転換や路線変更の演出は僕としては拘ってるなと好感を持てました。ニトロゲン時代は瞬時に謎の方向転換をする傾向があったので、それを見てきた後だとなおさら。

 

今期のトードは他の機関車の列車につくという出番ばかりでしたね。それもそれで新鮮味があって悪くない(基本僕としてはなんでもオッケー)けど、またオリバーとの夫婦漫才が見たいなと実感しました。しかし、トードのキャラが濃すぎる半面、相方のオリバーってホント無個性ですね。

 

 

総合評価:8/10

 

 

次回はクリスマスエピソード。