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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

きかんしゃトーマス 第18シーズンレビュー 19

※この記事にはネタバレが含まれています。

 

 

 

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S18 E19 「Duncan the Humbug」 (ダンカンはもんくばっかり)

脚本:デイビー・ムーア

内容:1日不平をこぼすことなく過ごせばペンキを塗り替えるとMr.パーシバルと約束したダンカンだが、…

【高評価点】

・ダンカンの性格がふんだんに活かされている。主役が誰でもよかったような「Duncan and the Grumpy Passenger」に比べより適役に思える。

・最もダンカンと繋がりが深いラスティが彼の保護者的立場及び準主役なのが良い。彼の賢さが活かされてるのも良し、何気にS09の音楽好き設定が活かされているのも評価点。

・ほんの一瞬だが朝焼けのレニアス高架橋のシーンがとても美しい。

 

【低評価点】

・トーマスの登場に意味はあったのだろうか。

 

【面白かった点、小ネタ】

・ダンカン主役回。

聖歌隊に紛れて「天には栄え」を歌うノランビー伯爵。(ボイスはない)。

・劇中では「天には栄え」、「三隻の船」、「我らは来たりぬ」、「クリスマスの12日」、「世の人忘るな」などのクリスマスソングがアレンジされて各場面で流れている。

・チャールズ・ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』でいうスクルージな立場のダンカン。(「Bah, humbug」は彼の口癖であり、全体的な元ネタはその作品)。

・レニアスの貨車からスレートが消えるシーンがある(CGミス)。

・ダンカンの文句を聞いても特に気にしてない様子のレニアス(慣れっこだから?)。

・ダンカンの文句を聞いて一瞬しわを寄せるも平常心を保つラスティ。

・ダンカンの態度で乗客が幸せな時間が台無しになるのを見て気が滅入るスカーロイ。

・スカーロイ、レニアス、ラスティがそろってダンカンの愚痴をこぼすシーンはS06「どろんこダンカン」を彷彿とさせられる。

・ダンカン「そうかい。スタンダードゲージの奴らはいつも特別扱いだな」

・機関庫のシーンで手前に貨車が出現したりダンカンの客車が出現したり(CGミス)。

・ダンカン「大勢のお客を乗せたり、季節ごとに変わる時刻表を覚えたり、寒さの中待ち続けたり、顔に虫がぶつかったり…」

・レニアス高架橋がS10以来久々に登場。

標準軌のレールを走って整備工場へ行くダンカン(CGミス)。←工場内の転車台より、こっちもそろそろ三線軌条にしてほしいかも。

・Mr.パーシバルに指摘され全力で否定するもすぐに弱腰になるダンカン。

・E11と異なり、不平屋を自覚しているダンカン。(パーシバルの前では素直なのが可愛い)。

・10両以上の貨車を牽くルーク(ちなみに彼の牽引力は高山鉄道中最弱)。

・ぎこちない笑顔と態度を見せるダンカン。

・ゲート付きの踏切、高山鉄道では初登場。

・クリスマスソングを嫌うダンカン。

・一緒に「クリスマスの12日」を鼻歌で歌いながら走ってくるラスティ。シュール。

・ルークと初めて会話するダンカン。

・鼻にツリーの先端が刺さるダンカン。

・種明かしの際ダンカンに皮肉を言うラスティ、ルーク、パーシバル。

・「ああ、くだらねぇ」と言いつつも微笑みを見せるダンカン。本当はいい奴。

 

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レニアス高架橋(陸橋)が第10シーズン以来の登場。美しい画に思わずうっとり。

 

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 Mr.パーシバルとの約束で、ペンキを塗ってもらうため一日不平をこぼさず過ごそうと努力をするダンカン。捻くれ者の彼には難しい様子。そのぎこちない笑顔が本当に面白い(笑)

 

 

【流れと感想】

 ずっとイカばっかやってたので更新が遅れました。(本当はUS版S19のDVDが発売される前に全部投稿したかったんだけど…)。今回は2つ目のダンカン回。発表当時僕はどう思っていたかは忘れたけど、いつものように過度な期待はせず楽しみにしてたんじゃないですかね。

 

 ソドー島のはクリスマスの季節。機関車たちにとっては忙しいけどとても幸せな気分になる時間。しかしダンカンは違った。高山鉄道の中で最も捻くれ者の彼はクリスマスが嫌いらしく、乗客の幸せそうな表情を見ては「Bah, Humbug!」と不貞腐れる。御存じの通り、ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』の主人公スクルージと同じセリフですね。「ああ、くだらない」という意味です。ハンバーグではない。そしてお約束のS9~12潰し。

ケチケチしながらあちこちに不平や文句を吐き散らしながらクロヴァンズ・ゲート駅へ走るダンカン。彼はせっかくプレゼントを渡しに再会した幸せそうな親子を汽笛を鳴らして急かしたり。これには駅員も不機嫌に。

 ダンカンの言動、行動をそれぞれ見ていたスカーロイ、レニアス、ラスティーはクリスマス気分を彼にぶち壊されてうんざり。機関庫の前に集まってダンカンの陰口を言い合う様はまさに「どろんこダンカン」などS06~07の高山回を意識してそうですね。レニアスはそれほど気にしてなさそうだったけど、本当は心にため込んでいたのだろうか。

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ここで何故かトーマス登場によりどこかS9~16臭が漂う(苦笑)

「これを見ればダンカンも幸せな気分になれるさ」と、機関庫に飾られたイルミネーションが点灯。何故トーマスが知っていたのかはあえて触れないでおこう。しかし雪の事で文句を言いながらやってきたダンカンに、一瞬で雰囲気をぶち壊される一同。一日だけでもダンカンの文句をやめさせたいスカーロイとレニアス。賢いラスティには何かいい策があるようだ。それにしてダンカンの文句がいちいちリアルで面白い。

翌朝早く、ダンカンはペンキを塗ってもらうため整備工場に向かうと、そこではMr.パーシバルが彼を待っていた。彼は不機嫌そうな顔でダンカンのそばに近寄ると、「君の文句のせいでみんなが迷惑している」と指摘。「明日一番にペンキを塗ってもいいが、今日丸一日明るく過ごすこと」と条件を出したパーシバル。ダンカンは少しためらうも、どうしてもペンキを塗ってもらいたい彼は快く了解。

 

 丸一日明るく過ごすなんて簡単だというものの、いつも不貞腐れているダンカンにはどう考えても難しそう。何故ならものすごく笑顔がぎこちない。なんだその顔は(笑)

決まり悪そうにぎこちない笑顔と無理やり明るい態度で振る舞うダンカン。それを目の当たりにしたスカーロイもレニアスもなんだか変な気分。そりゃあ無理に態度を善くさせられてる仲間を見ても調子狂うだけだろうね。ダンカン好きな視聴者の僕としてはめちゃくちゃ面白いが。

ダンカンにとって順調に事が進んでいるものの、そう長くは続かない。踏切では遮断機が凍りついており、そこで待たなくてはいけない。乗客たちはその間「クリスマスの12日」をハミングし始める。でもダンカンはクリスマスソングが嫌いらしい。ロック以外の音楽、たとえばクラシックみたいなのはダンカンにとって苛々させる原因に繋がるのだろうか。とっととやめさせようと汽笛を鳴らそうとしたその時、ラスティがハミングしながらやってくる。ナイスタイミング!

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今度は丘を登る途中、車輪を空回りさせているルークの後ろにつかえて立ち往生。下がってきたクリスマスツリーがダンカンの鼻に刺さって痛そう。これにはさすがに我慢していたダンカンもキレる。でもルークが砂を使い果たしたことと、自分の態度でルークが傷ついていることに気付くと、何も言わずに自分の砂を撒いてルークを後押し。なんていい先輩だろう。ルークは喜んで礼を言ったが、丸一日明るく過ごせなかったダンカンはすっかり落ち込んでしまう。その一連の様子をラスティは丘の上からちゃんと見ていました。

翌朝、Mr.パーシバルに一言謝ろうと整備工場に向かうダンカン。しかしパーシバルは怒ってなどいない。寧ろけろっとしてルークを救ったことを褒め、新しいペンキを塗り替えるご褒美を与えた。そう、すべてはラスティがひそかに立てた計画だったのだ。ここで「じゃあもう文句を言っていいんだ」と考えるのではなく、「今度からなるべく明るく過ごすようにする」と克服しようと心がける姿勢を表すダンカンは、ほんとはいい奴だなと実感しました。しかし「文句ばかり言ってるけどそれが君らしさなんだよね」とラスティとルーク、そしてパーシバルに皮肉を言われながらメリークリスマスと挨拶されるダンカン。最後まで「Bah, Humbug」と不平をこぼすダンカンだけど今は何処か幸せそうだ。きっと冗談で言ったんだろう。だけどもパーシバル達にそんなこと言われちゃ、今後から「なるべく明るく振る舞う」ことはなさそうだけどね。

 

いかに短所を克服した状態でいられるかより短所を克服しようとする姿勢や努力そのものが重要、そしてお祭り気分のときはみんなが気持ちよく過ごせるよう配慮しようという教訓でした。今回も心がほんのり温まった。

 E11「Duncan and the Grumpy Passenger」がS04ならば、今回のお話はS05~07みたいなお話といったところでしょうか。少なくとも僕はそう感じましたが、S06~07と比べてよりダンカンらしく、E11より適していたエピソードだったと思います。S10全否定ですが(笑) 今回も彼の現実味のある文句が面白かったし、ぎこちない笑顔が何より面白かった。ダンカンもそうですが、彼との絡みも多く繋がりが深いラスティが保護者的立場、いわば作戦の実行、見張り、感心するのが全てにおいて彼というのが素晴らしかった。スカーロイがお手上げの時は昔から彼が計画を立てるし、そう言った賢さも活かされていて良かった。(僕はスカーロイがすぐに落ち込んだり文句を言われてカッカするのが好きではないけど)。

最高のエピソードとまではいかないが大好きな作品になりそうです。

 

そういえば高山鉄道の除雪って誰が行ってるんだろう。怠け者のフレッドやマークVなど保線組が陰で活躍しているのかな。それとサー・ハンデルがE04のエキストラ出演以降頑なに姿を見せないのは何故だろう。ひょっとしてS19くらいに我儘な性格に戻ってしまうとか…?(

 

 

総合評価:9/10