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Z-KEN's Waste Dump

きかんしゃトーマスのレビューとかやってます

きかんしゃトーマス 第19シーズンレビュー 7

※この記事にはネタバレが含まれています。また記事の感想は個人的な意見です。

 

 

 

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S19 E11  「The Beast of Sodor」

脚本:ベッキー・オーバートン

内容:臆病なヘンリーは一緒に働くスペンサーの雪男の話に脅える。

 

【高評価点】

・霧で隠す描写を一切使用しない演出。

 

【低評価点】

・どうせ雪かきをつけないのならいっそ重連すればいいのに。重連であっても多少違和感あっても衝突ギャグはできたはず。

 

【その他小ネタなど】

・ヘンリーとスペンサーの主役回。

・S15「スペンサーとふかいきり」、S05「ハットきょうふじんのたんじょうび」、S13「スリップにちゅうい」を彷彿とさせられる回。

・頭の上に落ちたつららに驚くスペンサー。

・初めて雪かきを装備するロージー。

・操車場でトーマスが消え貨車が独りでに動いている。(CGミス) 

・オリバーとすれ違う際ヘンリーの汽笛が動いているが音はならない。(SEミス)

・雪を噴き上げるエミリーとトーマス、ハット卿、ロッキーのアームを動かす音を雪男と勘違いするヘンリー。

・牛に追われるハット卿。

・アメリカンコメディでよく使われるスクラッチ音やドラマチックな演出効果が初めて使用される。

・何故か当たり前のようにトーマスのキャブに乗っているハット卿母。

・一晩中雪の中に置き去りにされていたジェームス。

・雪男から逃げようとして故障するスペンサー。

・ハット母「No, you're the abominable controller」

・ハット卿「oh」

・母と牛を隠喩のように捉えるハット卿。

 

 

 

【このエピソードについて】

 DVD『Thomas' Christmas Carol』が発売される前までは一体どういう展開なのか見当もつきませんでしたが後日概要が明らかになり"Henry faces off against an abominable snowman."直訳すると"ヘンリーは雪男と対決する。"というあらすじがパッケージ裏で判明しました。これだけではよくわからなかったがホラー回という事と、またヘンリーがヘナチョコになるんだろうなと薄々勘付いていました。(余談ですがファンの間では"ヘニョリー"と蔑称されていました)。

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今期二度目のヘンリー主役回にして、またしてもヘナチョコヘンリーです。E01とE12の教訓よりも二番煎じ。更に水疱瘡回に比べ教訓・倫理に欠けるだけでなく物語は簡単に言えばシャロン期のごとく平凡な子供向けスリーストライク。これだけ聞くとただのクソな回ですが、そうは思えないくらい僕はこのお話に心の底から笑わせられました。それが今回の最大の特徴ともいえるコメディ要素。S05「ハットきょうふじんのたんじょうび」のようにハット卿がズタボロになるぐらい散々な目に合うハチャメチャな展開です。それこそがシャロン期のスリーストライクと大きな違い、利点です。上記のとおり不満点を忘れてしまうぐらいすごく面白かったです。

そしてハット卿のお母さんの出番では『スポンジ・ボブ』などアメリカのコメディ、ギャグ系カートゥーンに使用されるスクラッチ音や「デデーン」というブラスバンドの演出効果音まで使用されます。これらはシュールで面白いですが悪く言えば他のアメ車が出てくるシリーズより作品のアメリカ臭がすごい。イギリスの作品なのに。

 

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もう一人の主人公はスペンサー。この2台が絡むのは珍しいですし色の相性も良く新鮮でした。S15や『KOTR』のようにティッドマス機関庫で寝泊まりし次の日には諸事情で島で働くことになるといったのはもはやお約束レベル。見飽きた光景ですが彼の扱い方は良かったです。汚名返上しようとありもしない自慢話をして保守的になる様はスペンサーならでは。それにヘンリーを怯えさせすらりと意地悪をする良い立場でした。これらは『TOTB』のパーシーとジェームスに通ずるものがありますね。(個人的には後者の2台より今回の2台の方が自然に思えるので好きです)。

後は重連さえしてくれれば違和感は消えたかも。

 

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ホラー要素のある作品では大抵、霧が立ち込めていたりするのですが、今回では霧の描写を一切使っていません。除雪作業で吹き上げられる雪と何処からか鳴り響く音だけです。不気味には見えないけど冬ならではの演出は高評価点。いつも霧じゃつまらないですから。

 

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水疱瘡回は最後までヘナヘナだったけど今回では最終的に勇気と自信を持ったというのは大きな一歩かなと。意地悪した第二者だけわかってないけど他の皆にはお見通しっていうヒーローものにはありがちな展開だけど好きです。そこがスペンサーらしいとも思えました。ラストの機関庫の暖かい空気、いいですね。

それからBGM、アニメーション等は脚本に負けず素晴らしかったです。冒頭から流れる不穏な曲、そして雪男に遭遇した時の緊迫感のある曲、シーンにマッチしていました。

 

【チェックポイント】

 

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今回のハイライトともいえる第三の主役ハット卿。 渋滞で立ち往生したり、スリップしたり、転んだり、牛に追いかけられたり…。散々です(笑)

 

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ハット卿の次に面白いのが彼のお母さん。とくに例の演出効果と共に三連続で「Abominable snowman?!」と発するところやハット卿を"abominable controller"と呼び一括入れるのが面白かった。道中で拾われたのか当たり前のようにキャブに乗っているのもシュールだしハット卿を襲ったあの牛のごとく表現するのもまた。 

(abominaboleは実にいやな、忌まわしい、ひどいという意味 今回の雪男(abominable snowman)事件とかけたジョークでしょう)。

 

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なんてことないシーンですが道路の渋滞を物語に組み込んだのはすごい好きです。 

 

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近年よく脱線する赤いやつ。一晩中雪の中に埋もれていたらしいが何があったのか…。

 

【日本語版について】

いつか

 

 

全体的な面白さ:AMAZING

鉄道らしさ:☆☆

リアリティ:☆☆

キャラ活用:☆

BGMの良さ:☆☆☆

アニメーション:☆☆☆

道徳教育面:☆

 

【最終的な感想】

根も葉もない意地悪に影響を受けず胸を張るというのが今回の教訓でしょうか。

S19レビュー4でも言及した通り『TAB』以降で見られる"怖がり"な面だけを抜粋したヘンリーは、大きいのに小心者というスタイルが面白いので正直嫌いではありませんがやっぱり複雑な心境です。しかも今回は見知らぬ病気という恐怖でなく雪男という怪物に脅えている。『TOTB』では横からパーシーを笑い、「(怪物なんて)今までもこれからも存在しない」とエドワードに同意したはずの彼が。水疱瘡回に比べてヘンリーの扱い方は評価できないといった感想です。

とはいえ、やはりハット親子によるコメディ要素がなにより印象強くS05「ハットきょうふじんのたんじょうび」を彷彿とさせられるハチャメチャ展開は非常に面白かったです。これがギャグアニメだったら9か10点をつけていたかもしれません。

 

総合評価:6/10