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きかんしゃトーマスオタクによる雑記

きかんしゃトーマス 第22シリーズレビュー第11回

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の感想は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

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S22 E11 『School of Duck』

脚本: リー・プレスマン

内容: ダックは壊れた学校の生徒の為にデイジーの代わりになる客車を捜しに行く。 

テーマ: 3R(リペア、リサイクル、リユース)

 

【高評価点】

・災害後の対策とリサイクルを題材にした道徳的な内容。

・脇役キャラクターの巧みなフル活用。

 

【低評価点】

・嵐による影響は冒頭の機関庫と学校以外に描写されていない。

 

 

 

【このエピソードについて】

 リブート直後にダックやシドニー、ビルとベン等が主役になるだなんて誰が予測したことでしょう。初報では、"ソドー島編はティッドマス機関庫を中心にスティームチームが活躍する"とされていた為に、7台の代表だけで展開すると思い込んでいたので、先月イタリア版で初めてこの回を視聴した際には嬉しい悲鳴を上げました。

 

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©Mattel

 さて、本題に入ります。今回は国連のSDGs(持続可能な開発目標)第12目標「つくる責任つかう責任」に基づいたエピソードで、リペアとリサイクルを含む4Rをテーマに沿った、道徳的で子供にもわかりやすい物語になっており、S21『こわれたスピーカー』と同じように、物を大切に扱うキャラクターの一台レッジが鍵となっています。直後なのでまたこれかと思いましたが、扱いが上手い事に相違ありません。彼の人格は常に私たちにリサイクルの5文字を思い起こさせてくれます。

 物語の基礎となる舞台がハーウィック線な上、生真面目さと口癖は取ってつけたように感じるのでダックを主人公で展開するには弱くも思えますが、冒頭とラストの提案はお人好しで硬派なダックらしいと思いますし、いろんな場所で、いろんな仲間と会話し、いろんな表情のダックが見られて私個人としては嬉しかったです。とくに、いつもの"グレート・ウェスタン流"のくだりを2度も遮られる変化球や、ゴードンとの迅速な受け答えが面白かったです*1

 私は今回のエピソードが好きで、楽しくてとても良かったと思っていますが、やや問題に感じているものがあります。プロットにある通りハーウィックの学校が壊れたのは冒頭の嵐ですが、学校が大破している割に被害にあったのは意外にもそれだけで、他に嵐の影響や名残が一切の言及や描写されていない事がまず少し残念なところ。

それから、私はトーマスが子供たちに大人気だからこそ語り手が変更されたという経緯を理解していますし、世界編はトーマスの物語ですから自分の経験談ストーリーテラーに置き換えつつ語り手を務める事は合理的だと思っています。しかし、今回のようにトーマス以外のキャラクターが主役の場合、その行為には違和感が残ります。何も知らないはずのトーマス(フィクションキャラ)がダックの内情や彼の周りの状況を語っています。この場合は完全に第三者視点語り手に頼らない方針で進めるか、いっそ各話の主役が語り手を務めたほうが優れた演出になるのではと思います。

 

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©Mattel

 リサイクルのテーマの対象となるのが何年も使われていない古い操車場(どこ?)で出逢った客車のデクスター。使われなくなった客車を人間たちの部屋等へ利用するのはマガジンストーリー含めてこれで何回目かと思うくらいの定番ネタなので新鮮味はかなり薄いですが、鉄道らしさを兼ね備えているのはこの作品にとって重要な事です。

 

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©Mattel

 今回で初登場したデクスター。見るからにLBSCの2軸ブレーキコーチですが、チャンネル5の概要によると、なんと設定は元食堂車なんだそうです。びっくり。アンアンたちと同様に彼も灰色の顔を持っています。正直私はまだ不気味に感じています(苦笑)

 使われなくなった車両にしては珍しくポジティブ思考の持ち主で、役に立とうとやる気に満ち溢れ、新しい車輪を付けて自由に走り回ることを望むなど個性は強い彼ですが、頭の固いダックの案で代理教室にするため車輪を外し、ハーウィック駅の転車台付近で定置式の建物になりました。お前はいいのかそれで。退屈はしなさそうだけど。

時を経て、学校が修繕されれば代理教室としての用途は無くなるでしょうし、一発屋と思わせておいて、今後もエピソードが制作される兆しなんだと私は信じています。ハーウィック線の新たな仲間として、是非また出てきてください

 

 デクスターの英米版声優はS17からS21までナレーターを務めたマーク・モラガン。私は再び作中で彼の声が聴けてとてもうれしいです…なんならナレーションに戻ってくれても…普段の語り手役では聞けないような個性的な演技力に注目してください!

 

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©Mattel

  重要な役割を得たダックとレッジの他にも、多くの様々な機関車キャラクターや客車キャラクターがプロットに必要な脇役として登場したのも良いところで、特にデイジー、ハンナ、スリップコーチ、ジュディとジェロームの扱い方が素晴らしかったです。

 一発屋と思われていたハンナの再登場は本当に嬉しかった。嘘はついてません。トビーとダックがこうやって会話するのも何年振りでしょうか(笑)

 

 

【チェックポイント】

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©Mattel

 エドワードに繋がれるスリップコーチ達。彼らは普段ダックに牽引されて3台ともアールズバーグの支線上で働いていますが、必ずしも彼専用ではなく、S18『ダックとスリップコーチ』や『クリスマスのさいしゅうれっしゃ』のように鉄道に効率性が求められる場合は、このように別の線路で牽引されるのかもしれませんね。

オートコーチのイザベルとダルシー、アリスとミラベルと異なる点です。彼女達は専用の機関車にしか扱えません。 

 

 

全体的な面白さ:☆☆

鉄道らしさ:☆☆☆

キャラ活用:☆☆☆

BGMの良さ:☆☆

アニメーション:☆

道徳教育面:☆☆☆

 

【最終的な感想】

 先ほども言ったように、私はこの物語と、子供にとって重要な題材、そしてダックが主役に選ばれたことや脇役キャラの活用が好きで、非常に良いエピソードだったと自身を持って言えますが、それでも内容の構成と密度的には同じく客車を再利用した過去2作*2の評価には及びません。

 しかし、今期のソドー編が前期とほぼ変わらない一定のクオリティを保っているのは嬉しいですし、我が家のような安心感を覚えますね。

 

総合評価: 8/10

※この記事に添付したスクリーンショット著作権は全てマテル社に帰属します。

*1:後者はイタリア版の方が面白かったかも。

*2:S5『トーマスとふるいきゃくしゃ』とS7『ピーター・サムのティールーム』