※この記事にはネタバレが含まれています。
また、記事の感想は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。
S22 E17 『The Case of the Puzzling Parts』『ぶひんのなぞをさぐれ!』
脚本: デヴィー・ムーア
内容: 部品を何に使うのか思い出せないシドニーはパクストンと共に謎を解きに行く
テーマ: 問題解決は友達と一緒に協力して
【高評価点】
・忘れん坊のシドニーとウブなパクストンのコンビネーション開発と、レッジのキャラ活用。
・探偵もの風の音楽。
【低評価点】
・シドニーはより一層馬鹿に見えるように描かれている。
・何故ダートはシドニーに貨車を任せのか。
・貨車につまれた部品はどう見てもディーゼル機関車の部品には見えない。
【このエピソードについて】
真面目だけど忘れん坊のシドニーと、楽しいこと好きのニブチンなパクストンの2台が、部品に秘められた謎を解き明かす物語です。謎解きは面白いですよね。私はこういうのが好きですが、今回はお世辞にも最後まで面白いとは思えませんでした。私が感じた面白さはギャグとキャラ活用だけです。
物語を飽きさせない工夫として色々な脇役やロケーションが出てきますが、謎に関する手掛かりは全てキャラクター同士の台詞ばかりでスクラップ置き場とゴミ集積場以外に接点がありません。レッジの遣い方は良かったけど。出てくる様々なロケーションから手がかりを見つける方式だともう少し面白くなったかもしれません。でも、冒頭からシドニーを観察すると大方予測がついてしまうんですよね…。中盤でもうわかっちゃうし。
また、幾つかの部品はディーゼル機関車に関連していないように見えます。緩衝器と警笛器は確かにディーゼル機関車の物ですが、赤い送風機か車輪状のようなものはシドニーには大きすぎるし、ランプは完全に蒸気機関車の物です。オレンジ色の部品は何かのボイラーのように見えます。煙突ついてるし。これらは何処に着けるものなのでしょうか。少なくともパクストンやシドニーのようなClass 08タイプの機関車に使われる主要部品はボイラーではなくエンジンです。(※形状についてはS10『エミリーととくべつなきゃくしゃ』終盤に出てくる部品を参照のこと)。
私が思うパクストン達が気にかけるべき物語最大の謎は、冒頭です。何故ディーゼル整備工場で働くダートが、シドニーに部品の積まれた貨車を持たせたのですか? ソドー整備工場で修理しろと云う事でしょうか? それとも本当はディーゼルに使う物だったのでしょうか? では何故明らかな故障車に運ばせるのですか?
残念ながら解明されていないので、私は非常に混乱しています。謎。
などなど欠点が多い中、面白い場面は幾つかありました。空想シークエンスを導入した最初のシリーズで(否定系以外の)メタ的な表現をするとは思わなかった…! パクストンには煙突がありませんものね。
探偵風のBGMが流れる探偵風の空想シークエンスも良かったですし、ゴミ集積場の場面での”That clue was a load of rubbish!"と云うシドニーもちょっぴり面白かったです。(※ゴミが乗っかった、手掛かり無しを掛けたオヤジギャグ)。
それから僅かながらスカーロイに出番があった事も嬉しかったです。私は将来的にスカーロイ鉄道に焦点を置いたエピソードが創られることを願っています。
【チェックポイント…?】
これは私事になりますが、ウィフに台詞付きで出番があった事が嬉しかったです。『MIR』で大きな役割が与えられて以降CGシリーズでも多くの作品に登場している彼ですが、徐々に出番が減りつつあります。特にS21で一切出てこなかった上に作品のリブートが始まったため以後は出番無いのかと半ば諦めていました。
でも、いま彼はここに居ます! 私はウィフの穏やかで他者を尊重するほぼ完璧な人格、ゴミ集め設定、地味ながらも隠れセクシーなデザイン、チャーミングなメガネ、ふっくらした顔、シングルドライバー*1、複雑な歴史を持つモデル機*2、とにかく私はウィフに関するすべてを愛しており*3、彼に出番が与えられる度に私は脚本家に心から感謝しています。
近い将来、国連のSDGsに関連したウィフとスクラフのエピソードも用意されることを、切に願います。どうか、どうかお願いします…!!
全体的な面白さ:☆
鉄道らしさ:☆
キャラ活用:☆☆☆
BGMの良さ:☆☆☆
アニメーション:☆
道徳教育面:☆☆
【最終的な感想】
幾つか修正が必要に感じました。冒頭の謎のおかげで物語が台無しですが、劇的な音楽と、パクストンとシドニーの組み合わせは面白かったです。また別の方法で彼らのニブチンコンビが観られたら嬉しい。どちらも好きなキャラクターなので。
そう言えば今回女性キャラクター一切出てきませんでしたね。私は構いませんが。
総合評価: 2/10