Z-KEN's Waste Dump

喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

【キャラクター研究】汚いけど魅力的! ゴミ集め機関車のウィフ 【第3回】

 どうも。"キャラクターフォーカス"の時間がやってまいりました。今回"確認"していくのは、私、ぜるけんがこの『きかんしゃトーマス』シリーズで最も大好きで最も推しているキャラクター、ウィフです。

 ウィフは、2D版『Thomas & Friends: All Engines Go』シリーズにも登場し、映画最新作『大冒険! ルックアウトマウンテンとひみつのトンネル』において、ディーン・フジオカさんがゲスト声優を担当することで話題になり、一般の知名度が上がりつつあります。映画では新キャラクターの扱いを受けているウィフですが、実際には3DCGどころか、ライブアクション・モデルアニメーション、すなわち模型時代から登場しているキャラクターなんですよね。

映画公開と同時に、より多くの人にウィフそして彼の魅力について知ってほしいと思ってこの記事を書きました。なお、下記の目次をご覧の通り、2D版、つまり現行の最新シリーズについては記事の最後の方に触れますが、今回はオリジナル版(第11~22シリーズ)を中心に"確認"していきます。

※オリジナル版はネタバレがありますが、2D版の方はネタバレに配慮しています。

どうぞ安心して閲覧してください。

 

 さて、3回目でも説明します。

このコーナーでは、TV版『きかんしゃトーマス』シリーズの登場キャラクター1点について深く考えてみたり、実機の話をしたり、物語を通してどういう性格の持ち主なのかを検証・確認します。

原作絵本や、トーマスやエドワードなどのお馴染みのキャラクターについては、すでに様々なファンが検証、語り、考察などをされていますので、当ブログでは、シャロン期や3DCG期などファンからあまり注目されなかったキャラクターを中心に、再認識するために魅力的な部分を語りつつ、誇張的な拡大解釈をしないよう中立的な視点から紐解いていこうと思います。

 備忘録が目的ですが、データとして参考になれるなら幸いです。

 

注意その1 これは考察ではなく、あくまでも確認です。

注意その2 いつものように長文です。

 

 

 

【目次】

 

 

【ウィフとは】

 というわけで第3回に"確認"するのは、深緑色のタンク機関車ウィフです。

彼は第11シリーズ『エミリーのゴミあつめ』から登場したキャラクターで、特徴的なのはなんと言ってもメガネをかけている点と、常に薄汚れたボディ、そして仕事内容です。ウィフは時間通りに働くことが好きで、ボディが汚れていても、他の仲間から「臭い」と煙たがられても気にしません。

 

 ウィフって言いにくいですよね。名前の由来は、原語版の初台詞を見れば早いです。「My name's Whiff, because I'm a bit smelly」。これをあえて直訳すると「ぼくの名前はウィフ、なぜならちょっと臭うからね」になります。

whiffとは"かすかな臭い"や、"悪臭""不快な臭い"を指す単語です。悪臭がするからウィフと呼ばれているということなんですね。このほか、"プッと(軽く)吹く"意味も持ち合わせており、蒸気機関車であることからダブルミーニングになっている可能性があります。

 

 そんな悪臭を放つウィフですが、臭いや汚れの特徴以上の魅力的な部分があります。今回はそれを含めて"確認"していきましょう。

本当に好きなキャラクターすぎて贔屓目に見てしまいそうですが、ここは中立的にいきます。内心自信ないけど。

 

 

[基礎データ]

分類: タンク式蒸気機関車

タンクの種類: サイドタンク

車軸配置: 2-2-4T

燃料の種類: 石炭

軌間: 標準軌 (1,435 mm)

車体番号:「66」

性別: 男性

製造年: 不明 (*実機は1869年製だが、設定は未確定)

来島年: 不明

出身: イングランド本土

所属: ノース・ウェスタン鉄道

配属: ウィフのゴミ集積場*1

一人称: ぼく

 

[声優]

英国版: キース・ウィッカム (2010-2018)

米国版: ウィリアム・ホープ (2010-2018)

日本版: 河杉貴志 (2009-2019)

     根本圭子 (代役*2 )

 

 

【ウィフの性格について】

 個性的な特徴と仕事内容を持っているからか、ウィフは3DCG期にも継続して登場し、主役回を得ながら、オリジナル版では第22シリーズまで活躍しました。全体的に見ても必要な時に一定の登場回数を得ていて、カメオ出演の方が少ないです。

また、別の作品となる2D版『All Engines Go』シリーズにも登場していて、いわゆるHiT期から登場したキャラクターの中で最も優遇されていると言えるでしょう。

地味な見た目にも関わらず、幅広く活躍するウィフ。今回はその魅力に迫ります。

 

 

 まずは参考文献に、かつて存在した英米公式サイトから、説明文を引用します。公式サイトは、子ども向けに読みやすく意訳されている日本版よりも、本場の方が詳しく書かれている場合が多いです。ニュアンスの確認にも最適です。

まだ勉強中なので、もし翻訳が違っていたらごめんなさい

 

※スタンリーとロージーの記事では、2010年以前の公式サイトと、2010年から2021年までの公式サイトから引用しましたが、アーカイブを確認したところ、どうもウィフは3DCG期開始前のサンプルボイスの有無を除いて文章に変化が見られませんでした。

 

【2010年から2021年の公式サイトより】アーカイブはこちら

Whiff: Whiff's has a look and a smell all of his own! He's a cheery, little tank engine with a very special job - he collects rubbish! Whiff doesn't care about his appearance, he only cares that he gets the job done. Whiff loves collecting rubbish and doesn't notice the turned up noses he passed along the way.

Fun Fact: Whiff is based on a Class X1 No. 66 Aerolte 2-2-4T of North Eastern Raiilway.

 

 最初の一文から"見た目も臭いも彼独自のものだ"と言われていて、すでにこの時点で個性的なのがわかりますね。彼の仕事はゴミを回収することで、彼はこの仕事が大好きです。このためウィフはいつも汚れていて悪臭がまとわりついているんですよね。

性格面では、"cheery"、すなわち陽気で、自分の外見には興味がなく、周囲の鼻が曲がろうと気にならず、仕事をやり遂げることだけを気にしているとあります。ここが一番のポイントなんじゃないかなと思います。おしゃれというには程遠いけど、誰もやりたがらないような臭い仕事を最後まで行うことだけをひたむきに考えている、立派な機関車じゃないですか。

周りからの悪評を気にしないところは、メンタルが強いのか、はたまた天然なのか。

Fan Fuct(豆知識)では、ウィフのモデルになった機関車が、ノース・イースタン鉄道のクラスX1 66番「エアロライト(Aerolite)」号であると記述されています。ウィフの車体番号は実機由来です。

 

 それから、3DCG最初期のキャラクターのみ、当時の公式サイトにはサンプルボイスが存在しました。英国・米国版のライブアクション・モデルアニメーションの時代では語り手の一人芝居だったのが、3DCGに移行時にキャラクター個々に声優が起用されたため、そのさわりとして用意されたものです。ウィフは第13シリーズには登場しませんでしたが、用意されていることを考えると、早い段階で出す予定だったのではないかと考えられますね。

サンプルボイスのセリフは以下の通りです。

 "Hello, I'm Whiff! My job is the collect rubbish on The Island of Sodor. It's a smelly job, but someone has to do it."

直訳すると「こんにちは、ぼくは ウィフだよ! 島中のゴミを集めるのが仕事なんだ。臭い仕事だけど、誰かがやらないとね」になります。臭うことは覚悟の上で、責任感を持っているかのような言い回しですよね。

 

 

 他にもないか調べてみるために、2018年に英米で発売された、DK*3社出版の書籍『Character Encyclopedia』から引用してみましょう。この本には文章こそ短いですが、Fact Fileに各キャラクターの好きなことや嫌いなこと、親友などについても記載があります。

※この書籍ではスクラフと一緒に纏められて紹介されています。

 

SCRUFF AND WHIFF The smelliest engines in Sodor

This dirty duo works at the Waste Dump. For them, getting grimy is part of the job. Smelling bad does not bother them!

 

FACT FILE

Home: Waste Dump

Role: Crushing and removing garbage

Like: Not having to worry about what they look like

 

NOTE

●Whiff's glasses are always dirty

●Wheels are sticky and grubby

 

 Fact Fileはそれぞれ「住処」「仕事内容」「好きなこと」です。Waste Dumpはウィフのゴミ集積場の英名です。性格面はこれといって大差ないですね。汚れるのは仕事の一部だし、見た目を気にする必要がないことも気に入っているようです。

上述の通りウィフとスクラフを纏めて紹介されていますが、ウィフには、メガネがいつも汚れていることや、車輪がベタベタしているなど劇中ではわからない豆知識が記述されています(笑)

 

 

 ここまででわかったウィフの性格を要約すると、こんな感じです。

陽気な性格で、ゴミ集めが大好き。汚れ仕事だから臭くても汚れても気にせず、仕事を責任を持ってやり遂げることを優先している。

 

 

【ウィフのモデルになった機関車】

 さて、ここでモデル機について解説します。公式サイトにも記述がある通り、ノース・イースタン鉄道66番「Aerolite」がモデルです。クラスX1というのは、ロンドン・アンド・ノース・イースタン鉄道(LNER)に合併した際に付けられた型番です。

LNER出身の他のキャラクターには、ゴードン、フライング・スコッツマン、トビー、エミリー、スペンサー、ライアンなどがいます。

 

 クラスX1と分類されていますが、厳密にはこの型番を持つ機関車は「Aerolite」1台しか存在しません。2-2-4Tという珍しい車軸配置で、動輪は真ん中の大きめの車輪のみ。エミリーやラジブと同じ、いわゆるシングルドライバーというものです。しかし、「Aerolite」には外側にロッドとシリンダーはなく、内側のクランクとピストンのみで駆動するようです。

 

 この機関車には複雑な歴史があります。クラスX1は1台しか存在しないと上述しましたが、ノース・イースタン鉄道「Aerolite」は厳密には2つ存在しました。

 

Photo from Locomotive Magazine, October 1911

 まず最初に「Aerolite」と名前のつく英国の蒸気機関車が現れたのは1851年のことです。キットソン・トンプソン・アンド・ヒューイットソン社によって、同年の水晶宮で開催されたロンドン万国博覧会で展示するために製造されました。製造番号は281番*4。博覧会は金メダルを受賞。この時のボディは青色で、ピストンとシリンダーが外側に配置されていて、2-2-2Tという車軸配置でした。ラジブに似ていますよね。

1852年にリーズ・ノーザン鉄道の所有物となり、1854年に同鉄道がノース・イースタン鉄道の傘下になると、「Aerolite」は「369」の番号を与えられ、緑色に塗り替え、サルーンコーチと呼ばれる鉄道技師を乗せる専用の客車を牽いて、サースクからサースク・タウンまでの短い支線で運用されました*5

運用にピンと来ない人に説明すると、要はスペンサーみたいなプライベートの機関車であったということです。

 

 しかし、この最初の「Aerolite」は、1868年のオッタリントンでの衝突事故で修復不可能なレベルで大破してしまいました*6

 

Photo from Locomotive Magazine, July 1926

 そこで、翌年の1869年に、代わりの「Aerolite」が、NERのゲーツヘッド工場で製造されました。設計者はエドワード・フレッチャー。

これこそがウィフのモデルになった「Aerolite」そのものなのですが、当時は基本設計こそ先代と変わらず、2-2-2WTの車軸配置で、サイドタンクはありませんでした。運用も変わらずサルーンコーチの牽引です。先代と大きく異なるのは、外側のシリンダーが消えて、この頃から内気筒になったことでした*7

車軸配置のWTというのは"ウェルタンク"の略称です。台枠の底にタンクが備え付けられている形態で、レニアスやダンカン、ラジブなどがこの機構に当てはまります。

 

 1886年5月の改造で、T.W.ワーズデル式の大きなサイドタンクが追加されました。「66」という番号もこの頃に追加されています。

*イラストは博物館の説明欄に掲載されている写真*8を参考に描きました。

 

 1892年11月には大規模な改造が行われ、ボイラーと動輪はそのままに、車軸配置はボギー台車付きの4-2-2Tに変更され、ワーズデル=フォン・ボリースのシステムに基づく2気筒複合機関車となりました。サイドタンクの拡大により、ウェルタンクも撤去されています。

 

www.youtube.com

 そして1902年4月の改造で、シリンダーはそのままにボイラーが新造され、大きな石炭入れを身に纏い、車軸配置も2-2-4Tに変更されました。これが最終的な「Aerolite」の形態で、今日日、博物館で見られる姿であり、ウィフの姿でもあります。

1907年には新しい銘板と、先代がいたことを示す「Kitson origin 1851」と書かれた新しいナンバープレートが取り付けられます。1910年にはシリンダーを新造、1919年3月にはクランク軸を新造、1921年2月には再びボイラーを新造し、1928年12月にはLNERのブレーキシステム標準化への一環として真空エジェクターとウェスティングハウス製のブレーキ、そしてレイヴン製の霧信号装置なるものが取り付けられましたが、面影は1902年の改造後のままを維持しています。

 1923年にノース・イースタン鉄道がLNERのグループに統合した際、「Aerolite」はクラスX1のLNER 1478号となりました。ダーリントンを拠点にし、その副CMEであったA.C.スタマー(鉄道技師)専用の機関車として運用。やがて1933年にスタマーが引退すると、その1週間後にはヨークの国立鉄道博物館に運ばれ、修復したのち1934年6月に入館しました。2024年現在も、国立鉄道博物館で静態保存されており、彼女の姿を見ることができます。

 

 

 ここまでを要約すると、ウィフのモデルとなった「Aerolite」とは、その2代目で、改造を繰り返しながらも貨物列車やゴミの運搬をしたことはなく専用客車1両を牽いて鉄道技師のプライベート機関車として長く活躍しました。

製造年も1869年とかなり古く、実はエドワードやデュークよりも年上で、1865年に製造された原作のレニアスとタメをはれるレベルなんですよね。

ちなみにLNERには同じ車軸配置を持つクラスX2とクラスX3も存在しますが、いずれも他の機関車から大規模な改造を受けてその姿になっています。

 

 また、「Aerolite」の最終的な性能として、最高速度は時速88キロメートル(55マイル)*9、重量は44.81トン、最大牽引力は28.4キロニュートンでした。

シングルドライバーだけあってそこそこ速く走れるのですが、客車1両のために設計しているためか、牽引力はめちゃくちゃ弱いです。『きかんしゃトーマス』の蒸気機関車キャラクターの中でも、一番とまではいきませんが、最弱の部類に達するほどです。

実は路面機関車のトビーの方が断然スペック高いっていうね。実はリミッター外せば最大時速120キロだせます。

 

 

【劇中での動向・活躍】

 それでは、各エピソードでの動向や、カメオ出演したエピソードを画像を添えてまとめてみましたので、順に見ていきましょう。わざわざこうする理由としては、紹介文に書かれていない豆知識があったりするからです。どのように扱われたのか、また、どのような能力を発揮したのかなどを確認しましょう。

注意事項として、まとめたのは本編であるTVシリーズと長編作品のみです。YouTubeのショートムービー、担当者の企画でファンが制作した『Thomas Creative Collection』シリーズ、その他メディアミックスや日本独自の展開などは含まないので悪しからず。

また、台詞が用意されている長編・短編エピソードにのみ脚本家と監督を添えましたのでそちらも参考にしてください。登場したとはいえ脚本家の手に負えないこともありますので、念のため。

※過去の作品のネタバレも含まれるのでご注意ください。

※長いですので、特にご興味がない方は、目次から【動向などのデータまとめ】を選択して飛ばしてください。

 

 

第11シリーズ

©︎Mattel

 第11シリーズでは初登場回1話のみの出番です。当時のヘッドライターはシャロン・ミラーでしたが、彼のデビュー作を書いたのは意外にもウェイン・ジャックマンでした。

 

 『エミリーのゴミあつめ』(脚本: ウェイン・ジャックマン、監督: スティーブ・アスクィス)では、ゴミを集めるため新しくソドー島にやってきます。彼の初仕事は、手伝いのエミリーと一緒にゴミを集めること。初登場時点ですでに汚れて悪臭を漂わせながら、操車場で彼女を待っていました。

「やあエミリー、こんにちは。ぼくの名前はウィフだよ。ちょっと臭うかな。きみがゴミ集めを手伝ってくれるんだよね ("Hello, Emily! My name's Whiff, because I'm a bit smelly. You're going to help me collect rubbish!")」

これがウィフの初台詞でした。日本語吹替版では少年声、いわゆるショタボイスで再生されます。声優の河杉貴志さんは男性声優ですが中性的な声の持ち主です。

 親切でかっこいい(smart)機関車を期待していたエミリーは、かつてないほど汚いウィフを嫌がりますが、ウィフは喜んで彼女に着いて行きます。

 

©︎Mattel

 エミリーとウィフが一緒に走っていると、側線に停車していたゴードン、ジェームス、ヘンリーに、ウィフのボディ、臭い、変な汽笛の音色、吹替版では名前まで笑われます。一緒にいるエミリーは恥ずかしくて不快になりますが、ウィフは気にも留めず陽気に汽笛を鳴らして自己紹介をします

同じくモリー、ネビル、マードックにも笑われますが、ウィフは何も気にしません。しかし、彼から距離を置こうと離れていくエミリーに追いつけなくなってしまいます。

 

©︎Mattel

 しかし、エミリーがエリザベスと踏切で会うと、反対側からウィフが「ぼくは迷ってないよー。やあ」と、陽気にやってきます。(ここのエリザベスの反応は原語版と日本語版とで解釈が異なります)。

新しくやってきたばかりのはずですが、ウィフはなぜかソドー島の線路を知り尽くしています。ゴミを回収するルートを確かめるために事前に試運転でもしたんでしょうかね。

エミリーがどこへ隠れても、ウィフは仲良くなろうと、陽気にニコニコ追いかけてきます。側から見ればストーカーですが、エミリーは単に仕事を放棄しているだけです。

あまり明確に描写されてる訳ではありませんが、ウィフはなぜ笑われたり避けられるのかをわかっていないように見えます。鈍感なのでしょうか?

 

©︎Mattel

 エミリーが完全にウィフを振り切ったのも束の間、今度はスペンサーの進路を塞ぐゴミの貨車をエミリー1台では動かせない事態が発生します。

 エミリーがおかしな汽笛の音色を頼りにウィフを見つけた時、ウィフは変わらずニコニコと穏やかな笑顔を浮かべながら、エミリーの謝罪に対しても怒ることなく、「気にしないでよ探してくれてありがとう。さ、仕事に取り掛かろう! ("That's all right. I'm just glad you found me. Let's go to work!")」と、陽気に答えます。

 

聖人か???

いわゆるエドワードとかスタンリーみたいな"良心枠"でした。

 

 余談ですが、ウィフはスタンリーと同様に怒り顔が存在しません。代わりに、劇中では一度も使用された無かった"困った顔"の表情差分が2つ実在します。ウィフは怒らない・おおらかなキャラクターなのが表情差分からも伝わってきます。

 

©︎Mattel

 最後に、エミリーと一緒にゴミの貨車を運ぶのを手伝い、あっという間に貨車を移動させ、スペンサーから感心されます。見てくれ通りエミリーの方が強いのですが、やる気の問題でしょうか。それとも塵も積もればなんとやらですかね。

エミリーからも「ウィフはわたしの新しい大切な友達なの」と認められ、ウィフが嬉しそうに汽笛を鳴らすところで幕を閉じます。

 

 

映画『トーマスをすくえ!! ミステリーマウンテン』

©︎Mattel

 映画『トーマスをすくえ!! ミステリーマウンテン』では、カメオ出演です。グレート・ウォータートンの式典で、飛行機のジェレミーが飛んでるシーンの右端をよく見ると、橋の上で式に出席しているのがわかります。

 

 

第12シリーズ

©︎Mattel

 第12シリーズではセリフのある回が1話用意されています。非常に残念ながら日本語吹替版は放送されず未公開でしたが、お話自体はポプラ社出版の『トーマスのポケットえほん4』で読むことができます。

 Toby's Special Surprise』(脚本: シャロン・ミラー、監督: スティーブ・アスクィス)では、変わらずゴミ集めの仕事に励んでいます。ゴミの届け先は、この時は"The Rubbish Yards"と呼ばれていました。

古びた缶が積まれた貨車を特別なものだと勘違いしてがっかりしたトビーに対し、「Hello Toby! Why are you looking at old tin cans? (やあトビー。古い缶なんて見つめてどうしたの?)」と陽気に尋ねます。恥ずかしくなったトビーは何も答えず去って行きます。

 

 ちなみに、顔が3DCGになったことで、初めてウィフのメガネにレンズが入っているのが確認できます。模型では技術的に難しかったのでしょう。

 

©︎Mattel

 その後、グレート・ウォータートン駅で停車していると、トビーのベルと作業員が金属を叩く音を、トップハム・ハット卿と共に耳にします。

 

©︎Mattel

 この時、ウィフの機関室の内部を見ることができます。

 

©︎Mattel

 トップハム・ハット卿はトビーが事故に遭った可能性を指摘し、ウィフを出発させます。この時、模型では見ることができなかったウィフの真剣な眼差しを初めて見ることができます。

 

 

映画『ミスティアイランド レスキュー大作戦!!』

(脚本: シャロン・ミラー、監督: グレッグ・ティアナン)

©︎Mattel

 3DCG期での最初の登場は、映画『ミスティアイランド レスキュー大作戦!!』。しかもキーパーソンとしての役割を持っています。いつの間にか彼の仕事場が与えられており、"ウィフのゴミ集積場"と同時に登場します。

 

 3DCGになったと同時に、語り手の一人芝居から個々の声優が充てられたことで、本国ではウィフをどのように位置付けているのかわかるようになりました。英国版では開始当初はエピソード毎にウィフの声質が安定しませんでした。基本的にはエドワードっぽくなったり、ある時はサー・ハンデルに近い、喉を絞ったような声になることもあります*10。ですが、共通しているのは、少年っぽくはなく、賢そうな中年か初老を思わせる声色であることです。

米国版はエドワードとトビーを深くしたような声色

なお、日本語吹替版では、ケビンと区別をつけるためなのか、ウィフの声は河杉さんにしては低めで演じられています。ちょっと賢い印象があります。

 

©︎Mattel

 トーマスが行方不明になった後、集積場を訪れたトップハム・ハット卿とゴードンを静かに歓迎します。命令でゴードンとタッグを組むことになると、ウィフは蒸気をあげて喜びますが、ゴードンは息を呑みます。

 

©︎Mattel

 その夜、ウィフはレスキューセンター建築予定地のすぐそばにある塞がれたトンネルについて心配していました。

「ここに建物を建てるのは無理ですよ。ミスティアイランドにつながるトンネルの入り口を、塞いだ場所ですから ("You can't build your office here, Sir! It's the entrance to the old Misty Island Tunnel. It's all blocked up.")」と、話します。どうやらウィフはミスティアイランドの存在を知っているようです。誰かから聞いたのでしょうか。

加えて、以前はここにゴミを投棄していたことが判明します。「それに、ここにはしょっちゅうゴミを棄ててました (So, we used to take rubbish down there!)」と、ウィフ。

weということは彼以外の集積場の作業員やダンプカーなどを指すのでしょうか。意外とズボラなのか、それともThe Rubbish Yardが出来上がる前の応急処置なのか

 なお、トーマスのことで頭がいっぱいなトップハム・ハット卿からは「古いトンネルの話など今は関係ない」と釘を刺されます。

 

©︎Mattel

 終盤で、トーマスの居場所の見当がついた時、ミスティアイランドにつながるトンネルを1つの手段として、トップハム・ハット卿はウィフを再び呼び出します。ウィフは以前ゴミを投棄していたこともあって、このトンネルの構造を知り尽くしており、自信満々に「迷わず行けます」と宣言。

トーマスを助けたい一心のパーシーがお手伝いとしてウィフと共にトンネルへ入ります。

 

©︎Mattel

 そして長いトンネルを進み、土と岩とゴミで塞がれた壁の前で汽笛と声を上げたパーシーの声が、反対側のトーマスに届きます。トーマスは壁を押そうとしますが、ウィフがそれに反対し、パーシーと一緒に押した方がいいと提案します。

判断力を学んだばかりのトーマスは、ウィフの言う通りにし、2台は助走をつけて壁を打ち破ります。(この時、ウィフのメガネがズレます)。

 

©︎Mattel

 ダッシュ、バッシュ、ファーディナンドがオイル切れだとわかると、ウィフは頬と鼻の力でメガネを元に戻しながら真剣な表情になって「それじゃ、ぼくの言う事を聞いてくれ」と、一言。

賢くて頼もしいです。

 

©︎Mattel

 トップハム・ハット卿がミスティアイランドを捜索する頃、ウィフとパーシーとトーマスは3重連になって、燃料切れのダッシュとバッシュ、ファーディナンドの他に3両の樹の貨車を牽いてトンネル内を駆け巡ります。

彼らの牽引力を考えると大変な重労働だったはずです。原作27巻の急行列車に匹敵するか、それ以上かもしれません。3台とも顔を真っ赤にして、長いトンネルを抜けて、無事ソドー島の日の光を浴びました。

 

©︎Mattel

 その後でトップハム・ハット卿が帰ってきて、彼と初めて話をするバッシュたちのノリに対して、パーシーと一緒にきょとんと困惑する姿が描かれます。

 

©︎Mattel

 レスキューセンターの開会式にも参列し、少し離れたところではありますが、再開通したミスティアイランドトンネルの前で誇らしそうに笑顔を浮かべています。

 

 

第14シリーズ

©︎Mattel

 第14シリーズでは、台詞のある回が2話用意されています。

 『トーマスとスクラフ』(脚本: シャロン・ミラー、監督: グレッグ・ティアナン)では、冒頭で自分の集積場で慌ただしく、忙しそうに入換え作業をしている場面が映し出されます。

元気に集積場を訪れたトーマスに対し、島中のゴミの貨車を集めて回らなければいけないことと、お茶の時間までにそのゴミを片付けなければいけない事を焦りながら伝えます。責任感が伝わりますね。

ゴミを回収する仕事を受け持つためにやってきたウィフでしたが、彼1台ではあまりに小さいことが示唆されています。

 

©︎Mattel

 幸いにも、トーマスは、ゴミの運搬を手伝うためにスクラフという新しい機関車が来ると告げウィフは大歓喜します。嬉しそうな姿はぜひ映像で見てください。

 

©︎Mattel

 その後、スクラフが茂みから出てこなくて困惑しているトーマスのそばに、ゴミの貨車を集めてウィフが元気にやってきます。トーマスに対して、スクラフがやってくるのを楽しみにしていると伝え、再び走り出します。

 

©︎Mattel

 その後、ゴミを集めて集積場に訪れたスクラフを、ウィフは歓迎します。

 

©︎Mattel

 『ゴードンとおおそうじ』(脚本: シャロン・ミラー、監督: グレッグ・ティアナン)では、ソドー島の大掃除の日(Clean Sodor Day)に、バッファービームを派手に壊して修理に来たスクラフの付き添いとしてソドー整備工場におり、やってきたゴードンに再び自己紹介しながらスクラフのことも紹介します

名前が似ているから混同しないように配慮したのでしょうか。それとも相棒ができて浮かれているのか、単に忘れたか、自己紹介するのが好きなのか…?

また、敢えて付き添いをするのは、スクラフが洗車に対してストレスを覚えないようにするためなのでしょうか?

 

ちなみにこの回の英国版では、サンプルボイス同様、喉を絞ったような初老っぽい声になっています。

 

©︎Mattel

 ウィフとスクラフの代わりにゴミ集積場で入換え作業を任されたゴードンに対して、純粋に「それは楽しそうだな! (Oh, what a fun!)」と言い、走っていくゴードンを見送ります。

 

©︎Mattel

 しかし、プライドの高いゴードンは、集積場で働く姿を誰かに見られないよう、訪れたジェームス、スペンサー、ディーゼルから隠れてやり過ごそうとした結果、仕事を放棄し、やがて修理が終わったスクラフと共にウィフが戻ってきます。トップハム・ハット卿も一緒です。ウィフはいつも通りにこにこしていますが、トップハム・ハット卿はゴードンを叱りつけます。

この時、ゴードンはゴミを片付けるウィフを立派(grand and important)だと言い初めてそう言われたウィフは笑顔になります。彼はゴードンを手伝おうとしますが、ゴードンはウィフに検査官と急行客車を任せます。

ウィフは喜んで「急行列車のお通りだ!」と、集積場を後にします。

 

©︎Mattel

 ゴードンとスクラフが集積場での仕事を終わらせた後、ウィフは検査官とトップハム・ハット卿と数人を乗せた急行客車を2両牽いて、集積場に停車し、ゴードンに喝采の汽笛を鳴らします。

シリーズで唯一ウィフが客車を牽く貴重な場面です。それもローカルではなく要人を運ぶ専用の列車なので、どこか実機を思わせる瞬間ですよね。

 

 

第15シリーズ

©︎Mattel

 第15シリーズでは、台詞のある回が1話と、カメオ出演が2話用意されています。

 『スペンサーとふかいきり』(脚本: ジェシカ・サンディーズ・クラーク、監督: グレッグ・ティアナン)では、深い霧の中で迷って集積場を訪れたスペンサーに対して、歓迎しつつも、駅のプラットフォームと断定するスペンサーに困惑する様子が描かれます。

 

©︎Mattel

 『ケビンのじまんのフック』では、冒頭でソドー整備工場のそばの本線を、スクラフと一緒に貨車運んで疾走しています。ヒロとすれ違うほか、ロージーエドワード、ヘンリー、ジェームスもいて賑やかです。

 

©︎Mattel

 『とくしゅしょうぼうしゃフリン』では、冒頭にてトロッターさんの農場の傍を単機で疾走しています。これからゴミ回収に向かうのでしょうか。

 

 

映画『ブルーマウンテンの謎』

©︎Mattel

 映画『ブルーマウンテンの謎』では、中盤でカメオ出演しています。トーマスが黄色い機関車を探すため、ゴミの集積場を横切る場面で、スクラフと一緒に空っぽの貨車を運んでいます。大変わかりにくいですが、スクラフが押す貨車の列の先頭で蒸気を出しているのがウィフです。

 

 

第16シリーズ

©︎Mattel

 第16シリーズでは、台詞のある回が3話、カメオ出演が1話用意されています。

 『トーマスとゴミのかしゃ』(脚本: アンドリュー・ヴァイナー、監督: グレッグ・ティアナン)では、冒頭でスクラフと一緒にゴミ回収を励む様子が描かれます。

 

©︎Mattel

 物語はウィフとトーマスのお話で、10両ほどのゴミの貨車を運ぶため、トーマスがウィフの補機として後ろにつきます。後ろでディーゼルに馬鹿にされているとは知らず、用意がいいかをトーマスに確認してから出発します。

 

©︎Mattel

 マロン駅では信号で停車。トーマスはボックスフォード公爵夫人に会い、仕事を終わらせてから、お茶の時間までにトップハム・ハット卿夫人の元へお連れすると口約束を交わします。しかし、トーマスはゴミの貨車を運ぶことで自分に悪臭がついて夫人を不快にさせてしまうのではないかという不安に板挟みになります。

そんな悩みも知らないウィフは、信号が切り替わったことを確認したのち、トーマスに「そろそろ出発してもいかい?」と出発の合図を送ってマロン駅をたちます。

 

©︎Mattel

 ウィフが順調に本線を進む傍ら、先述の不安に駆られたトーマスは、なるべくゴミの貨車から離れようと、重い貨車に悪戦苦闘するウィフを置いて、別の線路に移動してはウィフを後押しするのを繰り返すようになります。

ウィフは息を切らして速度が落ちますが、それに対しては気づいていないどころか、疑問さえ抱いていない様子です。やはり鈍感なのでしょうか。

 

©︎Mattel

 「頑張るぞ」と意気込んでいたのも束の間、トーマスが寄り道している間に、ウィフはやがて重い貨車を運びきれず、疲れ果ててウェルズワース駅で一時休憩をとります。

 

©︎Mattel

 そこにウィフが停車しているとも知らないトーマスがゴミの貨車に派手に突っ込み、ウィフは玉突き事故に巻き込まれます。ウィフ自体は脱線はしませんでしたが、ベトベトの油でさらに汚れます。怒る様子はありません。

 

©︎Mattel

 反省したトーマスはボックスフォード公爵夫人を"本当に役に立つ"ウィフに任せます。夫人に「あなたはなんて素敵な機関車なの、ウィフ。それにとっても役に立つ機関車だわ (What a fine engine you are, Whiff. And so really useful.)」と褒められ、顔を赤ながら誇らしげに蒸気を吹き上げます。

公爵夫人の器の広さもそうですし、スペンサーとは正反対の汚れまみれの機関車に乗り込む方も何気にすごいですよね。

 

©︎Mattel

 その後、仕事を終わらせたトーマスとウィフは、公爵夫人の歓声を浴びながら、お互いを陽気に褒め合います。

 

©︎Mattel

 『ソドーとうのサプライズ・デー』(脚本: ジェシカ・ケドワード&クリスティ・ピアート)では、本線でゴミの貨車を運ぼうとしてる最中に、ゴードンをびっくりさせにきたトーマスの作戦に「楽しそうだな」と乗り、貨車のかげに隠れていることを内緒にすると約束します。

ところが、トーマスが大声を上げると、ウィフもびっくりしてゴミの貨車に衝突し、ゴミまみれになってしまいます。サプライズ・デーなので、ウィフも可笑しそうに笑い出しますが、ゴードンに「全然面白くない」と一蹴されると、恥ずかしそうに顔を赤ながらしょぼんとします。かわいい。

 

©︎Mattel

 その後、ロージーと一緒に洗車場におり、トーマスにまたびっくりしてゴミまみれにされることを期待していますが、懲りたトーマスに遠慮されます。

何気にウィフが洗車されている貴重な場面です。

 

©︎Mattel

 『ウィフのねがい』(脚本: アンディ・バーンハルト、監督: グレッグ・ティアナン)は、最初にして最後のウィフの単独主役回です。まず冒頭では、機関車たちの特別な仕事が紹介される場面があります。ウィフはもちろんゴミ集め専用で、その仕事が好きです。

 

©︎Mattel

 ブレンダムの港に空っぽの貨車を牽いてやってきたウィフは、市長に褒められるスペンサーを見て感心します

直後、トップハム・ハット卿の命令で、市長が戻るまでに島中のゴミの貨車を集めておくように言われると、スペンサーがウィフに立派(grand)な機関車とは力強くて、速くて、大きな音を出すものだと偉そうに語り、ウィフには「到底無理だろうけどね」と、嫌味を言います。

いつもなら気にしないはずのウィフですが、その言葉を真に受けて恥ずかしそうに考え、立派な機関車になりたがります

汚れてるとかは別として、認められたいのかもしれません。すでに認められてるけど。

 

©︎Mattel

 そこでウィフは、ゴミの貨車よりも、仲間を優先して手伝うことを決意します。仕事の放棄ですが発想はウィフらしいですよね。

友達のエミリーから重い石炭の貨車を3両運び、

 

©︎Mattel

 次にマッコールさんの農場へ柵に使う柱を届けにいく途中で遅れているエドワードから、貨車を3両受け取ります。

 

©︎Mattel

 そしてスペンサーの発言を思い出したウィフは、誇らしげに汽笛を大きく鳴らして跨線橋を潜りますが、ゴミの貨車に進路を塞がれて止まっていたパーシーに衝突してしまいます。幸いにも怪我人や脱線した車両はいませんでした。

 

©︎Mattel

 この時、パーシーの困った顔を見て、ウィフは初めて自分が間違っていたことに気がついてしょんぼりします。手伝うことばかり考えてゴミの貨車を1台も運んでいないどころか、このままではパーシーの郵便配達に遅れが出てしまう。

パーシーの文句を聞いたウィフは、遅れたことのないパーシーを立派な機関車だと思い、トップハム・ハット卿に怒られる前に自分が何をすべきか自己解決します。

「自分の仕事をしっかりやれば、ぼくだって立派な機関車になることができるんだ。いつものパーシーみたいにね」

 

©︎Mattel

 こうしてゴミの貨車も連結したウィフは、パーシーに見送られながら出発し、マッコールさんの農場、石炭ホッパーへ貨車を届けてから、いつものようにゴミ集めの仕事に戻ります。

 

©︎Mattel

 ウェルズワース駅で停車すると、スペンサーに「ぼくみたいに立派になるのは無理だね」とからかわれますが、ウィフはしょんぼりした直後、笑顔で言い返します

「悪いけど、ぼくは急いでるんだよ。この重い貨車を、ゴミの集積場まで運ばないといけないから」

 

そして、ゴードンの牽いてきた急行列車から、(スペンサーの目の前で)市長とトップハム・ハット卿に立派だと褒められるのでした。

 

©︎Mattel

 『パーシーとパイプオルガン』では、冒頭で他の機関車たちと一緒にゴミの貨車を運んでジェームスとすれ違っています。満杯のゴミの貨車9両とブレーキ車を運んでいます。

 

 

第17シリーズ

©︎Mattel

 第17シリーズでは、台詞のある回が1話用意されています。

 『スクラフのだいへんしん』(脚本: リー・プレスマン、監督: デヴィッド・バース)では、スクラフと仲良くゴミをプレス機へ運ぶ様子が描かれます。ティドマス機関庫のゴミの貨車を取りに行こうとすると、スクラフが率先して集積場を出ていきます。

 

©︎Mattel

 なんやかんやあってボディのペンキを塗り直してもらったスクラフを見て「すごく素敵だね (Very nice, Scruff!)」と笑顔で感想を述べますが、仕事に追われているウィフは、すぐに手伝ってほしいとスクラフに頼みます。

しかし、塗り替えられて自惚れているスクラフに全て断られ、挙句ボディを汚さない仕事を探しに出ていってしまいます。この時のウィフの心情は描写されていません。きっとすぐに仕事に戻ったことでしょう。

 

©︎Mattel

 さらになんやかんやあってスクラフが集積場に戻ってきた時には、ウィフはおしゃべりする暇もないほどバタバタしていました。「こんなところをトップハム・ハット卿に見られたら大変だ」と、焦るほど。

 それを見たスクラフは態度を改めようと、手伝うと宣言します。ここのスクラフに対するウィフの台詞は、原語版と日本語吹替版とで解釈が異なります。

原語版では「"No Scruff, watch out."」と単に危険を知らせていますが、日本語版では「いいってば、無理しないで」と、若干ムキになっているかのような言い回しをしています。

ただ、どちらにせよスクラフ自慢の新しいペンキのことは受け入れており彼の車体が汚れることをスクラフ本人よりも危惧しています

純粋さと思いやりを感じられますよね。

 

©︎Mattel

 クレーンがスクラフの頭上でゴミの塊を落としてしまった時、ウィフは「スクラフ、危ない!」と叫びます

純粋すぎる。

 

©︎Mattel

 すぐにウィフはスクラフの元へ駆け寄り、彼の新しいペンキがあっという間に汚れたことを本人よりも悲しがります。でも、スクラフがペンキの件を諦めたことで、ウィフもすぐに笑顔を取り戻します。

 

©︎Mattel

 夕暮れ時、ゴミの集積場が片付くと、ウィフは「きみが戻ってきてくれて本当に嬉しいよ」と、自分の気持ちをスクラフに伝えます。

最後まで純粋ですね。

 

 

第18シリーズ

©︎Mattel

 第18シリーズでは、カメオ出演が2話用意されています。

 『ティモシーとにじいろのかしゃ』では、ビルとベンが"虹色のゴミの貨車"を集積場へ運ぶ際、終わり際に登場します。よく見ると、ビルとベンではなく、ウィフに対して手を振る作業員に反応しています。

 

©︎Mattel

 『サムソンとスクラップ』では、冒頭でスクラフと一緒に働いている場面が描かれます。集積場のプレス機から空っぽの貨車を運び、スクラフに汽笛で応答します。

 

 

第19シリーズ

©︎Mattel

 第19シリーズでは、台詞のある回が1話用意されています。

 ディーゼルクリスマス・キャロル その2』(脚本: ベッキー・オーバートン、監督: ドン・スペンサー&ディアンナ・バッソ)では、精霊に扮してディーゼルを懲らしめるためゴミを頭から被ろうとするトーマスに対して、心配そうに「本当に(被せて)いいの?」と慎重に尋ねています。

確認をとった上で、汽笛を鳴らしてドロドロの土と生ゴミを排出する建物(の恐らく職員)に合図を送ります。

 

©︎Mattel

 そんなトーマスの姿を見たウィフは、口を閉じてスクラフと一緒にクスクス笑います。笑い方はスクラフと個性の差がありますね。

 

©︎Mattel

 その後、台詞はありませんが、ウルフステッド城のクリスマスパーティーにスクラフと一緒に参加しています。ここにいるメンバーは、みんなトーマスの計画に協力した理、ディーゼルの被害に遭った仲間たちです。

こういった場にウィフとスクラフがいるのは珍しいですね。

 

 

第20シリーズ

©︎Mattel

 第20シリーズでは、台詞のある回が3話と、カメオ出演が2話用意されています。過去最多の登場回数ですね。

 『うたうシドニー(脚本: リー・プレスマン、監督: ディナンナ・バッソ)では、記憶を頼りに集積場を訪れたシドニーを歓迎し、ここにボイラーがないことを教えます。

 

©︎Mattel

 何をするのか忘れたシドニーに対し、ウィフは「きみが動物のゾウだったらよかったのにね」「ゾウは絶対に覚えたことを忘れないんだって」と、知識を与えつつ、陽気に冗談を言います。結果的にシドニーの記憶を混乱させることに繋がりますが、本人にその意図はないのは明白です。

冗談が言えるほど馴染んできたかのようでいいですよね。

 

©︎Mattel

 『ブラッドフォードってきびしい』(脚本: リー・プレスマン、監督: ディアンナ・バッソ)では、胃いたずら貨車たちを大人しくさせるブラッドフォードを見てトーマスの列車を羨ましがります。この時は、珍しくいたずら貨車たちの貨物列車を牽いています。

ウィフほど人格が出来ていても、性能ゆえに制御に苦しむのかもしれません。

 

©︎Mattel

 夕方、ブレンダムの港でブラッドフォードから離れるトーマスに、「彼と一緒に走ってもいい?」と尋ねます。トーマスから紹介されると、よほど信頼性の高いブレーキ車が欲しかったのか、ウィフはにっこり笑顔を見せます。

 

©︎Mattel

 ところが、出発しようとしたところでブラッドフォードに呼び止められます。「汚い貨車を綺麗にするまでは行かせられない」と指摘され、ウィフは「どうせ廃棄物をゴミ集積場まで運ぶんだよ?」と反対するも、押しに弱い彼は、しょんぼりして渋々と洗車場に向かうことに。その後どうなったのかは不明です。

 

©︎Mattel

 『やくにたつしろいぼうし』(脚本: リー・プレスマン、監督: ディアンナ・バッソ)では、トーマスの支線でゴミの貨車を回収しています。太陽の熱でぐにゃぐにゃに曲がった線路の上を、わずかに悲鳴をあげてゆっくり進みます。しかし、ゆっくり進んでも、弾んだ拍子に貨車から空き瓶が落っこちてしまい、結果的にぼやを招いてしまいます。

 

©︎Mattel

 『やみにひかるヘンリー』では、冒頭にソドー整備工場にいます。ポーターと一緒にペンキの塗り替えを待っています

 

©︎Mattel

 『ふくれっつらのジェームス』では、ゴミの貨車を任されて腹を立て、モタモタと時間をかけて集積場にやってきたジェームスに対し、困った顔で彼の顔色を窺っています。

 

 

映画『とびだせ! 友情の大冒険』

©︎Mattel

 映画『とびだせ! 友情の大冒険』では、本人としてではなく、挿入歌「いつになったらかえれるの?」にて、友達が恋しくなったトーマスの空想内に一瞬だけカメオ出演しています。画面左側に注目。ここまで紹介してきたスタンリーとロージーと同じくらいの位置で、ずいぶん後ろにいますね…。

 

 

第22シリーズ

©︎Mattel

 第22シリーズでは、台詞のある回が1話用意されています。

 『ぶひんのなぞをさぐれ!』(脚本: デヴィー・ムーア、監督: ディアンナ・バッソ)では、ゴミの貨車を届けに集積場を訪れたパクストンと手がかりを探すシドニーを歓迎します。

「やあ、パクストン。シドニーはここで何をしているの? ("Hi, Paxton! What's Sidney doing here?")」

※オリジナル版のウィフの最後のセリフになります。

 

 

【動向などのデータまとめ】 

 では、ここまでの動向を箇条書きでまとめてみましょう。拡大解釈になりがちな部分は▲と疑問符で表記します。

 

[性格面]

●陽気で、いつもにこにこと、フレンドリーで、おおらかな雰囲気を出している。

●素直で純粋*11

●ゴミ集めが好きで、責任感を持ち、周りからどう思われても気にしない*12

●車体の汚れや臭いより、時間通りに仕事を終わらせることを重要視する*13

●対立を好まず*14、相手に対して怒ることはなく*15、よく困った表情を浮かべる*16

●緊急時には眉をひそめて真剣な表情をする*17

●心優しく思いやりがあり、たとえどんなに酷い扱いや失礼な態度を取られたとしても、相手の心配をしたり、配慮を欠かさない*18

●楽しいことは好き*19だが、どちらかといえばおとなしい*20

●仲間が困っている時は、積極的に喜んで手伝う*21

●褒められることが少なく、すぐ照れる*22

▲周囲に鈍感?*23

▲ソドー島の地理*24や歴史*25、動物*26に詳しい?

 

[他者からの評価]

●見た目を重視している機関車からは揶揄われたり煙たがられることが多い。

●それを気にしない仲間や、立派と認めた仲間からは好感を持たれている。

●トップハム・ハット卿やボックスフォード公爵夫人から信頼を得ている。

 

[仕事]

●島中のゴミの貨車の回収と集積場への運搬。

●ゴミ集積場での入換え作業。

●貨物列車の牽引。

 

[特別な仕事]

●トーマスの捜索・救助活動*27

●急行客車で鉄道検査官の送迎*28

●ボックスフォード公爵夫人の送迎*29

 

[◉友達・●関係性]※物語で明細に描かれているもののみ

◉トーマスと親睦を深める描写は特になかったが、共にゴミ回収の仕事をするのを拒まず、時には笑い合うなど仲の良い様子が見られる。ウィフがトーマスを救出したこともある。トーマスはウィフを役に立つと認めている。

◉エミリーは最初、ウィフと一緒に働いて笑われるのが嫌で彼から逃げ回った。彼女は先回りするウィフを振り切るも、ウィフ自身は彼女に対して怒らず、一緒に仕事をしたことで大切な友達と認められる。その後も石炭の貨車を手伝うなど交流がある。

◉スクラフは、ゴミの集積場で共に働く仲間である。お互いに汚れても気にしない。スクラフが車体を綺麗にして戻った時、彼はウィフからの指示を全て断ったが、ウィフはそれを受け入れて彼の車体が汚れることを本気で心配した。

 

●ゴードンは、最初ウィフを笑い物にし、後に協力してトーマスを捜索するよう命じられた時は嫌がった(この時ウィフは静かに喜んでいる)。しかし、ゴードンがウィフたちの代わりにゴミの貨車の整理をできなかった時、立派だと認めて急行列車を託している。それでも再びゴミ集積場へ赴くのは嫌な模様*30

●パーシーと仲良くなる描写はないが、パーシー自身の希望でトーマスの捜索に着いて行って協力してトンネルのゴミを退かす。また、ウィフは、いつも郵便配達をしっかりするパーシーを立派だと考えた。

●スペンサーは最初、ウィフを見下すが、自分の線路からゴミの貨車をエミリーとどかした時に「役に立つ」と感心する。しかし、後の物語でも、身分の違いからウィフを見下した発言が目立つ。ウィフはスペンサーに一時憧れた。

●バッシュとダッシュファーディナンドは、ウィフとパーシーによって助け出され、挨拶を交わす。

シドニーとの関係性は不明だが、不仲ではないと見える。忘れん坊の彼に対し、ウィフは「きみがゾウだったらよかったのにね」と冗談を言っている。

 

エドワードとの関係性は不明だが、柵に使う柱の貨車の運搬を手伝いに声をかけたウィフに快く託したことがある。

▲ヘンリーからは「変な名前」、「変な匂い」と笑われている。

▲ジェームスからは「ヘンテコな汽笛を鳴らす汚らしい(エミリーの)友達」と揶揄われている。

▲トビーとの関係性は不明だが、古い缶が積まれた貨車を発見したトビーに笑顔で尋ねたことがある。また、ただならぬ音を聞き、トップハム・ハット卿の命令でトビーの元へ駆けつけた。

モリーネビルマードックとの会話はないが、笑われている。

ディーゼルと直接絡む様子はないが、ディーゼルがクリスマスの精神を見直すきっかけに間接的に関わっており、ウルフステッド城では彼の隣に並んでいる。

▲パクストンとは面識がある程度にしか描かれていないが、ゴミの貨車を運びにきた彼を歓迎している。

▲ブラッドフォードを見て、ウィフは列車につけることを羨むが、いざ連結すると出発前に貨車の汚れを落とすよう厳しく言われ、萎縮しながら渋々洗車場へ向かう。その後の様子は描写されていない。

▲エリザベスとの会話はないが、ウィフの匂いに驚きながら、対面のエミリーに「新しい友達を紹介してくれないの?」と尋ねている。

 

そのほか面識がある仲間: ロージー、ヒロ、ビクター、チャーリー、ポーター、ソルティー、ヘンリエッタ

 

[活躍]

●エミリーと協力して線路を塞ぐゴミの貨車を移動させた*31

ミスティアイランドへ繋がるトンネルの構造を熟知しており、パーシーと一緒にトーマスの救助に一躍買った*32

●ゴードンの代わりに急行列車を運んだ*33

●トーマスの案で、ボックスフォード公爵夫人を乗せてトップハム・ハット卿夫人の元へ送り届けた*34

●失敗したとはいえ、エミリーの石炭の貨車とエドワードの木材の貨車を最後まで届けた*35

 

[失敗]

●トーマスの汽笛に驚いてゴミの貨車に衝突し、ゴミを被る*36

●自己満足でスペンサーのように立派になろうとした結果、自分の仕事であるゴミの貨車の回収を放棄し、挙句、放置された貨車で線路が塞がれているパーシーに衝突する*37

 

[事故]

●トーマスの支線でゴミの貨車を回収する際、太陽の熱でデコボコになった線路を走り、その弾みで貨車から落ちたビンによってぼやの原因を作ってしまった。

 

[来島事由]

●ソドー島中のゴミを回収するため。

 

[その他の動向]

●グレート・ウォータートンで鉄を叩く音を聞きつけ、トップハム・ハット卿を乗せてトビーの元へ向かう。

●過去にミスティアイランド・トンネル内部にゴミを捨てていたことが明かされる。

●スクラフが手伝いに来ると聞いた際に大喜びをする。

●故障したスクラフの付き添いをする。

●霧の中、迷子になって集積場を訪れたスペンサーに困惑する。

●ゴミの貨車にトーマスが突っ込み、事故に巻き込まれる。

●綺麗になって戻ってきたスクラフから仕事を拒否されるも、スクラフのペンキが汚れることを本人よりも心配する。

●精霊を演出するためにゴミを被ろうとするトーマスに許可を出す。

●ブラッドフォードを羨ましがる。

●ポーターと一緒にペンキの塗り替えを待つ。

 

 

【登場エピソードまとめ】

[台詞がある回のみ]

⚫︎第11シリーズ

 ○『エミリーのゴミあつめ』

⚫︎第12シリーズ

 ○『Toby's Special Surprise』

⚫︎第14シリーズ

 ○『トーマスとスクラフ』

 ○『ゴードンとおおそうじ』

⚫︎第15シリーズ

 ○『スペンサーとふかいきり』

⚫︎第16シリーズ

 ○『トーマスとゴミのかしゃ』

 ○『ソドーとうのサプライズ・デー』

 ○『ウィフのねがい』

⚫︎第17シリーズ

 ○『スクラフのだいへんしん』

⚫︎第19シリーズ

 ○『ディーゼルクリスマス・キャロル その2』

⚫︎第20シリーズ

 ○『うたうシドニー

 ○『ブラッドフォードってきびしい』

 ○『やくにたつしろいぼうし』

⚫︎第22シリーズ

 ○『ぶひんのなぞをさぐれ!』

⚫︎映画『ミスティアイランド レスキュー大作戦!!』

 

 

[台詞のない回のみ]

⚫︎第15シリーズ

 ○『ケビンのじまんのフック』

 ○『とくしゅしょうぼうしゃフリン』

⚫︎第16シリーズ

 ○『パーシーとパイプオルガン』

⚫︎第18シリーズ

 ○『ティモシーとにじいろのかしゃ』

 ○『サムソンとスクラップ』

⚫︎第20シリーズ

 ○『やみにひかるヘンリー』

 ○『ふくれっつらのジェームス』

⚫︎映画『トーマスをすくえ!! ミステリーマウンテン』

⚫︎映画『ブルーマウンテンの謎』

⚫︎映画『とびだせ! 友情の大冒険』

 

 

 

【2Dシリーズでは…?】

 先述の通り、ウィフは2Dアニメーション『All Engines Go』シリーズにも登場しています。このシリーズは、第24シリーズ以前の作品とは意図的に切り離されて制作されているため、敢えて分離して紹介します。

 

※第24シリーズまでのオリジナル版と違って、2D版は現在進行形のシリーズですので、この記事では映画を含むネタバレをしないことを約束します。

 

 

[基礎データ]

分類: タンク式蒸気機関車

タンクの種類: サイドタンク

車軸配置: 2-2-4T

車体番号:「66」

性別: 男性

所属: ノース・ウェスタン鉄道

配属: ウィフのリサイクル工場

一人称: ぼく

 

[声優]

英国版: マット・コールズ (2022-)

米国版: ジョー・ピング (2022-)

日本版: 細谷カズヨシ (2024-)

     ディーン・フジオカ (映画『大冒険! ルックアウトマウンテンとひみつのトンネル』のみ)*38

 

 

【ウィフの性格について (2D版)】

©︎Mattel

 オリジナルシリーズの吹替版では少年のような声色の持ち主でしたが、厳密にはシリーズ中、一度も古いか若いかについては言及されませんでした。

一方、『All Engines Go』では明確に「大人」と「子ども」のキャラクターが描写されています。これは劇中の台詞もそうですが、原語版では大人の声優か、子役の声優を起用しているかで判別できます。2D版のウィフは、トーマスやパーシーよりも大きく、大人の声優が起用されていること、それから長いこと働いているような描写からも「大人」の機関車として再設定されています。

このため、日本語版の声優も原語版に沿ったキャスティングになっています。

 

 

 それでは、性格については例によって米国版のメディアから漁っていきましょう。まだ公式サイトが無いので、今回は2022年にDK社から出版された書籍『Meet the Engines』から引用します。

 

WHIFF The recycler engine

Whiff's job is trash - and he loves it! He works at the Recycling Plant in Sodor, gathering all kinds of waste and sorting it for reuse.

 

FUN FACT!

Whiff is a bit of a tech whiz who enjoys inventing things.

 

FACT FILE

Home: Recycling Plant

Role: Processing trash and broken machine parts

Dislikes: Anything going to waste

 

 

 同じDK社の『Character Encyclopedia』から文章がまるっきり異なることが見てわかると思います。

まず、2D版のウィフはゴミ集積場ではなく、リサイクル工場で働いています。そこであらゆる廃棄物を集めて、再利用するために分別、そしてそこから発明をするのが趣味とあります。

また、豆知識によれば、嫌いなことは無駄にすること。つまり破棄してしまうことのようです。

 

 要約すると、2D版のウィフは、廃棄物をリサイクルして発明するのが好きな技術力の持ち主であるということです。

 

 さて、この記事ではネタバレをしないと約束しましたので、劇中でどんな行動やどのような活躍を見せているのかは、今回は触れません。

 

【登場エピソードまとめ (2D版)】

※現在進行形のシリーズのため、途中までの記載となります。登場作品と日本語吹替版のサブタイトルが判明次第、随時更新します。

 

[台詞がある回のみ]

⚫︎AEG 第2シリーズ / 第26シリーズ

 ○『ニオイモンスター』

 ○『Whiteout!』

 ○『まるで、しんぴんみたい』

 ○『Off the Rails

 ○『What's in a Name?』

 ○『Thomas for a Day』

⚫︎AEG 第3シリーズ / 第27シリーズ

 ○『Abraca-Diesel

 ○『Sandy's Fine Mess』

 ○『Nia's Green Surprise』

 ○『The Can-Do Crew』

 ○『Pizza Picnic Problem』

⚫︎映画『大冒険! ルックアウトマウンテンとひみつのトンネル』

⚫︎映画『The Christmas Letter Express』

 

[台詞のない回のみ]

⚫︎AEG 第2シリーズ / 第26シリーズ

 ○『The Sights of Sodor』

⚫︎AEG 第3シリーズ / 第27シリーズ

 ○『Travels with Terence』

 

 

【終わりに】

 ウィフは、いたずら者や困りものが多いソドー島の中でも、エドワードやスタンリー、ヒロのように貴重な良心の塊であり、怒ることもないおおらかさと思いやりのある優しさだけでなく、物好き以外誰も彼もが避けるゴミ集めの仕事を好み、責任感を持って取り組む、社員の鑑のようなキャラクターです。その寛大な心構えは2D版でも大差ない印象です。

劇中(オリジナル版)では、手伝いの機関車が必要だったり、時間通りに仕事をしようとして棍詰めたりと、自分の力量に合った仕事ではないような描写が何度もありますが、それでもゴミ集めを任されているのは、ウィフの熱量とトップハム・ハット卿からの信頼の高さが伺えます。

2013年の脚本家用バイブルによれば、小さな車体に大きな心を持っているとあるので、寛大な性格であることは間違いなさそうです。

人は見かけによらないを体現したキャラクターと言えます。ウィフが不潔なのは仕事を頑張っている証で、私はその心構えに心を打たれ、初登場時点から今でも大好きです。いつもにこにこ微笑んでいて可愛らしいんですよ。出てくるたびに興奮します。

ウィフの魅力、少しでも気づいてもらえたら嬉しいです。好きになってもらえたら、ファンとしてこれほど嬉しいことはありません。

 

 そうそう、機関車なのになぜメガネをかけているのかと疑問が真っ先に浮かぶ人もいると思います。理由は一度も言及されていませんし、2D版みたいに単純に視力が悪いのかもしれませんが、こういうのは個々のキャラクターの人格や擬人化を表すものだと考えています。ウィフのキャラクターデザイナーによれば、オタク(nerd)をイメージしているとのことです。

 

 

 ちなみに、メガネをかけた鉄道車両のキャラクターは、フランチャイズ上ではウィフが初めてではありません。原作22巻で台詞はありませんが、砂利を撒く機械(Sodor Chain Load Undercut)がメガネをかけていて、ウィフの登場より先に木製レールシリーズで製品化されています。

 

 

 というわけで今回は、ウィフについて深掘りしてみようのコーナーでした。二次創作で扱うヒントや、キャラクターの魅力の再認識に繋がれば幸いです。固定観念があると真意が掴みづらくなりますからね。

次回は誰にしましょうかね〜。映画に出てくるダーシーも、オリジナルシリーズが初出なので、それをこのタイミングで記事にしてもいいとは思っているんですが。

 例によって考察はできる人にお任せします。ウィフに対してどのように感じられたか、どのように考えられるか、コメント欄で教えていただけると幸いです*中傷・過激なキャラクター下げ、あるいは他の記事を書くよう急かすなどの行為は削除させていただく場合がございますのでご容赦ください。

では。

 

※この記事に添付したスクリーンショット著作権は全てマテル社に帰属します。

*1:『MIR』、第14シリーズ以降

*2:第20シリーズ『やくにたつしろいぼうし』のみ。

*3:ドーリング・キンダースリー

*4:Locomotive worksplate | Science Museum Group Collection

*5:Leeds Northern Railway (UK) - LNR 2-2-2WT steam locomotive… | Flickr

*6:LNER Encyclopedia: The Wilson Worsdell X1 2-2-4T Locomotive 'Aerolite'

*7:loco-info.com - North Eastern No. 66 “Aerolite”

*8:NER Class 66 & LNER Class X1 2-2-4T Aerolite – Preserved British Steam Locomotives

*9:最適巡航速度は時速68キロ。

*10:サンプルボイスはこの声でした。

*11:第14シリーズ『トーマスとスクラフ』、第17シリーズ『スクラフのだいへんしん』

*12:第11シリーズ『エミリーのゴミあつめ』

*13:第11シリーズ『エミリーのゴミあつめ』、第14シリーズ『トーマスとスクラフ』、第17シリーズ『スクラフのだいへんしん』

*14:第16シリーズ『ウィフのねがい』、第20シリーズ『ブラッドフォードってきびしい』

*15:第11シリーズ『エミリーのゴミあつめ』、第17シリーズ『スクラフのだいへんしん』

*16:第16シリーズ『ウィフのねがい』、第20シリーズ『ふくれっつらのジェームス』

*17:第12シリーズ『Toby's Special Surprise』、第17シリーズ『スクラフのだいへんしん』、映画『ミスティアイランド レスキュー大作戦!!』

*18:第17シリーズ『スクラフのだいへんしん』

*19:第16シリーズ『ソドーとうのサプライズ・デー』

*20:映画『ミスティアイランド レスキュー大作戦!!』

*21:第11シリーズ『エミリーのゴミあつめ』、第14シリーズ『ゴードンとおおそうじ』、第16シリーズ『ウィフのねがい』

*22:第14シリーズ『ゴードンとおおそうじ』、第16シリーズ『トーマスとゴミのかしゃ』

*23:第11シリーズ『エミリーのゴミあつめ』、第16シリーズ『トーマスとゴミのかしゃ』

*24:第11シリーズ『エミリーのゴミあつめ』

*25:映画『ミスティアイランド レスキュー大作戦!!』

*26:第20シリーズ『うたうシドニー

*27:映画『ミスティアイランド レスキュー大作戦!!』

*28:第14シリーズ『ゴードンのおおそうじ』

*29:第16シリーズ『トーマスとゴミのかしゃ』

*30:第17シリーズ『こおりついたてんしゃだい』

*31:第11シリーズ『エミリーのゴミあつめ』

*32:映画『ミスティアイランド レスキュー大作戦!!』

*33:第14シリーズ『ゴードンのおおそうじ』

*34:第16シリーズ『トーマスとゴミのかしゃ』

*35:第16シリーズ『ウィフのねがい』

*36:第16シリーズ『ソドーとうのサプライズ・デー』

*37:第16シリーズ『ウィフのねがい』

*38:ゲスト声優

きかんしゃトーマス 第19シリーズレビュー第4回【再投稿】

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

S19 E04 『The Truth About Toby』『さよならトビー?』

脚本: デヴィー・ムーア

内容: トビーがスクラップ置き場で立ち往生した時、機関車たちはスクラップになるという噂を流す。

続きを読む

きかんしゃトーマス 第19シリーズレビュー第3回【再投稿】

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

S19 E03 『Snow Place Like Home』『ほっとするばしょ』

脚本: リー・プレスマン

内容: ビクターは雪が嫌いにも関わらず、雪で立ち往生したケビンを探しに行く。

続きを読む

きかんしゃトーマス 第19シリーズレビュー第2回【再投稿】

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

S19 E02 『A Cranky Christmas』『クランキーのクリスマス』

脚本: マーク・ハッカビィ、ニック・オスラー

内容: 木箱を落としたクランキーが事故を隠す一方、トーマスは砂を使い果たす。

続きを読む

きかんしゃトーマス 第19シリーズレビュー第1回【再投稿】

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

S19 E01 『Who's Geoffrey?』『なぞのきかんしゃジェフリー』

脚本: リー・プレスマン

内容: 事故を起こしたトーマスは思いつきで架空の機関車を作ってでっち上げる。

続きを読む

Thomas & Friends: All Engines Go 第3シリーズ第13話レビュー

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

AEG S3 E13 『Pizza Picnic Problem』

監督: キャンベル・ブライアー

脚本: サラ・アイゼンバーグ、ベッキー・ウォンバーグ

内容: トーマスたちは創造力を駆使してピクニックの手助けをする。

続きを読む

Thomas & Friends: All Engines Go 第3シリーズ第12話レビュー

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

AEG S3 E12 『The Can-Do Crew』

監督: キャンベル・ブライアー

脚本: アダム・ロレンツォ

内容: トーマスといたずら貨車たちは汚れ仕事のために全員を集めなくてはならない。

続きを読む