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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

きかんしゃトーマス 第18シーズンレビュー 18

※この記事にはネタバレが含まれています。

 

 

 

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S18 E18 「The Perfect Gift」 (レッジのクリスマスプレゼント)

脚本:デイビー・ムーア

内容:パーシーは物悲しいスクラップ置き場をクリスマスらしくする方法を考える。

【高評価点】

・レッジの独特の考え方や性格がふんだん活かされている。レッジの作ったツリーが彼自身の性格に反映している点も、パーシーとレッジの考え方の差がよく表現されているのも評価点。

・これと酷似したエピソードが幾つかあるが、それらと比べるとやや工夫が施されていて面白い。

 

【低評価点】

・明らかに貨車との距離が離れていてグラップルが届かなそうなのにその場から動かずスクラップなどを鷲掴みするレッジがどうも違和感。

・収録現場が別々なせいか、UK版のパーシーの歌声とズレが酷い。

 

【面白かった点、小ネタ】

・パーシーとレッジの主役回。

・話の構成はS12「The Party Surprise」やS16「ソルティーへのプレゼント」と酷似している。

・「クリスマスの12日」を歌う聖歌隊

・レッジ「今日もラブリーなスクラップを持ってきてくれたのかい?」

・「クリスマスの12日」の口笛を吹くレッジ。

・パーシーが会話しているにもかかわらず音を立てて仕事をつづけるレッジ。

・レッジにとっては何の装飾がなくてもスクラップ置き場で働けるのが幸せらしい。

・機関庫脇の草臥れたツリーは「スヌーピーのメリークリスマス」が元ネタらしい。

・悪気はないがパーシーが持ってきたツリーをシュレッダーにかけるレッジ。

・レッジのために客車に乗った聖歌隊をスクラップ置き場へ連れて行くパーシー。

聖歌隊と共に「クリスマスの12日」を歌うパーシー。

聖歌隊の中にまぎれてハット卿母と同じ声音で歌うキース・ウィッカム

・パーシーや聖歌隊を気にかけながらそっとスクラップを運ぶレッジ。

・パーシーの目の前でプレゼントを渡す男女。

・凍える彼女にそっと自分のマフラーを貸す男性。

・パーシーの持ってきた廃品物でスクラップでできたツリーがライトアップ。

・レッジはレッジで自分らしくクリスマスの装飾を作っていたことが判明。

・パーシーの前にどこからともなく現れる平台貨車。(もともとパーシーの線路にあったが、いつの間にかパーシーのすぐ目の前に出現するというCGミス)。

プロペラファンでできた"星"をセットするレッジ。

・星形のプロペラファンをレッジから受け取るパーシー。

・それを機関庫に飾り付ける。

・隣のエドワードとの間に飾られてるのも何かわけがありそう(個人的な考え)。

 

 

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島で唯一(?)クリスマス感がないスクラップ置き場。パーシーはレッジを気遣うが、それでもレッジは幸せそうだ。

 

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 S17「きえたクリスマスのかざり」同様、"クリスマスは誰に対しても平等にプレゼントを送りあう"という純粋な考えを持つパーシーは、寂しいスクラップ置き場を活気づけようと様々な策を練る。レッジのために歌を聞かせようとスクラップ置き場へ客車を牽いてやってくるという異様な光景にも…。

 

 

【流れと感想】

  S18第二のクリスマスエピにして連続でパーシーの主役回。発表当初はあまり気に留めなかったけど、僕の好きなレッジが準主役ということで公開前はワクワクしてました。まさかパーシーとレッジが仲良しなのは予想外でした。帰ってきたゲイターはどうしたよ。それにスクラップモンスターを作ったのはレッジなのに(

 

 クリスマスの時期、パーシーはクリスマスツリーやクリスマスカードの配達でとても忙しい。それだけでなく、普段の仕事もやらなくてはならない。例えば廃品物をスクラップ置き場に運ぶこと。全く特別ではないが重要な仕事だ。前から思ってたけどなんでもやるなあこの子は。イメージは薄いけどパーシーがスクラップを運ぶのはS16を彷彿とさせられます。

そこで働いている黄色いクレーンがレッジ。E04でもちょこっと登場したTOTBが初出の新キャラです。(とはいえ初登場作品でも影薄いけど)。ゴミ集めが仕事のウィフやスクラフと同様に、みんなが好まない(特に機械からすると)スクラップの仕分けをするのがレッジの幸せな時間。僕もゴミ集めが好きなので気持ちはわからないでもないが、"lovely scrap"ってなんだよw クラッシュするのが気持ちいいのかな。一歩間違えると危険な性格になりそう。にしても、気だるい感じでコックニー訛り・態度の彼には口笛が似合うなぁ。

そんなレッジのスクラップ置き場を見渡したパーシーはあることに気付く。もうすぐクリスマスだというのに、どこもかしこもスクラップばかりでツリーも装飾も無くただただ殺風景。レッジは特に気にしていない様子だが、パーシーにはこんなさびしい場所で働くレッジを気の毒に思う。優しい子だなぁ。

ティッドマス機関庫は打って変わって綺麗なデコレーションやクリスマスツリーが飾られている。そこでパーシーはあるものを目にする。それは機関庫脇で草臥れている小さなクリスマスツリー。これは昨年ディーゼル10がピンチーで掴んだあのツリーだろうか。彼はそれを飾りを一つも持っていないレッジにプレゼントしようと試みる。

翌朝、パーシーはスクラップと一緒にそのツリーを持っていくが…

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なんとレッジは自分のために持ってきたツリーとも知らずに、シュレッダー(粉砕機)にかけて粉々にしてしまったのだ。正式なモデルは不明だけど、スクラップ置き場にもこういう粉砕機もあるのね。確かに実用的だ。天然すぎるレッジもだけどパーシーもパーシーで貨車に積まず、機関室に入れときゃよかったのに(燃える)。まあでも「どんなものも無駄にはしない」っていう考え方は素敵だね。

ハット卿に呼ばれ、聖歌隊をタウン・スクウェアへ乗せる仕事を任されたパーシーはあるアイディアを閃く。なんとレッジに歌を聴かせるためにタウンホールとは反対方面のスクラップ置き場へやってきたのだ。客車を牽いてくるのも異様な光景だけど、流石に乗客を乗せてここにくるのは…(苦笑) スクラップを落とす音でお爺さんたちの寿命が縮まないか心配(

自分の指揮に合わせて聖歌隊と一緒に「クリスマスの12日」を歌って聞かせるパーシー。歌ってるパーシーが可愛いし、こんな時でも歌ってくれる聖歌隊がやさしいし、パーシーの気遣いを受け止めて歌の邪魔をしないようなるべく静かにスクラップを運ぶレッジもすごくやさしい。そんな和みのひと時の束の間、結局スクラップが落ちる大きな音で台無しになってしまうわけですが。有難迷惑ってやつですね。

 

 それでもあきらめられないパーシー。駅でプレゼントを渡すカップルを見て、自分もレッジにクリスマスプレゼントを渡そうと策を練るのだが、どんなに考えてもレッジにぴったりのプレゼントがなかなか見つからない。

次の日パーシーは落ち込み気味でスクラップ置き場に訪問。しかしレッジはとても喜んでいる。そう、レッジの好きなものといえばスクラップだ。貨車から摘み上げたボンネット(?)のような廃品物を、自分の目の前にあるスクラップの山積みに設置。するとおかげで電気が通ったのかスクラップの山がライトアップ。そして星形になったプロペラファンをてっぺんに載せるレッジ。なんと彼はスクラップでできたクリスマスツリーを作っていたのだった。「ここにある廃品物は無駄にしない」精神がここにも注がれていたとは、レッジは廃材回収クレーン(?)の鑑ですね。一人であの器用な詰み方をしたのだろうか。スクラップモンスターといい、やはりレッジは芸術的な才能があると思う。

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そしてパーシーにも星形のプロペラファンをプレゼント。何も考えていないように見えて、実はちゃんとパーシーの気遣いに気が付いていたレッジ。天然で生意気なイメージしかなかったけどいい奴なんだなぁ。彼は彼なりにクリスマスを楽しんでいたんだね。パーシーもパーシーで物わかりがいいね。

早速パーシーはその"素敵な星"をティッドマス機関庫に飾り付け。他の人から見ればただのガラクタに過ぎないけど、パーシーにとってはまさに最高のクリスマスプレゼント。いつまでも大切にしてほしいなと思いました。

 

 

最初このお話を流してみた時は中盤のあたりから「天丼っぽいなぁ」と感じたけど、「ソルティーへのプレゼント」と比べたらはるかに良い。パーシーのひらめきと最後の一捻りのおかげであまり退屈に感じることはなく、普通に面白かったです。ある方もおっしゃっていた通り、「誰々のところでパーティを開こう」みたいな展開になることもなく、ラストにレッジがいないにも拘らず後味が全く悪くないのは素直にすごいなと。今回も心が温まる素晴らしいエピソードでした。それに今まで以上にレッジが好きになりましたよ。♪(´ω`)

 

 

総合評価:8/10 

 

 

次回は二度目のダンカン主役回、「Duncan the Humbug」です。