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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

きかんしゃトーマス 第18シーズンレビュー 20

※この記事にはネタバレが含まれています。

 

 

 

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S18 E20 「Last Train for Christmas」 (クリスマスのさいしゅうれっしゃ)

脚本:アンドリュー・ブレナー

内容:コナーはクリスマスまでに間に合うように全ての乗客を家へ送ろうとするが、大雪に見舞われてしまう。

【高評価点】

・全体を通してBGMが良い。

・序盤でコナーが走行するシーンの多くは天候の変化がわかりやすく表現されている。

・キャラクターの選択がナイス。とくに追加の客車としてスリップコーチを使うのは素晴らしいアイディアだと思った。

 

【低評価点】

・本土の駅がクロヴァンズ・ゲート駅の流用。(スタンダードゲージとナローゲージの乗換駅は本土にはエスクデール鉄道(アールズデール鉄道のモデル)しか無い)。

 

【面白かった点、小ネタ】

・ダックの雪かきはトーマスと同じ金型に変更された。

・初めて雪かきをつけて走るオリバー、ヒロ。

・松葉杖を持つブロンド髪の少年はチャールズ・ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』のタイニー・ティムに基づいていると思われる。

・雪に埋もれたスリップコーチたち。

・スリップコーチを牽くコナー。

・雪で立ち往生するパーシーとパクストン。

・ナップフォード駅のシーンではヘンリーのスケールがとても大きく見える(CGミス)。

・珍しく正論を言うディーゼル

・駅で待っている家族たちを見て心情が変化するハット卿。

ディーゼル以外の蒸気機関車たちが除雪しに出発する。

・ナップフォード駅から出発する際、ヘンリーのロッドが微動だにしない(CGミス)。

・ハロルドをサンタクロースと見間違えるパーシーとヒロ。

・コナーの先導者として本土からソドー島まで除雪するヒロ。

・パクストンを側線へ引き込むジェームス。

・サンタクロースをハロルドと見間違えるトーマス。

 

 

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 E08「ダックとスリップコーチ」で登場したスリップ・コーチ。まさか今回も彼らが活躍してくれるとは思わなかった。

 

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トーマスたちと同じ雪かきをつけて除雪するヒロ。今回もカッコいい一面を見せてくれました。D51にこの雪かきは似合わないけど、日本で使ってるようなものではソドー島の雪は掻き分けられないだろう。 

 

 

【流れと感想】

  何故かこのエピソードだけ遅れちゃいました。公開されてもう1年が経ちそうですね。決して忘れていたわけじゃないんです。ただ、自分の"レビュー"の仕方があまりにも気に食わなかったので、少し悩んでいただけです。(※この話の続きはまた今度します)。

 

 ソドー島はクリスマスイブ。家族の待つ家へ急ぐ人がたくさんいるので機関車たちにとっては忙しくも幸せな時期。コナーの停車する本土の駅ではあまりに人が多くて客車が満員に。松葉杖を持つブロンド髪の少年やソドー島へ行くつもりのたくさんの乗客が取り残されることに。少年に「必ず戻る」と男前に約束するコナーがかっこよすぎる。

ナップフォード駅に到着すると、コナーは客車を増やしてもう一度往復すれば残った乗客を家に送れると提案。ハット卿から許可をもらったコナーは駅から出て客車を探す。すると雪の塊から声が聞こえるではないか。塊から出てきたのは、夏にダックが牽いていたスリップコーチたち。まさに今の状況にぴったりの客車だ。特徴的で活躍できる客車ってのもすごいけど、一度活躍した新キャラクターたちを無駄にしないブレナーを、私は大好きです。

早速自分の客車の後ろにスリップコーチたちを連結し、再び本土へ向かうコナー。でも友紀は激しくなる一方で線路の上は重い雪でぎっしり。除雪するパーシーも、貨物列車を牽いていたパクストンも立ち往生。そりゃ後者は雪かきをつけずに走ってるんだもんな。ところで、ディーゼル機関車や高山鉄道の機関車たちはこの先雪かきを装備することはあるのだろうか。S19ではビクターが雪かきを装備するみたいだけども。

雪はあまりにもひどく、ナップフォード駅ではとうとうハット卿が機関車たちに苦渋の決断を下すことに。本線を通行止めにするという。トーマスはソドー島に向かっているコナーとその乗客を放ってはおけない。何とかしようと試みるも全てディーゼルに否定される。今回のディーゼルはいつものようにお話としては"悪役"の立ち位置として描かれているけど、珍しく正論を通してますね。

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ここがこの話で一番好きなシーン。哀しそうにしている少女を見て、そして「お客さんたちはクリスマスを家で過ごせなくなる」というパーシーの意見を聞いてハット卿の考えが変わる。この状況だとどうしてもディーゼルの意見に肯定せざるを得ないけど、家族みんなで過ごすクリスマスを心待ちにしている人々を放っておくのもたとえ他人であっても悲しいものだ。家族を持つひとりの人間として、ハット卿の人情の厚い一面が垣間見える瞬間である。

リスクを伴うことにもなるが、ハット卿はトーマスの意見に賛成し、みんなでコナーの最終列車のために、乗客たちのために雪かきをするよう指示を出す。ありきたりではあるけどいいねえ、熱い展開だ。みんなが主役って感じ。こういうの大好きです。

機関車たちが一斉に飛び出し、トーマスとパーシーはウェルズワース周辺を、エドワードとヘンリーはマロン駅周辺を除雪する。一方でビカーズタウン付近は雪が深く、そこを担当することになったエミリーの蒸気は残り少なくなってしまい、分厚い雪が壁になって前へ進めない。一番古い機関車に遠いところを担当させるなよw

エミリーが諦めて側線に入ったその瞬間、大きな音を立て力強く汽笛を鳴らし誰かが走ってくる。コナーの先導に立ってヒロが勢いよく分厚い雪の壁を難なく突破。かっこよすぎた。最近のヒロはかっこよく目立つ役割が多いですね。脚本家の中に日本が好きな人でもいるのかってぐらいに。それと、アーク期以降のヒロは本土の機関車という設定にでもなったんですかね?

機関車たちが本線を綺麗にしてくれたおかげで、コナーは予定通りスムーズに走ることができた。各駅にスリップコーチを切り離していく。途中アクシデントがあっても、トーマスが助けてくれたり。やっぱりトーマスが1番の主人公なんだなと。

こうして無事にナップフォード駅に到着したコナー。松葉杖の少年も嬉しそうに礼を言ってコナーと「メリークリスマス」の言葉を交わす。ハット卿もコナーと除雪で活躍した機関車たちを褒め、彼らを自分の家族のように「おやすみ」と一言。「きかんしゃたちのクリスマス・キャロル」を彷彿させる最後の夢のある演出も素敵だった。

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 まさに「一人はみんなのために、みんなは一人のために」といった教訓が存分に示されて居たように感じます。心がポカポカ温まる、実に良いエピソードだったと思います。何一つ気持ち悪い部分もなく最初から最後までステキに思えました。

 

 

総合評価:10/10