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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

きかんしゃトーマス 第22シリーズレビュー第5回

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の感想は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

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S22 E05 『What Rebecca Does』『レベッカはとくべつ』

脚本: デヴィー・ムーア

内容: レベッカはいつも礼儀正しくて優しいが、仕事の途中でベルたちに出逢った彼女は自分にも特別な物が欲しいと悩む。

テーマ: それぞれに何か特別を持っている

 

【高評価点】

レベッカのキャラ活用と学習。

・脇役キャラクターの扱い方。

・ナレーションは無いが番組として自然だった。

 

【低評価点】

・作業員を軽率に危険に晒す行為。

 

 

 

【このエピソードについて】

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©Mattel

 新入りのレベッカとは一体どんな機関車で、どんなキャラクターなのかといった紹介が題材になっています。何も持ってない機関車が特別なものを欲しがる物語は前にも何度かありましたのでその新鮮味は薄いですが、S19『エミリーとケイトリン』よりも合理的で納得のいく解決方法だったように感じます。まずレベッカのキャラクター個性が非常に強いんですよね。
 脇役キャラの扱い方も良かったです。そしてその多くは女性でした。ソドー島にはどんな既存の女性キャラクターがいて、どんな特別な存在がいるのか、レベッカとの対面によって脇役がみんなそれぞれに活躍や特有の行動を起こしているので、このシリーズから新しく観る層にも親切です。加えて、過去作から見ているファンにとってもいくつかの面白い絡みがありました。S20でも共演を果たしたデイジーとアニーとクララベルは今でも不仲なんだなというのが確認できただけでも、トーマスがヴィカーズタウンにいる事はまあ…いいかなと思います(笑) ムーアのデイジー愛は最高です。

 上記のようにそれぞれに個性を活かしているため、それほど大きな問題ではありませんが、トーマスを含む今回の脇役の大半が支線のキャラクターにも関わらず、急行列車のレベッカと絡ませるために本線で動作しています。支線所属設定もきちんと活用されていたら、それはもっと素晴らしい物語になったのではないかと私は考えます。

 

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©Mattel

 その中で、目を疑うような光景がいくつかありました。ただの何事もないギャグシーンなのですが、マリオンが気にせず作業員ごと土を掬ってしまいます。幸い怪我はないものの、長編『BWBA』のカーリーやタンザニアのクレーンも同様に、コメディ作品ではないので車両が人(自分らを動かす存在)を軽率に危険に晒す行為はどうかやめてください。車両は人の為に動き、人と一緒に働く物であって、人と遊ぶものではありません。

また、レベッカは急行客車を引っ張ったままソドー整備工場へ入ります。はい、わかっています。これは子供向け番組ですし、私は何から何までリアルな鉄道描写は一切求めていません断じて。しかし鉄道を題材にした作品としての意識があまりに低すぎるのも如何でしょうか。上記の点も含めて他の作品との差別化を蔑ろにしないでください。

私はその時お客が乗っていない事を切に願います。

 

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©Mattel

 さてさて、私はレベッカがますます好きになりました。言動は常に正直ながらも、彼女には自覚が無いだけで自身の言動で皆を笑顔にさせる才能があります。将来性があるだけでなく実に素晴らしい性格の持ち主です。真正の優しい心。

私もこんなふうになりたい。そして彼女の登場するエピソードをもっと観たいです。

 

【チェックポイント】

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©Mattel

  今回のファンタジー・シークエンスはレベッカが自分に特別な何かがあったらという空想でした。周りの機関車は憧れの眼差しを向けています。このディスコ風の雰囲気は彼女の何を表しているんでしょうね。若さ?

そんな空想上のレベッカのボディについているのは彼女が憧れたベルの放水銃と鐘、マリオンの蒸気ショベル、ハーヴィーのクレーンだけでなく、なんとディーゼル10のピンチーの姿も! 

 ディーゼル10と云えばS17でテレビシリーズに進出したエピソードを境に音沙汰ありませんが、今頃元気にやっているかなぁ。

 

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©Mattel

 双子のビルとベン、台詞付きで久しぶりの登場。これまではジョナサン・ブロードベントが一人二役英米版の彼らを演じていましたが、今回から声優が変わりました。正確に合ってるかわかりませんが、ビルはラスマス・ハーディカー、ベンはマット・ウィルキンソンが演じているように聴こえます。

ブロードベントが外れたのはとても寂しいですが、より一層可愛くて良い感じです。

どっちのせいか口喧嘩しながらレベッカに律儀に挨拶するのが可愛い(笑)
 

 

 

全体的な面白さ:☆☆

鉄道らしさ:☆

キャラ活用:☆☆☆

BGMの良さ:☆☆

アニメーション:☆☆

道徳教育面:☆☆☆

 

【最終的な感想】

 先ほどのように新鮮味は薄いものの、レベッカの性格をふんだんに活用したレベッカの為の素晴らしいエピソードでした。場面の一つ一つに意味があり、何一つ無駄な要素がありませんレベッカが急行列車担当なので、進行上惜しいなと思うところもありますが、大目に見ることにします。

 

 そういえば、長編『BWBA』の邦題と公式サイトが公開されましたね。その名も

Go!Go! 地球まるごとアドベンチャー

前作との重複にならず、かといって直訳にもなってない、覚えやすくて良い邦題だと思います。映画公開とタイトルが決定したという事は、短編の方もそう遠くないうちに放送されるんじゃないかな。英国で最初の週に放送されたエピソードはどれも良作でしたし、ちょっと楽しみになってきました(笑)

 

総合評価: 9/10

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