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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

きかんしゃトーマス 第23シリーズレビュー第22回

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の感想は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

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S23 E11 『Laid Back Shane』『シェインはよゆう』

脚本: カミーユ・ユーキャン&ローズ・ジョンソン

内容: 友達との旅を楽しむあまり補給を怠ったシェインは砂漠の真ん中で石炭を使い果たす。

テーマ: やりたくない事も時々は重要

【高評価点】

・シェインの掘り下げ。

 

【低評価点】

無し

 

 

 

【このエピソードについて】

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©Mattel

 待ちに待ったシェイン主役回です!  内容はかなり単調と言えますが、間違いなくシェインに焦点を当てており、シェインに関する情報で溢れかえっています。

後ろでわちゃわちゃ騒ぐオーブリーとエイデンの言う事を普段から気にしないせいか*1、トーマスとの旅が楽しすぎるあまりか、彼らの忠告を無視して燃料を補給せずにレッド・センターの砂漠を走り続け、立ち往生してしまいます。ずっと友達と走りたいのもあるんでしょうけど、殺風景な駅で補給の為に一時停車するのはシェインにとって動物の動向を待つのと同じくらい退屈なのでしょう。

オーブリーとエイデンとの普段の会話と、そんなちょっぴり頑固でいい加減なところのあるシェインの失敗を見ることが出来たのが嬉しかったです。『Great Race Friends: Near and Far』シリーズの『Shane Surfs in the Slippery Snow』のように、常識より楽しみを優先する性格が別の方法で本編で描かれたのも良かったです。

私は友達を愉しませることにばかり気を取られて自分の体調管理を疎かにするという良いんだか悪いんだか変な癖があるので、共感しやすかったです。

まあ、大まかに言って「自分がやりたくない事」というものは子供との共通点の例が多いと思います。例えばS1『ゴードンみぞにはまる』とか。これは同じ教訓です。

 

 物語に影響しませんが、このエピソードではオージー英語のスラングの一つを学習することが出来ます。それが「cobber」。意味は「(男性の)親友、仲間、相棒」を指す言葉です。私の知人(オーストラリア在住)でもあまり聞かないスラングのようですが、「cobber」って言われたら嬉しくなりますね。

このほかにもシェインの独特な言い回しが面白かったです。その一つが「Fill me up, baby!」です。石炭箱の傍にいた作業員に対して補給を頼む台詞ですが、別に機関車から視て人間イコール赤ちゃんと云うわけではありません。単純に親しく接する一つの方法です。そこにシェインらしさが溢れていて好きです。

 

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©Mattel

 いつも本格的なツアーガイドを行っているにも関わらず意外にも乗客の事を考えていないのは驚きでしたが、それはそれで呑気な彼らしいとも思えます。たぶんこれらのミスは、トーマスと云う良き相棒が同行しなかったら起こらなかったのかもしれません。一秒でも長く、出来るだけ彼と一緒に居たかった、ないし彼の旅を盛り上げたかった、そのような示唆が劇中で何度か出ていたのが印象的でした。シェインは屈託ないやり方で友達作りが上手い、でもそれが裏目に出たというのが今回のお話でしょうね。

きっとシェインには、シドニーで働く路面電車のトレーシーを始めとし、地元にも多くの機関車の友達が居るはずですが、彼が働いているアウトバックやレッドセンターでは、たとえ複線であったとしても、ほとんど仲間とすれ違ったり共に同じ道を行く機会が無いのでしょう。範囲が広すぎて。*2

 

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©Mattel

 トーマスが世界中の国や、別の地方で学んだことを別のエピソードで活かすやり方がとっても好きで、今後も継続してやってほしいと思っています。今回ではS22でタミカから教わった動物を尊重する事をシェインに教えます。

人工物が野生生物を尊重するのは良い事ですし、子供たちが真似をして学ぶ事を願っています。でも、この状況でそれはただ無意味なだけです…。 

 

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©Mattel

 熱い砂漠の上で意識がもうろうとする中シェインが考えた空想は大変理に適った演出だと思いました。ビーチバレーなど、陽気なシェインらしさが全体に表れていますね。

 

 

【チェックポイント】

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©Mattel

 シンプルでありながら、私のようなマニアにとっては非常に情報量が多いと感じました。冒頭のトーマス不在時の会話では、トーマスに対する好感度が窺えるほか、彼との旅になると思い込んで歓喜するオーブリーにシェインが嫉妬する描写があります。かわいい。

オーブリーとエイデンも、あのサイクロン以降、すっかりトーマスに懐いていますね。親しくなった証拠。初登場時とだいぶ印象変わります。

 

 シェインが時々歌っていた『To the Red Centre』の元ネタは『ワルチング・マチルダ』というオーストラリア発祥の歌です。

 

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©Mattel

  エミューのCGがかなりリアルな方で驚きました。

 

 

全体的な面白さ:☆☆

鉄道らしさ:☆☆

キャラ活用:☆☆☆

BGMの良さ:☆☆

アニメーション:☆☆☆

道徳教育面:☆☆

 

【最終的な感想】

 先ほども言ったように少し単調で何度も使われた教訓ということもあって特別最高と云うほどではありませんでしたが、シェインを中心とした物語は実際に面白かったです。彼にとってオーブリーとエイデンがかけがえのない存在になるといいですね。

 

総合評価: 8/10

※この記事に添付したスクリーンショット著作権は全てマテル社に帰属します。

*1:S22『オーストラリアのトーマス』

*2:それを決定づけられる証拠は、オーストラリア編ではリカラーのモブ機関車が一切登場していない事です。今の所本線では基本的にシェインの列車とトーマスの列車しか表に出ていません。