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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

レギュラー陣のデザイン更新

 今回紹介するのはトーマス達のリデザインされたCGモデルについてです。第23シリーズ以降、現在ティッドマス機関庫にいるスティームチームが少しだけバージョンアップしました。

本当は昨年、英国で第23シリーズが放送される前に書こうと思っていたのですが、変更点がクローズアップで映る瞬間を狙ううちに、気が付いたらこのタイミングになってしまいました。今日にはもう日本で放送されるじゃん(笑)

 

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©Mattel

 具体的には、トーマスを含む5台の蒸気機関車と2台のバスの車体に、リベット(部品と部品を接続する為の点々)や手摺、 ステップ等が追加されました。よく見るとトーマスのボディ、プツプツしていますよね。既にリベットの多いニアとレベッカならびにCGシリーズ以降の新キャラのデザインに合わせたのだろうと推測しています。

そんなわけでよく見ないとわからないようなリデザインですので、一般から見てかなりマニアックな記事になるでしょうね(笑)

まずは昨年3月30日から週ごとに米国公式YouTubeチャンネルにて公開された『Meet the Steam Team』シリーズの画像を添えて順に紹介していきます。

 

【ジェームス】

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©Mattel

 ボイラー、煙室、バッファービーム、運転台、ボディのいたるところにリベットが張り巡らされています。 

 

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©Mattel

 炭水車の背面には黒いラインが入るようになりました。これは『TAB』の黒いジェームスのCGモデルでデザインされたのが最初です。S22『カラフルなきかんしゃたち』では黒いジェームスを基にカラーを変更していたのか、青、緑、銀、茶、オレンジ、黄色にボディの色が移り変わる際にもラインが描かれていました。

 

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とうとう今の赤いジェームスにも…って感じではあります。が、実は原作21巻の挿絵でも炭水車の背面にラインが描かれているんですよね。こっちは青ですけど。

 

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©Mattel

 以前までのジェームスに見慣れた人には多少なれ違和感があるだろうとは思いますが、後述のパーシーよりは悪目立ちせず、少しかっこよく見える私です。

 

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©Mattel

 炭水車や後方のバッファービームにも隅々に万遍なくリベットが打ちこまれています。特にバッファービームのリベットは、第1シリーズでエドワードやジェームスがクローズアップする際に付いていたこともあったので、ある種の原点回帰と呼ぶ事も出来ます。

 

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©Mattel

 運転台の出入り口を挟むキャブと炭水車には真鍮製の手摺が追加されました。エドワードやトビーと違って外側にありますね。取って付けた感は否めません。しかし、実は炭水車の手摺はモデルになった機関車にも付いています。

屋根にもリベットが確認できますね。

 

殆どの画像はここからの出典です*1

www.youtube.com

 動画ではこのデザインの状態で黒いジェームス*2や、ピンク色の下塗りで塗装されたジェームス*3を観ることが出来ます。

 

 

【パーシー】

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©Mattel

 パーシーはバッファービーム、屋根、側面の箱のほか、シリンダー箱、サドルタンクの隅やラインに近い部分に万遍なくリベットが張り巡らされるようになりました。

サドルタンク上部と、両側の運転台入口にはトーマスとジェームスと同様の外向きの手摺も。

 

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 こと手摺に関しては、原作26巻以降の挿絵で見られるように挿絵を踏襲しているとも考えられます。また、ウィルバート・オードリー牧師が造った鉄道模型にも、形状は異なりますが付けられています。うーん、見事な再現度*4

 

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©Mattel

 一応紹介する身として、あまり否定的なことは言いたくないのですが、個人的には…、場面によってはリベットが目立って気持ち悪く見えてしまいます。

リベット自体が大きめなのが要因でしょうか。ジーナのタンクのリベットぐらいならまだ良かったのかもしれない。

 

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 また、シリンダーの正面に穴が開きました。

 

出典

www.youtube.com

 

 

 

【ゴードン】

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©Mattel

 ゴードンにももちろんバッファービーム、煙室、ボイラー、シリンダー箱などなどボディ全体にリベットが追加されました。車体が大きいからか、リベットはクローズアップしない限り殆ど目立ちません。それどころか、かっこよくなったと感じます。 

 

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©Mattel

  ジェームスと同様に、炭水車の裏側に赤いラインが引かれています。バッファービームの配置的に、側面のラインと形が合わないのがちょっとダサい。

ちなみにゴードンの炭水車のラインは、これまでにも存在し、レジナルド・ペインやレジナルド・ダービーが描いた一部の挿絵で確認することが出来ます。これも原作の踏襲と云うべきでしょうか。はたまたジェームスに合わせたのでしょうか。

 

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©Mattel

 ランプ棒に刺さるランプが2つになりました。これは彼の主な仕事である、急行旅客列車を示すイギリス国鉄の列車標識灯(ヘッドコード)に基づいた配置です。S19以降のスペンサーや、フライング・スコッツマン、マーリン、ダッチェス等も同じ配置。

TVシリーズで云えば、ゴードンの急行用のヘッドコードは、S5『きりのなかのできごと』以来の再描写となります。

原作の挿絵や初期のTVシリーズの一部エピソードでは、列車の体制ごとに機関車のランプ配置が変わる工夫が施されており、視聴者にリアリズムを感じさせます。CGシリーズは、CGミスが多い事や、現在のアニメーターが鉄道ファンではないので私はそこまで求めませんが、ゴードンも急行用として今後ランプが定着するのは個人的に嬉しいです。

 

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©Mattel

 運転台、窓、炭水車もリベットが打ちこまれています。運転台のサイドには銅版をはめ込むためのリベットが4つ打ち付けられている箇所があって良いですね。

 

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 運転台入口の手摺の配置は原作21巻を始めとした挿絵や、モデルになった機関車のデザインを踏襲している物と考えられます。

運転台の扉にまで付けちゃってるのは流石にやり過ぎですけど(苦笑)

 

 

 出典

www.youtube.com

 

 

【エミリー】

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©Mattel

 エミリーもバッファービーム、煙室、ボイラー、シリンダー、ボディ側面、運転台、炭水車等にリベットが付いています。元々運転台に手摺は付いていたのでそこは触れなくてもいいですね。

先輪のアーチのリベットがかっこいい。

 

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©Mattel

 ジェームス、ゴードンと同じように炭水車の背面に金色のラインが描かれています。これはこれで綺麗だけどやっぱり側面のラインと枠の大きさが一致してなくてダサい。 

 

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©Mattel

 エミリーで最も目立つ変更点は、ボイラー上部にある左右の手摺を接続するために煙室を介した手摺が追加された事です。モデル機や、第7シリーズまでアートディレクターを務めたロバート・ゴールド・ガリエーズの手がけたエミリーのコンセプトアートに基づいた配置ですね。まるでカチューシャみたい。

 

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©Mattel

 ちょっと見えづらいですが、先輪の前に排障器(棒みたいなやつ)が付けられました。線路上の障害物の除去に使う、いわばカウキャッチャーのような部品です。

ちなみにモデルになったGNRスターリング・シングルの排障器はもう少し大きめです。



出典

www.youtube.com

 

 紹介しきれなかったところは動画で確認してください。

 

 

【トーマス】

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©Mattel

 トーマスのリデザインは…私の意見では最も奇抜に見えます。例によってバッファービーム、煙室、運転台、サイドタンクにリベットが打ちつけられていますが、赤いラインと被らないようにしているのか、端ではなくやや内側寄りとなっています。デザイナーさん釘打った事ないのかな。ラインと被せると問題が生じるのでしょうか。

 

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©Mattel

 両側のサイドタンクにはステップが取り付けられています。タンクの挿入口を開ける時に乗組員が台にするものです。モデルになったLBSC E2クラスには存在しませんでしたし、何を基にして取り付けたのかはよくわかりませんが*5、いつか機関士によって使われる日が来るといいですね。

 

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©Mattel

 また、他の機関車と同様に運転台入口の両側に外向きの手摺が取り付けられています。本来なら内側向きが正解なのですが、現行のトーマスのデザインに十分なスペースが無いのですよね(苦笑)

第23シリーズ『まけずぎらいのラウル』『All Tracks Lead to Rome』では早速機関士によって使われています。

 

 

【バーティー

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©Mattel

 彼らレギュラー陣に加えて、そしてなんとバーティーも大幅にリデザインされました。この姿のバーティーは本日放送の『バルジーだいさくせん!』で早速観ることが出来ます。初めてメキシコで放送された時はびっくりしました。

 

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©Mattel

 2種類のバックミラー、戸って、金色のウィンカー、ワイパー、ナンバープレートなど道路を走るのに必要不可欠な部品が追加され(寧ろ今まで何故無かったのか)、ライトをガッシリ支える部品、細かいリベット、側面の窓を横切る棒線と車体に沿った枠組みも新たに追加。遠目から見るとボンレスハムみたいな見た目ですが、これらの姿かたちはモデルになったバスを基づいているようです。

 

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©Mattel

 『バルジーだいさくせん!』のレビューでも書きましたが、彼のナンバープレートである「CRD 54」は原作9巻の挿絵からの出典です。

 

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 CRDとは、画家のクラレンス・レジナルド・ダービーを、54は9巻『Edward the Blue Engine』が発行された1954年を意味するイースターエッグです。

ナンバープレートはこの巻でしか確認することが出来ませんでしたが、以後のバーティーのデザインとして使われるとなると、なんだか感慨深いものがあります。

 

 

【バルジー

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©Mattel

 バーティーと一緒にバルジーも同じエピソードの為にリデザインされました。こちらもバックミラーにワイパーと云った必要不可欠な部品と、標識の横に通気口、フロントバンパーにリベット、ナンバープレート、ボディに沿った枠組みなどが追加され、モデルになったAECブリッジマスターにより近い形状になりました。

 バルジーはCGシリーズで登場して日が浅いので、具体的にどのように第21シリーズと違うかと云いますと…

 

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©Mattel

 このように差異があります。めちゃめちゃのっぺりしてます。これを見ると第23シリーズのバルジーがかっこよく見えますね。

 

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©Mattel

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©Mattel

 バルジーの「BLG 1」というナンバープレートも、原作24巻の挿絵に基づいています。番号があるとないとではやっぱり違いますね。

 

 

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 第23シリーズにおけるキャラクターの大まかなCGモデルの更新は以上になります。今年に入ってから早くもこのデザインを基に描かれたトラックマスターのトーマスとパーシーが発売されます。

ニアとレベッカはそのままでしたし、エドワード、ヘンリー、トビー、ダックと云った準レギュラーキャラクターは何一つ更新が行われないままでした。これから追々更新されていくのかな。エドワード、トビー、ダックには既に手摺が付いているので、あまり大きい変更はないだろうと予想していますが、やっぱ並ぶと違和感あるよね。

 私は主にトーマスとパーシーのデザインに納得がいってないところもありますが、私としては見映えがどうかに関わらず、せっかく付いた手摺やステップが今後も活用されるといいなーと思います。

 

 さて、いよいよ本日17時30分から待望の第23シリーズが日本で放送されます。『ラジブのだいじなおうかん』と『バルジーだいさくせん!』は私の中では自信を持ってオススメできる作品です。一緒に楽しみましょう。

では。

*1:最後に紹介したスクショはS23『レベッカといたずらかしゃ』より。

*2:原作2巻、『トーマスのはじめて物語』

*3:S13『ピンクのジェームス』

*4:ちなみにモデルになったと思しきGWR 1340号「トロイア」の運転台の手摺は内側向きです。

*5:Day Out with Thomasの物でしょうか?