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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

きかんしゃトーマス 第24シリーズレビュー第9回

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

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S24 E 『Shankar's Makeover』

脚本: カミーユ・ユーカン&ローズ・ジョンソン

内容: トーマスは目立ちたくないシャンカールを仮装コンテストに出場させてしまう。

テーマ: やりたくないことを友達に押される

 

【高評価点】

・友達への圧力に関する道徳。

・空想シークエンス。

・ブラック ビューティー コンテストの内容を基にしたインド鉄道らしい催し。

 

【低評価点】

無し

 

 

 

【このエピソードについて】

 2019年初頭辺りにアシマ役の俳優ティナ・デサイがTwitterで声の収録を報告する際にこのサブタイトルをリークしたのが最初でした。私を含むファンダムはエース回を含み、第23シリーズで公開されるだろうと確信を持っていましたが、実際は第24シリーズのエピソードでした。

第22シリーズのレビューで散々言っているのでお分かりかと思いますが、私はシャンカールとラジブがキャラクターとして大好きで、とても楽しみにしていました。

 

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©Mattel

 これは私にとって私情を含みながらも、素晴らしかったと思うエピソードです。物語は少しシンプルですが、良い道徳があります。それは友達からの圧力に関係するものでした。この回では、誰もがスポットライトを浴びたいと思っているわけではないという教えでしたが、友情の面で汎用性が高く、同時に子供たちのこれからにも大きく関わる筈なので、とても気に入りました。語られませんでしたが、同時に自分らしく居ていいという教訓も最後の場面で垣間見えます。

 物語でテーマを学んだのはトーマスでした。シャンカール主役回と思わせておいてトーマスも主役を担っています。彼の行いは善意によるもので、悪気はない分少し極端に描かれ、8~16シリーズのような雰囲気さえ感じられる扱い方でしたが、昔から利己的に興奮しやすい性格の延長線であるとも捉える事が出来ます。ラジブとアシマに準主役級のスポットライトを当ててほしいところですが、何年も大会に参加しないシャンカールをよく知るインドの仲間たちで行うよりかは、トーマスが彼とペアで主役になる方が遥かに理に適っていると思いました。なので、特に問題には感じていませんし、トーマスとシャンカール両方に学ぶ機会があったのは良い事です。

 また、チャルバラ局長の扱い方がとても良かったと思います。第22シリーズではトップハム・ハット卿と大差ないような立場のキャラクターでしたが、前期から機関車たちの事をよくわかっていて、大切にしていて、そして寛大な面が目立ってきました。彼女の優しさと寛大さが垣間見える教え方は、このシリーズにとってとても貴重です。トーマスの軽い気持ちだと判っても失望する様子さえ見せませんでした。

 

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©Mattel

 シャンカールが彼自身の自我を持っていた事を気に入っています。彼は常に目立つ事より、鉄道にとって大切な入換え作業をすることに責任を持ち、大好きな作業をすることを望んでいます。仲間たちとの会話は自然でしたし、キャラクターとしてとても輝いていました。舞台不安のキャラ開発は『トラでトラブル』で見せた人格から考えると、全くの違和感がありません。

 ボディカラーもそうですが、今回の空想によって、シャンカールの人格は、自惚れ屋のラジブだけでなく、コメディアンとして人気のあるアイヴァンと対極のキャラクターでもあるのだろうと感じました。前まではCGモデルが流用である事を残念がっていた私でしたが、もしもアイヴァンと兄弟の立場だとしたら、ちょっとアツイなとさえ思えてきましたよ。(笑)

 私の中では、インド編の最高のキャラクターに昇格しました。彼の性格は単体のラジブよりも興味深いです。シャンカールを使ったエピソードはまだいろいろできると確信しています。

 

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©Mattel

 私は舞台不安持ちの非常に恥ずかしがり屋で、何らかの発表会で前に出たり、リーダーを務めることになって周囲からの注目を集めると、突然恐くなって何も喋れなくなります。もしくは誰も聞き取れないくらい早口になってしまいます。私は常に参謀としての立場を望んでいて、主役になることを好みません*1

その為、シャンカールの空想シークエンス(夢)には、かなり共感しました。トーマスに横から押されて不本意に歌の発表をすることになり、緊張からか歌うことが出来なくなって、周囲から凝視とブーイングを浴びます。彼は口が震えて何もできなくなりました。

 

 物語の中でシャンカールが何故スポットライトに当たりたくないかを言及することは特に無く、「きっと凝視される」というだけでしたが、恐らくこの空想を見るに、失敗して周囲からブーイングが飛んでくるのを恐れている可能性が高いです。自分に自信が持てない舞台不安。ええ、本当に共感します…。そして優勝した時は、涙が出ました。かっこよかったよ。いつもかっこいいけど。

 前に出ることが本当に必要な状況にあるときは、"自分自身に打ち勝つ"教訓が適切だと思います。しかし、このようなコンテストは参加する義務は無いので、この場合、今回のテーマが正しいです。

 

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©Mattel

 シャンカールの特技である入換えの場面は少しばかげています。彼の実力よりも、信号手のスキルがハンパないのではないかと思ってしまいます。それともシャンカールが体をゆする事で、ポイントを切り替えなくても貨車の重力バランスを取っているのでしょうか。

 けれども、インドの貨車たちがどのような性格かを見られたのはちょっとした喜びでした。ソドー島のいたずら貨車達はぶつけられるのが嫌いですが、インドの貨車たちは少なくともスムーズな入換えを愉しんでおり、特技を持つシャンカールを尊敬しているようです。

 

 

【チェックポイント】

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©Mattel

 「誰が勝つと思う?」という問いに対して、「勝つのは重要な事じゃないよ。でも僕にチャンスが来るかも」と、ラジブが返したのが好きです。彼の自惚れた性格はジェームスに似ているかもしれませんが、これこそが大きな違いと言えると思います。ジェームスなら「勿論この僕だね」って言いそう。

もちろん、他にもポイントはいろいろありますがね。

 

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©Mattel

 物語の中で開かれた仮装大会の元ネタは、ブラック・ビューティー・コンテストというインド鉄道の蒸気機関車の整備の良さを競う行事です。機関車の性能や安全面だけでなく、派手な装飾の良さを競い合う大会です。(参考動画)。リンクを見ればわかるように、トーマスのようにゾウの鼻を煙室に付けて水を出すというギミックも搭載された装飾が施されています。今回ではディーゼル機関車も参加しましたが実は最もインド鉄道らしい行事なのです。

シャンカールの仮装はかっこいいですが、個人的にはヌール・ジャハーンが最も美しいと感じます。ラジブは…すごくシュールですね(笑)

 

www.youtube.com

 2015年に公式YouTubeチャンネルでシリーズ化した「Really Useful Around the World」のインド編では、この行事が詳細に描かれています。このシリーズではアシマやラジブなどは登場せず、ゾウの鼻を付けたラジェンダベンガルトラを装ったコラン、翼を掲げたディーゼル機関車アビアールという仲間と出逢いトーマスも参加するお話です。

 

 

全体的な面白さ:☆☆

鉄道らしさ:☆☆☆

キャラ活用:☆☆☆

BGMの良さ:☆☆☆

アニメーション:☆☆

道徳教育面:☆☆☆

 

【最終的な感想】

 おそらく自閉症キャラのセオでも同じことが可能だと考えられますが、仮装大会はインド鉄道ならではの行事と言えるので、シャンカールの話として適切でした。物語はシンプルでしたが、話は綺麗で、チャルバラ局長の優しさもあってストレスフリーで楽しむことが出来ました。

 そして教訓は子供たちにとっても大変必要な道徳です。限られているかもしれませんが、どうしても苦手な物事がある友達へのある程度の気遣いは重要です。そのような友達がいる場合、文化祭などで役に立つかもしれません。

 今期の内に自分自身に立ち向かうのがテーマのエピソードがあればなお良しですが、果たしてどうでしょうね。

 結局の所、S24までにアシマとヌール・ジャハーンが掘り下げられることは無くて残念でしたが、これはシャンカールとしての素晴らしいエピソードの一つです。

 

総合評価: 10/10

※この記事に添付したスクリーンショット著作権は全てマテル社に帰属します。

*1:ソドー島の仲間たちがリーダーになりたがる描写を私が微塵も理解できないのは主にこの性格の所為です