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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

きかんしゃトーマス 第24シリーズレビュー第22回

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

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S24 E19 『Cleo's First Snow』

脚本: ベッキー・オーバートン

内容: クレオは初めての雪を楽しむが、すぐに今のうちに楽しむ理由を学ぶ。

テーマ: 初めての経験で神経質になる

 

【高評価点】

・汎用性の高い道徳。

クレオとルースの肉体的ではない親子関係の詳細な描写。

 

【低評価点】

クレオのキャラクター設計。

・特定の場面以外で雪に車輪や足跡が付かない。

 

 

 

【このエピソードについて】

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©Mattel

 クレオの2回目のスポットライトは、雪を初めて見て神経質になるところから始まります。思えば、幼児をイメージした車両の擬人化キャラクターの中で、年齢的には未熟でもソドー島で生まれたという設定のキャラクターはこれが初めてです。ルースの発明品で、用途は彼女を乗せて小さな用事を済ませることであり、それ以外ではワークショップの車庫の中にいるので、溶けるまで雪を知らなかったのは理にかなっていますし、トーマスの中では斬新な発想です。

 お浚いではトーマスが視聴者に「初めての経験で不安になったことがないか」とまず問いかけますが、このエピソードで得られる教訓は、コーナーの最後に彼が言及したように、それが続いている間、今のうちに楽しむというものです。「それ」とは例えば今回の場合雪の楽しさです。雪は熱に弱いのでいつか溶けてしまいます。これに似た事例を日常の中で体験したことがある人はこの世界に殆どいると思います。そうですね、例えば、原作絵本が終了したり、いつかは現行のTVシリーズが終わる日が来ます。日常の中でも私たちが楽しむシリーズにも関連性があり、非常に汎用性が高い道徳と言えます。エンディングも一見その場しのぎですが、いつかは終わりがあることでしょう。

はい、私も続きを欲しています。でもいつまでも続くとは限らないのが人生。それまでの間、目一杯楽しもうという教え。これを楽しい方法で伝えているのが良いですね。今回の道徳はこのエピソードの中で私が最も印象に残った好きな部分の一つです。

 

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©Mattel

 この回のクレオは、雪だるまを熱から守るために当たり前のように無人運転を行うわけですが、私はこれを全く好きになれませんでした。実在しない発明品である事と、蒸気機関車ではない事がまだ救いですが、せめて初登場の時点で自動運転が出来る旨の説明は欲しかったです。もし違うのなら、ディーゼル10と同じくらい番組のキャラクターとしてある一線を越えています。

自動運転車の擬人化は興味深いものだろうと思っています。しかし、自分の能力と立場に何ら関係のない発揮は、自分の意思で動作できない、ないし自分の感情に振り回されることなく役に立たなくてはならない『きかんしゃトーマス』の世界ではだいぶ浮きます。

また、ケビンにも同様のことが言えますが、人が操作する描写の無いケビンと異なり、クレオはルースが運転する描写がある他、運転席が露出しているので尚更奇妙に見えます。

 

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©Mattel

 とはいえ、私が引っかかっているポイントは無人運転ではありません。何が問題か、まずは第22シリーズ総合レビューの【オリジナリティに関する考え】の項目を参照してください。

はい。正解は、無機物の擬人化を前提としたキャラクター設計になっていない事です。クレオのキャラクター設計は初登場回を含めて全体を通して自動車の皮を被った人間の子供でした。特にこの回で彼女がした、雪玉を転がす、雪だるまを溶かすまいと乗せて走るという行動と、惹かれる興味に尽くす力は全て人間で出来きかんしゃトーマス』としての魅力の半分が崩れています。クレオの内部機構の露出さえ雪に関連づけることもありませんでした

2Dリブートへの布石と言えるのかもしれませんが、それはそれです。(もしマテルがリブートで全く異なることをやりたいのなら、最後の第24シリーズまで一貫化するのが賢明でした)。

 

 雪を溶かさないように彼女がとった行動は、どれも上手くいかず失敗に終わっていますが、かつてのシリーズのようにランダムな場所へ、例えば海や森などに行くことはなく、アイディアの面では全て理にかなっています。但し、上述のように車の皮をかぶった子供のように振る舞うのが前提の物語になっているだけでなく、クレオが自分が楽しむ為とはいえどなぜ雪だるまだけを守ろうとするのか、はたまたその葛藤が何の為なのか不明な上、キャラクターの相互作用は相変わらず無く淡白とした感じの印象が私の中で残りました。

 

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©Mattel

 行動原理が人間っぽい事をポジティブに挙げるとするなら、やはり触れておくべきことはエンディングにあります。クレオは製造した本人とともに行動する初めてのキャラクターです。彼女の運転手は、店で彼女を購入した人ではなく、彼女を製造した本人なのです。

ここでクレオがルースによって作り出されたことを思い出してみてください。この為、彼女にとってルースは本当の母親のような存在です。無論、肉体的な接点は微塵も存在しませんが、トップハム・ハット卿とグリンの関係性よりもさらに詳細に親子関係が描かれており和やかな気持ちを与えてくれると思います。

 

 

【チェックポイント】

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©Mattel

 ここ、初見では気付きませんでしたが、ドライオー駅前の飛行場ですね。最近は飛行場として機能しているか曖昧ですが、滑走路が雪で積もった時は遊び場になるんでしょうかね。

 

 

全体的な面白さ:BORING

キャラ活用:☆☆

BGMの良さ:☆☆

アニメーション:BAD

道徳教育面:☆☆☆

 

【最終的な感想】

 私の視点が特殊なのだと思います。人間の子供を主題にした他の未就学児向け作品を基に起案された典型的な雪との出会いと別れのエピソードのように感じただけでなく、何もない平らな道で葛藤を繰り広げているようで、残念ながら面白いと感じることができませんでした。道徳以上の心に残る台詞や葛藤、そして場面があったらよかったのにと思います。

 

総合評価: -1/10

※この記事に添付したスクリーンショット著作権は全てマテル社に帰属します。