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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

Thomas & Friends: All Engines Go 第1シリーズ第17話レビュー

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

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AEG S1 E17 『Capture the Flag』『はたをおいかけろ』

監督: ジェイソン・グロー

脚本: デニース・ダウナー

内容: パレードのフラッグを配達する前にニア用のフラッグを無くしてしまったパーシー。トーマスは彼らと協力して探すのを手伝う。

 

【このエピソードについて】

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©︎Mattel

 今回は物事の段階を踏む前に行動してはいけない、要は忍耐力に関して学ぶ、ややありきたりな教訓が重点に置かれています。段階を踏む前に仕事を急かすといえば、他のファンが指摘しているように第10シリーズ『ラスティーとひょうしき』と類似性が見られます。それはトップハム・ハット卿とその家族をハイキングに連れる特別な仕事をするために標識を立てる作業を急がせてしまい結果的に農場に案内してしまったという物でした。

こう言っては怒られるかもしれないのですが、私はどちらのエピソードも好きです。件のエピソードは普段から保線作業をやっているはずのラスティーの性格に問題点があるのですが、日常ならまだしも普段行わない仕事を2つ目に任されて、彼らを喜ばせるためにソワソワしてしまうのもわからなくないし、原作40巻で除草作業でゆっくり進むことにイライラしていたことを考えるとそれほどキャラクターの側面から離れていないとも思えます。今回のエピソードでは急かす役割が成長盛りのわんぱく少年なAEGのトーマスですので、そんな賛否のあるラスティーに比べるととても自然でした。

私は言われるまで類似性があることに気が付きませんでした。道徳の部分は同じでも、丸々コピーではなく、それとは違う退屈させない展開があったからです。

 

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©︎Mattel

 一つは挿入歌の「The Mail Delivery Song」の存在です。パーシーが好きな郵便配達に関する歌です。落ち着いていて、キャッチーで、島内の機関車達に各々の旗を配る映像を含めて好きです。まあエピソードに直接関係ないのですがね。(思えばどうして従来のシリーズにこのような歌がなかったのだろう)。

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©︎Mattel

 もう一つは旗を追いかける場面。郵便局の停車駅*1に戻って旗を発見した後、ディーゼルの貨車に絡まってしまい、旗を追いかけるトーマスを鬼ごっこと勘違いするディーゼルが実にこのシリーズのディーゼルらしくて良かったです。キャラクターアークの延長線としてとても好きです。

 

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©︎Mattel

 確かに他の人が言うように、諦めずきちんとカモメから旗を取り返せていたら綺麗なハッピーエンドを迎えていたかもしれません。しかし、現実は時としてこの物語のように上手くいかない時もあります。改善のための努力が水の泡になることも。そんな時のために、解決策が他にもあることを提示し、視聴者の創造性を高めることに繋がる助けにもなるかもしれません。AEGは非現実的な動きの代わりに、毎回変わった問題解決に力を入れている印象です。

失敗から学んだことをアドバイスするようになるのも良い傾向です。

 

 ところでニアが練習した"ピストン・ポップ"ってなんなんだ。従来なら、ピストン弾いたら整備工場行きなのだがこの世界では披露するのも可能なのかw

 

 

【チェックポイント】

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©︎Mattel

 郵便局の停車駅でAEGのソドー島地図の一部を見ることができます。DVDや書籍に同梱しているAEGの本格的な地図と比べるとかなり簡素で、配達先と本線と支線の大まかなルートを表しているようです。

従来のソドー島と施設の位置はほぼ同じでも異なるルートと新しいものが増えています。ちなみにウィフのゴミ集積場は元々ピール・ゴッドレッド線*2にあったものでしたが、AEGのウィフのリサイクル工場はティドマス機関庫より上のアールズバーグ線に位置していることが示されています。

また、『めざせ! 夢のチャンピオンカップ』にも地図がありましたが、あれはあくまでコースを表す地図でした。

 

全体的な面白さ:☆☆☆

遊び心:☆☆☆

キャラクター:☆☆☆

BGMの良さ:☆☆☆

アニメーション:☆☆☆

独創性:☆☆

道徳:☆☆

 

【最終的な感想】

 広く見ると忍耐に関する道徳自体は何年もトーマスシリーズで行われてきたので斬新な発想ではありませんが、全年齢に共通するし、一部の海外のファンダムで数年前にリークを嬉々として行ったり、映画館で撮影して明らかに違法な投稿をする人などがいるのを見るに、このファンダムにとって特に重要な教訓とも思いますね…。未就学児が将来そんな大人のファンにならないことを願っています。

 とにかく、簡単に予想できる道徳で、次にどう展開するのか予測できない工夫と、キャラクターへの理解が物語を面白くさせていたので、私はこの回を高く評価しています。

 

総合評価: 8/10

※この記事に添付したスクリーンショット著作権は全てMattel, Inc.に帰属します。

*1:カーク・ローナンだったりハーウィックだったりピール・ゴッドレッドだったり設定がまちまちで場所が確定しにくいところ

*2:あるいはカーク・ローナン線