2025年になり、いよいよ『The Railway Series (汽車のえほん)』および『きかんしゃトーマス』80周年記念の年になりましたね。75周年からもう5年経ったのか… と途方に暮れています(笑)
年明けからわずか数日で国内外問わず一気に80周年の情報が出まくっていて、ここまでで何が起こるのかを紹介する記事をそろそろ書こうかと考えていたら、来週英国で放送されるAEG第4シリーズを除いて、これだけは個別の記事で紹介したいという情報が飛び込んできました。
それが、
クリストファー・オードリー作『The Railway Series』第28巻が、ついに邦訳されて刊行することが決定!!!
27巻「ほんとうにやくにたつ機関車」が2023年11月に刊行されてから、1年が経過し、年を跨いで実質2年。刊行からまもなく27巻までのBOXセットが発売されたり、あれから2024年の10月になってもなんの音沙汰もなく、28巻以降は発売する気はないのだろうか…と考えていたら、やってくださいました。2年ぶりの続刊。嬉しすぎる…!!
この28巻「James and the Diesel Engines」は1984年9月に英国で発売されたものですが、こちらの記事でお話ししたとおり、日本でシリーズを販売しているポプラ社は1981年2月を最後に、クリストファーの父ウィルバートが最後に執筆した第26巻までとし、2023年に至るまで、息子の書いた作品は別物としてあえて発売しませんでした。
それが41年の時を経て日本に上陸ですよ!!!
アツいよ!!!
前回は『汽車のえほん』が日本で発売されてから50周年を記念して、まさかまさかの第27巻が出ましたが、28巻が出たのは今年が80周年だからでしょうか。
そんな28巻「ジェームスとディーゼル機関車」は2025年3月に発売されます。翻訳家は前回と同じ金原瑞人さん。
ポプラ社さんほんとうにありがとうございます!!!
この巻には、テレビシリーズで映像化されなかった4つのお話が収録されています。内容は以下の通りです。
●いばりんぼ (Old Stuck-Up)
●どっちへいくの? (Crossed Lines)
●消防車の色 (Fire Engine)
●がちがちのこおり (Deep Freeze)
これまで作中でも、テレビ版でも、差別的なほどディーゼル機関車を嫌悪するジェームスが、4つのお話を経て、評価が変わっていくまでを描いたのが28巻のメインストーリーです。そのなかには、ディーゼル機関車より良いところを見せようとするお話や、ヘンリーとジェームスがボディの色で対立するお話も含まれています。ボコやドナルドなども登場します。
また、本作には新登場のキャラクターも存在します。蒸気機関車が大嫌いないばりんぼうのディーゼル、Old Stuck-Up*1と、故障した機関車を修理工場へ運ぶのが仕事の親切なディーゼル機関車The Works Diesel*2*3の2台です。
それから、後付け設定であるため作中では一切言及されていませんが、時系列的には、本作からノース・ウェスタン鉄道の局長を、初代の孫であるスティーブン・トップハム・ハット(いわば3代目)が務めるようになります。
今までは英語をそのままカタカナにして呼ぶファンが多かったのですが、今回和訳されたことで2台の新キャラクターたちの呼称がどのようになっているのか楽しみです。初見の方は、ぜひジェームスの成長を楽しんでほしく存じます。
今回の巻は、私の中では見どころが多くて大好きな作品なのですごく嬉しいです。
確かに、クリストファー・オードリーの書く『The Railway Series』は、父親が書いたものと比べると、キャラクターと道徳の教えよりも、より現実風味な鉄道ネタを重視したニッチな作品が多い印象で、ポプラ社があえて発売しなかった理由もなんとなくわかるような気がします。
でも、そこも含めて『汽車のえほん』だなと感じていて、なかにはテレビで映像化するためにかなり改変させられた物語もあれば、33巻「Thomas and the Twins」、34巻「Jock the New Engine」は特に牧師の息子を実感させられる、キャラクター性と道徳性もきちんと織り交ぜられたワクワクする作品もあります。前者はその違いを楽しむのも良いですし、紹介したものは牧師巻では見られなかった、特定のロケーションで働く機関車たちの続きが楽しめます。最終巻も素晴らしい作品だと思っています。
だから、27巻、28巻の邦訳に多大な感謝をしつつ、できれば記念ごとではなく、42巻まで続けて邦訳して発売してほしいと願っています。現在、27巻から42巻が英国では廃盤になっていて入手が困難である点でも大変ありがたいんです。
というわけで、皆さんもぜひ28巻「ジェームスとディーゼル機関車」を買って、この時代を盛大にお祝いしましょう!! 書店に並ぶ日が待ちきれません!!
では。