お久しぶりです。第20シリーズレビューとAEG第2シリーズレビューの途中で、しかも更新が滞っておりますが、主に日本のトーマスファンにとって、ビッグニュースが飛び込んできましたので、いつもよりテンション高めで紹介させてください。
『汽車のえほん』日本出版50周年を記念して、
クリストファー・オードリー作『The Railway Series』第27巻「Really Useful Engines」が、ついに和訳されて発売することが決定!!
(ポプラ社2023年11月の新刊) ※リンク先pdf注意。
TVアニメ『きかんしゃトーマス』シリーズの原点となった原作『汽車のえほん』。ウィルバート・オードリー牧師が執筆し、1945年にイギリスで出版。
元は、1942年に息子のクリストファー・オードリーが麻疹にかかり、病床にいる子供を楽しませたいという純粋な気持ちから生まれた物語で、看病をしながら創作した話を聞かせていたのがきっかけ。ウィルバートは幼い頃から列車好きで、子供の頃に自宅のそばを走る蒸気機関車の音を聞いて意思を持つ機関車を空想していました。やがてアイディアが膨れ上がって、妻マーガレットから出版を薦められ、1972年にかけて第26巻まで刊行し、世界中の子どもたちから愛される人気のシリーズになりました。
そんなクリストファーもやがて大人になり、子どもができて、かつての父と自分のように機関車について子どもと対話するようになりました。ニーン・バレー鉄道を訪問した際にインスピレーションを受けて最初の話を文章にして、ちょうどTVシリーズ化の相談を受けていた父ウィルバートに見せたところ、出版を提案され、1983年にシリーズの続きの第27巻として『Really Useful Engine』を発行。ウィルバート・オードリー生誕100周年を迎えた2011年に最終巻として第42巻にいたる、計16冊を世に売り出しています。
日本ではウィルバート・オードリーが執筆した第26巻までを『汽車のえほん』シリーズとし、1973年11月にポプラ社が出版。1981年2月を皮切りに、以降のクリストファー・オードリー作の第27巻から第42巻までを(他にも理由があったのではないかと勘繰ってしまいますが)、社はあくまで別作品として原作者の意思を尊重するために和訳して発売しませんでした。2010年にミニ新装版としてリニューアルしてもです。
その歴史が、2023年の今、動き出したんです。
2020年にさらにリニューアルとして発売された『新・汽車のえほん』シリーズに、第27巻がついに和訳されて出版されます。日本においては約42年ぶりの続刊ということになります。
27巻「ほんとうにやくにたつ機関車」として11月28日頃に発売とのこと。
ポプラ社さん本当にありがとう!!!!!!
この巻には、TV版第4シリーズにて映像化された2つのお話と、映像化されなかった2つのお話が収録されています。
収録話は以下の通り。
●どろぼうをつかまえろ! (Stop, Thief!)
●パーシーとじてんしゃ (Mind That Bike)
●さかなにはきをつけて (Fish)
●パーシー、ダック、トーマスの3じゅうれん (Triple-Header)
そうなんです。「さかなにはきをつけろ」と「ゆうびんやとバン」は実は原作エピソードなんです*1。現在も継続されている"パーシーが支線の郵便配達をするのが仕事である"という設定はこの本から。
TV版とはまた違って現実味のある内容なので、その違いを是非楽しんでほしいです。
未映像化のお話は、トーマスが駅長の家に侵入した泥棒を捕まえようと奮闘する「どろぼうをつかまえろ!」と、パーシーとダックとトーマスの小さなタンク機関車3台がゴードンやヘンリーの代わりに急行列車を牽く「パーシー、ダック、トーマスの3じゅうれん」の2本。
私自身、原語版の本を友人から借りて実際に手に取って読んだことがあるので内容は知っているのですが、どのように翻訳されるのかがとても気になっています。
そして、子どもから大人までトーマス、ダック、パーシー好きな人はもちろん、ゴードンファンの方も是非この本を読んでほしいと、一ファンとして願っています。
現時点で発売が決定しているのは27巻だけです。50周年記念にと書かれているのでもしかしたら27巻だけなのかもしれませんが、原作ファンの私としては27巻だけでももう正直相当嬉しいものの、やっぱりジェームスとディーゼル機関車の28巻、サー・ハンデルがタリスリン鉄道へ行く29巻、願わくは最後の42巻まで翻訳して出版してほしいなと思わずにはいられません(笑)。
売り上げが良かったら今後も出してくれるかな…?
というわけでファンの皆さんも是非買いましょう!!!!!
記念すべき時代を盛大に祝いましょう!!!!!
そうそう、絵本繋がりでもう一つ。
皆さんはもう購入されましたか? 日本オリジナル絵本第2弾を。
当ブログではまだ紹介していませんでしたが、「トーマス、にっぽんへやってくる」の続編である「トーマス、きょうとへいく」が今年7月18日に発売されました。
これめちゃくちゃ良かったんでおすすめです。
いつかレビューしようと考えているので詳しい内容は伏せておきますが、京都鉄道博物館でのイベントを元ネタに、博物館に寄贈されているあの蒸気機関車から京都のあの電車までトーマスならではの表情と意思を持つ車両がキャラクターとして充分に描かれているだけでなく、物語も前作同様『きかんしゃトーマス』ならびに『汽車のえほん』のルーツをしっかりと汲み取った上で構築されていて、本当に第24シリーズの続きとして楽しめる満足の一冊になっています。まだ買ってない方は是非店頭へ…!!
今年7月に4回にわたって放送されたニッポン放送のラジオ番組ガクのネ「きかんしゃトーマスの楽しみ方」において、ラジオパーソナリティでパーシー推しの内田雄基さんと、SCPのIPマーケティング本部 プロデューサーの朝倉精吾さんから、基本的な魅力、大人向けの取り組み、リアルイベントの詳細、社会的な取り組みなど、大変興味深い視点でのお話も楽しめましたし、いくつかの楽曲の正式な邦題も判明*2しました。
来月には「きかんしゃトーマス 変顔マスコットフィギュア」(楽天市場)という、模型期ファンにはたまらないトーマスの表情差分がテーマのガチャアイテムも発売されますし、カプセルプラレールではプレイバック・ムービー・シリーズ第1弾として「ブルーマウンテンの謎編」が発売したり、 2D版が放送してそれに関連した様々な商品展開するだけでなくほんと多岐にわたってトーマスの歴史と様々な進展をいっぺんに味わえる1年になりましたね。
2025年の80周年に向けて、SCPさんも商品展開、コンテンツの展開、映画やアニメなどを最大限に盛り上げるプロジェクトをいろいろ考えているそうで、ますます目が離せません。この原作27巻が日本で発売されるのも、そのうちの一つなのかなと思ったりして。子どもたちはもちろんだと思いますし、本当にファンにとって嬉しいことです。いつもありがとうございます…。
正直今、本当にワクワクが止まらないです。27巻が書店に並ぶのが待ちきれません。
では。