Z-KEN's Waste Dump

喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

【キャラクター研究】スタンリーは本当に無個性なのか?【第1回】

 どうも。"キャラクターフォーカス"の時間がやってまいりました。ま、初めてなんですけどね。

 このコーナーでは、TV版『きかんしゃトーマス』シリーズの登場キャラクター1点について深く考えてみたり、実機の話をしたり、物語を通してどういう性格の持ち主なのかを検証・確認します。

原作絵本や、トーマスやエドワードなどのレギュラーキャラクターについては、すでに様々なファンが検証、語り、考察などをされていますので、当ブログでは、シャロン期や3DCG期などファンからあまり注目されなかったキャラクターを中心に、再認識するために魅力的な部分を語りつつ、誇張的な拡大解釈をしないよう中立的な視点から紐解いていこうと思います。

 備忘録が目的ですが、データとして参考になれるなら幸いです。

 

注意その1 これは考察ではなく、あくまでも確認です。

注意その2 いつものように長文です。

 

【目次】

 

 

【スタンリーとは】

 第1回は、白い*1サドルタンク機関車スタンリーについてです。

 鉄道模型や人形などで表現された純粋なライブアクション・モデルアニメーション*2最後の長編作品として2008年に英米で発売、2009年に日本で劇場公開された、映画『トーマスをすくえ!! ミステリーマウンテン (The Great Discovery)』で初登場した、映画のもう一台の主人公と言えるキャラクターです。

銀色の煙室と、顎のえくぼが特徴的です。

今回紹介するのは、このエレガントな見た目で優等生のスタンリーで、原作25巻に出てくるミッド・ソドー鉄道の2号機(TV版のスマジャー)の方ではありません。

 

[基礎データ]

分類: タンク式蒸気機関車

タンクの種類: サドルタンク

車軸配置: 0-6-0ST

燃料の種類: 石炭

軌間: 標準軌(1,435 mm)

性別: 男性

製造年: 不明 (実機は1932年だが、設定上は未確定)

来島年: 1953年3月*3

出身: イングランド本土

所属: ノース・ウェスタン鉄道

一人称: ぼく

 

[声優]

英国版: マット・ウィルキンソン(2011-2018)

     デヴィッド・メンキン(2015)

     ロブ・ラックストロー(2020)

米国版: ケリー・シェイル(2011)

     ベン・スモール(2011-2015)

     デヴィッド・メンキン(2015)

     ロブ・ラックストロー(2016-2020)

     ジョン・シュワブ(2016)

日本版: 土田大*4

 

【スタンリーの性格について】

 スタンリーは映画の後にも長く登場し、カメオ出演を含めば3DCG期最後の第24シリーズまで登場しましたが、全体的に見てもセリフの数は少なく、初登場の映画以降は、短編での主役回が一度もありませんでした。

その理由はファンから「無個性・没個性だから」と言われ続けていますが、果たして本当にそうなのでしょうか?

 

 まずは参考文献に、かつて存在した英米公式サイトから、紹介文を引用します。公式サイトは、子ども向けに読みやすく意訳がされている日本版よりも、本国の方が詳しく書かれている場合が多いです。

 

【2008年から2010年の公式サイトより】

Stanley: Stanley is a new tank engine on the Island of Sodor. He's grey, chrome and shiny. He's a little bit bigger, a little bit newer and a little bit stronger than Thomas. Stanley is a very good engine and is everyone's best friend: the boy-next-door of Sir Topham Hatt's railway.

Fun Fact: There's nothing he wouldn't do. When you're a friend in need... Stanley is a friend indeed.

 

【2010年から2021年の公式サイトより】アーカイブはこちら

Stanley: Stanley is one of the newest engines on the island and is the boy-next-door of Sir Topham Hatt's railway. He is a little bit bigger, a little bit newer and a little bit stronger than Thomas. There's nothing he wouldn't do for another engine. And if he couldn't do it, he'd find someone who could. Stanley is a great friend to everyone.

Fun Fact: Stanley was brought to the island to help out while Thomas worked on restoring Great Waterton. Stanley is a Hudswell Clark/Kiston 0-6-0ST/Austin No.1 hybrid.

 

 後者の紹介文では、前者の豆知識を加えた分、少し長めの文章になっていますが、意味はさほど変わりませんね。また、後者の豆知識は来島した経緯のほか、モデルになった機関車がハズウェル・クラーク社製の0-6-0ST機関車と、キットソン*5社製工場番号5459番「Austin Ⅰ」号のハイブリッドであることが書かれています。色々誤字ってるけどね。

 

 文章中にはどちらにも共通して「boy-next-door」という紹介がなされています。これは直訳すると「隣の家の男の子」になりますが、これでは意味がわかりませんよね。

アルク英辞郎on the Webによると、「好感の持てる男の子」とありました。

また、用例の「boy-next-door type」は、「〔(絶世の美男や美女・浮世離れした人・特殊な人などに対して) 隣に住んでいそうな〔一緒にいてホッとできる〕タイプ◆若者などについて純朴・善良・健全などの意味」とあります。

 つまり、飾り付けがなく素直人情が自然のままで偽りがない、そしてソドー島のみんなと仲良しであることからも、誰とでも親しめるタイプであるこれこそがスタンリーの個性というわけですね。

 

立派な個性あるじゃんか!!

 学校のクラスに1人はいる、誰とでも仲良くなれて、優等生なタイプのやつ。他人が真似しようと思ってもできない、天然の素晴らしい個性ですよ。

 

 

 他にもないか調べてみるために、2018年に英米で発売された、DK*6社出版の書籍『Character Encyclopedia』から引用してみましょう。この本には文章こそ短いですが、Fact Fileに各キャラクターの好きなことや嫌いなこと、親友などについても記載があります。

 

Stanley the new kid on the tracks

Stanley is a friendly, fun steam engine who is newer than Thomas. His popularity made Thomas jealous at first, but now they are good friends.

 

FACT FILE

Role: Helping out other engines

Best friend: Everyone!

Likes: Pranks (but not if they're mean)

 

 new kid on the tracksて何。子供なん? いやトーマスより若いかそりゃ。

 ここでも親友は「皆んな」だと書かれていますね。好きなことには「いたずら (ただし意地悪な悪ふざけは除く)」とありました。悪ふざけや迷惑ではない場合、pranksは戯れ(遊び興じる、遊戯、遊び半分でふざけるなど)の意味になります。映画の中でパーシーと共に洗車で泡にまみれる姿がまさにそれなのかもしれませんね。

優等生がたわむれ好きなのってめちゃめちゃ可愛いくないですか?

 

 

【スタンリーのモデルになった機関車】

 既に公式サイトに記載がある通り、公式側はハズウェル・クラーク社製の0-6-0STと、キットソン社製No.5459「Austin Ⅰ」などをモデルにしているようです。

 

 ハズウェル・クラーク社製の0-6-0STと言っても、該当する機関車は沢山います。その中から選んだということでしょう。

 一例を挙げると、最も形状として近いのは、現在ニーン・バレー鉄道に保存されているNo. 1539「Derek Crouch」号でしょうか。土木会社のサー・ロバート・マカルパイン社のために1924年に製造された産業用機関車です。

youtu.be

 

 一方、「Austin Ⅰ」は、英国の自動車メーカー、オースチン・モーター・カンパニーとロングブリッジにある工場のためにキットソン社(Kitson & Co.)によって1932年に製造された、入換用の産業用機関車です*7

自動車業界の合併と再編に伴い、1968年までにブリティッシュ・レイランドに所有権が渡されました。自動車メーカーを転々とすると思いきや今度はバーンウッド醸造所に購入され「Burtonwood Brewer」と命名されます。最終的にウェールズのスランゴレン鉄道で動態保存されており、名前も「Austin Ⅰ」に戻りました。

保存鉄道では旅客列車を運行していますが、元々入換用ということもあってあまり遠くまでは走れないようです。2020年にオーバーホールが完了して以来、他の保存鉄道に貸し出されています。

youtu.be

 

 どちらにせよ、多忙な現場での入換え用に設計された産業用機関車ということになります。スタンリーのデザインは、それらの煙突とタンクをより高くし、砂箱を取り除いたスタイリッシュな見た目にアレンジされています。実機よりはタンクの容量が増えていそうに見えますよね。

 スタンリーはトーマスより若干大きくて若干強いという設定ですが、少なくとも実機に関しては、LBSCRクラスE2よりは小ぶりなんじゃないかなと思います。

 

 

【劇中での動向・活躍】

 無個性じゃないことは彼の紹介文で確定しているのですが、せっかくですので各エピソードでの動向や、カメオ出演したエピソードを画像を添えてまとめてみました。わざわざこうする理由としては、紹介文に書かれていない豆知識があったりするからです。どのように扱われたのかを見ていきましょう。

注意事項として、まとめたのは本編であるTVシリーズと長編作品のみです。セグメントやYouTubeのショートムービー、担当者の企画で素人のファンが制作した『Thomas Creative Collection』シリーズ、その他メディアミックスや日本独自の展開などは含まないので悪しからず。

また、台詞が用意されている長編・短編エピソードにのみ脚本家と監督を添えましたのでそちらも参考にしてください。登場したとはいえ脚本家の手に負えないこともありますので、念のため。

※過去の映画のネタバレも含まれるのでご注意ください。

※特にご興味がない方は、目次から【登場エピソードまとめ】か、【終わりに】を選択して飛ばしてください。

 

 

映画『トーマスをすくえ!! ミステリーマウンテン』

(脚本: シャロン・ミラー 監督: スティーブ・アスクィス)

©︎Mattel

 

 初登場の『トーマスをすくえ!! ミステリーマウンテン』では、トーマスがグレート・ウォータートンの復旧作業をしている間、トーマスに代わって仕事を手伝うために来島しました。トップハム・ハット卿の話をきちんと聞いていなかったトーマスは、突然現れて、すぐに仲間たちに好かれている彼を嫉妬し、嫌悪するようになります。

 日本語吹き替え版の初台詞は「みんな、こんにちは!」 実はこれ日本版オリジナルのアドリブなんですよね。

 

©︎Mattel

 トーマスが最初にスタンリーを見かけたのは、彼がパーシーと洗車を楽しんでいるところ。パーシーと一緒に冗談を言って笑い合いながら作業員に泡をもっとかけるようにいうところからも、図鑑に記載された戯れ好き設定はここからきているのかもしれません。

パーシーも同じサドルタンク機関車の新しい友達ができてさぞ嬉しかったことでしょう。

 

©︎Mattel

 トーマスが次に見かけたのは、スタンリーがアニーとクララベルを牽いて本線に出てきた時。台詞こそないものの、アニーとクララベルが楽しんでいたことからも、スタンリーの人柄の良さが窺えますね。

 

©︎Mattel

 トーマスがスタンリーと初めて会話をしたのは、トーマスが疲れてティドマス機関庫に帰ってきた時。

友達に会いたくて戻ってきてみれば、自分のスペースに、自分を差し置いていつの間にか人気になっているスタンリーがいるという状況。トーマスからしてみれば最悪でも、スタンリーは差し詰めトップハム・ハット卿の言いつけを守っているか、仲間たちに誘われたかでしょう。

トーマスが怒っていることはこの時は気づけず、というより、怒る理由がわからないかもしれません。陽気に汽笛を鳴らして挨拶をします。

 原語版の初台詞は「Hello, You must be Thomas!」

 

©︎Mattel

 トーマスが重い貨車を牽きながら速度を上げてカーブを曲がろうとした時に脱線。次にスタンリーと会ったのは、その救出直後の信号待ち。

リーダーとして活躍したくて、スタンリーよりも上手くやれるところを見せようと張り切っていた時の出来事で、その上トップハム・ハット卿にも叱られたトーマスにかけられたのは、悪気のない「トーマス、ついてなかったね (Bad luck, Thomas)」の言葉と元気な汽笛。直後には他の機関車たちの歓声。ウェルカ~ム スタンリィ~

無害なのですが、ちょっぴり上から目線な印象を受けます。スタンリーはそうではなくても、トーマスにとってはバカにされている気分だったことでしょう。

 

©︎Mattel

 トーマスが修理から戻ってきた時には、信頼実績とその人望を買われてか、スタンリーが復旧作業のリーダーを任されていました。スタンリーは、トーマスに貨車の入換を任せます。「きみは貨車の入換が誰よりも得意だからね」と、相手の強みを活かした選択をします。おそらく、仲間たちからトーマスの評判を聞いたのかもしれませんね。

 

©︎Mattel

 しかし、トーマスはスタンリーがそれほど強くないことを証明させようと、わざと10両ほどの石が積まれた貨車を用意します。スタンリーは一度は驚くものの、最善を尽くしたかったのかそれとも考える前に行動するタイプなのかはたまた純粋にトーマスを信頼していたのか理由は定かではありませんが、そのまま繋いで丘を登ろうと全力でがんばります。

個人的な解釈ですが、スタンリーの人柄を考えると、どれも当てはまるような気がしています。皆さんはどう考えられますか?

 

その努力は虚しく、丘の途中で車輪が空転し、貨車との連結が壊れます。暴走した貨車は建て直されたばかりの塔へ突っ込み、大惨事。トーマスはそばで仲間たちのひそひそ話を聴きながら、トップハム・ハット卿にひどく叱られます。間接的ではあるけど後押ししたのもありますからね。

トーマスがトボトボ走っていく傍らスタンリーも神妙な顔をして壊れた塔を見つめており、彼自身も責任を感じていそうです。

 

©︎Mattel

 その後、スタンリーは落ち込んでいるトーマスを遠くから見つめ、怒るとか恨むのではなく、なんと気の毒に思います。この時はトーマスの本心に気づいていないにしても、なんと思いやりのある機関車でしょうか。

「Thomas feels bad.」という台詞は、吹替版では「トーマスは責任を感じてるんだな」と意訳されました。入換えを任せたことを考えると、とても理にかなった翻訳だと思います。スタンリーの共感性が強調されています。

 

©︎Mattel

 翌日、復旧現場に機関車たちが集合した際、トーマスがその場にいないことを真っ先に尋ねたのはスタンリーでした。現場のリーダーですからね。

 

©︎Mattel

 その後はトップハム・ハット卿の命令に従い、トーマスを探します。みんなでヘトヘトになるまで。スタンリーは、トーマスがどれだけみんなに愛されているか、大事なのかを知ります。

そこで側線で独り、貨車の隣でトーマスのことを考えます。アニーとクララベルを牽いて走った時のトーマスの表情、機関庫で対面した時の表情、そして事故の後の表情。それまでの出来事を振り返って彼の本心に気づきます。「みんなに嫌われたと思ったのかもしれない」と、気持ちを理解しようとする姿勢。ぐう聖。

山に隠れていると考え、単独で山の周辺を探します。

 

©︎Mattel

 作業に戻る時間が迫る中、スタンリーは山を探し回りながら、汽笛を鳴らします。その音が、既に洞窟から出ていたトーマスの元に届き、トーマスに残っていた最後の蒸気を使ってお互いに汽笛を鳴らしたことで再会。

トーマスは意地悪をしたり利己的に怒ったことを謝り、友達になってほしいと祈願。するとスタンリーは笑って、前向きに「トーマス、ぼくらはもう友達さ」と言います。ぐう聖。

そしてトーマスを救出するために、機関士たちの協力を得て、鎖を繋いで引っ張り出します。重くても諦めません。「絶対にできるさ!」と、前向きです。

なんとか引き上げるも、無理をして弁が故障。今度はトーマスが彼をグレート・ウォータトンへ運びます。この時点で、2台はお互いを信頼し合えるかけがえのない友達同士でした。

 

©︎Mattel

 市長をアニーとクララベルに乗せて式典にお連れする仕事を、トーマスはスタンリーに譲ります。復旧したグレート・ウォータートンと、トーマスとの華々しい友情が芽生えた瞬間でした。

 

 

第12シリーズ

©︎Mattel

 映画の後日譚である第12シリーズでは、スタンリーに3話ほど出番があります。どれも脇役止まりですけどね。残念ながら第12シリーズは日本で放送されることはなく、日本の子どもたちは直後のスタンリーの活躍を見る機会に恵まれませんでした。そのうち、『ジェームスのたいあたり』だけ、TSUTAYA TVの配信や、近年の映画の前売り特典DVDなどで視聴が可能でした。

 

 『ジェームスのたいあたり』(脚本: サイモン・スペンサー、監督: スティーブ・アスクィス)では、早速ナップフォードの操車場で入換作業をするという実機と同じ仕事をしています。

ジェームスが体当たりでいたずら貨車を黙らせたり、重いヘクターと入換え作業をする様子を眺めて感銘を受けます。

その後、すでにグレート・ウォータートンでトーマスと一緒に待っていたスタンリーは、ジェームスに心配していたことを伝え、貨車嫌いのジェームスがヘクターに助けられたと知ると驚いた表情をします。

 

©︎Mattel

 『Gordon Takes a Shortcut』(脚本: ウェイン・ジャックマン、監督: スティーブ・アスクィス)では、スタンリーは旅客列車を任されています。2軸の赤い客車を牽いて。

 冒頭では、近道を使ったけど迷子になって遅刻したことをトップハム・ハット卿にと接続列車のゴードンに謝ります。まだ慣れていないからでしょうか。そもそも鉄道に近道ってなんやねん。

トップハム・ハット卿はグレート・ウォータートンで何人かの作業員と重要なお客さんが待っていて、先に着いたほうがその特別なお客さんを乗せられると告げます。スタンリーは石炭と水を補給しなければならないことを伝え、「グレート・ウォータートンで会おう」と、ゴードンに言います。自信があったのでしょうか。

スタンリーより早く着きたかったゴードンは、近道をしようと計画します。そんなことしなくてもゴードンなら追いつけるだろうというツッコミはさておき。

 

©︎Mattel

 近道を見つけようと彷徨ったゴードンはベンの平台貨車と衝突して丸太を下の線路に落としてしまい、スタンリーがぶつかりそうになったところでゴードンが汽笛を鳴らして警告。危うく事故になるところでした。

ゴードンは謝罪し、特別なお客さんをスタンリーに任せます。スタンリーはこれを誇りに思います。作業員を乗せたゴードンの「今度は近道はしないつもりだ」との一言にスタンリーは笑います。ここでゴードンとスタンリーの友情が芽生えました

 

©︎Mattel

 『Thomas Puts the Brakes On』(脚本: マーク・ロバートソン、監督: スティーブ・アスクィス)では、ソドー・リバー・ブリッジの再建を手伝っています。建設作業員を乗せた客車を1両牽引しています。

トーマスの効き目の悪いブレーキ音を聞いて、橋に使う特別なブロックを代わりに運んであげようかと尋ねます。優しい。

しかし、トーマスからは断られてしまいます。

 

©︎Mattel

 その後、ロッキーと一緒に橋の再建をしている様子が見えます。隣で脱線したトーマスを、スタンリーは平台貨車とブレーキ車ごと引っ張って救出よーく見ると場所を確保するためロッキーのことも押しています。

 

©︎Mattel

 救出後は、トーマスが落としたブロックを集めるのを快く手伝います。マードックとロッキーと一緒に。ブロックを集めつつ、トーマスを修理工場に送ると、スタンリーはブロックの積まれた貨車を橋へと運びに戻って行きます。

橋とトーマスのブレーキの修理が終わると、2台で橋を眺めて物語は終了。

 このエピソードではスタンリーの台詞こそ少なく、役割もヒット期にありがちな汎用的なものですが、第12シリーズでは最も画面に映っている時間が長く、彼の思いやりと力強さが描写されています。

 

 

映画『ミスティアイランド レスキュー大作戦!!』

©︎Mattel

 3DCG化後は、映画ミスティアイランド レスキュー大作戦!!』で再登場。台詞はありません。トーマスを探すため、ソドー・レスキューセンターの建設現場で集合している場面にちょこんと登場しています。またトーマス消えちゃったね。

 本来は『伝説の英雄』にも登場予定だったようですが出番がカットされました。

 

 

第14シリーズ

©︎Mattel

 第14シリーズでは、3話登場していますが、その3話とも台詞のないカメオ出演です。

 『トーマスとキリン』では、ソドー島に動物園が完成したことにワクワクする機関車たちの一台としてヘンリーと共に登場。

 

©︎Mattel

 『ねがいをかなえて』では、2両の普通客車を牽いてナップフォード駅を出発するところが映し出されています。

 

©︎Mattel

 『ゆきだるまのぼうし』では、2両の冷凍車、ワークスユニット客車、2両のクリームタンク車とブレーキ車を牽いて雪の積もった沼地の橋を疾走しています。

 

 

映画『ディーゼル10の逆襲』

(脚本: シャロン・ミラー、監督: グレッグ・ティアナン)

©︎Mattel

 スタンリーが3DCG期で初めて喋ったのは映画『ディーゼル10の逆襲』でした。ナップフォード駅で、昨夜パーシーが行方不明だったことを心配する機関車たちの一台として登場します。そして他の機関車たち同様、ディーゼル10に気に入られていると誇らしげに語るパーシーに驚きとショックをあらわにしています

ディーゼル10とも面識はあるのでしょうか。それとも他の仲間たちから聞いたのでしょうか。

 このほか、フリンがソドー整備工場で紹介されている際にも、エドワードの隣にちょこんといます。

 

 

第15シリーズ

©︎Mattel

 第15シリーズでのスタンリーの出番は、台詞がある回が1話と、カメオ出演が2話用意されています。まずは台詞のある回から見ていきましょう。

 『ステキなクリスマス・パーティー(脚本: シャロン・ミラー、監督: グレッグ・ティアナン)では、子どもたちのクリスマスパーティーを心待ちにしていたところで、パーシー、エドワード同様、踏切の前でかまの調子が悪くなり、トーマスによって整備工場へ運ばれます。お茶の時間までには修理できないとビクターに言われて3台同時にショックを受けます。

修理を待つ途中、トーマスが彼らを楽しませようと連れてきたチャーリーの冗談に対して考えこむ様子も描写されています。

 その夜、トーマスとビクターが整備工場でパーティーを開いたことで、汽笛を鳴らして喜びました。トーマスの思いやりによって救われたわけです。

 

©︎Mattel

 『パーシーのあたらしいともだち』では、鉄骨とガラクタを積んだ貨車を牽いて、洗車場の車庫を通り抜ける姿を確認できます。

 

©︎Mattel

 『ケビンのじまんのフック』では、再び整備工場にいます。貨車を届けにきたのか、それとも修理をしにきたのかは定かではありません。

 

 

映画『ブルーマウンテンの謎』

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 映画『ブルーマウンテンの謎』では、トーマスが黄色い機関車を探すとき、操車場で入換作業を行っている様子が映し出されています。台詞はありません。

 

 

第16シリーズ

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 第16シリーズでは7話ほど登場していますが、7話とも全てカメオ出演で台詞はありません。

 『こわれたオールド・ウィージーでは、有蓋貨車を何両か牽いて、ゴードンとエミリーと本線で走る様子が見られます。

 

©︎Mattel

 『トーマスとしゃしん』では、クリームタンク車、ミルクタンク車、冷凍車、そのほか貨車を何台か牽いて、本線でゴードンとすれ違います。

 

©︎Mattel

 『ブレンダムのかいぶつ』では、レンガと鉄骨が積まれた平台貨車とブレーキ車を牽きながら、ブレンダムの港でディーゼルとすれ違います。アップで映る場面では、にこにこしています。

 

©︎Mattel

 『トーマスとゴミのかしゃ』では、冒頭でトーマスと一緒に操車場で貨車を入換えている様子が語られています。

 

©︎Mattel

 ソルティーへのプレゼント』では、島に赤いペンキがなくてソルティーが全身に緑色のペンキで塗られた時の昔話に、ソルティーを見つけられなかった機関車の一台としてスタンリーが登場しています。

昔話とありますが、スタンリーはまだ新しい機関車のはずですので、後のことを考えると、おそらくこれは作り話なのでしょうね。

 

©︎Mattel

 『パーティーきかんしゃエミリー』では、木箱や家畜車など様々な貨車を牽いて、白銀の世界となった丘を下ってパーシーとすれ違います。

 

©︎Mattel

 『どろんこジェームス』では、これまた様々な貨車を牽いて、農場の前をチャーリーとすれ違っています。似た形の産業用機関車同士ですね。

 

 

映画『勇者とソドー島の怪物』

©︎Mattel

 映画『勇者とソドー島の怪物』では、操車場の朝礼で他の機関車たちと共に集まっています。このほか、お手伝いなのかクレイピッツで働く姿も見えます。台詞はありませんが探してみてください。

 本作と第18シリーズから、煙室の色が銀色からマットな白色になりました。

 

 

第18シリーズ

©︎Mattel

 第18シリーズでは、久しぶりに台詞のある回が1話と、使い回し映像を含めたカメオ出演が9話あります。

 『サムソンがおとどけ』(脚本: デヴィー・ムーア、監督: ドン・スペンサー)では、操車場で急行客車を繋ぐサムソンに注意する役割で登場。他の機関車と違って彼をからかうことはないものの、自分が間違っていると考えていないサムソンに効果の程はなく、諦めてしまいました。

何を言っても聞かないことを悟ってか、サムソンを追わず、後から客車を集めに来たトーマスの質問に若干呆れた様子で答えて出番は終了。

 

©︎Mattel

 『きょうふのかしゃのおと』では、またまたソルティーの作り話にて、"古い機関車"として出演。遠目だとわかりにくいですが、連結器がアップで映る場面でそれが完全にスタンリーの車体だと解ります。白いから抜擢されたのでしょうか。おかしいな、新しい機関車のはずなんだけど。

 

©︎Mattel

 『きえたディーゼルきかんしゃたち』では、パクストンがディーゼルを給油機まで運ぶときに、ケルスソープ・ロード駅を貨物列車を牽いて通り過ぎています。

 

©︎Mattel

 『トビーとしんごう』では、ナップフォード駅にやってきたトビーとヘンリエッタの前を、大量のオイルタンク車を牽きながら元気に汽笛を鳴らしてトビーの隣を駆け抜けていき、支線へと入っていきます。

 

©︎Mattel

 『トードのぼうけん』では、操車場で丸太の貨車を牽いて、独りぼっちになったトードの隣を通り抜けています。

 

©︎Mattel

 終盤では、操車場で入換作業をしていたところ、他の機関車たちと同様にトードの冒険談に熱中して耳を傾けています

 

©︎Mattel

 『いしきりばのトーマス』では、冒頭にてハリーとバートたちと一緒にファークァーの採石場を手伝っている様子を確認できます。ちっちゃくて見えづらいけど。

 

©︎Mattel

 『ゲイターにあいたい』では、タイトルカードにてナップフォードの操車場を走ってスタフォードとすれ違っています。

 

©︎Mattel

 『ティモシーとにじいろのかしゃ』では、同じくナップフォードの操車場におり、ガラクタの積んだ貨車を繋いでいます。ティモシーが操車場に来たときに出発し、スタンリーが移動したことでちょうど影に隠れていたトップハム・ハット卿が姿を表します。

このシリーズは操車場にいることが多いですね。

 

 

映画『探せ!! 謎の海賊船と失われた宝物』

©︎Mattel

 映画『探せ!! 謎の海賊船と失われた宝物』では、台詞はありませんが、ダック、ドナルドとダグラス、サムソンたちと一緒にハーウィック線を作るべく建設現場で働いています。劇中では建設現場やカレス船長の入江付近を走り回る様子がチラホラ見れるので探してみてください。

 

 

第19シリーズ

©︎Mattel

 第19シリーズでは、台詞のある回が1話、カメオ出演が4話あります。今期からランプ、ランプ受け、テールランプ、ブレーキパイプなど鉄道に必要な部品が追加されました。

 『さよならトビー?』(脚本: デヴィー・ムーア、監督: ドン・スペンサー)では、「トビーがスクラップになる」という噂を信じた機関車の一台でした。不安げと捉えるべきか、疑わしげと捉えるべきか、そんな様子です。

コナーの次に出てくるので、操車場で客車を預ける時に聞いたのでしょうか。ちなみにスタンリーの次の場面はエドワードでした。

 その後、トップハム・ハット卿ナップフォード駅に噂を広めた機関車たちとして集められ、ありもしない噂を広めて混乱を招いたことを反省する様子も描かれています。

 

©︎Mattel

 『たいせつなひつじ』では、ナップフォード駅の操車場で貨車の入換えをしています。

 

©︎Mattel

 『ヒロをすくえ!』では、トーマスとヒロが操車場で話しているそばを、汽笛を鳴らしながら木箱の貨車を牽いて駆け抜けていきます。

 

©︎Mattel

 『トーマスとあかちゃん』では、トーマスの支線で働いています。普通客車を2両牽いて、トーマスがファークァー駅に到着すると同時に出発します。

ただ、次の場面ではそれがデイジーになっていたりします。おそらくCGミスでしょう。

 

©︎Mattel

 『やっぱりやんちゃなフィリップ』では、ジェームスが長すぎる貨車を牽いて操車場を出ていく隣を、汽笛を鳴らして通り過ぎます。

 

 

映画『走れ! 世界のなかまたち』

(脚本: アンドリュー・ブレナー、監督: デヴィッド・ストーテン)

©︎Mattel

 映画『走れ! 世界のなかまたち』では、スタンリーが挿入歌「レイルウェイ・ショーにつれてって」にて歌唱しています。ナップフォード駅でノーマン、エドワード、ダックと並んで、"グレート・レイルウェイ・ショー"に出場したがっている様子が描かれています。

ノーマン、エドワード、スタンリーという奇妙な組み合わせに法則と共通点があるとするなら、3台とも優しい機関車で、3台ともトップハム・ハット卿に頼りにされている優等生といったところでしょうか*8。この3台もダックもショーに出場することはありませんでした。

 

 歌唱といっても、残念ながら日本語吹き替え版では土田大の声ではなく、記憶違いでなければパンフレットに記載があったはずですが、バックコーラスの誰かが担当しているっぽいです。ちなみに問い合わせによると、エドワード役の佐々木望もこの映画に出演していないことが確定しています。スタンリーの代役じゃないよ。声違うもん。

米国版はもっとおかしなことに、ノーマンとスタンリーの声が逆になっているというミスが発生しています。キース・ウィッカムの鼻にかかる声がスタンリーの口から出るという。どうしてこうなった。

 

 

第20シリーズ

©︎Mattel

 第20シリーズでは、台詞のある回が2話と、カメオ出演が1話あります。

 『じかんをせつやくしよう』(脚本: アンドリュー・ブレナー、監督: ディアンナ・バッソ)では、操車場を訪れたサムソンに「こんにちは」と挨拶します。台詞は一言だけですが、ディーゼルの適当な挨拶に困惑したりトーマスとディーゼルがサムソンをからかって笑う中で唯一スタンリーの笑い声が聞こえなかったりと、悪ふざけに加担しない思いやりのある性格が表れています。

 

©︎Mattel

 『ふくれっつらのジェームス』(脚本: アンドリュー・ブレナー、監督: ディアンナ・バッソ)では、まず冒頭の操車場で、ジェームスのために洗車したての2軸客車を2両用意します。

 

©︎Mattel

 ジェームスが機関庫から出てきて仕事をもらう際、今度はスタンリーが操車場で彼のためにゴミの貨車を運んできます。申し訳なさそうというか不本意にも見える表情です。ジェームスが確実に態度を悪くすることを覚悟しているようにも見えます。

トップハム・ハット卿の命令で客車はエドワードに任されたことを若干慌てた様子でジェームスに伝えます。

 

©︎Mattel

 ゴミを破棄した後、ジェームスが文句を言いながらのろのろと操車場へ戻ってくる場面で三度スタンリーが登場しています。困った顔のシドニーと一緒に、ジェームスの顔色を伺うかのように、場の雰囲気が悪くなったことで終始嫌そうな目を向けて追い越していきます。

態度を悪くされることには抵抗があるのでしょうかね。素朴な性格の延長線であるとも言えます。

 

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 ジェームスが改心した後、酪農場でミルクタンク車をジェームスのために運んできています。

 

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 『やみにひかるヘンリー』では、ソドー整備工場でバッファビームのペンキを塗り替えてもらっています

 

 

映画『とびだせ! 友情の大冒険』

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 映画『とびだせ! 友情の大冒険』では、台詞はありませんが、冒頭のソドー島紹介シーンでチャーリーと一緒に操車場で入換え作業を行っている描写を見ることができます。

 

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 挿入歌「いつになったらかえれるの?」では、友達が恋しくなったトーマスの空想に一瞬だけ登場しています。だいぶ後ろですね…。

 

 

第21シリーズ

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 第21シリーズでは、カメオ出演が1話のみと出番がかなり減りました。

 『こしょうしたハーヴィー』の冒頭の前語りで、ロッキーを連れて嵐の被害を受けたダイナソー・パークに赴いています。操車場にいることが多い3DCG後期では、なかなかレアな描写ではないでしょうか。

 

 

映画『GoGo! 地球まるごとアドベンチャー

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 映画『GoGo! 地球まるごとアドベンチャーでは、トーマスを探しに操車場へやってきたパーシーの場面で、ノーマン、スタフォード、チャーリー、ダックと共にカメオ出演しています。

 

 

第22シリーズ

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 第22シリーズでは、台詞がある回が1話と、カメオ出演が1話用意されています。

 『カラフルなきかんしゃたち』(脚本: マイケル・ホワイト、監督: ディアンナ・バッソ)では、ジェームスの夢の中に登場します。パーシーと一緒に。

 

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 夢の中で緑色のボディになった自分のボディを酷評するジェームスに対してムッとするパーシーの横で困った顔をしながら、線路に戻ってきたことを喜び、ヘンリーが脱線してトップハム・ハット卿が貨物列車を牽くことを要求していると伝えます。

 

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 『ニアとすうじ』では、冒頭のクロヴァンズ・ゲート駅を貨物列車を牽いて通過し、スカーロイとニアの間をすれ違っています。

 

 

第23シリーズ

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 第23シリーズでは台詞のある回が1話と、カメオ出演が1話あります。

 『あやしくひかるディーゼル(脚本: デヴィー・ムーア、監督: ディアンナ・バッソ)では、ディーゼルの空想内でのみ台詞があります。

もしディーゼルが操車場からいなくなったら、きっと寂しがるであろう仲間の一員として、ノーマン、パクストン、ニアと共に登場。パクストンとニアはこの物語の主役なのでわかるのですが、ノーマンとスタンリーは唐突な登場なんですよね。ディーゼルにとってスタンリーが友達想いなのと、いつも操車場にいるという印象なのでしょうか。空想の中の巨大ケーキからディーゼルが出て喜ぶ様子を映して出番は終了。

「だ〜いすき、ディーゼル! (We love you, Diesel!)」これがスタンリーの最後のセリフになります

 

 それにしても、空想内での登場って興味深いですよね。そのキャラクターが仲間に対して普段どのように考えているかが可視化されますから。

 

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 ほかには、映画『チャオ! とんでうたってディスカバリー内の『Steam Team to the Rescue』カメオ出演しています。挿入歌「とまるもんか」をスチーム・チームのみんなが歌っている最中、ロージーと一緒に勇ましく操車場で入換作業をしている様子を見ることができます。

 

 

第24シリーズ

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 第24シリーズでの登場回数はカメオ出演が1回きりです。映画『おいでよ! 未来の発明ショー』内の『World of Tomorrow』にて、ホリフィールド教授の発明品をトップハム・ハット卿がいじっている場面で、背後に停車しています。

直前の場面にも直後の場面にもスタンリーの姿は無いので、単なるCGミスの可能性が高いです。キム教授が披露している頃にはグリンが爆速で走ってるだけだし。最後の出番がこれかい。

 

 

【動向などのデータまとめ】

 では、ここまでの動向を箇条書きでまとめてみましょう。拡大解釈になりがちな部分は▲と疑問符で表記します。

 

[性格面]

●陽気。

●怒らない。(怒り顔が存在しない)*9

●意地悪や悪ふざけ、からかったり煽ることはない。

●着飾らない素朴な性格。

●前向きで親しみやすく、すぐに友達を作れる。

●冗談を言ったり、戯れることが好き。

●リーダーになった時は、相手の強みを理解して任せられる。

●仕事は最善を尽くして全力で頑張れる。

●思いやりと共感性があり、相手の気持ちを考えられる。

●計画通りにいかず困っている友達を積極的に助けようとする。

▲クール?

▲見下さないが、ちょっぴり上から目線?

▲鋭く主張せず、配慮して言葉を選んでいる?*10

▲態度を悪くされるのは苦手な様子?*11

 

[他者からの評価]

●人気者。

●トップハム・ハット卿から厚く信頼されている。

●最初はトーマスから妬まれたが、好かれている理由を知りかけがえのない友達になった。

ディーゼルから勝手に好意を持たれていると思われている?

 

[仕事]

●劇中で見られるほとんどの仕事は、操車場での入換え作業、牽引する機関車に客車や貨車などを用意すること。

●支線または本線での旅客列車。

●支線または本線での貨物列車。

採石場やクレイピッツなど忙しない現場*12、街や施設の復旧*13、橋の再建*14、支線の建設*15などに貸し出されることがある。

 

[特別な仕事]

●市長をグレート・ウォータートンの式典へ運ぶ。

●特別なお客さんをグレート・ウォータートンから運ぶ。

 

[友達]

●全員*16

●特筆するならトーマスとゴードンと仲良くなる*17

※もしかしたらディーゼル10とはそうではない可能性がある*18

 

[活躍]

●これまでの出来事を振り返りながら、行方不明のトーマスを単独で探し出し、救出に成功する*19

●橋で脱線したトーマスを引き上げ、ブロックを回収して橋の建設に戻る*20

●動けなくなったディーゼル機関車たちの分まで仕事をする*21

 

[失敗]

●自分の行動にトーマスが動揺していたことを、振り返るまで気づなかった*22

●トーマスが用意した10両の重い貨車を運ぼうとして連結器が破損し、丘から暴走した貨車が建て直されたばかりの塔に突っ込む*23

●旅客列車を牽いて、近道をして迷子になり遅刻する*24

●他の機関車同様、トビーがスクラップになるという噂を信じて広める*25

 

[故障]

●トーマス救出時に無理をして弁が破裂*26

●クリスマスの季節、踏切の前で火室の調子が悪くなる*27

 

[来島事由]

●トーマスがグレート・ウォータートンの復旧作業のリーダーになるので、彼の代わりに普段の仕事をするため。

 

[その他の動向]

●トーマスが用意した列車があからさまに長くて重いのに運ぼうとする。

●他の機関車たち同様、ソドー動物園の完成にワクワクする。

ディーゼル10に気に入られていると自慢するパーシーにショックを受ける。

●故障で子供達のクリスマス・パーティーに参加できなくなりショックを受ける。

●作業を止めてトードの冒険談に耳を傾ける。

●間違って連結するサムソンに注意するが、効果はなく諦めた。

●グレート・レイルウェイ・ショーに出場したがる。

 

 

【登場エピソードまとめ】

[台詞がある回のみ]

●映画『トーマスをすくえ!! ミステリーマウンテン』

●映画『ディーゼル10の逆襲』

●映画『走れ! 世界のなかまたち』

●第12シリーズ

 ○『ジェームスのたいあたり』

 ○『Gordon Takes a Shortcut』

 ○『Thomas Puts the Brakes On』

●第15シリーズ

 ○『ステキなクリスマス・パーティー

●第18シリーズ

 ○『サムソンがおとどけ』

●第19シリーズ

 ○『さよならトビー?』

●第20シリーズ

 ○『じかんをせつやくしよう』

 ○『ふくれっつらのジェームス』

●第22シリーズ

 ○『カラフルなきかんしゃたち』(夢の中のみ)

●第23シリーズ

 ○『あやしくひかるディーゼル』(空想のみ)

 

 

[台詞のない回のみ]

●映画『ミスティアイランド レスキュー大作戦!!』

●映画『ブルーマウンテンの謎』

●映画『勇者とソドー島の怪物』

●映画『探せ!! 謎の海賊船と失われた宝物』

●映画『とびだせ! 友情の大冒険』

●映画『GoGo! 地球まるごとアドベンチャー

●映画『チャオ! とんでうたってディスカバリー*28

●映画『おいでよ! 未来の発明ショー』*29

●第14シリーズ

 ○『トーマスとキリン』

 ○『ねがいをかなえて』

 ○『ゆきだるまのぼうし』

●第15シリーズ

 ○『パーシーのあたらしいともだち』

 ○『ケビンのじまんのフック』

●第16シリーズ

 ○『こわれたオールド・ウィージー

 ○『ブレンダムのかいぶつ』

 ○『トーマスとしゃしん』

 ○『トーマスとゴミのかしゃ』

 ○『ソルティーへのプレゼント』

 ○『パーティーきかんしゃ エミリー』

 ○『どろんこジェームス』

●第18シリーズ

 ○『きょうふのかしゃのおと』*30

 ○『きえたディーゼルきかんしゃたち』

 ○『トビーとしんごう』

 ○『トードのぼうけん』

 ○『いしきりばのトーマス』

 ○『ショベルきかんしゃマリオン』*31

 ○『ゲイターにあいたい』

 ○『ティモシーとにじいろのかしゃ』

●第19シリーズ

 ○『たいせつなひつじ』

 ○『ヒロをすくえ!』

 ○『やっぱりやんちゃなフィリップ』

 ○『トーマスとあかちゃん』

●第20シリーズ

 ○『やみにひかるヘンリー』

●第21シリーズ

 ○『こしょうしたハーヴィー』

●第22シリーズ

 ○『ニアとすうじ』

 

 

【終わりに】

 英米公式サイトや劇中の動向から、スタンリーが決して無個性・没個性ではないことがわかりましたね。彼の情け深さ、共感性、前向きな姿勢によって人気があることが窺え、すぐに誰とでも仲良くなれるという部分が大きいですね。子どもたちに安心感と好感を与えられる存在として確立しています。エドワードの親切心とはまたベクトルが異なるように感じられます。久しぶりに『TGD』を見返してみて、スタンリーの情け深さに泣きそうになりました。

 

 ではなぜ映画以降、主役回が作られなかったか。理由は簡単かもしれません。

トーマスやジェームスみたいな生意気、傲慢、自信過剰、失礼、慌ただしいといった弱点と成長の見込みを持つキャラクターに比べて、スタンリーにはわかりやすい弱点が少なく、サポート役として輝くキャラクターで、活かしづらいのが要因と考えられます。"変わった形の優しい性格のキャラクター"が増えてきたのも起因するかもしれません。

模型中期から3DCG前期にかけてエドワードとヘンリーが(ある程度の工夫によって)自信のないキャラクター(悪く言えば安定しない、あるいは普遍的なキャラクター性)になったり、BWBA期でレギュラーから外されてより個性的なキャラクターに置き換わったことからも、現代的なシナリオにおいてサポート役を表舞台に立たせる際の扱いにくさが窺えます。

補足すると、そこでさらに商品展開*32や記念の節目*33、メディアによる批判対策とマンネリ化防止の策*34など、それぞれのシリーズごとにプロデューサーと脚本家の思い通りにいかない制約*35もあるわけで。

また、スタンリーと同じ立場で登場したライアンには、お人好しで窮地でパニックになりやすいなどはっきりとした隙や弱点と、デイジーとコンビで働くという特徴があり、幾分か活かしやすい設定になっています。

 2013年の脚本家用バイブルによればスタンリーは「エレガントなのに風変わり」「騙されやすく提案に影響されやすいことが自分自身をつまずかせている」と、弱点を明確にして深く掘り下げようという工夫はあったようです。特に後者は、映画での失敗の答えあわせですね。

 

 しかし、スタンリーの人気の高さは制作側も把握しているようで、出番が少なくなっても消えることなく、一定の出番があったり、最後の方のカメオ出演でもクローズアップしてその姿を見せてくれました。

 また、映像クリエイターのRon Fugelseth氏が、2012年当時4歳の息子のお気に入りであるスタンリーのおもちゃを、息子の夢と共に宇宙遊泳させる動画が投稿されたことを覚えていますか?

www.youtube.com

これは公式YouTubeでも取り上げられたほか、それにアンサーするかのように、フィッシャー・プライスから2017年にAdventures(旧Take-n-Play)シリーズと、Collectible Railwayシリーズそれぞれに「Stanley in Space」と題した宇宙飛行のヘルメットを被ったスタンリーの玩具が発売されています。

 

 

 

 というわけで今回は、タンク機関車スタンリーについて深掘りしてみようのコーナーでした。従来のシリーズは終わってしまいましたが、今年、Bachmannから鉄道模型のスタンリーが発売予定なので、ちょうどいいのではないかと思っています。

 

 本当の目的としては、私個人が二次創作を書くに当たってキャラクターの理解度を深めるためでした。そもそも、私が単にキャラクターやソドー島の地理を研究することが大好きな趣味なんです。

でも、キャラクターの魅力を知っている人には再び、知らない人には気づけるきっかけの一つになればいいなとも考えています。もし需要があれば、今後も、あまり注目度が高くない要素を中心に、拡大解釈せず"確認"する記事を書こうと考えています。

考察は、それができる人に任せます。スタンリーに対してどのように感じられたか、コメント欄で教えていただけると嬉しいです*中傷・キャラクターを下げる、あるいは記事を書くよう急かすなどの行為は削除させていただく場合がございますのでご容赦ください。

では。

 

※この記事に添付したスクリーンショット著作権は全てマテル社に帰属します。

*1:文献によっては灰色、銀色とも。

*2:いわゆる模型期とか人形劇とか呼ばれているもの。コマ撮りではない。

*3:劇中の新聞記事より。

*4:『走れ! 世界のなかまたち』を除く。

*5:文章のKistonは誤字と思われます。

*6:ドーリング・キンダースリー

*7:https://preservedbritishsteamlocomotives.com/kitson-works-no-5459-austin-1-0-6-0st/

*8:ノーマンはS23で頼りにされていることが明かされます。

*9:3DCG期も共通。

*10:S18『サムソンがおとどけ』、S20『ふくれっつらのジェームス』

*11:S20『ふくれっつらのジェームス』

*12:S18『いしきりばのトーマス』、映画『勇者とソドー島の怪物』、S18『ショベルきかんしゃマリオン』など。

*13:映画『トーマスをすくえ!! ミステリーマウンテン』、S21『こしょうしたハーヴィー』

*14:S12『Thomas Puts the Brakes On』

*15:映画『探せ!! 謎の海賊船と失われた宝物』

*16:英米公式サイト、『Character Encyclopedia』

*17:映画『トーマスをすくえ!! ミステリーマウンテン』、S12『Gordon Takes a Shortcut』

*18:映画『ディーゼル10の逆襲』

*19:映画『トーマスをすくえ!! ミステリーマウンテン』

*20:S12『Thomas Puts the Brakes On』

*21:映画『チャオ! とんでうたってディスカバリー

*22:映画『トーマスをすくえ!! ミステリーマウンテン』

*23:映画『トーマスをすくえ!! ミステリーマウンテン』

*24:S12『Gordon Takes a Shortcut』

*25:S19『さよならトビー?』

*26:映画『トーマスをすくえ!! ミステリーマウンテン』

*27:S15『ステキなクリスマス・パーティー

*28:第23シリーズ『Steam Team to the Rescue』

*29:第24シリーズ『World of Tomorrow』

*30:作り話の"古い機関車"として登場。

*31:『勇者とソドー島の怪物』の使い回し映像。

*32:ディーゼル10の逆襲』ではスプラッターとドッヂ、デニスを再登場できない理由があった。

*33:第19シリーズでは全てのエピソードにトーマスを登場させる決まりがあった。

*34:BWBA期

*35:絵コンテで脚本にない要素が追加されるなど。