Z-KEN's Waste Dump

喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

【キャラクター研究】トーマスが"好き"なロージーって何者?【第2回】

 どうも。"キャラクターフォーカス"の時間がやってまいりました。前回のスタンリーの記事が好評だったので、第2回を書くことにしました。と言っても、好評ではなくてもやるつもりだったんですけどね。趣味です(笑)

 

 2回目ですが説明は入れておきましょう。

このコーナーでは、TV版『きかんしゃトーマス』シリーズの登場キャラクター1点について深く考えてみたり、実機の話をしたり、物語を通してどういう性格の持ち主なのかを検証・確認します。

原作絵本や、トーマスやエドワードなどのお馴染みのキャラクターについては、すでに様々なファンが検証、語り、考察などをされていますので、当ブログでは、シャロン期や3DCG期などファンからあまり注目されなかったキャラクターを中心に、再認識するために魅力的な部分を語りつつ、誇張的な拡大解釈をしないよう中立的な視点から紐解いていこうと思います。

 備忘録が目的ですが、データとして参考になれるなら幸いです。

 

注意その1 これは考察ではなく、あくまでも確認です。

注意その2 いつものように長文です。

 

 

【目次】

 

 

【ロージーとは】

 第2回に"確認"するのは、ライラック*1色のタンク機関車ロージーです。

彼女は第10シリーズ『トーマスとたんじょうびのはいたつ』から登場した女の子のキャラクターで、3本のドームと、そばかすのある鼻と頬、薄く塗られたチークと口紅が特徴。トーマスが好きで、よくついて行ったり、真似をします。

TV版では初のアメリカ出身の機関車ですね*2*3

 

 よく誤解されますが、トーマスの妹ではありません。日本公式から"妹的な存在"と紹介されているがゆえの間違いですよね。しかし、英米公式サイトには、そのような記述がありません。そしてトーマスの彼女という設定でもありません

今回は、何を持ってしてロージーが妹的な存在なのか、そしてトーマスが"好き"とはどういうニュアンスなのかをテーマに確認してみましょう。

 

[基礎データ]

分類: タンク式蒸気機関車

タンクの種類: サイドタンク

車軸配置: 0-6-0T

燃料の種類: 石炭

軌間: 標準軌(1,435 mm)

車体番号:「37」*4

性別: 女性

製造年: 不明 (*実機は1942-1943年製だが、設定は未確定)

来島年: 不明

出身: アメリカ合衆国イングランド本土

所属: ノース・ウェスタン鉄道

配属: ヴィカーズタウン操車場*5

一人称: わたし、あたし

キャッチフレーズ:「I know just what to do!」

 

[声優]

英国版: テレサギャラガー(2009-2012)

     ニコラ・ステイプルトン(2017-2020)

     レイチェル・ミラー*6

米国版: ジュール・デ・ヨング(2009-2012)

     ニコラ・ステイプルトン(2017-2020)

     レイチェル・ミラー*7

日本版: 望月久代

 

 

【ロージーの性格について】

 

 ロージーは主役回も得つつ3DCG期にも継続して登場し、最後の第24シリーズまで活躍しました。面白いのが途中のシリーズから車体のカラーリングと顔つきが変更されたほか、ノース・ウェスタン鉄道に所属している証に側面に「NWR」、「37」と車体番号をもらって、活躍の幅を広げているんです。変更した理由については劇中で説明などは無いですが、チェリーレッドとダークラズベリーの車体からどことなく大人っぽさを感じられますよね。

「37」という数字になった理由は、TV版で順番に数えて37番目に登場した標準軌の機関車キャラクターだからだと考えられます。

ちなみに、初登場回のエピソード番号説については英国・米国版の放送とプロダクションオーダー順どちらにしろ257話に該当するためこの説は否定できますスピンオフ作品の13話分を抜いても244話ですし、わざわざ日本版に合わせることもないでしょう。

 番号の話はともかくとして、元々のライラックの車体だったロージーと、チェリーレッドになったロージーとで、性格や態度にも変化が見られたような気がしていますので、そこも含めて確認しましょう。

 

 

 まずは参考文献に、かつて存在した英米公式サイトから、説明文を引用します。公式サイトは、子ども向けに読みやすく意訳されている日本版よりも、本場の方が詳しく書かれている場合が多いです。ニュアンスの確認にも最適です。

まだ勉強中なので、もし翻訳が違っていたらごめんなさい

まずは、公式Facebookの紹介文を読んでみましょう。

 

【2009年のFacebookより】Facebookのリンクはこちら

Rosie: Rosie is feisty, fun and very free spirited. Rosie is a tomboy tank engine! She's almost the same size and has the same capability as Thomas - whom she idolizes! She seeks to copy his every action and follow his every mood - with great charm and equal persistence. This drives Thomas crazy. He just wants to be left alone to be Really Usefull. But why, thinks Rosie, can't they be Really Useful together!?

 

 

 まず最初にfeistyとあります。feistyは「元気のいい」とか、「根性がある」とか、勇気を示す様などに使われる形容詞です。「悪意の」や「短気な」と乱暴なニュアンスで使われることもありますが、その後に続く文を考えると前者と考えるのが妥当でしょう。その後に、fun and very free spiritedと。楽しく自由奔放な性格であることを示しています。

 tomboyというのは「男の子のように活発な女の子」、「ボーイッシュ」、要は、"おてんば娘"のことを指します。近年はジェンダーの価値観的にも古臭い表現になりつつありますね。マイノリティの私はこの表現が苦手ですがまあそれは置いといて。

 トーマスをどう見ているかについてはidolizeが答えですかね。「無批判に愛する」、「偶像化して崇拝(尊敬)する」という意味になります。現代では偶像化の関連として「敬慕」のニュアンスで使われることが多いですね。もっと言えば語源であるidolが「(信仰対象の)神像」だけでなく、「憧れ(の的)」や「理想(の人)」の意にもなります。

 最後にはロージーの考えで「どうして一緒に役に立つ機関車になれないの?!」の一文が添えられています。

 また、almost the same size and has the same capability as Thomas (トーマスとほぼ同じ大きさで同じ能力)という文章にも注目です。あとで重要なポイントになりますのでよく覚えていてください。

 

続いて、公式サイトからも引用してみましょう。

 

【2010年から2017年の公式サイトより】アーカイブはこちら

Rosie: Rosie is a tomboy tank engine - feisty, fun and very free spirited! She idolizes Thomas and wants to copy his every move. While this sometimes drives Thomas crazy, he has come to realize they can Really Useful Engines together.

Fun Fact: Rosie is based on a SR USA class 0-6-0T.

 

 

 こちらはFacebookの紹介文を短くまとめた感じですね。

Fun Fact(豆知識)では、ロージーのモデルになった機関車が、サザン鉄道USAクラスであると記述されています。

 それから、3DCG最初期のキャラクターのみ、当時の公式サイトにはサンプルボイスが存在しました。英国・米国版のライブアクション・モデルアニメーションの時代では語り手の一人芝居だったのが、3DCGに移行時にキャラクター個々に声優が起用されたため、そのさわりとして用意されたものです。

サンプルボイスのセリフは以下の通りです。

 "Hello, I'm Rosie. I want to be just like Thomas, a Really Useful Engine."

直訳すると「こんにちは、あたしはロージー。トーマスみたいに、役に立つ機関車になりたいの」になります。台詞からもトーマスを敬愛していることが窺えますね。

 

 ここまででわかったロージーの性格を要約するとこんな感じです。

元気いっぱいで、愉快で、とても自由奔放活発憧れのトーマスみたいに役に立つ機関車になりたくて一挙一動を真似したがる

…なんかアイドルのファンガール的な印象ですよね。幼い妹が兄や姉の真似をする様子とも捉えられます。妹的な存在ってこういうところですかね。

 

 

©︎Mattel

 ロージー本来の性格がわかったところで、今度は、チェリーレッドの車体になった後の公式サイトの紹介文も確認しましょう。

 

【2017年から2021年までの公式サイトより】アーカイブはこちら

Rosie: Rosie is an energetic, fun and free spirited tank engine! She works as a shunting and mix traffic engine and loves to race just as much as she loves to be Really Useful.

Fun Fact!: Rosie is based on a SR USA class 0-6-0T.

 

 かなり短くなったどころか、いろいろ変わりましたね。

まず、性格面はfeistyからenergeticに変わりました。「活動的な」とか「積極的な」を意味します。tomboyという表現も消えてることから、活発な表現を引っくるめた感じですかね。free spiritedは変わりませんが、強調するveryが消えています。昔ほど思いのままではないのかもしれません。

 それから、トーマスを困らせていた、真似をするといった行動ももうやらなくなったのか、代わりに役に立つことと同じくらい競争も大好きという設定が加わりました。

ちなみに仕事内容にあるmixed-trafficとは、貨客両用のことを指すようです。エドワードやジェームスみたいに貨物列車も旅客列車もできるってこと。近年のシリーズではベテランとか訳されてますが。

 

 

 2018年に英米で発売された書籍『Character Encyclopedia』(DK社出版)では、赤くなったロージーの紹介だけが掲載されていて、説明文は公式サイトと一緒でしたが、公式サイト上には書かれていない、Fact Fileを引用してみます。

 

ROSIE the Friendly young engine

 

FACT FILE

Role: Shunting and mixed-traffic engine

Works with: Anyone in the Yards

Likes: Having fun with friends

 

 好きなことは「友達と楽しい時間を過ごすこと」だそうです。本の中では特にトーマスとの関係については一言も書かれていませんでした。

まだ若いようですが、過去にトーマスの追っかけだったのが、赤いボディに塗り替えられた頃には精神的に成長したのかなと考えられますね。

 

 

【ロージーのモデルになった機関車】

 ここでモデル機について触れます。中には、現実の実機とは異なる仕事や能力を発揮している仲間もいますが、大体のキャラクターは実機が定まっている以上、何らかの接点を持っていることが多いです。

 

 ロージーの実機は、公式サイトにも記述があった通り、サザン鉄道USAクラス 0-6-0Tです。

このサザン鉄道はイングランド(英国)の方です。1923年に南西イングランドのいくつかの独立営業していた鉄道を合併させて形成したもので、合併の中にはトーマスの出身であるロンドン・ブライトン・アンド・サウス・コースト鉄道(LBSCR)も含まれます。これに伴いトーマスの実機であるE2クラスもサザン鉄道の所有となり、廃車になるまではUSAクラスと共にサザンプトン港で活躍しました。

そういう意味でもトーマスとロージーは、モデルになった車両も同僚なんです。

 

 話を戻します。USAクラスは、元を辿ると、アメリカ陸軍輸送部隊S100クラスとして1942年から1944年にかけて、アイオワ州のダベンポート・ロコモティブ・ワークス、ピッツバーグのH.K.ポーター社、ウィルクスバリのヴァルカン・アイアン・ワークスにて、合計382台が生産され、第二次世界大戦中にヨーロッパと北アフリカでの入換え作業用に設計された産業用機関車でした。

戦後はオーストリア、中国、エジプト、フランス、英国、ギリシャ、イラン、イラクイスラエル、イタリア、オランダ、パレスチナアメリカ合衆国ユーゴスラビアなどの鉄道で活躍しました。

このうち、英国に渡った15台(1つは予備部品用)がサザン鉄道で購入され改造されたものがUSAクラスと改名されました*8。これらは老朽化していたLSWR B4クラスと交換されました。そのほかに渡ったS100クラスはイギリス石炭庁、ロングムーア軍事鉄道、そしてスタンリーの実機と同じオースチン・モーター・カンパニーなどで使用されました。戦時中にはグレート・ウェスタン鉄道(GWR)でも多くのS100クラスを使っていたようです。

 

 購入後は蒸気暖房、真空エジェクター、スライド式運転台窓、ランプ受けを追加し、ドレーンコックを新造。さらにサザンプトンの広い港で使うため、踏み板に無線機が設置され、機関車は港での入換えや客車・貨車の暖房に使われました。また、サザン鉄道の社員からはアメリカにちなんでか"Yank Tanks"とあだ名で呼ばれていたそうです。

 徐々にBRクラス07*9に置き代わるかたちで1962年から1967年にかけて撤退しましたが、このうち4台が保存されています。なお、S100クラス自体が世界各地で100機以上もの個体が現存しています。

ユーゴスラビアで製造されたS100のコピーも複数存在し、そのうち2台は英国に輸送され、USAクラスを代表するよう改造されています。

 

youtu.be

 

 最高速度は時速約56 km機関車重量47.2 t牽引力は96.22 kNでした。

比較対象にトーマスの実機を使いましょう。

LBSCRクラスE2の最高速度は時速約80 km、重量は53.6 t。牽引力は94.78 kN。

トーマスの実機の方が少し重く、ロージーの実機の方がビミョ〜に牽引力が強いですね。2台ともイギリス国鉄(BR)統合後は、パワークラス3F*10に分類されていますので、キャラクターの説明通りほぼ同じ能力値なんですよね。

 

 なお、ロージーのデザインは実機と異なる点がいくつかあります。実機ではメインロッドが動輪の一番後ろに接続されているのに対してロージーは真ん中の動輪に付いています。汽笛は蒸気用のドーム横ではなく、機関室と後部の砂用ドームの間にあります。

コピーされたS100クラスの中には、真ん中の動輪にメインロッドがある個体が実在します。

 

 

【劇中での動向・活躍】

 それでは、各エピソードでの動向や、カメオ出演したエピソードを画像を添えてまとめてみましたので、順に見ていきましょう。わざわざこうする理由としては、紹介文に書かれていない豆知識があったりするからです。どのように扱われたのか、また、どのような能力を発揮したのかなどを確認しましょう。

注意事項として、まとめたのは本編であるTVシリーズと長編作品のみです。YouTubeのショートムービー、担当者の企画でファンが制作した『Thomas Creative Collection』シリーズ、その他メディアミックスや日本独自の展開などは含まないので悪しからず。

また、台詞が用意されている長編・短編エピソードにのみ脚本家と監督を添えましたのでそちらも参考にしてください。登場したとはいえ脚本家の手に負えないこともありますので、念のため。

※過去の作品のネタバレも含まれるのでご注意ください。

※長いですので、特にご興味がない方は、目次から【動向などのデータまとめ】を選択して飛ばしてください。

 

 

第10シリーズ

©︎Mattel

 第10シリーズでは初登場回1話のみの出番です。彼女のデビュー作を書いたのは意外にも当時ヘッドライターのシャロン・ミラーではなく、ジェームズ・メイソンでした。

 『トーマスとたんじょうびのはいたつ』(脚本: ジェームズ・メイソン、監督: スティーブ・アスクィス)では、"新しい機関車"とは紹介されず、すでに来島していて、来島から幾日か経っている事が示唆されています。

 嵐の季節、ハイ・ファームにいるアリスの誕生日に特別列車を運ぶ途中のトーマスの元へ、ロージーがそばへやってきます。※この時に流れているBGMはロージー専用のテーマとして第12シリーズまで使われています。

語り手がロージーのことを説明します。"明るく元気な(cheeful, chirpy)小さなタンク機関車で、トーマスと会うのがいつも嬉しかった。トーマスのことが大好きで、彼と同じようになりたいと思っている。そしてなんでもトーマスの真似をする"と。蒸気の出し方も汽笛の音色も真似しています。でもトーマスはそれが気に入りません。

「こんにちは、トーマス。何をしているの? (Hello Thomas, What are you doing?)」これがロージー初台詞です。

 トーマスが説明していると、ハロルドに強風と大雨で土砂崩れが起きるかもしれないとトーマスに警告します。アリスをがっかりさせたくないトーマスはそれでも行こうとし、それにロージーもついていこうとします。

「わたしも、これくらい平気よ。わたしが後ろから押してあげるわ」真似だけど頼もしい台詞です。

一緒に来て欲しくないトーマスは拒否します。でも、トーマスが大好きなロージー手伝いたくてこっそり後を追います自由奔放ですね。

 

©︎Mattel

 ハイ・ファームへの道のりは坂道で、さらに土砂降り。トーマスは、ロージーには力がなくて付いていけないだろうと考えますが、ロージーは元気に汽笛を鳴らしてちゃんとついてきていました。これにトーマスはイライラし、あえてきつい線路を通ってロージーを突き放そうとします。

「今日はもう彼女の顔を見なくて済むぞ」と、嬉しそうに言うトーマス。本当に嫌だったんでしょうね。

トーマスと違って単機だからというのもあると思いますが、さほど弱くはないことが証明されていますね。この辺がfeistyな描写でしょうか。意外にもフィジカルというか根性があります。

 

©︎Mattel

 トーマスが土砂崩れに巻き込まれて立ち往生していると、ロージーが汽笛を鳴らして誇らしげに坂を登ってきますイッツミィィィィ!! 憧れの前では疲れ知らずです。健気。

トーマスが動けなくなっていることに気づいてすぐに助けを呼びに行こうとすると、トーマスに荷物をアリスに届けて欲しいと頼まれます。ロージーは喜んで彼を手伝います。貨車を連結してそのまま坂を登っていきます。いや普通に強いですね。

 

©︎Mattel

 その後、ロージーが戻ってきて、アリスの母親が電話をしてエドワードがすぐに助けに来てくれるとトーマスに告げます。機関室にアリスを乗せて。

 トーマスはロージーの助けなしではできなかったことを認め、ここからトーマスとロージーが仲良くなります

意外と1話ですぐにトーマスとロージーが友達になるんですが、冒頭の語りから、事故が起きるまではずっとロージーを嫌がっていたことがわかりますね。個人的にはそこも見たかった。

 

 

第10シリーズおまけ

©︎Mattel

 第10シリーズでの出番は終了ですが、ここでLearning Segmentsを紹介します。これは第8シリーズから第12シリーズにかけて英国・米国などのDVDに収録されているほか、Nick Jr.やPBS kidsでエピソードの合間に放送された教育向けの短いコンテンツです。

 その中でロージーが唯一登場するのが『Which Load for Rosie?』です。台詞はありませんが、彼女が運ぶにはどの荷物が適切かという映像。公式YouTubeでも見られるのでこのリンクから確認してみてください。

 映像では、ロージー一生懸命働くのが好きだが、他の機関車に比べて力持ちではないと、語り手から説明されます。港から採石場に巨大な機械を運ぼうとしますがびくともしません。今度は操車場から吊り橋の鉄筋を運ぼうとするも、これもピクリとも動きません。

最終的にロージーが運べたのは、風船工場で学校のパーティーへ運ばれるのを待っていた、風船がたくさん積まれた貨車。これが彼女の最適な仕事だというのです。えっ、結局弱いの強いのどっちなの!?

わかりやすい教育向けにわざと極端にしているだけだと思いますが、この時点では、ロージーは非力という設定がありました。

 

©︎TOMY

 トミー(現タカラトミー)から過去に販売されていたプラレールロージーに付属している風船の貨車はこの映像が元ネタですね。

 

 

第11シリーズ

©︎Mattel

 第11シリーズでは、台詞のある回が3話用意されています。

 『ヘクターってこわい』(脚本: サイモン・スペンサー、監督: スティーブ・アスクィス)では、ヘクターの来島初日、手こずっているトーマス元へ、入換え作業の手伝いとしてロージーが呼び出されます。呼び出されたってことは非力ではないと?

「あの大きな貨車を入換えて、石炭を積めばいいのね」と、トーマスに愛想良く(sweetly)尋ねます。

 

©︎Mattel

 トーマスがヘクターが入換えを嫌がっていることをロージーに説明している途中、ヘクターが大きな声で怒鳴ります。ち・か・よ・る・なァァ!!

その声にロージーびっくりして煙突から踏み板まで震え出し、操車場から一目散に逃げ出してしまいます。これに対し、トーマスはヘクターに腹を立てます。ビルとベンに体当たりしたり、自分に怒鳴ったり、ロージーを怖がらせたことを。

すっかり仲良くなりましたね。

 

©︎Mattel

 『トーマスとヨット』(脚本: シャロン・ミラー、監督: スティーブ・アスクィス)では、ヨットのマストをおろさず低い陸橋の下へ走ってきたトーマスに、信号待ちをしていたロージーが警告します。「この橋はくぐれないわ」と。

 

©︎Mattel

 『トーマスとにげるくるま』(脚本: シャロン・ミラー、監督: スティーブ・アスクィス)では、ベタベタの泥だらけになった線路を掃除して修理しているそばにロージーがいます。彼女はちょうど洗車場から出たばかりでした。

 

©︎Mattel

 そこへ、トーマスが運んでいた、トップハム・ハット卿の車を乗せた貨車が暴走するのが見えたかと思うと、泥だらけの線路を通り過ぎてロージーに泥をかけてしまいます。これに対しロージーは初めて怒ります

日本版では「もうっ、泥まみれになっちゃったわ」という台詞が追加されています。

車を乗せた貨車を追いかけるトーマスは、ロージーに謝りながらその場を走り抜けていきます。

 

 

映画『トーマスをすくえ!! ミステリーマウンテン』

©︎Mattel

 映画『トーマスをすくえ!! ミステリーマウンテン』ではカメオ出演です。グレート・ウォータートンの式典で、モリーとウィフと一緒に陸橋の上にいます。

 

 

第12シリーズ

©︎Mattel

 第12シリーズでは、台詞のある回が1話用意されています。その1話がなんとロージー初の主役回です。残念ながら日本では放送されず未公開でした。ポプラ車出版の『トーマスのポケットえほん4』では「ロージーととくべつれっしゃ」というタイトルでちょっとだけ読むことができます。

 『Rosie's Funfair Special』(脚本: アンドリュー・ヴァイナー、監督: スティーブ・アスクィス)では、まず冒頭で活発な(lively)機関車で、すばしっこく忙しく働くことが好きだと紹介され、ラクタが積まれた大きな平台貨車を精錬所へ運ぶ様子が映し出されます。ロージーにとってはどんな仕事も良いそうです。

 

©︎Mattel

 ある日、エミリーとロージーは、移動遊園地の特別列車がブレンダムの港で待っているとトップハム・ハット卿から伝えられます。ロージー列車を引っ張らせてもらえることに期待しますが、トップハム・ハット卿はそれをエミリーに任せ、ロージーにはその後押しをするよう命令します。それを聞いたロージーがっかりします。

エミリーは彼女に今日はやることが山積みだと伝えます。移動遊園地の列車を運んだ後、ハイ・ファームへミルクを届けなければならないと。

 その後、ロージーは独り走って閃きます。もしエミリーより先に港に着いたら代わりに特別列車を牽けるかもしれない。そうすればエミリーは農場に直行できるし彼女の助けになると。

利己的な発想ですが、同時に、エミリーの負担ことも考えていますね。奔放さと仲間思いが入り混じっています。

 

©︎Mattel

 港に着いたロージーは、長い特別列車に連結します。反対側にはすでにエミリーが連結していることにも気づかず、ロージーが思いっきり引っ張りだしたので、連結器が壊れてしまいます。ロージーは列車を牽けて喜びますが、エミリーに半分残して走り出したことに気づきません。

 

©︎Mattel

 跨線橋から手を振る子どもたちに見送られてロージー誇らしげに走りますが、一番後ろのココナッツの貨車との連結器が壊れてしまい、バーティーの待つ踏切のゲートに衝突して彼の行手を阻みます。

バーティーの警告のクラクションを、事故を見ていないロージーは自分に対する歓声だと思い込んでそのまま走り去ります。

 さらに一番後ろとの連結器が壊れ、今度はピンクの砂糖が積まれた貨車が列車から離れていき、側線のステップニーに衝突。彼の汽笛の音も、何も知らないロージーは声援だと思い込んで走り続けます。

 ゴードンの丘に差し掛かり、ロージーは息を切らして登りますが、ここでまた後ろの連結器が壊れて、観覧車の座席の貨車が後方を走っていたエミリーに激突。

 

©︎Mattel

 何も知らないロージーがメイスウェイト駅に到着した時には、誰の歓声も汽笛も聞こえません。代わりに飛んだのはトップハム・ハット卿の怒号。エミリーを手伝ったつもりのロージーは、彼に叱られて初めて自分が混乱と遅れを招いたことに気がつきます。

 ロージーは事態の収束を彼に約束します。※彼女のキャッチフレーズ「I know just what to do!」はここで使われています。

 

©︎Mattel

 ロージー2両の貨車を繋いだままロッキーを運びます。どうやらセグメントの非力設定は払拭されたようですね。トーマスも、このシリーズからロッキーを運ぶようになりました*11し、彼とほぼ同じ能力という説明とも辻褄が合うようになりましたね。

 彼女は丘で立ち往生したエミリーに自分の行動を謝罪をし、ロッキーが線路を片付けている間に貨車を集めて、一緒に運ぶことを約束します

 

©︎Mattel

 ココナッツと新たな砂糖の貨車を素早く持ってきたロージーは、エミリーの補機として手伝い、時間通りに特別列車を届けます。

遊園地を楽しむ子どもたちを眺めながら、またエミリーと一緒に特別な仕事をしたいと望みこれが一番良いのだと学びました。

この時だけ他の機関車たちと同じランプを装備していますね。

 

 

映画『伝説の英雄』

©︎Mattel

 3DCG期での最初の登場は映画『伝説の英雄』でしたが、台詞はありません。トーマスがソドー整備工場でビクターやケビンと話をする場面で、工場の中に入ってきます。

CG化後はボイラーが細くなり=顔が小さくなり、スタイリッシュな見た目に変化しましたね。顔立ちは少し大人っぽく見えます。顔立ちだけは。

 

 

第13シリーズ

©︎Mattel

 第13シリーズでは、台詞のある回が1話、カメオ出演が2話用意されています。

 『たのしいみずあそび』(脚本: シャロン・ミラー、監督: グレッグ・ティアナン)では、雨が降り続き各地に水溜りができているとき、トーマスと一緒に操車場でいたずら貨車たちを入換えています。出発の時間になると、ティドマス機関庫までトーマスと競争します。

この時点で既に競争が好きそうですね。

 

©︎Mattel

 その途中、大きな水溜りを通り抜けて、泥水をはねあげて泥だらけになりながら2台ではしゃぎまわりますびしゃ びしゃ ばしゃーん!

補足すると、この話では冒頭から既に泥で汚れていますし、『トーマスとにげるくるま』で彼女が腹を立てた理由は"洗車したてだったから"なのでしょうね。それから仲良くなったので、真似されてもトーマスは嫌な顔ひとつしません。

 

©︎Mattel

 水溜りで遊んでいるところで、トップハム・ハット卿の命令で、トーマスが洗車する間に、彼のためにアニーとクララベルをドライオー駅へ運ぶよう任されます。

入換えの部類に入るのかはわかりませんが、物語の裏側で運んでるんですよね。

 

©︎Mattel

 終盤では、水かけ遊びをしすぎて動けなくなったトーマスを乾いた線路まで運んでいき、乾いた石炭を彼に分けてあげます。トーマスからトップハム・ハット卿とアリシアボッティをタウン・スクエア(市役所)へ運んで欲しいと頼まれ、喜んで彼を手伝います。

 

©︎Mattel

 最後に、ティーパーティー用のケーキを送り届けたトーマスの元へ再びやってきて、大きな水溜りを見つけて「一緒に遊びましょう」と誘います。でも、今日はもう遠慮すると、懲りたトーマスは彼女の申し出を断ります。

 

©︎Mattel

 『ドタバタせいびこうじょう』では、冒頭で木箱や鉄パイプなど重そうな貨車をブレーキ車なしで運び、本線をエミリーと並走している様子が見られます。

 

©︎Mattel

 『ヒロのだいかつやく』では、石炭の貨車を4両つないで、アニーとクララベルを牽くトーマスとすれ違っています。

 

 

映画『ミスティアイランド レスキュー大作戦!!』

©︎Mattel

 映画『ミスティアイランド レスキュー大作戦!!』では、冒頭で支線と思しき場所を、石炭の貨車を5両牽いて走っています。

 

©︎Mattel

 トーマス失踪後は、彼を探すために他の機関車たちとともにソドー・レスキューセンターの建設現場に集められています。このほか、トップハム・ハット卿がキャプテンに乗って海を一通り捜索した後の場面にも出てきます。探してみてください。

 

 

第14シリーズ

©︎Mattel

 第14シリーズでは、台詞のある回が1話と、カメオ出演が6話あります。

 ディーゼルのとくべつなにもつ』(脚本: ジェシカ・サンディース・クラーク、監督: グレッグ・ティアナン)では、市場へ花を運ぶ途中、信号待ちでディーゼルに会い、忙しいことを伝えます。可愛いものを運んで人気者になりたがるディーゼルから代わり運ぶと言われ、花の貨車を彼に預けます。

 

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 『くらやみとジェームス』では、夕焼けの空の下を、9両の貨車を牽いて、ディーゼルと楽しそうに並走しています。…仲良いんですかね?

 

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 『ねがいをかなえて』では、木箱が積まれた平台貨車を3両牽いてナップフォード駅を出発しています。スタンリーもそれを見ています。

 

©︎Mattel

 『ゆきだるまのぼうし』では、ティドマスのタウン・スクエアで、子どもたちが大きな雪だるまを作るところを眺めています。ロージーの機関士が女の子にニンジンを渡すと、女の子に見送られながら出発します。

 

©︎Mattel

 『トーマスがおてほん』では、レスキューセンターの近くのカーブを、石炭の貨車を5両牽いて走っています。『ミスティアイランド レスキュー大作戦!!』と全く同じ構図と列車ですが、背景と走っている線路が異なりますね。

 その後も、ナップフォード駅のそばをワークスユニット、2両の冷凍車、そしてブレーキ車を繋いで通過しています。

 

©︎Mattel

 『トーマスとジョビのき』では、レスキューセンターでロッキーを移動させています。非力設定は完全に払拭されたっぽいですね。

 

©︎Mattel

 ミスティアイランドのパーティーでも、レスキューセンターでロッキーを車庫の前まで移動させています。

 

©︎Mattel

 遠くから、バッシュたちに反応する様子も描かれています。にこにこしながら会話を聞いていますが、バッシュたちがクリスマス・パーティーを知らないと言及した時には驚いた表情をしています細かいね。

 

 

映画『ディーゼル10の逆襲』

©︎Mattel

 映画『ディーゼル10の逆襲』では、ちょくちょく姿を見せますが、カメオ出演です。パーシーがソドー整備工場でショックを受ける場面では、工場のそばの本線を、貨車を牽いて走っています。

 

©︎Mattel

 フリンが来島する場面では、ブレンダムの港にて彼が降ろされるところを、ゴードンやヘンリーと一緒に眺めています。

 

©︎Mattel

 そしてレスキューセンターでパーシーがフリンのホースを探す場面にて、ちょうど場面が切り替わる部分でしか確認できませんが、7両のクリームタンク車とブレーキ車を牽いてパーシーとすれ違います。

 

 

第15シリーズ

©︎Mattel

 第15シリーズでは、台詞のある回が1話と、カメオ出演が6話あります。前期と同じ感じですね。

 『くっついたトーマス』(脚本: シャロン・ミラー、監督: グレッグ・ティアナン)では、冒頭でワイヤー、絨毯、鉄骨の貨車を牽いてトーマスとすれ違うので、最初はカメオ出演かと思いきや…

 

©︎Mattel

 …ナップフォード駅で停車していて、やってきたトーマスと会話します。トーマスがレッカー車のブッチと一緒にレスキュー機関車に任命されたことを一緒に喜びます。ブッチが何をするのかを尋ね、トーマスを見送ります。Fizzling fireboxes!

 

©︎Mattel

 トーマスとブッチがレスキューセンターにいる間、ロージーの車輪にヒビが入って新しい車輪が必要だと緊急要請が入ります。ブッチは磁石をうまく使いこなせず、車輪をロッキーに当ててしまいます。なんで都合よくロージーの車輪がここにあるんだというツッコミはさておき。

 

©︎Mattel

 終盤ではトーマスとブッチに車輪が届けられるのを待っていて、彼らに汽笛と声援を送ります。

 

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 『ゴードンとファーディナンドでは、ソドー整備工場の傍で貨車を牽いています。蒸気が濃くて何を牽いているのかはわかりません。

 

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 『トビーとバッシュ』では、三度レスキューセンターでロッキーを押していて、そのままトーマスとトビーとすれ違います。救助に向かうところでしょうか?

 

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 『パーシーのあたらしいともだち』では、冒頭で大小様々な貨車を牽いてゴードンの急行列車とすれ違っています。

 

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 『ヘンリーのとくべつなせきたん』では、ヘンリーが正常な状態で石炭調査官をレスキューセンターへ連れて行く場面で、何両かのクリームタンク車を牽いて通過していきます。ヘンリーの方に視線を向けていますね。

 

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 『ステキなクリスマス・パーティーでは、3両のミルクタンク車を牽いています。

 

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 『ケビンのじまんのフック』では、冒頭で2回登場します。1回目は運河で、3両の貨車を牽いてエドワードとすれ違います。ヘンリーやベル、ナローボートなどもいて画面が賑やかですね。

 

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 2回目はソドー整備工場の側を、5両の石炭の貨車を牽いて、ヘンリーとジェームスの間を駆け抜けていきます。この場面も、エドワードやヒロ、ウィフとスクラフもいて賑やかです。

 

 

映画『ブルーマウンテンの謎』

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 映画『ブルーマウンテンの謎』では、エンディングでカメオ出演しています。ソドー整備工場でトーマスがビクターとルーク、そして黄色くなったレニアスと笑い合っている隣でちょこんと停車しています。

 

 

第16シリーズ

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 第16シリーズでは、台詞がある回が1話と、カメオ出演が10話用意されています。カメオ出演を含めれば、出番はシリーズ中最多です。

 『ソドーとうのサプライズ・デー』(脚本: ジェシカ・ケドワード&クリスティ・ピアート、監督: グレッグ・ティアナン)では、配達するところでしょうか。石炭ホッパーの前で貨車に石炭が積まれるのを待っています。3DCG前期では石炭を運ぶ描写が多いですね。

 ゴードンをびっくりさせようと、ロージーのすぐ後ろに待機していたトーマスが大きく汽笛を鳴らしたことで、代わりにロージーがびっくりしていたずら貨車にぶつかり石炭まみれになります。サプライズ・デーなので彼女も楽しそうに笑い出します。

 

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 その後、ウィフと一緒に洗車場におり、トーマスにまたびっくりさせられることを期待していますが、懲りたトーマスに遠慮されます。

遊びなら汚れてもいいみたいですね。

 

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 終盤では、カラン城(ロッホ城)のパーティーに参加していて、飾り付けされたハロルドを見て、ゴードンと一緒に驚いています。

 

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 『ゆうかんなヒーロー フリン』では、ソドー整備工場の近くの本線を、ガラクタの貨車とブレーキ車を1両ずつ牽いて走っています。

 

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 『おしゃべりゆきだるま』では、ナップフォード駅からタンク車や冷凍車などを繋いで出発する様子が描かれています。ヒロがその様子を見ていますね。

 

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 『トーマスとしゃしん』では、支線と思しき花畑の線路を、溶鉱台車、ホッパー車、燃料タンク車などやたら重い貨車をたくさん牽いて、トビーとヘンリエッタとすれ違っています。力持ちですね。

 

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 『トーマスとカラス』では、支線で貨物列車を牽いてヒロとすれ違います。無蓋貨車を何両牽いているのかはわかりませんがとにかく長編成です。

 

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 シマシマのゴードン』では、ブレンダムの港のビッグ・ミッキーの下を、何台かの石炭の貨車とブレーキ車を牽いてトビーとエドワードの隣を通り過ぎています。

 

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 『パーシーとパイプオルガン』では、他の機関車たちと同じようにガラクタの貨車を運んでいます。

 

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 『ソルティーへのプレゼント』では、台詞こそありませんが、物語に少し絡んでいます。ソドー整備工場でペンキを塗り替えてもらっていて、それを見たエドワードがソルティーへのプレゼントを閃きます。

 

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 『どろんこジェームス』では、酪農場で停車していて、急行列車で通過するゴードンを眺めています。

 

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 『ウィフのねがい』では、冒頭で大小様々な貨車を5両と赤いブレーキ車を牽いて、チャーリーの貨物列車やパーシーの郵便列車とすれ違っています。

 

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 『トップハム・ハットきょうのたんじょうび』では、ナップフォード駅でヘンリーとゴードンと並び、トップハム・ハット卿が彼らを誇らしそうに見ています。

 

 

映画『キング・オブ・ザ・レイルウェイ トーマスと失われた王冠』

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 映画『トーマスと失われた王冠』でもカメオ出演です。ゴッドレッド王が従えていた勇敢な騎士が今では姿を消し、現在のソドー島では機関車たちが主役だという前語りで、ヒロと一緒に映ります。

なんかヒロと映ること多いですね。ロージーもいつも通り貨車を牽いています。

 

 

第17シリーズ

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 第17シリーズでは、7話登場しますが、7話とも全てカメオ出演です。というかここから『走れ! 世界のなかまたち』まで、ずっとロージーは背景の賑やかし要員以外の何者でもなくなります。それでもどのように働いているのか見たい方のみ、お付き合いください。ここからもまた、さまざまな変化が起きているんです。

 

 『しずかなスタフォード』では、冒頭で軽めの平台貨車2両とブレーキ車を牽いて沼地の橋を渡っています。

 

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 中盤でも姿を表しており、操車場で貨車の入換えをしています。

 

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 『ヘンリーとヒロ』では、2軸の普通客車を牽いてナップフォード駅を後にしています。調子が悪そうなヒロに驚いた反応も見せていますね。

実はロージーが客車を牽くところを視覚的に見られるのはこの回が初めてなんですね。S13『たのしいみずあそび』でアニーとクララベルを運んでいるはずなので、任されたのはきっと初めてではないのでしょうけれど。

 

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 『トーマスりゅうでいこう』では、ナップフォード駅で4両の貨車をブレーキ車無しで運び、ジェームスとすれ違っています。

 

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 ソルティーはうみがすき』では、ブレンダムの港で木箱の貨車を引っ張っています。

 

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 『ヒロといたずらかしゃたち』では、ナップフォード駅で停車しています。繋いでいるのは2軸の赤客車ですね。

 

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 『パーシーのおまもり』では、からっぽの貨車を牽いてマロン駅を通過しています。

このエピソードからロージーにヘッドライトが付くようになりましたファーディナンドのランプと同じもので、アメリカの機関車らしいでかいランプですね。

 

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 『ビルかな? ベンかな?』では、ソドー整備工場のそばの本線を貨車を牽いて走っています。見えるかな?

 

 

映画『勇者とソドー島の怪物』

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 映画『勇者とソドー島の怪物』も、こんなにアップで映るのにカメオ出演です。朝礼で操車場に集められた機関車たちの中にいます。

この作品からテールランプが装備されるようになりました。

 

 

第18シリーズ

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 第18シリーズでは、4話ほどカメオ出演しています。

 『トビーとしんごう』では、信号の判別ができないトビーとぶつかりそうになり、汽笛で警告しながら走り去っていきます。目を開いた時は真顔で真正面を見ています。牽いているのはカバーが掛かった貨車です。

 

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 『トードのぼうけん』では、操車場にやってきたオリバーの貨車を、トードを外してから運んでいます

 

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 終盤では操車場へ貨車を運んできた途中なのか、手を止めて、他の機関車たちと一緒に目の前にいるトードの冒険談に夢中になります。

 

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 『サムソンがおとどけ』では、3両の貨車とブレーキ車を牽いて、操車場の上の線路を通過しています。

 

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 『きみはたいせつなともだち』では、ブレンダムの港で4両の貨車とブレーキ車を牽いてゲイターの隣を通過しています。

 

 

映画『探せ!! 謎の海賊船と失われた宝物』

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 映画『探せ!! 謎の海賊船と失われた宝物』でも案の定カメオ出演なのですが、めちゃめちゃ難易度が高いです。いや本来は気にする必要ないはずなんですけど。

曇り空の下のナップフォード駅を出発しているのがロージーです。ライラックのボディは確認できますが、何を牽いているのかまでは見えませんでした。

 

 

第19シリーズ

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 第19シリーズでは3話のカメオ出演が用意されています。減ってきましたね。

 『ソドーとうのゆきおとこ』では、操車場の上の線路をタンク車などの少量の貨物列車を牽きながら、汽笛を鳴らしてエドワードとすれ違います。

この時、初めて雪かきを装備していますライラック色の。小さいけど、ここでしか見られないレアな光景です。

 

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 『たいせつなひつじ』では、ナップフォード駅に向かって赤客車を牽いています。

 

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 『やっぱりやんちゃなフィリップ』では、木箱の積まれた何台かの貨車と、2両のタンク車とブレーキ車を牽いて、操車場をゆっくり走っています。

 

 

映画『走れ! 世界のなかまたち』

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 映画『走れ! 世界のなかまたち』が、ライラックのボディでいる最後の出番です。もちろんカメオ出演。アシマが迷子になっている上を、赤客車を3両牽いて、ハリーとバートの列車とすれ違っています。

 

 

第21シリーズ

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 第21シリーズでは、台詞のある回が1話と、カメオ出演が2話用意されています。喋るの久しぶりですね。このシリーズからロージーのボディの色が赤くなり、番号も与えられます

 『はやいぞ! あかいきかんしゃ!』(脚本: ヘレン・フォラル、監督: ディアンナ・バッソ)では、クロヴァンズ・ゲート駅に向かうため、本線で石炭やタイルが積まれた5両の貨車とブレーキ車を牽いている途中でジェームスに会います

塗り直してもらったことを嬉しそうに話し、「どう思う?」と感想を求めます。機嫌が悪いジェームスに「ぼくの真似をしているんでしょ」と妬まれると「そんなことないわ」と冷静に否定

いたずら貨車の指摘に反応するも無視を要求され、赤くて目的地が同じ者同士でジェームスに競争を申し込まれ、「面白そう」と賛成。2台で競争を始めます。

 

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 猛スピードで走るジェームスに追いつこうとしたところで、赤信号に気づいたロージーは、ジェームスに速度を落とすように警告します。

 ジェームスのブレーキの効きの悪さを目の当たりにしたロージーは、競争どころではないことを指摘します。「ぼくが勝ってソドー島の赤い機関車で一番速いって認めるのが嫌なんでしょ」とおちょくるジェームスに「そんなことどうでもいいわ」と一蹴。整備工場でブレーキを修理するよう促して、彼の貨車も運ぶと提案します。

CG前期(S13-16)と比べると、だいぶしっかり成長していますね。

 

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 ジェームスが丘から暴走した時、ロージーは操車場にいました。助けを求められ、息を切らして追いかけますが、ブレーキが効かず猛スピードで走るジェームスに追いつけず、なすすべもなくジェームスが機関庫に突っ込む瞬間を見て心配します。

 

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 ジェームスを叱るトップハム・ハット卿に、ジェームスのブレーキが壊れて気をつけていたと擁護しながら報告します。それからちゃんと修理に行ったのかをジェームスに問います。

 

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 ジェームスがロージーの忠告に従わなかったことを謝ると、しっかり聞いたロージーは「さっきのあなたは、確かにソドー島の赤い機関車で一番速かったわ」と冗談を言って笑います

 元々頼もしいですが、はっきりと指摘したり、冗談を言うようになったりと、役に立つ機関車としていつの間にか成長していたり、打ち解けてきたようにも感じますね。

 

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 『ハンナははやいのがすき』では、トップハム・ハット卿を客車のハンナに乗せて、トビーの元へ運んでいます。

 

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 『あいだにはいったエミリー』では、夕焼け空の下、ヴィカーズタウン駅で貨車を牽いています。

 

 

映画『とびだせ! 友情の大冒険』

(脚本: アンドリュー・ブレナー、監督: デヴィッド・ストーテン)

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 映画『とびだせ! 友情の大冒険』では、初めて長編で彼女に出番が用意されています。朝焼け空の下、ヴィカーズタウン操車場で入換え作業をしています。ヘンリーの貨車を受け取りに来たジェームスに対して、トーマスが牽いていったことを嬉々として報告しています。

まだトーマスのことを信用=崇拝していることがわかりますね。

 

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 挿入歌「いつになったらかえれるの?」にも、友達が恋しくなったトーマスの空想に一瞬だけ登場しています。画像右側に注目。随分後ろの方ですね…。なぜかジュディを牽いています。

 

 

映画『GoGo! 地球まるごとアドベンチャー

(脚本: アンドリュー・ブレナー、監督: デヴィッド・ストーテン)

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 映画『GoGo! 地球まるごとアドベンチャーでは、挿入歌「どこなのトーマス?」の歌唱に参加しています。蒸気が切れてトンネルの中にいるのではと探している様子が描かれています。

 

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 同じ挿入歌の中でも、ジェームス、ヘンリー、ディーゼル、パーシーたちと一緒にヴィカーズタウン駅を探して心配しています。

パーシーやトビーに比べるとまだ落ち着きがありますね。これも信頼しているからでしょうか?

 

 

第22シリーズ

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 第22シリーズでは台詞のある回が2話と、台詞のない回が2話あります。

 『カラフルなきかんしゃたち』(脚本: マイケル・ホワイト、監督: ディアンナ・バッソ)では、ジェームスの夢の中に登場します。よって、本人というよりは、ジェームスの印象の中のロージーということになりますね。

 大量の石材の貨車を牽いて丘で立ち往生しているところ、緑色のボディで調子に乗って走るジェームスに対し、「そんな風に調子に乗ってると、またぶつかっちゃう」と、スペンサーや公爵夫人と同じように指摘します。

 

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 ジェームスが次に見る夢でも登場し、「またぶつかる」の台詞がジェームスの中で反響、そしてループします。ちょっと怖いね。

 

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 『ロージーはあかい』(脚本: デヴィー・ムーア、監督: ディアンナ・バッソ)では、バレンタインの日、ブレンダムの港で、いくつかの平台貨車に木箱が積まれるのを待っているところを、ディーゼルのいたずらで体当たりされます。

押し出されたことで、クランキーがおろそうとした木箱が線路に落ち、バラがばら撒かれます。

 

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 クランキーがロージーに怒鳴ると、トーマスはディーゼルが押したことを伝えます。

それを聞いたディーゼルが「ロージーを庇ったのは好きだからだろう (Oh, Is that right Thomas? Or are you just sticking up for Rosie because she's your FAVOURITE?)」とからかうと、ロージーは「かばったのは友達だから」と怒って言い返します

しかし、ビルとベンがやってきて「特別な関係を持つ友達 (special friends)」とからかわれてしまいます。ロージーは顔を赤らめつつため息をつきます。恥ずかしいのと同時に呆れているように見えます。

 

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 トーマスの方は、ビルとベンに「トーマスとロージー木の下で、イチャイチャしてる (K-I-S-S-I-N-G)♪」と歌でからかわれて、それを空想します。葉っぱの上の2台が風に揺られて顔合わせになるところを。

英国版では、その空想のあと、トーマスが「Yuck!! Ew. You're silly lot of engines!」と、不快感をあらわにし、腹を立てながら港を後にします。

 それでも笑い続けるビルとベンと、「イチャイチャ(KISSING)」の意味を把握して笑い出すディーゼルこの時ロージーは恥ずかしそうにしょぼんとした表情をしています。大恥をかいた、そんな雰囲気です。

 

©︎Mattel

 その後、ロージーは洗車場でトーマスに、港で自分のために味方してくれたトーマスにお礼を言います。しかし、再びからかわれないようにしようとトーマスが慌てて覚えていないふりをして距離を置こうとします。

ロージーその失礼な態度に困惑し、見ていたヘンリエッタが疑問視します。

 

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 その後、ウェルズワース駅でトップハム・ハット卿に、特別な貨物列車をヴィカーズタウン駅でトーマスに会うよう指示を出します。ロージーはトーマスと聞いて嫌がりますが、トップハム・ハット卿を失望させまいと引き受けます

 

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 それもそのはず、ロージーは洗車場でのトーマスの失礼な態度にぷんぷん怒っていました。作業員を急かしているところをエドワードに困惑されます。

「トーマスに会いたくないの。今朝はものすごく失礼だったんだから」

エドワードはそれを理解できず「トーマスはきみをすごく好きだと思っていた (Thomas was rude to you!? That is odd. I thought he really like you.)」と話すと、作業員が転轍棒を貨車から離す前に、ロージーは逃げ出すように操車場を出ていきます。

 

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 なんだかんだで、ロージーとトーマスはヴィカーズタウン駅で向き合うことになります。ロージーは気まずそうに目を逸らしますが、トーマスはヘンリエッタに言われた通り、彼女と話し合って、今朝の失礼な態度への謝罪と、友達としてみんなと同じくらいとても好きだと伝えます。「I do like you a lot. But, no more than any of the other engines.」

ロージーは最初は何も言うつもりはありませんでしたが、それを聞いて「わたしも同じよ (I feel the same!)」と同意します。ほっと安心している表情です。

 

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 トーマスとロージーはそれが伝えられたことと、トップハム・ハット卿が夫人を喜ばせるための計画が台無しにならなかったことを互いに喜び笑い合います。それからトーマスとロージーはただの良い友達(Just good friends)であることに満足しました。

 

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 『ずっといつまでも』では、ゴードンの空想の中で、トップハム・ハット卿が泳ぐ水槽の貨車を牽いています。

 

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 『おくれてないけどこんらん』では、ロージーに台詞はありませんが、彼女が配属されているヴィカーズタウンの機関庫にヘンリーも住むことになったと語られています。

 

 

第23シリーズ

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 第23シリーズでは、カメオ出演が2話あります。

 レベッカといたずらかしゃ』では、ヴィカーズタウンの操車場で入換え作業をしています。

 

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 映画『チャオ! とんでうたってディスカバリー内の『Steam Team to the Rescue』では、挿入歌「とまるもんか」をスチーム・チームが歌っている最中、スタンリーと一緒にナップフォードの操車場で勇ましく入換え作業をしている光景を見ることができます。

 

 

第24シリーズ

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 第24シリーズでは、台詞のある回が1話と、無い回が3話です。

 映画『おいでよ! 未来の発明ショー』内の『A New Arrival』(脚本: ポール・ラーソン&ローラ・ボーモント、監督: ジョーイ・ソー)では、ヴィカーズタウン駅で貨物列車(6両の木箱の貨車とブレーキ車)の出発の準備中、島にこっそり訪れたサニーに元気よく「あら、こんにちは (Oh, Hello)」と挨拶します。

しかし、サニーの素っ気ない態度に「ふんっ! (Humph!)」と怒って出ていきます

※ロージーの最後の台詞になります

 

©︎Mattel

 『ちいさなレイルウェイ・ショー』では、ちいさな機関車だけのレイルウェイ・ショーと聞いて咄嗟に思い浮かべたパーシーの空想内に登場します。『TGR』の出場車両紹介みたいな感じで。

 

©︎Mattel

 その後、本人もちゃんと登場します。パーシーが流した噂をパクストンから聞いて

 

©︎Mattel

 …それをトーマスに話しています。とてもロージーらしいですね。

翌日、レイルウェイ・ショーに足を運んだのか、貨車の入換えをしなかったことがヘンリーの口から言及されます。

 

©︎Mattel

 『ニアとあたらしいゾウさん』では、貨物列車を牽いてヴィカーズタウン駅を通過しています。メインランドに行くのかな。

 

©︎Mattel

 『スーパーきかんしゃジェームス』では、レベッカと一緒にヴィカーズタウン駅に停車していて、子どもたちのコミックヒーローの話を聞いています。

 

ここまでが本編でのロージーの出番になります。

 

 

【動向などのデータまとめ】 

 では、ここまでの動向を箇条書きでまとめてみましょう。拡大解釈になりがちな部分は▲と疑問符で表記します。また、ライラックの頃と、チェリーレッドのロージーとで分けてまとめました。

 

 

[性格面]

ライラックの頃

●機敏で、活発で、元気いっぱい。根性もある。

●とても自由奔放。

●子供っぽく、愉快で楽しいことが大好き。特にトーマスや仲間と遊んだり、競争したり、サプライズが好き*12

●憧れのトーマスと同じようになりたくて何でも真似をする。

●一生懸命働くことが好きで、どんな仕事も喜んでこなす。

●大きな怒鳴り声は苦手で、震えて逃げてしまう*13*14

●決意が強く、仲間想いで、彼らが困っているときはいつもよろこんで全力で助ける*15

▲トーマスに否定や遠慮されても、動じる様子は一切見せない?*16

▲洗車場したての状態で不意に泥を被ると怒る*17が、遊んでいる時*18やサプライズ・デーなどの特別な日では汚れても共に楽しんで怒らない?

 

※チェリーレッド以降

●役に立つことと競争が大好き。

●ユーモアのセンスがある。

●最初の頃に比べて賢くしっかり者に成長した。

●トーマスは他の仲間と同じくらい好きで、真似をする様子は無くなった。

●自分や他者に対するからかいや失礼な態度に対して怒ったり叱咤するようになった。

●活発で、元気、愉快で自由奔放なところ、仕事熱心で機敏、決意の強さ、仲間を手伝ったり、仲間と楽しく過ごすことが好きなのは変わらない。

 

[他者からの評価]

ライラックの頃

●最初はトーマスから苦手意識を持たれていた。

●弱いと思われているが、トーマスとほとんど同じ能力で、大雨の中できつい傾斜を元気に登ったり、ロッキーを運ぶ*19など見た目以上にフィジカルが強い*20

●サプライズ・デーで遊ぶ様子は、トーマスとひっくるめてゴードンから呆れられている。

 

※チェリーレッド以降

●最初はジェームスにライバル意識を持たれていた。

●ビルとベンがトーマスとロージーが特別な友達だとからかい、ディーゼル、ゴードンもその揶揄に加担する。

 

[仕事]

●操車場での入換え作業。

●支線、本線での貨物列車。

●支線、本線での貨物列車。

 

[特別な仕事]

●移動遊園地の特別列車*21

●トーマスの代わりにトップハム・ハット卿とアリシアボッティを市役所へ乗せる*22

●トップハム・ハット卿の秘密の荷物をヴィカーズタウン駅へ運ぶ*23

 

[◉友達・●関係性]※物語で明細に描かれているもののみ

ライラックの頃

トーマスは最初、真似されたり後を追われることを嫌がって彼女を避けていたが、土砂崩れで助けられたことから友達になった*24。彼女を怖がらせたヘクターに対して怒ったり*25、一緒に遊ぶなど友情ができている。

エミリーを手伝って喜ばせようとしたが自分勝手な行動が裏目に出た。謝罪をし、素早く事故の片付けをして後押しで活躍した後、お互いにまた特別な仕事をしたいと認め合う*26。その後仲良く並ぶ姿を見られるのは1度だけである*27

ブッチとトーマスに救助されている*28

アニークララベル*29ロッキーを運んだ経験*30あり。関係性の描写はない。

▲経緯と関係性は不明だがディーゼルと仲良く笑い合っている*31。他、同シリーズでは花の貨車をディーゼルに預けた*32

 

※チェリーレッド以降

トーマスのことは、まだ疑いもなく敬愛している様子*33だが、お互いに他の仲間と同じくらい好きで、友達以上のことはないと明かされる*34

ジェームスと赤いボディ同士競争しようとしたが、ブレーキが故障している彼に整備工場に行くよう促すも、ジェームスは忠告に従わず事故を起こした*35。その後の彼の夢にも忠告役で登場*36

ヘンリーと同じ機関庫で就寝している*37。また、普段はヘンリーにつなぐ列車を用意している模様*38

エドワードは、トーマスがロージーに好意的であることを知っていた*39

ディーゼルの意地悪の被害者。また、彼やビルベンには、ロージーとトーマスは「特別な友達だ」とからかわれたが、ロージーは否定している*40

サニーに挨拶をするも、素っ気なくされて腹を立てる*41。その後の関係性は不明。

パクストンから「小さな機関車のレイルウェイ・ショー」の話を聞いている*42。関係性は不明。

ゴードンとは直接的な関係は不鮮明だが、トーマスがロージーに好意的と知っていてトーマスをからかっている*43

 

[活躍]

●土砂崩れで動けなくなったトーマスの代わりに、アリスの誕生日に送る郵便物を代わりに届けて、アリスのお母さんに連絡した*44

●水かけ遊びで動けなくなったトーマスを助け、石炭を分ける*45

●動けなくなったディーゼル機関車たちの分まで仕事をする*46

 

[失敗]

●自分の価値を証明しながらエミリーを手伝おうと、特別列車を無理に運ぼうとして連結器を壊してしまい、踏切、ステップニー、エミリーなどの事故に気づかず混乱と遅れを招いた*47。その後、自分の計画で事態の収集をする。

●トーマスの汽笛に驚いて石炭の積まれた貨車に衝突する*48

 

[故障]

●車輪にヒビが入って動けなくなる*49

 

[来島事由]

●不明*50

 

[その他の動向]

ライラックの頃

●ヘクターに怒鳴られてその場から逃げ出す。

●ヨットのマストが跨線橋に引っ掛かる前に警告する。

●トーマスと競争したり、水溜りで水かけ遊びをする。

ディーゼルに頼まれ、市場に届ける花の貨車を彼に渡す。

●ヒロから出る黒煙と音に驚く。

●作業を止めてトードの冒険談に夢中になる。

●雪かきを装備する。

 

※チェリーレッド以降

●塗り変えてもらったことを喜んでいる*51

●ジェームスと競争をする。

●暴走したジェームスを息を切らして追いかけるも、なすすべはなかった。事故後、ジェームスがブレーキに苦戦していたことをトップハム・ハット卿に報告する。

●トビーにハンナを届ける。

●トーマスにヘンリーの貨物列車を渡す。

●他の機関車たち同様、行方不明のトーマスを探す。

ディーゼルにからかわれたトーマスを庇う。

●ヘンリーの列車の入換えをせず「小さな機関車のレイルウェイ・ショー」へ向かった*52

 

 

【登場エピソードまとめ】

[台詞がある回のみ]

●第10シリーズ

 ○『トーマスとたんじょうびのはいたつ』

●第11シリーズ

 ○『ヘクターってこわい』

 ○『トーマスとヨット』

 ○『トーマスとにげるくるま』

●第12シリーズ

 ○『Rosie's Funfair Special』

●第13シリーズ

 ○『たのしいみずあそび』

●第14シリーズ

 ○『ディーゼルのとくべつなにもつ』

●第15シリーズ

 ○『くっついたトーマス』

●第16シリーズ

 ○『ソドーとうのサプライズ・デー』

●第21シリーズ

 ○『はやいぞ! あかいきかんしゃ!』

●第22シリーズ

 ○『カラフルなきかんしゃたち』(夢の中のみ)

 ○『ロージーはあかい』

●映画『とびだせ! 友情の大冒険』

●映画『GoGo! 地球まるごとアドベンチャー

●映画『おいでよ! 未来の発明ショー』*53

 

 

[台詞のない回のみ]

●第13シリーズ

 ○『ドタバタせいびこうじょう』

 ○『ヒロのだいかつやく』

●第14シリーズ

 ○『くらやみとジェームス』

 ○『ねがいをかなえて』

 ○『ゆきだるまのぼうし』

 ○『トーマスがおてほん』

 ○『トーマスとジョビのき』

 ○『ミスティアイランドのパーティー

●第15シリーズ

 ○『ゴードンとファーディナンド

 ○『トビーとバッシュ』

 ○『パーシーのあたらしいともだち』

 ○『ヘンリーのとくべつなせきたん』

 ○『ステキなクリスマス・パーティー

 ○『ケビンのじまんのフック』

●第16シリーズ

 ○『ゆうかんなヒーロー フリン』

 ○『おしゃべりゆきだるま』

 ○『トーマスとしゃしん』

 ○『トーマスとカラス』

 ○『シマシマのゴードン』

 ○『パーシーとパイプオルガン』

 ○『ソルティーへのプレゼント』

 ○『どろんこジェームス』

 ○『ウィフのねがい』

 ○『トップハム・ハットきょうのたんじょうび』

●第17シリーズ

 ○『しずかなスタフォード』

 ○『ヘンリーとヒロ』

 ○『トーマスりゅうでいこう』

 ○『ソルティーはうみがすき』

 ○『ヒロといたずらかしゃたち』

 ○『パーシーのおまもり』

 ○『ビルかな? ベンかな?』

●第18シリーズ

 ○『トビーとしんごう』

 ○『トードのぼうけん』

 ○『サムソンがおとどけ』

 ○『きみはたいせつなともだち』

●第19シリーズ

 ○『ソドーとうのゆきおとこ』

 ○『たいせつなひつじ』

 ○『やっぱりやんちゃなフィリップ』

●第21シリーズ

 ○『ハンナははやいのがすき』

 ○『あいだにはいったエミリー』

●第22シリーズ

 ○『ずっといつまでも』

 ○『おくれてないけどこんらん』

●第23シリーズ

 ○『レベッカといたずらかしゃ』

●第24シリーズ

 ○『ちいさなレイルウェイ・ショー』

 ○『ニアとあたらしいゾウさん』

 ○『ジェームスはスーパーきかんしゃ』

●映画『トーマスをすくえ!! ミステリーマウンテン』

●映画『伝説の英雄』

●映画『ミスティアイランド レスキュー大作戦!!』

●映画『ディーゼル10の逆襲』

●映画『ブルーマウンテンの謎』

●映画『キング・オブ・ザ・レイルウェイ トーマスと失われた王冠』

●映画『勇者とソドー島の怪物』

●映画『探せ!! 謎の海賊船と失われた宝物』

●映画『走れ! 世界のなかまたち』

●映画『チャオ! とんでうたってディスカバリー*54

 

 

 

 

【終わりに】

 大半のことは公式サイトの説明文でわかるのですが、トーマスに対する"好き"は憧れ」といったニュアンスのようですね。恋愛的な意味ではないことが第22シリーズで明確にされた分、それが強まったと思います。

"妹的な存在"という表現は、その憧れ(idolize)からトーマスの一挙一動を真似たり手伝うためについて行ったり(悪く言えばストーキング)する様子を、幼年の兄妹に見立てているのでしょう。しかし、この様子は初登場回以降では見られず、シリーズが進むにつれてロージーは段々と自立していったように見受けられました。

 公式サイト等の紹介文を見返してみて、ロージーにはそれ以外にも個性的な性格をしていることを知れて、個人的にはちょっぴり驚いています。何しろ趣味にかかわらず徹底解剖は初めて行ったもので。

feistyには「元気の良い」だけでなく「根気、気骨がある」も含まれている様子が劇中にもありましたし、自由奔放な性格はS12以降も活かされていました。手助けすることに主体性があるのもいいですよね。淡白になりやすい女性キャラクターの中では比較的物語で動かしやすかったのではないでしょうか? 3DCG前期まで十分活きたと思いますが、個人的には中期においた具体化した扱いも見てみたかったですね。ファンとしては、各キャラクターのその後の発展した動きや可能性を観たいものですが、制作会社的にそう簡単では無いのかもしれません。

 

 そして能力に関しては、非力設定だったのは存外セグメントの『Which Load for Rosie』だけでしたね。子供っぽくて力がないと思いきや、見た目よりずっと強くて有能だということが初登場の時点で描写されていました。むしろセグメントで誤解釈しているようにも見えましたね。だって説明文では「トーマスとほとんど同じ能力」ですもの。以降のシリーズでも、トーマスと同じ能力として動いていました。

 

 ロージーが赤く塗り直された理由は劇中で明言はされませんでしたが、鉄道顧問のサム・ウィルキンソン及び、ファンの1人メラド・モシリ氏によれば、ロージーの更なる活躍を求めるファンメールが大量に寄せられたため、制作チームは彼女をゼロから再構築することに決定したそうです*55*56

 

 ゼロから再構築しなければならない理由も定かではありませんが、私が考えられることが2つあります。

 1つは彼女がトーマスについて回る行動や、tomboyという表現、非力な設定が女の子やその心理のステレオタイプだからではないかなと*57。私が第13シリーズを2009年に観た時には、海外のファンの間でこうした批判があったのを覚えています。

カメオ出演のキャラクターになったのも、同じくミスティアイランドのキャラクターもステレオタイプと数多くの批判が寄せられる中、CG制作会社(+監督)の変更とアンドリュー・ブレナーが参加し始めた際、第17シリーズを節目に以降存在を消された事と同じ動きのように思えました。

 もう1つは、上述を踏まえた上で、これもスタンリーに主役回を与えられなかったことと同等で、彼女をはるかに凌駕する個性を持つキャラクター、例えば当時ケイトリンとかマリオンを登場させたことで、ロージーに関連した脚本を新たに書くことが容易ではなくなったのではないでしょうか。これはエミリーが第8シリーズで性格に大幅な変化を与えたことと同じだと個人的には考えています*58

 結果として、再構築されたロージーは元の性格よりも一般化してしまったわけですが、しかし大元の部分は変わっておらず、トーマスのファンガールから完全に自立し、成長してしっかり者になったのは嬉しいところでした。長年気になっていたトーマスとの関係性と好感度の位置も明確になりましたし。

 

 本編はそれまでですが、YouTube公式チャンネルの玩具"My First Thomas"の販売促進動画や、『Thomas' Magical Birthday Wishes』シリーズ、『トーマスとたのしく学ぼう! (Learn With Thomas)』シリーズでも、より多く赤いロージーを確認することができます。教育ビデオ用のパラレルワールドみたいな感じですが、下記に動画を貼り付けますので、気になる方は確認してみてください。

 

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 というわけで今回は、ロージーについて深掘りしてみようのコーナーでした。思ってたよりもずっと長くなって申し訳ありませんが、二次創作で扱うヒントや、キャラクターの魅力の再認識に繋がれば幸いです。固定観念があると真意が掴みづらくなりますからね。

 記事冒頭でも言及した通り、前回のスタンリーの記事に思いのほか反響がありましたので、今後も定期的に、拡大解釈の無いキャラクター研究の記事を書こうと考えています。もちろんレビューも忘れずにね。※既に研究予定のキャラクターは20体を超えています。次は誰にします?

 例によって考察はできる人にお任せします。ロージーに対してどのように感じられたか、どのように考えられるか、コメント欄で教えていただけると幸いです*中傷・過激なキャラクター下げ、あるいは他の記事を書くよう急かすなどの行為は削除させていただく場合がございますのでご容赦ください。

では。

 

※この記事に添付したスクリーンショット著作権は全てマテル社に帰属します。

*1:日本版では薄紫、あるいはピンクと表現されることが多いです。

*2:原作におけるアメリカ出身の機関車は、第25巻に登場するミッド・ソドー鉄道の2号機(TV版のスマジャー)。

*3:実機は英国でも扱われています

*4:『JBS』、第21シリーズ以降

*5:『JBS』、第21シリーズ以降

*6:『Thomas' Magical Birthday Whishes』、『トーマスとたのしく学ぼう!』シリーズ

*7:『Thomas' Magical Birthday Whishes』、『トーマスとたのしく学ぼう!』シリーズ

*8:15台中13台がH.K.ポーター製、2台がヴァルカン・アイアン・ワークス製で、全て1942, 1943年に製造されたもの。

*9:ソルティーの実機

*10:時速40.2 km時の継続的牽引力のことで、Fは貨物列車を指す。

*11:第11シリーズ『トーマスとにげるくるま』で、自分では運べないとし、ゴードンに任せています。

*12:第13シリーズ『たのしいみずあそび』、第16シリーズ『ソドーとうのサプライズ・デー』

*13:第11シリーズ『ヘクターってこわい』

*14:精錬所を恐れる様子はない。

*15:第10シリーズ『トーマスとたんじょうびのはいたつ』、第12シリーズ『Rosie's Funfair Special』、第13シリーズ『たのしいみずあそび』、第21シリーズ以降も含む。

*16:第10シリーズ『トーマスとたんじょうびのはいたつ』、第13シリーズ『たのしいみずあそび』、第16シリーズ『ソドーとうのサプライズ・デー』

*17:第11シリーズ『トーマスとにげるくるま』

*18:第13シリーズ『たのしいみずあそび』

*19:第12シリーズ以降

*20:『Which Load for Rosie?』ではこれを誤解釈したのか、非力で描かれている。

*21:第12シリーズ『Rosie's Funfair Special』

*22:第13シリーズ『たのしいみずあそび』

*23:第22シリーズ『ロージーはあかい』

*24:第10シリーズ『トーマスとたんじょうびのはいたつ』

*25:第11シリーズ『ヘクターってこわい』

*26:第12シリーズ『Rosie's Funfair Special』

*27:第13シリーズ『ドタバタせいびこうじょう』

*28:第15シリーズ『くっついたトーマス』

*29:第13シリーズ『たのしいみずあそび』

*30:第12シリーズ『Rosie's Funfair Special』、第14シリーズ『トーマスとジョビのき』『ミスティアイランドのパーティー』、第15シリーズ『トビーとバッシュ』

*31:第14シリーズ『くらやみとジェームス』

*32:ディーゼルのとくべつなにもつ』

*33:映画『とびだせ! 友情の大冒険』

*34:第22シリーズ『ロージーはあかい』

*35:第21シリーズ『早いぞ! あかいきかんしゃ!』

*36:第22シリーズ『カラフルなきかんしゃたち』

*37:第22シリーズ『おくれてないけどこんらん』以降

*38:第24シリーズ『ちいさなレイルウェイ・ショー』

*39:第22シリーズ『ロージーはあかい』

*40:第22シリーズ『ロージーはあかい』

*41:第24シリーズ『A New Arrival』

*42:第24シリーズ『ちいさなレイルウェイ・ショー』

*43:第22シリーズ『ロージーはあかい』

*44:第10シリーズ『トーマスとたんじょうびのはいたつ』

*45:第13シリーズ『たのしいみずあそび』

*46:第23シリーズ『Steam Team to the Rescue』

*47:第12シリーズ『Rosie's Funfair Special』

*48:第16シリーズ『ソドーとうのサプライズ・デー』

*49:第15シリーズ『くっついたトーマス』

*50:ロージーが初登場した頃には既に"新しい機関車"とは明言されなかった。

*51:第21シリーズ『はやいぞ! あかいきかんしゃ!』

*52:その描写はない。

*53:第24シリーズ『A New Arrival』

*54:第23シリーズ『Steam Team to the Rescue』

*55:本人のご意向でXのポストが大量削除されたためソースが消えました。

*56:こういった意見はSiForumsにも寄せられていたようです。

*57:カラーリングも一理あると思いますが、グッズの売れ行きは比較的良い印象でした。

*58:1つは女性のレギュラーが必要だったこと。もう1つはそのままではエドワードと被る上、非常に淡白になってしまうこと。