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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

Thomas & Friends: All Engines Go 第1シリーズ第29話レビュー

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

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AEG S1 E29 『Thomas and Percy's Eggsellent Adventure』

監督: ジェイソン・グロー、ショーン・ジェフリー

脚本: ブレント・ピアスコスキー

内容: トーマスとパーシーはベイクオフのためにケーキの材料を運ぶ難しい仕事を任される。

 

【このエピソードについて】

 トーマスとタマゴといえば、個人的に真っ先に思い浮かぶエピソードは第8シリーズ『トーマス、ただしくやる』です。役に立った回数で張り合いたくて、マッコール農場のタマゴを運ぶ最中にスピードを上げ、その一部を割ってしまい、役に立つには速度速く走るのも遅く走るのも重要と学ぶお話でした。さて、共通点がありそうな今回はどうでしょうか。

 

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©︎Mattel

 "トーマスとパーシーがヴィカーズタウンに荷物の配達をする"エピソードが2回も続くので、正直見る前からフィラー(穴埋め)感が拭えないのですが、これもちょっと面白い部分があるので紹介させてください。

 AEGシリーズに共通しているチームワークと問題解決をさらに深掘りしたような物語で、冒頭のかくれんぼから終盤の展開まで、自分たちで編み出した言い換えや他の手段選びをテーマにしています。耳に残りやすい挿入歌の「Between You and Me」もそういう歌ですね。いろんな閃きをしながら材料となるタマゴ、バター、牛乳などを無事に届けるのが目的。とはいっても、何度か急ブレーキをかけてタマゴをかぶってしまいますが。

 

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©︎Mattel

 全体を通して、いい意味で在りし日の『きかんしゃトーマス』に近い雰囲気を感じます。

物語の内容のように、最善を尽くそうとして返って失敗しそうになる展開ももちろんのこと、トップハム・ハット卿が他の機関車に乗って様子を見に来た彼が「時間に遅れている」とトーマス達に注意したり、気のいい脇役のお兄さんに過ぎなかったジェームスがそれに同意したり、ここら辺は普段のトーマスシリーズの展開をそのまんま2Dカートゥーンにしたような雰囲気を味わえました。

第24話や前回に並んで、トップハム・ハット卿が単なるコメディリリーフだけでは無いのを早い段階で見られて嬉しいです。

 

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©︎Mattel

 もちろん、AEGのなんでもアリな持ち味も活きています。岩で線路が塞がれた急勾配を安全に下る手段に、突拍子もないやり方でなく、貨車から流れ出た調理器具(?)を使って解決しようとした方法が好きです。あとでそれを使うことになるであろう料理人にとってたまったものではないでしょうけれど(笑)

 前回、事故を回避するためにあえて選ばなかった、確実に事故フラグなクランブル・キャニオンに赴いたのはどういう風の吹き回しなんですかね。描写的にキャノンボール・カーブ方面も通行止めだったんですかね。

それにしてもAEGのソドー島地図を確認すると、スカーロイ鉄道も、カルディー・フェル鉄道も、アールズデール鉄道も、ハーウィックから伸びる道路も、全てトーマス達が走れる線路に含まれているので、文字通りどこからでもヴィカーズタウンに行けるんですね。鉄道が発達しすぎた世界線?

 

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©︎Mattel

 こういうのはチェックポイントに設けるべきかもしれませんが、ちょっと好きなシーンでした。別に2D版のエドワードが好きなわけではありませんが、タマゴを割りそうなハラハラ感がたまらない。

背景で物語に触れられない機関車が駅とかにいるだけでも、ここで働いているのがトーマス達やゴードンだけじゃないことを感じられていいですよね。ところで、背景用キャラにエドワードとヘンリーを使っているのだとしても、物語に関わる時は、そろそろ名前を呼んであげてほしい。脚本の時点では単なるモブ列車ってことだったのかもしれませんが。

 

 

【チェックポイント】

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©︎Mattel

 序盤ではいくつかの参照があります。脱線は第1話『トーマスのやくそく』、ロケットのバッテリーの話は第2話『トーマスロケット』、牛のくだりは第12話『かぞえて モーモー』、そして全てを逆走した件は第14話『ぎゃくにするひ』についての言及です。どれもパッとしない回だなぁ

こんな感じで、他のエピソードにもこういった同シリーズ内の言及があり、1話完結とはいえ、エピソードの順番がランダムでは無いことを示しています

 

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©︎Mattel

 ジェームスにパーシーが冗談でだる絡みしてるのがちょっと面白かったです。

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©︎Mattel

 ヴィカーズタウン全域。美しいですね。

CG期では路面電車の線路だった部分も、トーマス達が走る線路になっています。前回で潜水艦を降ろした桟橋も見えますね。

 

 

全体的な面白さ:☆☆

遊び心:☆☆

キャラクター:☆☆☆

BGMの良さ:☆☆

アニメーション:☆☆

独創性:☆☆

道徳:☆☆☆

 

【最終的な感想】

 展開はとてもフィラーっぽいのですが、いつものトーマス成分が得られるとは思いもしませんでした。従来のTVシリーズの魂の一欠片を引き継いでいるかのような作品で、話としてはまとまっているし、個人的には嫌いになれません。

 

総合評価: 7/10

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