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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

Thomas & Friends: All Engines Go 第2シリーズ第18話レビュー

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

AEG S2 E18 『Thomas in Charge』『トーマスがまとめやく』

監督: キャンベル・ブライアー

脚本: アンディ・ヤーキズ

内容: ゴードンの役割を一日譲り受けたトーマスだったが疲れ過ぎて仲間の配達を混合してしまう。

 

【このエピソードについて】

 『Thomas in Charge』ですか…。オリジナルの第14シリーズに同名のエピソードがありましたね。トップハム・ハット卿の話を誤解したトーマスが、鉄道調査官が見ているときだけブレンダムの港で仲間達と働くところを見せようとする浅はかかつ訳のわからない失敗の仕方をするお話でした。そもそも「〜in Charge」系のお話って、オリジナルシリーズでは使い古されたネタで、大体は機関車が局長の代わりを務めるというあってはならないような馬鹿げた物語がほとんどなので、古参ファン的には嫌な予感がします。

この手の物語で最も工夫されていた名作が、S21『トップハム・ハットきょうのおかあさん』でしたが、果たしてAEGはそれを越えられるのでしょうか…?

 

©︎Mattel

 ええ、そうですよねー!! 予想通り、S10『パーシーはせきにんしゃ』と大体同じ内容です。オリジナルシリーズのウブすぎて順序を忘れるパーシーを、疲れて寝不足のAEGトーマスに置き換えると、この話になります。

中盤からの混沌具合からはS13『ドタバタせいびこうじょう』とも似ていますね。これも上述の焼き直しのようなエピソードでした。いずれにしても「話を聞いていなかった」の典型的なパターンで、力持ちのディーゼルに軽い貨物を運ばせる時点で後の展開がわかりやすいです。教訓よりパニックを楽しむなら面白いかも。

 また、トップハム・ハット卿の代わりではなく、いつも子ども機関車たちの面倒を見てくれているゴードンの代わりを担当するのがオリジナルと違う点ですかね。

AEGではゴードンが責任者っぽい立ち位置ですが、シリーズを重ねるにつれ、前回みたく仕事の指示を出しているのはトップハム・ハット卿で、ゴードンはトーマスたちティドマスのグループ担当の上司と解釈できるようになってきましたね。接し方は"先生"風だけど。

 

©︎Mattel

 そうですね…。仲間の話を聞く理由でトーマスが推薦されましたが、推薦するなら通常はニアではないかと思うんですけどね。作戦や計画を立てるのは彼女の得意分野です。というか疲れて寝不足が前提なら誰でもこの展開になりそう。

中盤になるにつれてトーマスが眠たそうにしなくなるので、いくら寝不足でぼんやりしていて話を聞いていなかったとはいえ、パーシーが吊り橋を渡ろうとしていることにトーマスが違和感を抱かないのが不思議に思えるんですよね。パーシーの行動パターンを徹底的に知っていたことが描かれた『パーシーがきえた!』より後なので余計に。それらのことを考えると、本当にトーマス以外でいいような気がしてくるんです。話を聞かないキャラクターといえばディーゼルとかいますし

でもそれとは別に、ディーゼルがトーマスに役目を譲る大人びた部分が見られたのは嬉しい誤算でした。オリジナルのディーゼルはもちろん、AEGのディーゼルも好きな理由に加えたいですね。ちゃんと成長して分別と判断ができていること。

 

©︎Mattel

 アニメーション全体は素晴らしかったです。『トライハーフロン』と同じくカナが走りすぎであることも速さだけでなくわかりやすかったですし、交差点での3台の衝突事故も良かったです。

 でも、なぜサドリー駅をウェイランドと呼んでいるのでしょう。ウェイランド駅とサドリー(パンプキン)駅は同じ駅舎を使い回しているので見てくれの違いはわからないのですが、ナップフォードからウェイランドに行くまでは一晩野宿しないとトーマスたちではたどり着けないことが『パーシー はじめてのキャンプ』で描写されたはずです。制作陣が呼び間違えたとしても、この距離の移動はカナもトーマスも無理があります。

 責任者になって失敗したとしても一人を責めずに協力し合おうと仲間が提案したのが今回のチームワークのテーマで最も好きな瞬間でした。確かに指示する役割は全ての責任を持つものですが、例えば突然任されて慣れていない人や、全てを背負って負担がかかっている人と協力しようとする姿勢は現代社会においては良いものです。話を聞いていればこんなことにはならなかったと一人を責め立てても時間がもったいないし、傍観しているよりはずっと良くて、お互いに負担のないようにしたいものですよね。

 

 

【チェックポイント】

©︎Mattel

 テディベアと一緒に寝る系男子だ!! かわいい!!

 

©︎Mattel

 初めてカナの中間車から直接乗客が乗り降りするところが描写されましたね。やっぱどんなに動いていても大きな鉄道車両なんだと実感させられる瞬間。ていうか他の機関車でもこれ引っ張れるんですね。

 

©︎Mattel

 「What'd we do wrong?」に対しての「WE〜????」が面白かったです(笑)

表情からキャラクターの個性も出ていますね。

 

©︎Mattel

 AEGパーシーのこういう顔好きかもしれないです。

 

 

全体的な面白さ:☆

遊び心:☆☆☆

キャラクター:☆

BGMの良さ:☆☆

アニメーション:☆☆☆

独創性:☆

道徳:☆☆☆

 

【最終的な感想】

 オリジナルシリーズの退屈なエピソードと悪い意味で類似していて、それ以上に面白くする工夫がなかったのは残念でした。キャラクター活用はよろしくないですが、道徳的であり悪いエピソードではありません。

 

総合評価: 4/10

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