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Thomas & Friends: All Engines Go 第2シリーズ第27話レビュー

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

AEG S2 E27 『The Case of the Missing Crane』

監督: キャンベル・ブライアー

脚本: ショーン・エイヴェント

内容: エミリーを脱線事故から救ったカーリーが失踪し、サンディーはディーゼルの助けを借りて最高の親友を探す。

 

【このエピソードについて】

 さて、AEG第2シリーズの後半戦へと参りましょう。後半からはソルティー、テレンス、トビーの順に彼らのメイン回が用意されていて、ますます目が離せません。このエピソードでは彼らはいずれも出てきませんが、今期はカーリーとサンディーの話が多くて助かる…。今回のお話はどうでしょうか。早速観ていきましょう。

 

©︎Mattel

 探偵ごっこといえば、オリジナル第22シリーズ『ぶひんのなぞをさぐれ』や、第23シリーズ『あやしくひかるディーゼル』などを思い出しますね。前者はシドニーの運ぶ部品が何のためのものか手がかりを探すも自分が故障していることに気づくまでの滑稽すぎる回、後者はかまってちゃんで困ったちゃんのディーゼルが隠れている場所を探す道中で探偵ごっこが始まりました。どっちもコンセプトとしてはいいけど前者は視聴者目線で分かりきってるし、後者はせっかく成長したディーゼルが困ったちゃん戻りになるなど微妙な回でしたね。

 

 本作はカーリーが事故現場から消えたことから、サンディーとディーゼルが探偵ごっこをしながら探しに行くというのが本筋です。ちょっと待ってください。消えた仲間を探しに行くって、オリジナルシリーズまで遡らなくても既に直近でありましたよね?

そう、今期の第2話『パーシーがきえた!』と同じようなアイディアなんです。親友同士の絆が試されることさえ共通しています。でも、個人的には本作の方が好きです。大きな違いは本作が助手と一緒に探偵ごっこを始めることと、カーリーがその場から動けないこと。崖を登ろうとする一線を越えそうな演出もなですし、今見ると『パーシーがきえた!』の方はかなり淡白でしたね。本作で一番良いのはテンポの良さですね。

 

 「慎重にピースを組み合わせれば"謎"の輪郭が見えてくる」というテーマも好きです。探偵ごっこのコンセプトは実際にはかなり面白いです。前半ではカーリーがどのように脱線するかが視聴者目線でわかってしまうので、視聴者と一緒に謎を追う形ではなく、サンディーとディーゼルが謎を解いていく様子を眺める感じでドキドキ感は無いですが、応援したい気持ちにさせます。

探偵といえばショートアニメシリーズに「Detective Bruno」なるタイトルとその風貌がありましたが、本作にブルーノが出てくることはありませんでしたね。あれらは今期が制作し終わってから考えられたアイディアなのかな。

 

©︎Mattel

 挿入歌「How to Solve a Mystery」は、手がかりのピースを組み合わせる段階で歌われる、探偵サンディー、助手のディーゼル、目撃者のパーシーの曲です。メロディとテンポが良いので個人的には飽きない好きな歌ですが、この物語には不要な気がします。これを歌ったからといって、挿入歌の中では手がかりをまとめているだけで特に何も貢献していませんし、尺稼ぎに水増しされているように思えました。可愛いんだけどね。

 

 私事ですが、US版サンディー役グリー・ダンゴの歌声が好きだということに最近気が付きました。TV版とアルバム版では別録なのにもかかわらず、そう大きく変わらない安定した歌声なんですよね。先駆けてサブスク配信されたアルバムで聴くことができ、同時に収録された「Sandy's Strengths」と同じくらい好きでした。日本語吹替え版の山下七海ボイスもかなり気に入っているので、吹替え版を観るのが楽しみです。…カットされなければ。

 

©︎Mattel

 トーマスとパーシーの親友の絆もいいですが、カーリーとサンディーの絆もいいですよね。お互いをよくわかっているので清々しさまで感じます。

 

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 それにしてもなぜトップハム・ハット卿は安全性を重視するエミリーをキャノンボール・カーブへ走らせたんでしょうね。彼女の客車がウィンストンの検測の役割を果たしているのなら納得したかもしれませんが、ここ大型車両が通るには危険ですし。

 エミリーの出番が少しずつ増えつつあるのが嬉しいです。一応メインキャラクターなはずですが、ここまで台詞のあるのは79話中たったの4話のみと非常に少ない上、個性の面でも未だ喋っていないエドワードに負けています。もっと肉付けしないと、オリジナルシリーズの二の舞になりそう。

 

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 カーリーが遭難するまでのくだりのアニメーションは素晴らしいですが、後から謎を解く流れを作るのなら最後まで描写しなくても良いのではないかと思いました。

 

 

【チェックポイント】

©︎Mattel

 AEG放送前の最初の情報では「トーマスは全てのエピソードでリードする」というニュアンスの文言がありましたが、既にいくつかのエピソードでは彼がリードしないものがあり、特に本作に至っては、トーマスは開始の20秒のみ二言喋ってから最後まで出てきません

彼は番組の顔なので確かに登場回数が多いのも納得の範囲ではありますし、トーマス自体は嫌いではありませんが、原作やオリジナルシリーズのように、誰が主人公とは言わず、他の仲間たちにも重点的に焦点を当ててほしいので、本作のように出番時間が少ないのを観られて嬉しく思います。上手くいけば、従来のようにカメオ出演しかしない回もそのうちありそうですよね。

 

©︎Mattel

 トップハム・ハット卿自ら髪をネタにするのは初めてじゃないでしょうか。記憶に新しいのは、オリジナル第19シリーズ『ディーゼルクリスマス・キャロル』でのパクストンの台詞「つやつやした頭」ですかね。

 

 

全体的な面白さ:☆☆

遊び心:☆☆

キャラクター:☆☆☆

BGMの良さ:☆☆

アニメーション:☆☆☆

独創性:☆

道徳:☆☆

 

【最終的な感想】

 今期に謎を解く話が多いのは、長編作品が『大冒険! ルックアウトマウンテンとひみつのトンネル』だったからでしょうかね。AEG第1シリーズの第27話ほどの衝撃はありませんが、比較的まともで、安心して楽しめる作品でした。

 

総合評価: 6/10

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