※この記事にはネタバレが含まれています。
また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。
AEG S2 E42 『It All Adds Up』
監督: キャンベル・ブライアー
脚本: アダム・ビーチェン
内容: 吊り橋が壊れていて渡るのは緊急の時だけだと警告を受けるが、ハロルドとオーロラを見ることに切望しているトーマスたちはそれを無視する。
【このエピソードについて】
まただ! またもまともな登場キャラクターが誰1人としていない!! …正確にはパーシーくらいか。いや、それでも一度渡ろうとしたのはやっぱりまともじゃない。
今回はソドー吊り橋にフォーカスしたエピソードです。吊り橋が崩れるという点ではオリジナル第19シリーズ『のろのろスティーブン』みたいだと思うかもしれませんが、あれは軽くて遅いスティーブンが吊り橋の危機に気づいて機転を利かせる物語でした。
今回はむしろ第23シリーズ『モンティのふか〜いもんだい』に近いです。危険だと警告されているのに吊り橋を渡る4台の子ども機関車たち。オリジナル第2シリーズ『うみにおちたパーシー』のトーマスのセリフを引用すると、「きけん」っていうのはね、何かが落ちるという意味なんだ。わかる?
警告を出したのはカーリーとサンディーでしたが、そもそも前提からおかしくないですか。渡っていいのは緊急の時だけって、橋が危険な状態にあることがわかっているのなら緊急時でも渡っちゃダメでしょ。既に一台渡ったかなんて誰が確認するというのか。トーマス、ディーゼル、カナ、ニアも倫理観が欠陥していますが、そんなややこしい説明をするカーリーとサンディーもどうかしてると思います。やだよ、こんな思考回路の機関車たちの牽く列車なんか乗りたくないよ。
橋の一部が落ちてトーマスが大ピンチに陥る緊迫感と、ハロルドの咄嗟の判断力は見ものでしたね。かっこいい。
でも、吊り橋の下が地図通りに川だったら良かったのにと思いました。その下に線路があると、吊り上げるより下ろした方がいいのではという考えに至ってしまうからです。
オーロラを見るよりハロルドが仲間たちを助けることを選択するというプロットで「共有」を焦点に置いたオチでしたが、ぶっちゃけ吊り橋のくだりが長く、ハロルドの心理描写はほとんど描かれなかったため今回のハロルドに関しては印象が薄いです。強く残っているのは軽率な行動でトーマスが落ちかけたことと、ハロルドがそれを救助する場面。道徳は安全第一に徹するべきだったと思います。現実でも良かれと思った行動が裏目に出て事故を起こしたり命を落とす輩や子どもがいますし。
最も、冒頭では吊り橋に危険のマークが描かれたテープが、ハロルドの飛行で起きたものか、それとも自然の風か分かりませんが、解かれている描写があるのは、エンディングでモヤモヤする要因に繋がりました。
【チェックポイント】
ウィルソンはディーゼルやクランキーだけの相棒じゃないんですね。
オーロラの描写はこのエピソードで最も評価できる点です。
全体的な面白さ:☆
遊び心:☆☆
キャラクター:☆
BGMの良さ:☆☆
アニメーション:☆☆☆
独創性:☆☆
道徳:☆
【最終的な感想】
サブタイトルにあるように結果オーライな感じの作品ですが、当てるべき焦点は共有じゃなく、安全第一に徹した方が印象に残りやすかったと思います。特にAEGのハロルドだったら必ず助けてくれるだろうと思いますし、彼の葛藤は短く印象が薄いですから。ありがとうハロルド。救出劇カッコよかったよ。
総合評価: 2/10