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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

Thomas & Friends: All Engines Go 第2シリーズ第41話レビュー

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

AEG S2 E41 『Not So Easy-Greasy』

監督: キャンベル・ブライアー

脚本: ジョン・ロイ

内容: ニアの安全で速やかな配達を目指す計画が失敗し、テスの車輪が砂で埋まって動けなくなってしまう。

 

【このエピソードについて】

 さて、私が現状AEGで最も嫌いであり興味もあるテスに焦点を当てたエピソードの到来です。まあテス自体が嫌いというよりかは、ベレスフォードと一緒で扱いが雑なことに腹を立てているので、今回でどうにかなることを願っています。

さて、どうでしょうか。

 

©︎Mattel

 オーケー。劇中のパーシーよろしく少しはテスの印象が良くなりました。ただ、またしても物語全体がひどく混乱しているので… 順を追って見ていきましょう。

 まず私は、ニアとテスに計画を考えるのが得意だという共通点があり、お互いの仲を深めるというストーリー性が好きです。今回分かったのは、テスも別に根っから意地悪なのではなく、とにかくせっかちで、早く仕事をこなすのが得意で、ムキになるのも時間の無駄だと思っているのか激昂しない瞬間を見られたのが良かったです。高圧的で鬼教官みたいに上から目線で偉そうなのは相変わらずですけどね。運河のボスって感じ?

 テスのキャラクター性はなんとなく分かりました。感謝の気持ちを伝えられているのも良かった。でも、まだ不満点は解消されていません。

それは彼女が決して謝罪をしないことです。テスもプライドが高そうなのですぐに謝罪の言葉が出るとは思えないんですが、最後のリラックスしてお互いを認め合う場面で、感謝の後にでも今朝ニアのペースを乱したことを謝罪する必要があると思うんです。ニアが気に障っていないこともありますし、「まだ子どもだからわからないのだろう」と擁護する人もいますが、子どものキャラクターだからなお視聴者のお手本として言葉じゃなく気持ちを伝える展開をさせるべきだと思うんですよ。特に子どもの教育に力を注ぎたいのなら。

 

©︎Mattel

 長くなりそうなので、ここで物語の中身の話に切り替えます。

ニアがテスによって自分のペースが乱されて砂をこぼしてしまったことや、中盤の展開を含めるとテーマになっているのは、落ち着いてお互いに協力して働くというものでしょうかね。

序盤までは良かったんですが、テスのためにオイルを運ぶ辺りから(オイルより先に砂をどかすのが先決では?)、いつものAEGらしい、良く言えば楽しいアクション部分、悪く言えば物語を誤魔化すかのような悪い部分に切り替わります。オイルの時点で予想できましたがここで『ギーギーモンスター カーリー』のパニックシーンと同じ展開になります。ニアは脱線して動けない、パーシーとゴードンは滑って止まれない、トーマスとカーリーとサンディーは暴走タンク車を追いかけ、さあてなんだかいよいよよくわからなくなってきました。

 

©︎Mattel

 そんな中でニアが突然歌い出します。挿入歌「Work Together」は、今動ける機関車たちに向けたニアによる応援ソングです。曲のメロディもアニメーションも良くて好きなんですが、これまた唐突に始まる上に別に不要で、物語を総括したテーマだとしても、奇抜なはちゃめちゃ展開を繰り広げるだけ繰り広げて、これまでの展開を忘れそうになるくらい状況は混沌を極め、何が何だかよくわからない場面ばかり見せられたかと思うと、曲の終わりに都合の良い展開でニアが線路に戻り…

まあその、結局何が何だかよく分かりません。

 

©︎Mattel

 テスが動けなくなるのもそうですが、制御が効かなくなって海に落ちたパーシーをテスがフックで助けるのも含めて『カーリーのすごいマグネット』のプロット要素も入れているようです。パーシーがテスの認識を良い方向に変えるのには十分かもしれませんが、ここまで同じ要素を組み込んでもなお物語がペラペラなのはあまり良い方法だとはいえません。

 

©︎Mattel

 誤解しないでほしいのは、決してつまらないわけではないということです。全体はぐちゃぐちゃですが、コミカルな楽しさには全振りしているので何も考えずに楽しむことはできます。特に劇中でオイルで滑ったゴードンがくるりんぱ線路に入ってしまい、それを楽しんでいる様子を見るのは、正直面白かったです。

 

 

【チェックポイント】

©︎Mattel

 ゴードンでさえ恐れるテス…。そりゃ子どもたちも安心できないわ。

 

©︎Mattel

 こういう場面でエミリーやヘンリーが使われるのは嬉しいけど炭水車が消えるやつどうにかならないのかな。あれ貨車じゃなくて体の一部なのよね。アニメーションの都合なのだろうけど。

 

 

全体的な面白さ:☆☆☆

遊び心:☆☆☆

キャラクター:☆☆☆

BGMの良さ:☆☆☆

アニメーション:GREAT

独創性:☆

道徳:☆

 

【最終的な感想】

 ディーゼルとパーシー視点のサブプロットがあるのはありがたいのですが、冒頭と結末だけ考えたけど肝心の中身まで考えずに提出してしまった草稿のような感じがしました。ニアとテスが友情を深めるのは斬新ですし、同時にコミカルな要素も楽しめますが、中盤はとにかくごちゃ混ぜで、中身がなく、唐突に関係ない歌が流れ始めるのも含めて結果的にはいったい何を見せられているんだかわからなくなりました。

こんな真面目にレビューするよりコメディとして笑ってる方がいいです。

 

総合評価: 3/10

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