※この記事にはネタバレが含まれています。
また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。
AEG S2 E40 『Bad Luck Boxcar』
監督: キャンベル・ブライアー
脚本: エヴァ・コンスタントプーロス
内容: バナナを運ぶことになったトーマスは不運に見舞われるが、パーシーは常に前向きな姿勢をとる。
【このエピソードについて】
まさかエヴァ・コンスタントプーロスは従来のシリーズと全く同じ内容の脚本しか書けないなんてことはないですよね? AEG第1シリーズでは『Ghost Train』と題したその中身はオリジナル第8シリーズ『ハロウィン』とほぼ同じ内容でした。そして今回のあらすじはオリジナル第17シリーズ『パーシーのおまもり』と第24シリーズ『うんがわるいトーマス』とほとんど一緒です。全く期待しないで観ていきます。
トーマスが不吉の象徴といわれるバナナを運搬して不運に見舞われ迷信を信じてしまうというプロット自体が『うんがわるいトーマス』とほぼ一致していますが、強いていえば最も異なる点として、常に前向きに取り組む仲間(パーシー)がずっとそばにいることでしょうかね。
バナナの運搬にまつわる迷信は、ハワイの船乗りたちの間での言い伝えが由来であるため、イタリアの迷信尽くしの流れでロレンツォが説明するより、今回ソルティーがやたら文字数の多いシーシャンティを歌う流れはずっと理にかなっています。
物の捉え方が焦点に当てられています。まあこれも従来の同系色のエピソードと同じ道徳なんですけどね。個人的には、トーマスがバナナの言い伝えを信じるよりも、ラッキーベルを確信しているパーシーに主役を担って欲しかったなと思います。『パーシーのラッキーベル』のレビューでも述べたんですが、ラッキーベルが実際には幸運を引き寄せるものではないと気づくエピソードがあればいいのにと考えていました。それがまさに今回が好機だったのではないかと。ラッキーベルを言及のみで済ませてしまうのは、成長する機会を逃した感じがします。
カナやゴードンとぶつかりそうになったのは明らかに不運ではなく2車線を並行して走っているからだろうと思わずツッコミを入れたくなる描写もありますが… そもそもなぜ貨車の扉は開きっぱなしなのでしょうか。衝撃で閉じなくなったならまだわかるんですけど。
Excuuuuuuuse me? Are you really a sheep?????
煙室に穴が空いたがためにバナナの滑りを利用して解決するのは面白い方法ですが、これ配達物なんですよね…。私は食べ物を粗末にするような描写や利用方法がどうしても好きになれません。特にYouTube公式チャンネルで玩具を使ったショートストーリー『Watch Out Thomas』シリーズでわざと事故を起こさせるだけでなく、周りの子どもたちの悪戯や家の物をふんだんに使った遊び、特に食品でTrackmasterのトーマスをぐちゃぐちゃにする遊び方みたいなものは公式でも赦せないんですよね。そもそも自社製品の販売促進動画でぐちゃぐちゃに汚すのもどうなんだか。
道徳を倫理観でプラマイゼロにしている感じがモヤモヤしてしまいました。そんなことしなくても、キミには助け舟を渡せる友達が隣にいるでしょ?
【チェックポイント】
結局何をしても転がる大岩。汚されて怒ったんですかね。ていうか今更だけどこれはオリジナル第5シリーズのボルダーを意識されたものなのでしょうか???
アイスクリーム屋さんに転職したの?
全体的な面白さ:☆☆
遊び心:☆☆☆
キャラクター:☆☆
BGMの良さ:☆☆
アニメーション:☆☆
独創性:☆
道徳:☆☆
【最終的な感想】
コミカルなアニメーションは面白くて道徳自体も『うんがわるいトーマス』よりも身に染みる方法で、露骨な綺麗事っぽさはなく、従来のエピソードと細かな違いや利点も見受けられて良かったのですが、『パーシーのおまもり』の方が何倍もうまく処理できていましたし、ラッキーベル関連の成長の機会を逃したこと、並びに倫理観の欠如でやはり私はあまりこのエピソードを好きになれませんでした。
総合評価: 4/10