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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

Thomas & Friends: All Engines Go 第1シリーズ第25話レビュー

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

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AEG S1 E25 『Roller Coasting』『ジェットコースターってさいこう』

監督: ジェイソン・グロー & ショーン・ジェフリー

脚本: ジェフ・グッド

内容: パーシーはジェットコースターを体験したがるが同時に怖いとも思っている。仲間たちは彼の願いを実現させようとする。

 

【このエピソードについて】

 パーシーとジェットコースター(Roller coaster)といえば、何が思い当たりますか。答えは一つ。そう、『みんなあつまれ! しゅっぱつしんこう』(以下『CAE』)で悪夢にうなされるシーンですよね。長編を観た事がなくても、カプセルプラレールなどの玩具で目にした事があるファンは少なくないのではないでしょうか。

『CAE』では、機関車たちが役に立たなくなる現実が怖くなり、もし島に客が来なくなったら自分たちがどうなってしまうのか、彼らの中の最悪な例として、パーシーの夢に現れたのが自分がジェットコースターになることでした。従来のシリーズでは完全に嫌がっていましたね。

 ではAEGではどうか。遊び心を持って働いたり、そうでない時は思いっきり遊ぶAEGのトーマス達ではどういう考えなのか。早速みていきましょう。

 

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©︎Mattel

 ここまででも、物語はよくできているのにシリーズ全体が古いトーマスファンを怒らせる可能性が十分にある作品ですが、それはひとまず置いておいて、個人的にAEGの中でも結構面白かったエピソードです。

 上述でキャラと物事に対する共通点としてパーシーとジェットコースターのちょっとした歴史について触れました。第9話にパーシーと幸運のお守りについて取り上げられているエピソードもありましたし。実際のところ、『CAE』のワンシーンをオマージュしているかに関しては意識したのかしてないのか、よくわかりません。偶然かもしれません。

 AEGのパーシーはどうかと言うと、"ジェットコースターを眺めるのは好きだけど、近くで見て悲鳴を聞くと怖くなる"と本人が言及しています。従来のシリーズと異なり、乗り気ではある模様。まず、ラッキーベルの話みたいに道徳をぶり返すようなものでなくて良かったです。

 何がお気に入りなのかというと、私は『BWBA』のレビューで、例え非現実的でもジェットコースターのようにグランド・キャニオンの線路を走り回る光景を見て、子供の頃におもちゃで遊びながらトーマスでこういう場面が見たいと思っていたと語りました。要は、それが好きな子供にとっては十分楽しめる内容になっているのです。

 

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©︎Mattel

 作品のテーマとしては「自分が思っているほど怖くないかもしれない」が要点だと思います。従来のシリーズで言うと… うーん、多いな。直近だと第22シリーズの『トーマスとドラゴン』と類似していますかね。加えて、友達と慣らして行きながら、知れば知るほど怖くなくなるものだと挿入歌でトーマスが教えています。なんだか第24シリーズ『クレオとはじめてのゆき』にも似ていますが、ここではもっとうまく処理されています。

 一つ問題があるとすれば、大前提としてパーシーはジェットコースターに乗る機会がないことです。ジェットコースターよりもスーパー・ぐるぐる・クルリンパ線路を恐れていることに焦点を当てた方が、自然なのではないかと思います。

挿入歌「Everyone is Afraid a Little」は今のところ好きなAEG楽曲の一つです。タイトルから既に良い。勇敢に関する歌は従来にも何度かありましたが、「誰でも怖い、それは共通の感覚」「コースターはパンダと同じ、知れば知るほど怖くなくなる」「ゆっくりでいい、勇気が湧く」などの歌詞(直訳)が温かみを与えてくれます。ほとんど台詞ですが曲もキャッチーで、時々口ずさみたくなるような歌です。

 

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©︎Mattel

 歌自体が教訓になっている為か、そこからの物語は、教訓を視聴者に与えるためよりも、キャラクターを思いっきり楽しませて、その楽しんでいる様子に視聴者をどれだけ一緒に楽しませられるかに焦点を当てているような気がします。

大人からすると… きっとかわいいと思えるでしょう。人によっては思わずツッコミを入れたくなるような場面が存在しますが、そこも含めて面白かったなと個人的に思います。何しろスピード感のある冒険がバリエーション豊富で揃い踏みしていますから、アクション好きな子供は気に入るんじゃないかと。

ただし、挿入歌と内容が一致しているかと問われたら、合ってはいるけど伝えるのに乏しいと感じました。でも楽しいので十分です。

 

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©︎Mattel

 何より気に入っていることは、その経験が無駄にならず、パーシーの成長に繋がっていることです。第4話で恐れていたスーパー・ぐるぐる・クルリンパ線路に挑戦するようになるのはもちろんのことですが、その後がかっこよかったのです。そこが私のお気に入りの場面の一つです。

 

 

【チェックポイント】

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©︎Mattel

 クランキーやっぱりちびっこと遊ぶの楽しんでるよね。かわいいね。

彼にぶん回されているときのパーシーの表情にも注目!

 

 

全体的な面白さ:☆☆

遊び心:☆☆☆

キャラクター:☆☆☆

BGMの良さ:☆☆

アニメーション:☆☆☆

独創性:☆☆

道徳:☆☆☆

 

【最終的な感想】

 挿入歌の教訓を物語で伝えるには弱い内容ではありますが、とても楽しいエピソードでした。パーシーが怖がる対象が幽霊じゃなくて、一部の人が恐れるジェットコースターなのもおもしろいところです。やっぱAEGは微妙に忠実であるより、吹っ切れてる方が楽しいです。

 

総合評価: 7/10

 

 

【今後の予定】

 さて、ここまで予定していた通り第25話までレビューが完了しました。米国のNetflixが第26話で一旦分けられていたので、さらに分割するのかと思っていたのですが、本放送では正月を除いて続けて第52話まで週一で更新されており、分割したのはNetflixだけで、やはり第一報通り52話まとめて1シリーズのようです。

なので、このまま個別レビューを続けます。でもこれまでと同様にピックアップしたいエピソードだけを厳選して、次からは27~29, 32, 33, 36~38, 40, 44, 49, 51, 52話の計13タイトルの個別レビューを投稿します。日本で吹き替え版が全部放送し終わった頃に総合レビューも投稿します。

それでは次回のレビューでお会いしましょう。

 

 

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