※この記事にはネタバレが含まれています。
また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。
AEG S1 E10 『Sandy's Sandy Shipment』『サンディーは すながすき』
監督: キャンベル・ブライアー
脚本: カリッサ・ヴァレンシア
内容: 大量の砂を運ぶことを知ったサンディーは、小さな車体にかかわらず手伝うことを決意する。
【このエピソードについて】
サンディーの個性を活かした別のエピソードです。泥や砂に情熱を燃やす彼女が、トーマスの配達のお手伝いに躍起になるお話です。ウィフがどういう理由で砂を欲しているのかは言及されていませんが、第2シリーズでのウィフの動向を見る限り発明に使いたがっているとかでしょうかね。ガラスでも焼くのかな。
カモ親子の通行、ポイント切り替え、倒木、途切れた線路などさまざまな弊害がありますが、もしサンディーがついてこなかった場合、トーマスはジャンプで乗り越えていたことでしょう。だけどサンディーは一粒の砂も無駄にしたくないようで、飛び越えるアクションに制限を設けていたのが特徴です。AEGでは珍しいですね。
私は相変わらずサンディーが好きです。少し頑固でせっかちなところはあるけど、どんな状況でも助けてくれるし、有能すぎて難しく考えてしまうなどの個性が物語で活き活きしていますよね。物語は彼女の溢れんばかりの熱意で左右する構成です。張り切りすぎて失敗する典型的なパターンですね。
ただ、物語の進行は結構淡々としていて、特に後半あたりで泥が乾くまで待とうとする場面は、日本語吹替版では尺の都合上カットされましたが、最も退屈な瞬間で、飽きてしまい、記憶に残らない一因を作っている気がします。
とはいえ、AEGにおいてスイッチバックという用語が出てくるとは思いもよりませんでした。道路にも鉄道にも使われる用語です。冒頭でサンディーが砂山をジグザグで登るところからヒントを出しているのも物語の構成としては良いですね。
それにしても中からいろんな物を出しますよね、サンディー。バケットが出てきた時はジャックいらないじゃんとか思いましたけど、彼女の力量では砂を掬う程度のことしかできないことが示されているのでワンチャン出てくる可能性ありそう。ダーシーいるしさ。
不満点ではないけど、サンディーが実際に配達をする場面はほんの一部分だけなんですよね。終盤でタイトル回収はアツい何かがありますが、物語全体はトーマスのお手伝いなので、韻を踏むよりも適切なタイトル名がある気がしないでもない。
吹替版は別の視点でしたね。
また、サンディーは砂が好きでその名前になったことが判明しました。
リック・サヴァルによると、草稿の段階では彼女はダスティー(Dusty)という名前だったようです*1が、サンディーにして正解だったかもしれません。人名としてのDustyって男性名なんですけど、当初はどっちの性別の予定だったんですかね。
カナのオリジナルネームも気になるけど。法的な理由でアキラはだめだったようです。
【チェックポイント】
サンディーが寝る前に読む「ちっちゃいちっちゃいモーターカー (Itsy-Bitsy-Speeder)」どんな絵本なんでしょうね。『ちびっこきかんしゃだいじょうぶ』みたいなやつかな。
吹替版ではモーターカーと訳されましたが、これはサンディーの種類がRail-Speeder=モーターカーを基に考えられた誤訳なんじゃないかと思います。多分これ絵本の表紙的には鉄道用語の方じゃなくてSpeeder=スピード自慢 的な意味合いですよね。トーマスとパーシーのハイブリッドみたいな姿した機関車ですね。
全体的な面白さ:☆
遊び心:☆☆☆
キャラクター:☆☆
BGMの良さ:☆☆
アニメーション:☆☆
独創性:☆☆
道徳:☆☆
【最終的な感想】
良くも悪くも平凡な印象です。物語に制限があったのが好きな点ですが、面白くする工夫が必要に感じました。私からはあまりいうことはないですが、悪いエピソードじゃないのは確かです。
総合評価: 5/10