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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

Thomas & Friends: All Engines Go 第2シリーズ第19話レビュー

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

AEG S2 E19 『Kana Recharges』『リラックスしたいカナ』

監督: キャンベル・ブライアー

脚本: エイドレア・ウォルデン

内容: 疲れがたまっているカナは休憩を取ろうとするが、仲間たちはそれに気が付かない。

 

【このエピソードについて】

 ティドマスのメンバーの中では唯一真新しい注目株のキャラクターであるにもかかわらず、第1シリーズの後半で完全に埋もれてしまっていたカナ。そんな彼女の主役回を見られるのは非常に気になりますね。映画第1作『めざせ! 夢のチャンピオンカップ』ではキャラが立っていて素晴らしかったのですが、短編では扱いが普遍的というかそれ以上の開発が施されなかったんですよね。『とてもはやいふたり』はその後の成長した姿が描かれて、次に何が描かれるのか。期待と不安を胸に、早速観ていきましょう。

 

©︎Mattel

 ようやくカナに「速く走る」「電池で動く」「挑戦好き」等の特徴以外のキャラクター開発が行われましたね。このエピソードでは、実は彼女は内向的な部分を秘めていることが明らかになりました。通常は友達と遊ぶのが好きで、どんなに社交的で明るくても、時には静かに一人で過ごしたいっていう人も現実にいるように、それを元気いっぱいの未就学児向け番組で、しかもカナという意外性のあるキャラクターで行うことでうまく記憶に残れば友達への理解が深まる期待感が見込めます

 一番最初のカナのエピソードでもある、映画『めざせ! 夢のチャンピオンカップ』は自分の特徴はなんといっても速く走ることだと自己顕示しているキャラクターでしたので、著しく、しかし段階を踏んだ結果の成長ですね。今回のカナは、AEG S1『Kana Goes Slow』で人生におけるゆったりとしたことも評価できると学び、ショートアニメ『ニアとカナとチョウ』で蝶々と過ごす楽しさを分かち合ったからこその成長でもあると言えます。これこそが"キャラクターアーク"と呼ばれるものです。

 

©︎Mattel

 展開はS15『ヒロのホームシック』に似ていますが、そんな意外性を秘めているからこそ、元気いっぱいで友達と一緒にいることが好きな他の仲間たちが、カナに何が起こったのか、なかなか簡単に理解できなかったのは納得できます。トーマスがゆっくりでいることの素晴らしさを教えた身とはいえ、誘いを断るのは今までのカナの性格からは考えにくく、何を怒っているのかと勘違いしてしまう。ただいくらなんでもかなから突き放された後の他の仲間たちはオーバーリアクションが過ぎる気がしますけど。

 

©︎Mattel

 嵐の場面はあまりにも一時的すぎる通り雨でしたが、トーマスたちを嵐だとしてその静けさを演出しているのは見事でした。

挿入歌「Feel the Hush」はメッセージ性に優れた一曲です。カナらしく早口でエレクトロニックですが、静けさと優しさを感じられます。遊ぶ前に一人で静かにしたいときもある。序盤では言葉で説明しても伝わらなかったように、どちらか極端ではなく絶妙な感情があることを歌で表現するのは良いと思います。加えてUS版でカナを演じるエイヴァ・ローの歌声は素晴らしいです。

 

©︎Mattel

 最後の場面も印象的ですね。歌と夕暮れの景色を見て理解する。ディーゼルも納得したけど、彼は私のレビュー並に話たがりで(笑)。カナを一人にさせるためにトーマスが鬼ごっこで誘うのが彼ららしくもあり、大人っぽさもありで、とても気に入っている場面です。

 

 

【チェックポイント】

©︎Mattel

 こっちの次元のアニーとクララベルは競争に肯定的なのね。

 

©︎Mattel

 映画第2弾『大冒険! ルックアウトマウンテンとひみつのトンネル』でトップハム・ハット卿が作った旗が掲げられているということは、この時点では長編の後日譚なんですかね。

 

 

全体的な面白さ:☆☆☆

遊び心:☆☆☆

キャラクター:PERFECT

BGMの良さ:☆☆☆

アニメーション:☆☆

独創性:☆☆☆

道徳:☆☆☆

 

【最終的な感想】

 カナのエピソードと、エイドレア・ウォルデン執筆回でこれほど良い作品を見られるとは予想していませんでした。普段は友達と過ごしたり共有するのが好きで、でも一人で静かに過ごすのも好きな私にとってとても共感するエピソードで、友達が理解を深めるのも含めて大好きです。

 

総合評価: 9/10

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