※この記事にはネタバレが含まれています。
また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。
AEG S2 E20 『The Big Skunk Funk』『スカンクでだいめいわく』
監督: キャンベル・ブライアー
脚本: トレイシー・ニコレッティ
内容: スカンクに悪臭を放たれたトーマスは、とても重要なバラを配達するのが難しくなってしまう。
【このエピソードについて】
ソドー島が北米化していると直に感じられる一因として島に野生のスカンクが生息しているのは、自分にとっては絶対的に好きではない描写です。まあ存在するならするでスカンクの悪臭を題材にしたエピソードもそりゃくるよなと予想はしていました。
聞くところによると、アメリカで専用の消臭剤が販売されるくらいには、スカンクの放つ悪臭は取れないらしいです。それがエピソード中でトーマスが何をやってもニオイが取れなかった描写なんですね。
このエピソードも少し混乱します。最初は、S8『トーマス、ただしくやる』のようにゆっくり走る重要性を題材にした話なのかと思いましたが、まあ上記の通りどうにかして臭いを除去しようとするお話でした。
S16『トーマスとゴミのかしゃ』にも似ているかもしれませんが、あれは"臭くて汚れることも仕事のうち"だと学ぶ物語でした。今回のエピソードはその道徳に反しています。でもそれ自体は悪いことではありません。ゴミを運ぶこととスカンクにかけられる事故は違いますから。
問題なのは、悪臭にフォーカスされたと思ったら、バラを運ぶこと自体があまり関係なくなり、やがてゆっくり気をつけて運ばなければならない前提がアニメーションと洗車を待つことで無視されてしまっているのです。ヴィカーズタウンまでは遠いし、ゆっくり走らなくてはならないのに、洗車場が完成するのを待っていたらもっと遅くなるかもしれないですし、貨車を切り離して誰かにバラを渡したほうが都合いいのではないかと思わざるを得ません。
教訓より滑稽な日常を重視して描かれているのはわかるのですが、プロットのポイントは何でしょうか。バラをゆっくり運ぶことと、洗車場が建てられることをゆっくり待つことを掛けている…ってことでいいんですかね。わざわざ遠回りで探る必要はなかった…みたいな。
ナンバー・ワンだから任されたのにナンバー・ワンらしいことができなくて憂鬱になるお話なら、既に『ほんとうのいちばん』の方が適切に描かれています。
いずれにしても物語に中身がなく、バラの香りが洗車でイチゴの匂いになってしまうギャグをやりたかっただけのように見えてしまいます。あと、些細なことかもしれませんが、パーシーの車輪(ギア?)に砂が絡まっても普通に自力で走れているのは何故でしょうか。
本題とはあまり関係ないですが、ジェームスのキャラが立っていて好きでした。トーマスにかかった悪臭に文句を言うだけでなく、可愛げのある生意気さが活き活きしていましたね。貴重な出番であるエミリーも気遣いのできる性格が表現されていて良かったです。
真剣に彼らをそれぞれ主題としたエピソードが欲しいですね。『スーパールートでいこう』みたいな感じで良いので。ここまでエミリーさん3話+1長編しか喋ってないのよ。
新しくできた洗車場は興味深いですね。綺麗にするだけじゃなくアヒルちゃん付きで、しかも洗い終わったらいちごの匂いがするとか。ちゃんと給水塔から水を入れているのがポイント高い。操車場のど真ん中に立つ給炭ホッパーと違って。
前回の『リラックスしたいカナ』では当たり前のように出てきているんですが、この回はその前日譚なのでしょうね。じ、時系列…。
これまた前回も暴走してましたが、"どでか油差しギーギーネーター"もまだ生きてたんですね。なんか…、シュールだ。
【チェックポイント】
確かにキミみたいに緑色だけど形はトーマスだぞ。
一々空気を吸って話すカナはちょっと面白かったです。
全体的な面白さ:☆☆
遊び心:☆☆☆
キャラクター:☆☆
BGMの良さ:☆☆
アニメーション:☆
独創性:☆☆
道徳:☆
【最終的な感想】
第一印象は面白かったのですが、2周した際に何をポイントにしているのかよくわからなくて自分の中で謎のエピソードになりました。一つ言えるのは、この回でトーマスが憂いていたことは、『ほんとうのいちばん』の方がしっかり描かれていたということです。
総合評価: 3/10