※この記事にはネタバレが含まれています。
また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。
AEG S2 E37 『Blue Engine Blues』
監督: キャンベル・ブライアー
脚本: トレイシー・ニコレッティ
内容: いつも幸せそうなリフとジフを見たトーマスは、不機嫌を隠して作り笑いを浮かべるが全て見透かされる。
【このエピソードについて】
寝不足や疲れでストレスが溜まるとついついイライラして口調が悪くなったりやり場のない怒りをぶつけてしまいがちですよね。これはどんな人にも当てはまる素晴らしいメッセージを持つエピソードです。気分が落ちた時は独りで抱え込まないで、友達と話をして発散しようというもの。
例によって私個人の話になりますが、私は自閉症のみならず、長らく躁鬱病を患っています。特にうつ状態の時は何も喋りたくないんですが、少し落ち着いたら友達や共通の仲間と通話をして、好きなことや下世話あるいは下ネタの話などをすると気分がスッキリします。カウンセラーが存在する理由は本当にちょっとでも話をすれば気が楽になったりするからで、子どもたちはもちろん全年齢に共通し、共感できる良い道徳でした。愚痴を聞いてくれる、あるいは流してくれる余裕のある友達ってものすごくありがたいですよね。いつも感謝しています。
パーシーと喧嘩する『じょうきでスッキリ』に似ていますが、ストレスが溜まって不機嫌である傍ら、不機嫌で居続けると誰も寄って来なくなることを心配して極論を考えてしまうというもので根本的には異なります。
手塚治虫作品の役者ハム・エッグみたいな顔は、いつも陽気なリフとジフを見てずっと幸せでニコニコしているようになろうとトーマスが作り笑いした表情。かつてないほど不気味な表情ですが、不自然さを強調するには良い描写だと思います(苦笑)
ところでどうしてカナはあんなに犬みたいな描写なんですかね。そっちの方が不自然な気がする。
リフとジフが再び短編に登場するのも良いですが、嬉しかったのは「陽気な性格」以外の人間味のある設定が描写されたことです。これは、どんな時も明るい人はいないという道徳にもつながりますし、ただ陽気で馬鹿なだけのジンクスジンクスうるさいキャラクターの一言で終わらなくて安心しました。
どうやらリフは感傷的になりやすく、ジフは包容力があり、落ち込んだリフを慰めてくれる様子。思えばYouTubeのショートアニメ「ソドーカップへの道」シリーズでもそのような描写がありましたね。完全にスルーしていました。
挿入歌「Blues Buddy」はそれらの道徳をパーシーがトーマスに歌う、ブルース調の慰めの一曲です。メロディは掴みづらいですが良い歌詞ですね。リフとジフも初めて歌います。
クランキーは自分がいつも不機嫌で誰も近づきたがらないことを自覚しているようで、あえて不機嫌オーラを身に纏っているのでしょうね。でも友達と話をすることがいいというのはわかっているみたいでやっぱり良い大人だなと思いました。
【チェックポイント】
なんかウルトラトレインのポスター増えましたね。映画の新作かな。
今回からUS版のトーマスの声優が変声期を迎えたミーシャ・コントレラスからデヴィッド・コールスミス(David Kohlsmith)になりました。爽やかで柔らかいイメージの声の持ち主です。声は慣れ親しんだミーシャくんとはかなり違って聞こえますが、演技も良く安定感があるのが好きです。
結局はトーマスに化石を任せたものの、トーマスの運ぶ大量の石を見て「運ばせるのは悪い」と一旦断るディーゼルが好きです。ところで化石雨ざらしってよくないんじゃない?
全体的な面白さ:☆☆☆
遊び心:☆☆
キャラクター:☆☆☆
BGMの良さ:☆☆
アニメーション:☆☆
独創性:☆☆☆
道徳:☆☆☆
【最終的な感想】
作り笑いが不気味すぎる気もしますが、先述の通り共感できるし、言い聞かせたい道徳を持つ、心の温まる良いエピソードだと思います。
総合評価: 9/10