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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

きかんしゃトーマス 第18シーズンレビュー 5

※この記事にはネタバレが含まれています。

 

 

 

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S18 E05 「Signals Crossed」 (トビーとしんごう)

脚本:マーク・ハッカービィ&ニック・オストラー

内容:ナップフォード駅構内の大きな信号が故障し、トビーは立ち往生してしまう。

 

【高評価点】

採石場の作業員をヘンリエッタが乗せるという原作設定が使われている(後の「Thomas the Quarry Engine」でも活用される)。

・中央駅の忙しなさがよく表現されている。より鉄道らしくなったとは思う。

・通過車両、信号の高速演出、フェード効果によるトビーの混乱は痛いほどよく伝わる。

 

【低評価点】

・このためだけにナップフォード駅が改変したような気がしてきて嫌。TVシリーズではナップフォード駅が中央駅とされているので仕方ないが、個人的には最近出てないティッドマス駅や、TVシリーズで出てきていないヴィカーズタウン駅でもよかったのではと思う。(どちらも大型の駅)。

・トビーも彼の機関士も、信号の観方は知ってるはず。

・演出とはいえ、機関車たちが駅の近くやポイントレールで疾走するのは危ない。

・機関車が行ったと思ったらまた戻ってるようなシーンが多数あるので、もっと他の機関車(ダック、ウィフ、チャーリー、コナーなど)をエキストラとして活用してもよかったかも。

 

【面白かった点、小ネタ】

・久々のトビー主役回。

・ハリーorバートにぶつかりそうになるトビー。

・今回からヘンリエッタに顔がつくようになり、S02(日本ではS01)以来とても久しぶりに喋る。声優はマギー・オルレンショー。

・ハリーとバート、アークCGシリーズ初登場。(前期未登場)。警笛は新しいものに変わる。(Guess Whoパズルのデンとダートの物)。

・ナップフォード駅ジャンクションが苦手なトビー。しかも彼が苦手だということは島中の皆がよく知っている。

・牛を数えるトビー。

・トビーを「ナンバー7の茶色路面機関車」と言って持ち上げるヘンリエッタとトーマス。

・支線客車を引っ張るスペンサー。

・行ったと思ったらまた戻ってきたり、車止めがあるはずの場所から列車が出てきたり、客車の一部の編成がおかしかったりなどのCGミス多数。

・ゴードン、ヘンリー、ヒロ、ロージーにぶつかりそうになるトビー。

・トビーが目を瞑って適当に駆け抜けるシーンは、S16「クリスマスツリーをさがせ」を彷彿とさせられる。

・ヒロの汽笛がコナーの汽笛になっているシーンがある(SEミス)。

・オリバーとトード、S12以来の復活を果たす。

・存在が消されているはずのファーディナンドのような機関車が、材木の貨車を牽いているシーンがある。(制作に携わっているSiFの管理人は否定しているので、判別は難しいがポーターの可能性あり)。

・一番暇そうなトーマス。

・信号所に隠れるトビー。

・それを見たトーマスに、強がって、レンガを数えてると誤魔化すトビー。

・信号が故障し、立ち往生するトビー。

・怒鳴る作業員。

・男勝りなヘンリエッタ

・トビーとヘンリエッタの話を聞こうとせず、無理やり彼らを押すジェームス。

・そのせいでゴードンとぶつかりそうになり、怒られる。

・ハット卿までトビーの話を聞こうとしない。

・ハット卿の付き人(金髪)、初めて喋る。

・信号を見上げた途端態度を変えるハット卿。

・ジェームスを睨むヘンリエッタ(この時の表情はミリーそっくり)。

・目をそらしながらトビーとヘンリエッタに謝罪するジェームス。

 

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 原作41巻同様、今作から顔がついて積極的に喋るようになったヘンリエッタ。どんなに外見が変わろうとも、トビーの妻的な存在であるのは変わらない。アクターは、マギー・オルレンショー。これからどんな活躍をしていくのかは見ものだ。

 

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ナップフォード駅構内に突然設置された巨大信号と複雑なポイントレール。見方は至ってシンプルだが、せわしなく動く信号を見ていると、どれがどの信号なのか訳が分からなくなってくる。もはや僕らの知っているナップフォード駅ではない。

 

 

【流れと感想】

  S17ではスティームチーム()の中で最も出番が少なく、しかも長編「Tale of the Brave」にすら未登場という、トビーがいよいよ主役! S17では「きえたシュッシュッ」のみ喋ったきりなので、なんだかすごい久しぶりなような気がします。ブレナー氏お気に入りのキャラと聞いて出番が増えると思ったのに、なんでだろう。しかも今回の脚本家は新しく加わったマーク&ニック。あれぇ…?

 

 ある日、トビーはヘンリエッタと共にナップフォード駅へ向かう線路を進んでいた。駅で待っている採石場の作業員たちを運ぶためだ。でも彼はとてもゆっくり進んでいた。顔がついていつも以上に喋れるようになったヘンリエッタ、最初観た時は本当にもうびっくりしましたね。まさかの原作41巻リスペクトという。そしてファークァー採石場の作業員を運ぶというのも原作設定。まるで仕事をさぼりたい怠け者のようにゆっくり進むトビー。わざとらしく牛を数えて誤魔化す。ヘンリエッタは、そんな彼を見て、

「ナップフォード・ジャンクションが怖くて足取りが重いんでしょ?」

 とこっそりいうと、図星だったようで、止まってしまう。トビーはナップフォードJCTの大きな信号と複雑なポイントレールが苦手らしい。また新たなTVオリジナル設定。「〇〇は△△(後付)が好きだ」「〇〇は××(後付)が嫌いだ」というオリジナル設定をいきなり持ち出し、それが当たり前のように展開が進んでいくS08~16の定番。しかもそのことは島中の機関車が知っているらしい。ナップフォードJCTができたのは最近だし触れられてすらいなかったから、そんなこと言われてもいまいちピンとこない。

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ヘンリエッタに励まされ、自信を持って行ってみたのはいいが、いざJCTを前にすると、混乱し始める。視聴者的にも混乱しますよ、これは。なんじゃこりゃー!ですよ。今まで穏やかだったナップフォード駅が、都会の駅のように騒々しく、忙しなく、複雑になっている。僕はこんなことになる前何があったのかについて詳しく知りたい。忙しくなったから信号を取り付けたのだろうか。まさに"どうしてこうなった"。田舎生まれのトビーにはきついだろう。

まさかトビーが信号の観方を知らないわけはないと思うが(おそらく、複雑になりすぎて訳が分からないのだと思う)、どれが自分の見る信号なのかがわからないようだ。赤は停止、緑は前進、そうヘンリエッタから教えてもらうトビー。そう言われても、どれが自分のかはさっぱり。左から3番目の信号が青に切り替わり、とりあえず進んでみるトビーだが、急行列車を牽くゴードンに衝突しそうになり、「気をつけろ、馬鹿な路面機関車め。信号の勉強をしてこい」ときつい口調で怒られる。

トビーはバックしてもう一度信号を確認。すると、今度は左から2番目と右から1番目の信号が青に変わる。トビーが進もうとすると、今度は隣の線路からヘンリーがやってきて、「自分の信号が変わるまで待てよ!」とまたも怒られる。みんな態度がきついから(こういうのに弱い僕にとっては)精神的に来るけど、安全第一だからなぁ…。

この後も、トビーは何度も前進を試みるが、何度も何度も衝突しそうになっては止まり、ヘンリエッタとごっつんこ。信号とポイントの間を行ったり来たり。なんか、この他人へついて行けない感じは、学校や都会の駅を連想させられる。通勤通学ラッシュ時の朝の駅ってこんな感じで忙しないですよね。とんでもない数の人波を通過する際とか、路線図を確認するとき(理解力と判断力が無いに等しいので、人一倍時間がかかる)とかを思い出す。長時間突っ立って眺めているとぶつかって怒鳴られたりとかね。

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駅へたどり着けない焦りとともに、忙しなくカチャカチャ動く信号や、ガタゴトと走り回る機関車たちを見て、トビーの混乱は大きくなる。高速で動く信号や列車、そしてこのフェード効果による演出のおかげでトビーの心情は痛いほどよく伝わってきます。数秒たりとも遅れたらアウトというのがとても怖い。僕は判断が遅くて行動も鈍いので、彼の気持ちはよくわかる。こんなところでは働きたくないな、確実にうつ病になりそうだ。この映像だけでトラウマになるレベル。 

このままではどんどん遅れてしまうし、バッファーも持たない。ヘンリエッタの文句に、トビーは意を決して目を瞑りながら、一か八かで疾走。しかも意外と行ける。でも目を瞑っていたせいで、駅を通り過ぎたことや、トーマスが挨拶したことに気付かない。S16かよw このJCTができて以来、トビーは今までどうやって働いていたのだろう。危なすぎるし、事故が起こっても不思議じゃない。

 

トビーはあまりの怖さに、(恐らくティッドマスとナップフォードの間の)信号所に隠れてしまっていた。彼曰く休んでいるだけと言っているが、ヘンリエッタにはすべてお見通し。そこへトーマスが到着し、彼も「隠れているの?」と尋ねる。トビーは強がって、信号所の煉瓦の数を数えていると誤魔化すが、トーマスもすべてお見通し。結局、隠れていることを認める。彼がナップフォードJCTを苦手としていることはみんなが知っているので、もちろんトーマスも知っている。トーマス曰く、見た目は大きくても観方はシンプルで、自分のいる線路の位置と同じ信号だけを見ればいいとのこと。例えば1番線なら一番左。5番線なら右から2番目の信号を見ればいいという。トーマスは、トビーを励まし、自信をつけさせる。

自信がついたトビーは再び駅に向かい、作業員たちを乗せる。「僕はナップフォードJCTなんて怖くない」とやる気満々に駅を出るが、あまりの忙しなさにまたしても困ってしまう。トーマスの助言を思い出すと、彼は自分のラインと同じ信号を見る。信号は赤になっている。彼は青になるのを待つが、信号は赤のまま。作業員達もジェームスもイライラモード。「早く動け」の嵐。そんなこと言われても、信号は赤。進むわけにはいかない。トビーとヘンリエッタの話を聞こうとせず、「みんな君がJCTを苦手としているのはわかってるんだ、青だから進めよ!」と、なにもわかってないくせに彼らを押して進ませる。しかもジェームスのせいでまたしてもゴードンと衝突しそうになって、「信号の勉強をしろ」と怒られる。うーん、胸糞悪い。学んだから待っているというのに。

トビーは再びバックして、信号を待つ。ところが、とうとうハット卿の堪忍袋の緒が切れて、彼を叱りに来た。「もう信号は青になっているだろう」とハット卿。でも自分のライン上の信号は赤。トビーはハット卿に赤ですよと教えるが、ハット卿もジェームス同様彼の話を聞こうとしない。相変わらずの無能さ。トビーの真面目さをよく理解してるくせに何故聞こうとしない。やはりCGシリーズのハット卿はトビーとあまり関わり合いのないチャールズ(2代目)なのか? 付き人の耳打ちでようやく、信号が壊れていることに気付く。さっきとは態度を真逆に変え、「赤のまま進むのは危険だからな」とトビーを褒める。

H「(咳払い) (威圧)」

J「(目をそらしながら)ごめんよトビー」

H「(それから?と言いたそうに睨む) (威圧)」

J「(目をそらしながら)ヘンリエッタもごめん」

このヘンリエッタとジェームスの絡みが面白すぎる。容赦なくジェームスより強く出るおばさん客車。ヘンリエッタも男勝りですね。女は強しと。

信号を修理するまで、代理人が手旗で信号の代わりを務める。トビーはそれ以降、ナップフォード・ジャンクションを怖がらなくなりましたとさ、めでたしめでたし。

 

突っ込みどころは多いけど、普通に見ればとても面白い話でした。でも「きえたシュッシュッ」の畜生トビーとは違い、S05以降の気弱トビーだったのにはちょっとあれかな。他の殆どのキャラは原点回帰してるのに、彼だけ戻れてないというのはこれいかに。そのうちブレナーが戻してくれることを願う。彼が混乱している様子はすごくわかりやすかったけどね。

それと、このためだけにナップフォード駅を大改変したり、ヘンリエッタに顔をつけたような感じがしてちょっと気に食わない。この話の前に線路を〇〇の理由で工事するみたいな話があればなぁ。急に変わられるとついていけない。ナップフォードではなく、同じく大型駅であるヴィカーズタウンだったらよかったのになと思いました(トビーとヘンリエッタの掛け合いが見れなくなるけど)。でも中央駅らしさと鉄道の忙しい感じが充分なほど表現されていて良かった。

不満は多くありますが、先にも言った通り内容は普通に面白かったです。せっかく顔をつけてもらったヘンリエッタ、今後ももっと活躍してほしいな。トビーとの掛け合いが気に入ったので、もっと見たいです。

 

 

【日本語版について】

タイトルは「トビーとしんごう」。10月19日にAパートとして「トードのぼうけん」と同時放送。

 

 [面白かった点、小ネタ]

ヘンリエッタの声優は根本圭子

・全体的にヘナヘナ声のトビー。かわいい。

・トビー「ハハハ…、口で言うほど簡単じゃないんだけど…」

・若干早口なゴードン。

・作業員「おい!」「待ってくれ!」「どこへいく?」

・作業員の声優はそれぞれ梅津秀行川島得愛。3人目は不明。

・作業員「急いでくれ!」「遅刻だ!」「どうして止まってる?!」

ヘンリエッタ「トビーは信号が赤だって言ってるの。ゼッタイマチガッテナイ!」

・ジェームス「そろそろ青になってるはずだけど? 早く進ん゛でっ゛て!」

・付き人「本当に赤のままです(小声)」

・付き人の声優は不明。

・ハット卿「…驚いた。本当に信号が壊れているようだな…」

 

今回のキャラクター紹介はトビー。映像は今回の物になっている。

ヘンリエッタは予想どおりでしたが、とても似合っててよかったです。

 

 

総合評価:6/10

 

 

次回はあのトード主役回! 「Toad's Adventure」です。