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きかんしゃトーマスオタクによる雑記

きかんしゃトーマス 第22シリーズレビュー第15回

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の感想は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

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S22 E15 『The Water Wheel』

脚本: デイヴィー・ムーア

内容: 中国の竹で出来た物を見る後で、近道したトーマスは水車を落としてしまう。

テーマ: 水を大切に

 

【高評価点】

・民間人の使う言語が中国語。

・竹材の用途と棚田用の水車の用途の解説に加え、蒸気機関車との関連も描写。

 

【低評価点】

・内容の無さ。

・テーマ内容やSDGsと一致しないプロット。

 

 

 

【このエピソードについて】

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©Mattel

 特に語る事のない程の内容の薄さ物理法則無視のばかげたアニメーション存在が事故フラグのような運び方鉄道にほぼ関係ない展開、etc…。私にとって嫌う対象なのですが、珍しく根からは嫌いにはなれませんでした。寧ろ楽しくて、退屈ではなかったからです。但し、それで良しという話ではありません。中国の様々な美しいロケーションが出てきたり、色んなキャラクターが脇役としてバランスよく出てきたり、アクションが大好きな子供の為であることは確かですが、物語の方は残念な結果でした。

 中盤の水車が暴走する流れは竹材がいかに軽くて頑丈であるかの示唆であり、音楽も相俟ってとにかく楽しいドタバタに仕上がっているため無駄な描写ではないですが、要はただそれだけの演出です。その流れに時間を費やして本題から逸れていることがまず一つ。

 最も問題なのはテーマと殆ど掠っていない事です。今回は国連のSDGs第6目標「安全な水とトイレを世界中に」に基づいており、米を作るための棚田と水を使う蒸気機関車にとっての水の大切さや水車の重要性が題材ですが、物語の焦点はほぼ竹にあり、それが活きているのは冒頭の言及と終盤数秒のみで物語の関与は薄いです。終盤でフラッと触れた程度で直後のお浚いによる素晴らしいメッセージを聞いて心にジーンときたと感じる人がどこにいると思いますか。

『Thomas in the Wild』同様、SDGsをプロットに上手く組み込めなかった失敗例の一つで、残念です。

 

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©Mattel

 そして事故の原因は”近道”です。冒険的である事や、一発利用じゃなかったことは評価すべきでしょうけれど、他に理由は無かったのか。

 

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©Mattel

 竹の凄さがテーマならば良かったのかもしれませんが、わかりません。もしメッセージ性を伝えたいのであれば少なくともその焦点と紐づけが必要です。

ところで、私は冒頭のホンメイ、アンアンとインロンによる竹材の用途の説明が好きです。竹製自転車のように全てが中国の文化ではないですが、知識は蓄えられました。

バンブー・トーマスのファンタジー・シークエンスも可愛いです。段ボールが可能なように、竹でできた実物大の蒸気機関車とか見てみたい。

 

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©Mattel

 また、トーマスに関与しない民間人が母国語で叫ぶことも印象に残った事の一つで、現実味を感じられて良いです。最もアニメーションに現実味は無いですけれども。

 

 

【チェックポイント】

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©Mattel

 唯一良い意味で驚いたのは、映画『BWBA』に登場した女性のモダンなディーゼルと、人格つきクレーン車*1の片割れが少量ながらも台詞付きで短編で姿を見せてくれたことでした。名前が出なかった事やホンメイのような役割が中国回の5話中に一度も無い事は残念でしたが、前にも言ったように脇役は出る事に意味があります。

ちなみに、このモダンなディーゼルは、ドイツにてオーストリア向けに多目的車両として2003年から2012年にかけて開発された、シーメンス製ユーロランナー電気式ディーゼル機関車がモデルになっています。リトアニアルーマニアチェコにも輸出され、2004年に中国へ輸出された7台の機関車は「シリーズ8000」として主に香港で活躍しています。 

(40-70年代をベースにしているとは一体…?)

 

 それにしても、この灰色の機関車ヘンリー、どこにでもいますね…。

 

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©Mattel

  『Runaway Truck』等にも出てきた雪山の全貌も明らかになりました。これは何という山がモデルになっているのでしょうね。

ほかにもさまざまな美しい景色が登場するので、場面ごとに注目してみてください。

 

 

全体的な面白さ:☆☆☆

鉄道らしさ:☆

キャラ活用:☆☆

BGMの良さ:PERFECT

アニメーション:☆

道徳教育面:☆☆

 

【最終的な感想】

 平凡。素敵な描写がいくつかありますが、物語については殆ど語る事は出来ません。音楽はかなり良かったです。

 S21を打ち切りにしてまで急ピッチで制作されたようなので、多少の品質の差は大目に見ますが、堂々と大々的に発表しておきながらグローバル実験への投資が疎かなのは如何な物かと私は思います。

 

総合評価: 4/10

※この記事に添付したスクリーンショット著作権は全てマテル社に帰属します。

*1:ジュディとジェロームの流用