※この記事にはネタバレが含まれています。
また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。
AEG S1 E22 『Lost and Found』『ビーチはどっち?』
監督: キャンベル・ブライアー
脚本: サラ・アイゼンバーグ、ベッキー・ウォンバーグ
内容: トーマスはニアをビーチへ続く近道へ案内するが、彼の記憶力は思ったほど良くないことが判明する。
【このエピソードについて】
近道をしようとしたら、感覚を間違えて道に迷ってしまうことに時間を費やす展開は、S12『Gordon Takes a Shortcut』(日本未放送)にかなり似ていますね。この類似点の決定的な違いは教訓にあります。前者が自信過剰でプライドが高すぎて他の仲間の道案内を拒否してしまう展開=道を尋ねることは恥ずかしくない物だという一方で、今回は、迷子になった時のヒントとして周りをよく観察したり聞き耳を立てたりして正しい道を導き出そうといったもの。
まあ… どのみち独創性はない上にまどろっこしいくらいに教訓が伝えられていますが、未就学児が物語で学びを得て自助努力へのヒントとしては適していると思います。
S24までの従来のシリーズではまだリアルな鉄道と牧師の地図を土台に(模型初期からCG初期にかけてルート自体はおかしいけど)制作されていたので、S17『せんろをさがすトーマス』で全否定されたように、実際の鉄道には道路のように自由な近道など存在しない為、近道という言葉を用いたエピソードの大半には「鉄道に近道があってたまるか」の一言で片付けられますが、AEGの世界観では島全体に自由な線路配置が張り巡らされているので自然と受け入れらました。それが良いことではないんですけども。
教訓以外のもう一つの特徴は、ウシと背景にいるモブ人間たちを除けば、キャラクターがトーマスとニアの2台だけで構成されていて、カメオ出演や言及されるキャラクターなどもなく成り立っていることです。たくさんキャラクターに囲まれるのも楽しいけれど、2台だけに集中し、お互いに会話をしあって活躍する姿を見るのも面白いです。
ただ、ニアが音楽好きでそういうキャラだとしても、CG初期のように空いた時間にキャラクターが無意味に韻を踏む無駄な時間を削ぎ落としてもらえれば、普遍的な未就学児向け番組っぽさと退屈さを感じさせず、より面白い瞬間を作ることもできたんじゃないかと思いますけど。
あと、冒頭ではニアが初めてノランビー・ビーチへ行くと話しているんですが、この前提も不要ですよね。あなた第11話『いえをはこぶほうほう』でコテージ運んでたでしょ。もしくは、それよりも前の時系列のお話なのかな。
【チェックポイント】
近道から外れた新しい情景はクイックドロー・ブリッジとマッコールさんの農場の素材を流用していますが、ちょっぴり興味深い瞬間でした。橋が錆びているということは古い線路なのかもしれない。あの農場はどこで生計立ててるのかな。
踊るウシが3頭に増えたのは思わず吹き出しました。
全体的な面白さ:☆
遊び心:☆☆
キャラクター:☆☆
BGMの良さ:☆☆
アニメーション:☆☆
独創性:☆
道徳:☆☆
【最終的な感想】
このエピソードに関しては他に言うことがなく、まあまあです。最初に観た時は良いエピソードかもしれないと思って7点をつけようとしましたが、2回目以降は気のせいだと感じました。良くも悪くもない印象ですが、韻を踏んだり跳ね橋のアクションの必要性をどう捉えるかによって評価は変わりそうです。まあでもトーマスとニアの2台が好きなら観て損はないと思います。
総合評価: 5/10