どうも、お久しぶりです、ぜるさんです('ω')
『きかんしゃトーマス』シリーズもとい、原作『The Railway Series / 汽車のえほん』刊行から今年で80周年ということで、私自身もその記念を祝うために様々な記事を書こうとしていたのですが、これまで仕事と趣味の旅行と家庭の事情で手一杯で、汽車のえほん28巻の告知とAEG第4シリーズ前半のレビューしか投稿できませんでした。
気づけば初めて1巻が刊行された5月12日まであとわずか。それに、今年中にここまで80周年を祝うためのイベントや商品展開がたくさんありました。心苦しい出来事としてブリット・オールクロフトの訃報を除けば、1月だけでもすごい情報量でした。
というわけで、今回は2025年内で5月10日までに発売・催しされたものや、これからのものも含めて、国外と国内で発表された記念内容を一挙にまとめて紹介します。
目次
- 【本国では】
- ●2D期『All Engines Go』第4シリーズ(TV版通算第28シリーズ)が放送
- ●AEG長編第4作『Sodor Sings Together』も同時リリース
- ●バックマンシリーズに80周年記念商品登場
- ●全く新しいハイクオリティのPush Alongトーマスが登場
- ●全く新しいハイクオリティのMotorizedシリーズ発売
- ●『Train Sim World 5』とのコラボ
- ●アビ・グラントとポール・ラーソンのインタビュー公開か?
- ●模型期の撮影用プロップなど207点がオークションに公式出品!?
- ●1983年に製作された『トーマスのちんぼつ』パイロット版が発掘・公開!?
- ●ポッドキャスト『Thomas & Friends Storytime』が豪華ゲストで復活!
- 【日本国内では】
- 【2026年はどうなる...?】
【本国では】
●2D期『All Engines Go』第4シリーズ(TV版通算第28シリーズ)が放送
2022年の告知通り、AEG第3シリーズに続いて、第4シリーズの放送・配信が今年から行われました。今シリーズの特徴として、複数のエピソードにわたって線路の工事にまつわる物語が用意されています。映画『めざせ! 夢のチャンピオンカップ』以降不在だったヒロも再び登場しています。
米国・カナダ主導のAEGにしては珍しく、英国が先に1クール分を1月に放送し、5月12日から2クールが放送されます。米国ではNetflixで4月10日に1クールが、シンガポールでは4月24日にMeWatchにて全話が配信されました。元々2023年内に動く方針だったためか、例年よりもずっと早い動きですね。
●AEG長編第4作『Sodor Sings Together』も同時リリース
TV版の1シリーズと1本の長編作品がセットなのは例年通りですが、クリスマスの長編だった昨年を除いて大体秋ごろに長編がリリースされるのにも関わらず、早くも5月10日にはイタリアで、5月11日にはオーストラリアでテレビ放送されることが判明しました。
気になる第4の長編のタイトルは『Sodor Sings Together』。Toy World Magazine 2025年1月号によればミュージカル風の長編作品で、ニアが主人公のようです。あらすじは以下の通りです。
ーあらすじ (イタリアの番組表より直訳)ー
ソドー島最大の音楽イベント、"ソドー・シングス・フェスティバル"では、人間も機関車も一緒になって幅広いジャンルの音楽で素晴らしいショーを披露するお祝いの祭り。トップハム・ハット卿のオペラ、ソルティーの船乗りの歌、カズー・オーケストラの演奏など、誰もが楽しめるものがある。
この特別なイベントのためにステージの設営をしたり、運営したりする機関車たちは、新しく生まれ変わったクロンクの交差点*1で、秘密のサプライズがあると興奮しておしゃべりをしている。
トーマスが舞台の照明を届けると、ニアがそのサプライズをトーマスに明かす。それは蒸気オルガンだった。機関車たちは、トップハム・ハット卿のオペラのリハーサルにちょうど間に合うようにヴィカーズタウン駅に戻るが、レジナルドが高音を出しすぎてソドー島の照明を全て消してしまい、島中は大混乱に陥る。さらに悪いことに、ニアは蒸気オルガンを無くし、必死に探した末、水の中に落ちているのを発見する。
果たして、お祭りが危機に瀕する中、ニアはトーマスの助けを借りて島中の照明を修理し、スーパー・シークレット・サプライズを救う完璧な音を見つけ出せるか。
長編の内容が"お祭り"なのも、80周年記念の節目としてふさわしいものになっていそうですよね。昨年末にMotorizedにAEG仕様のドナルドが、Push Alongにダックが発売されており、本編にも登場するのかとファンの間で期待が高まっていますが、この長編で登場するのでしょうか。ちなみに第4シリーズにはいずれも出番が一切ありませんでした。
なお、1月のToy World Magazineによれば、2025年の『きかんしゃトーマス』は、このAEG第4シリーズと『Sodor Sings Together』で80周年を記念するだけでなく、ライブイベントや絵本の出版、そしてクラシックな外観のトーマスが復活するとありました。これがどのような意味を持つのかは、その数ヶ月後に続々判明しました。
●バックマンシリーズに80周年記念商品登場
2002年から現在も継続して『きかんしゃトーマス』シリーズのHO/OOスケール、Gスケール、Nスケールの鉄道模型を開発・販売し続けている、アメリカに拠点を置く鉄道模型会社Bachmann Trainsから、『汽車のえほん』2巻より『トーマスと貨車』の挿絵をモチーフにしたOOスケールの編成セットが発売されることが、1月のカタログで発表されました。
顔の違いはありませんが、よく見ると連結器と緩衝器など前部のパーツが挿絵に寄せてシルバーに塗装されています。2両目の無蓋貨車と3両目の有蓋貨車は、トンネルから出てくる挿絵を簡単に再現できる色で塗装され、石炭が積まれています。最後尾のブレーキ車も、別アングルの挿絵の再現と思われます。
他にも、今年単品車両として新たにスタンリーが発売される見込みです。また、OOスケールに合わせた3DCG仕様のトップハム・ハット卿ファミリー、鉄道員たち、先生と学校の生徒たち、マッコールさんと牧羊犬のケイティーとヒツジたち、トロッターさんと豚たち、そしてミスター・パーシバル夫妻をはじめとしたスカーロイ鉄道の職員たちが人形になって発売。Nスケールからは4つのバリエーションのスレート貨車が登場。
また、同カタログには、OOスケールのシドニーとメインランドのディーゼル機関車、バルジー、20トンブレーキ車などが新たに製造されるとの発表もありました。
個人的には、メインランドのディーゼル機関車がどんな感じか気になりますね。
●全く新しいハイクオリティのPush Alongトーマスが登場
実は80周年なのはトーマスシリーズだけではありません。なんと、現在トーマスシリーズの権利を持つ大手玩具メーカー、マテル社も今年で創立80周年を迎えます。その記念に、マテルは1月28日に、ドイツ ニュルンベルクの玩具見本市にて、限定版の玩具「マテル80周年記念ルビーコレクション」を発表しました。この限定版の商品は、遊び心と革新性を追求してきたマテル社の伝統に敬意を表し、愛されてきた数々の製品に、象徴的な赤と鮮やかなルビーのアクセントを組み合わせたものとなっています。
バービーやホットウィール、UNOにポリー・ポケットなどが並ぶ中、なんとそこにはトーマスの姿もありました。それも、AEGではなく、第24シリーズ以前の姿の新規金型のPush Along*でです。貨車の金型はAEGの流用ですが、トーマス自体は今までのPush Alongシリーズに類を見ない、ERTLのような固定のロッドがついた、顔も金型も本編の形状にできるだけ近づけた造形になっています。まさかこの時代に、クラシックな見た目だけでなく、より本編に近づけた新規金型のトーマスのPush Alongが出るとは。と、驚いたその矢先…
*Push Alongとは: 現在も継続して米国や英国を中心にフィッシャー・プライスから販売されている、きかんしゃトーマスシリーズのダイキャスト製のおもちゃ。日本未発売。2002年にラーニング・カーブ社が発売したTake Alongが始まり。前後にマグネットの連結が可能で、プラスチック製のレールを備えた持ち運び可能なプレイセットが特徴。2006年に再設計され、よりリアルなデザインに。
2009年にはフィッシャー・プライス(マテル傘下)がトーマスのライセンスを取得したためにTake-n-Playシリーズとしてリニューアル。Take Alongのセットとの互換性がある、後継玩具として販売されました。
2016年になると、連結器の遊びを一新し、マグネットからプラレールのようなクリップ型になったAdventuresとして代わりに販売されました。これはわずか2年でTrack Master Push Alongに名称変更した上で、TrackMasterシリーズのレールを走行できる幅広いシャーシと、それらと接続できる連結器を持たせて遊びを統一。2020年にTrackMasterがMotorizedに完全に置き換わったあと、このシリーズはPush Alongとして名称を変更。2021年に『All Engines Go』シリーズが始まると、それまでのリアル調の玩具を段階的に廃止し、2024年まで番組に併せた商品展開になりました。なお、2024年にはさらにMetal Collectionという名称に変更されています。
●全く新しいハイクオリティのMotorizedシリーズ発売
なんと、今年3月1日から4日にかけて開催されたニューヨーク玩具見本市2025にて、新たなPush Along / Metal Collectionに加えて、新規金型のリアルなMotorized*シリーズが多数登場することが判明しました。
その時の様子。
Push Along同様、2021年から2024年まで最早プラレールと互換性のない大きさで、番組に併せたAEG仕様で続々と販売されていたMotorizedシリーズですが、なんと今年、第24シリーズ以前のクラシックなデザインで、それも2020年までの金型から一新したよりリアルな造形でリニューアルすることが決定。既に4月にはオーストラリアで発売されています。米国では6月に店頭に並ぶ模様。
初期ロットには、Greatest Moments(3両編成版)にトーマス、パーシー、ゴードン、ジェームス、ニアといったお馴染みの仲間に、フライング・スコッツマンも登場。単品にはなんとダックの姿も。新しいセットには鐘つきのヴィカーズタウン駅をモチーフにした「Load and Launch Barrel Delivery」が発売予定。トーマスのみお馴染みのトーキングシリーズも発売。声は誰になるんでしょうか。
これ、何がすごいかっていうと、例年ではニューヨーク玩具見本市で紹介されるトーマスの玩具は基本がMotorized (TrackMasterの後継)で、目玉となるプレイセットはその年にリリースされる長編作品をモチーフにしたものの場合が殆どなんです。今年はAEGの長編第4作がリリースされるというのに、悲しいことにそれを宣伝する玩具が発売されず、再販ではない、クラシックな見た目の新しい車両とセットが発売するということは、80周年記念だけでなく、今年の後半に何か待っているのではと思わず勘繰ってしまいます。
しかも、Motorizedでは珍しくランボードが白地に塗られているものもあれば、省略されがちなタンク機関車全員に窓があったり、キャラクターの顔も、貨車や客車もよりリアルに再現されているのが素晴らしいですよね。2014年から2020年までの非常にチープな見た目の印象から脱却しました。やればできるじゃん。
なお、大きさはAEGの仕様と同じくらいのようで、これらはプラレールと比べると一回り大きいため、連結器とレール以外の互換性はないと見ていいでしょう。
また、Push Along / Metal Collectionの新作として、先ほど紹介したマテル80周年ルビーコレクションだけでなく、新規金型の単品にはトーマス、ヘンリー、ジェームス、パーシーも発売予定とされ、レジナルド・C・ダルビーが描画した原作風のトーマス「Storybook Thomas」も出るようです。
*Motorizedとは: フィッシャー・プライスから現在も継続して販売されている、『きかんしゃトーマス』シリーズのプラスチック製の電動式のおもちゃ。日本未発売。元々はトミーが1998年に米国をはじめとした海外向けに製造したプラレール、Motor Road and Railでしたが、2007年にヒット・トイ・カンパニー社が製造ライセンスを奪ったがためにTrackMasterとして再始動。プラレールとの互換性はありながらも、実際の線路に寄せた独自の茶色いレールシステムと、プラレールにはないキャラクターや車両を数多く製造。2009年にヒット・トイ・カンパニーが倒産すると、フィッシャー・プライスがライセンスを取得。シリーズはそのままに、3DCGの番組に併せてキャラクターのデザインがアップデート。
2012年にヒット・エンターテインメント社からマテル社が権利を買収したことで、ヒットの基準に縛られる必要がなくなったため、2014年にシリーズは廃止され、TrackMaster Revolutionシリーズに置き換えられました。ここからはより安価な材料を使用し、各機関車に同じシャーシ金型を流用することで、品質が著しく低下する代わりにコスト効率の高い製品になりました。より速い速度での走行が可能となり、ソドー島らしい世界観から一変、急な坂道を上り下りするスタントアクションを重視したセットの他、レールシステムも一新。
2020年にはマテル社がスタントを重視するのをやめて伝統的な車両セットにすることを目指し始め、名称もMotorizedに変更。2021年から2024年にはそれまでのクラシック調を廃止し、『All Engines Go』シリーズの番組に併せて、カートゥーン風に再設計されました。
●『Train Sim World 5』とのコラボ
Dovetail Games開発の鉄道シミュレーション家庭用ゲームソフト『Train Sim World 5』の有料追加コンテンツに、『きかんしゃトーマス』とのコラボレーションした「Thomas & Friends Visit the West Somerset Railway」が3月20日より配信が開始されました。
リアルな英国をはじめとしたヨーロッパの鉄道車両やアメリカの鉄道車両を運転できる『Train Sim World 5』にトーマスと仲間たちが登場。このコラボは2024年12月に80周年記念のためとして発表されていました。現時点ではプレイステーション4、プレイステーション5、XboxシリーズX/S、Steam、Epic Gamesにてダウンロードが可能です。(日本語未対応)。
ゲームの世界観に合わせて、よりリアルに描写されたトーマスの他、プレイアブルにディーゼル、アニーとクララべルやいたずら貨車たちと20トンブレーキ車も登場。
ゲームは全部で10章の物語に沿ってトーマスとディーゼルをウェスト・サマセット鉄道で走らせるストーリーモードと、自由な場所を自由に運転できるフリーモードを遊ぶことができます。ストーリーモードには、第17シリーズから第21シリーズにかけてナレーションを務めたマーク・モラハンがナレーションとセリフをフルボイスで読んでくれます。フリーモードでは時刻表に沿ってトーマスたちを運転することもできます。
なお、トーマスとディーゼルは、このDLCパック以外の鉄道車両を牽引したり、逆に他の鉄道車両でアニーとクララべルやいたずら貨車を牽引することは不可能です。
私はいずれのプラットフォームも、対応OSも持っていないため、実際に遊んでいる様子を一部見せてもらったのですが、ストーリー性も、グラフィックもクオリティが高く、まるで本当にウェスト・サマセット鉄道(実在の鉄道)にやってきたかのようで素晴らしかったです。マーク・モラハンが昨年収録したことをBlueskyで呟いていたのはこのことだったんですね。最高のナレーターによる物語も最高です。
近いうちに対応OSのパソコンを購入し、このソフトとDLCパックも買うつもりですが、欲を言えば他のトーマスキャラクターたちも出てほしいなと見ていて思いました。売り上げ次第で是非検討していただきたい…!!
●アビ・グラントとポール・ラーソンのインタビュー公開か?
今年3月に脚本家アビ・グラントのホームページが大きく更新され、2024年のうちに彼女と同じく脚本家のポール・ラーソンとでトーマスの記念日インタビューを受けたことを明かしました。
アビ(アビゲイル)・グラントは第6シリーズ、第8シリーズ、そしてスピオンオフ作品『Jack and the Sodor Construction Company』シリーズのスクリプトエディター兼ヘッドライターを務め、第12シリーズまで脚本を書いた人物です。
トーマスの個別ページでは、模型期の作成・撮影を行なったシェパートン・スタジオの工作仲間たちとの思い出話に加えて、インタビューをしたことを明かしました。これはそのうち公式YouTubeか何かで公開されるのでしょうか?
また、ホームページのThomas Scrapbookでは、シェパートン・スタジオで作成された撮影用模型のルーラーフォト、リファレンスシート、ロバート・ゴールドガリアーズの描いたキャラクターの初期案や設定画のアーカイブを確認することができます。
●模型期の撮影用プロップなど207点がオークションに公式出品!?
5月8日、米プロップストアが、マテル社との提携で、80周年を記念して、オンライン限定チャリティオークションを開催することを発表しました。
プロップストアは、ロサンゼルスとロンドンに拠点を置き、1998年から現在にわたって、ハリウッドの名作の撮影で使用されたプロップ(小道具)の数々を多数出品しています。過去には『トップガン』でトム・クルーズが着用したジャケットや、『ハリー・ポッターと死の秘宝』2部作にてダニエル・ラドクリフが使用した杖や丸眼鏡などを出品しています。
今回のオークションの登録受付は5月8日に開始され、入札は2025年5月12日から5月28日までの間に行われます。入札最小金額は100ポンド(現在の日本円で約19,300円ほど)。集まったお金の約70%は、マテルUKから英国自閉症協会に寄付されます。この協会は自閉症の人々とその家族を支援、アドバイス等をする慈善団体です。
出品物の中には、主に第6シリーズから第12シリーズ及び『Jack and the Construction Company』に使われた撮影用車両プロップ、クローズアップ撮影に用いられる大型模型、自動車、船、貨車、人形、建物、小物、未使用を含むキャラクターの表情差分がほとんどですが、中には第3シリーズ以前のものもあります。模型期のみならず、第24シリーズ『じょおうへいかのきかんしゃ』の冒頭でサセックス公爵ヘンリー王子が手にしていた原作絵本風の小道具(日本語版ではカットされています)なんかも。地味に欲しい。
また、オークション用に新造された大型模型のトーマスや、クリストファー・オードリーのサイン入りCoolPropsのレプリカトーマス、オードリーファミリーのサイン入りRWSコンプリートブック、マーリン役を務めたヒュー・ボネヴィルのサイン入り2025年版Motorizedトーマス、マリオン役を務めたオリヴィア・コールマンと『探せ!! 謎の海賊船と失われた宝物』原語版限定でライアン役だったエディ・レッドメインのサイン入り80周年記念書籍など、ファン向けの品物も用意されています。
ファン向け以外はずっとマテルの倉庫に保管されていたであろう小道具ばかりですので、遂に日の目を浴びる日が来ることや、投資家やファンが公式で入手できるチャンスに喜ぶべきなのかもしれませんが、私個人としては出品物の中に、あまりにも貴重なプロップがあるがために、非常に複雑な気持ちです。
例えば、出品される乗り物キャラクターには、アーサー、ファーガス、マイティマック、ビリー、ハンク(2体目)、チャイニーズドラゴン、ロッキー、エリザベス、イザベラ、ケリー、バイロン、ネッド、ネルソン、パトリック、バスター、マージ、コリンがいます。
ハンクのように2体以上存在する車両プロップもありますが、アーサーや重機たち、コリンやビリーのように、この世に一つしかない物が殆どです。全て原作のキャラクターではないとはいえ、そんないとも簡単に手放していいものなのか…。
2022年に非公認でトビーの撮影用プロップが580万で落札されたこと(所持者不明)を考えると、ファンのみならず投資家も参加されるでしょうし、今回も150万~300万以上で落札される可能性があり、私みたいな一般人が偉そうにどうこうできる問題ではないので、どうにもならないのですが、せめてその価値がわかる人の元へ届くことを願うばかりです。イベント用に日本公式(ソニー・クリエイティブ・プロダクツ等)が買い取ってくれないかなぁ(投げやり)。
それはそうと、アーサー、ビリー、パトリックにも第12シリーズ制作用の顔のトラッキングマーカーが存在したという事実は興味深いですね。
●1983年に製作された『トーマスのちんぼつ』パイロット版が発掘・公開!?
およそ3年前、第15シリーズから第24シリーズにかけてプロデューサーを手がけたイアン・マキューが、ファンへの問い合わせメールにて、1983年に製作された『Down the Mine』のパイロット版*フィルムが発掘され、それを復元して80周年記念に公開すると約束しました。ファンの間では日に日に期待が高まり、中には私みたいに懐疑的な人もいましたが、なんとまさかの5月10日に復元した映像が公開となりました!
パイロット版について: 1979年、英国の放送作家のブリット・オールクロフトがブルーベル鉄道のドキュメンタリーを製作していた時、彼女自身が幼い頃に慣れ親しんだ『The Railway Series (汽車のえほん)』作者のウィルバート・オードリーと知り合いました。自分の作品を映像化することに否定的だったウィルバートをなんとか説得して、ブリットは『The Railway Series』の映像化の了承を得ます。
1980年、ブリットはそのテレビシリーズ製作権を取得。彼女は2年かけてアニメーターと出会い、セルアニメ等の表現方法を検討するが、ウィルバートが大の鉄道愛好家ということを考慮し、デヴィッド・ミットンのアイディアで実写のライブアクション・モデルアニメーションで製作することに決定します。
ITVからのオファーを受け、1983年4月3日には複数のネットワークに売り込むため、8巻『Gordon the Big Engine (おおきな機関車ゴードン)』から『Down the Mine (ちんぼつしたトーマス / トーマスのちんぼつ)』を原作に、35mmフィルムで撮影した低予算のパイロット版を制作。これは後に1984年に放送されたリメイク版『Down the Mine (あなにおちたトーマス)』とは別物で、ITVが映像化を承認した後に、トーマスとゴードンのプロップが作り直され、1から再撮影されました。
2025年までパイロット版は一般公開されませんでした。1983年4月3日にテスト上映された後、アメリカのプロデューサー、リック・シゲルコウに渡され、彼はそれを妻に見せ、幼稚園のクラスで上映しました。結果は好評で、彼は『シャイニングタイム・ステーション』が開始した後、番組の共同制作者になりました。リックはパイロット版と番組のマスターテープをマテル社に全て引き渡したため、2022年までマテルのアーカイブに保管されていました。
その時の映像の復元版が、公式YouTubeチャンネル等で無料で公開されています。発掘された映像は全て未使用テイクで、編集されたパイロット版はマテルのアーカイブでは見つからなかった模様です。一部の場面は適切な映像が残っておらず、リメイク版の映像が差し込まれている場面も存在します。
地味に4Kに対応しています。
2025年まで、このパイロット版のナレーションが元ビートルズのリンゴ・スターかどうかは定かではありませんでした。ブリット・オールクロフトがリンゴ・スターだと述べる傍ら、フィルムを所持していたリック・シゲルコウはリンゴではなかったと述べていました。が、実際にナレーションをパイロット版から担当していたことが今回で明らかになりました。その証拠に、原作にあってもTV版本編にはない、トーマスが同盟(alliance)を何度も言い間違える台詞が存在しています。そのほかにも細かな違いがありますね。
第1シリーズから第7シリーズにかけて、ジュニア・キャンベルと音楽を共同製作したマイク・オドネルは、インタビューでパイロット版で音楽を製作した覚えはないと語っていました。発掘されたオリジナルフィルムに音声が無かったのか、紛失したのかは不明ですが、音楽は復元する際にマイク・オドネルの新曲によって後付けされました。
これは、BBCのインタビューによると、イアン・マキューらのこだわりであるようで、誰でもいいから作曲家を呼ぶのではなく、雰囲気と音響効果に合わせて1984年当時に音楽を担当していた誰もが知るマイク・オドネルに依頼したそうです。マイクは喜んで依頼を引き受け、パイロット版用に新しく作曲しました。
また、インタビューにおいて、イアン・マキューは、シリーズが世界で知られていることに対して「日本では(知名度が)特に高い」と即答しています。
イベントや書籍化の依頼も多いでしょうし、何より日本で放送された際は3年契約での予定値をわずか10ヶ月で達成するほど爆売れし、英国、米国、日本の中で、日本が一番の売り上げだったと、当時のソニー・クリエイティブ・プロダクツのチーフプロデューサーであった岡田忠明さんが、昨年の"おとなのトーマスひろば"のトークショーにて語っていましたからね。
ほとんどのファンがそうだと思いますが、私自身も、生きている間にこの歴史的瞬間を目の当たりにできたことが嬉しいです。パイロット版のゴードンの顔がレジナルド・C・ダルビーが描画した作風に近しいことや、リメイク版には無かったダイナミックな演出を見られることも凄いですし、リメイク版と見比べて模型的なアングルからいかに実写風に見せられるかを検討したのかを考えられる資料性の高い映像としても楽しめますよね。
80年代の映像が4Kで復元されると、第1シリーズから第7シリーズまでの映像もそれで見たくなるところですが、残念ながらブリットとマテル関係者によると、時期は不明ですが第7シリーズ以前のフィルムは全て廃棄されたそうです。パイロット版が唯一の救いでしょうか…。
●ポッドキャスト『Thomas & Friends Storytime』が豪華ゲストで復活!
チャイリティオークションとパイロット版と同時に、ポッドキャスト『Thomas & Friends Storytime』シリーズの最新作が刊行記念日の5月12日に再開することが報じられました。
このポッドキャストシリーズは、2020年から配信が開始され、テレビシリーズから厳選した各エピソードを脚色したものや、『Thomas and the Beanstalk』などの童話や絵本を脚色したもの、そして完全にオリジナルの作品の読み聞かせ特集で、期間内の毎週火曜日に放送されていました。
テレビシリーズのエピソードの脚色はローナ・ハーディとジョン・ギルリーが脚本を手がけ、童話やオリジナルエピソードはイアン・マキューとデヴィッド・ストーテンが執筆。ナレーションはマーク・モラハン。
2020年に第1シリーズが配信され、2021年に第2シリーズも配信。2022年には『All Engines Go』をベースにテレビ版の脚色と、完全オリジナル作品に路線変更し、ナレーションをTV版第22シリーズから第24シリーズまでのレベッカを担当したレイチェル・ミラーに変更。
同年12月13日に最終回を迎えた後は音沙汰がなかったのですが、今回、80周年記念で復活。第4シリーズが新たに配信されることとなりました。
注目のナレーションには、なんとTV版第17シリーズから第23シリーズまでヘッドライターを務めた脚本家のアンドリュー・ブレナー、プロデューサーのイアン・マキューに加え、原作著者ウィルバート・オードリーの息子クリストファー・オードリー、娘のベロニカ・チェンバース、孫のマーク・チェンバース、そしてクレア・チェンバースなどが参加。
新シリーズが配信されるだけでも凄いのに、なんなんですかこの錚々たるメンツは…!?
クリストファー・オードリーをはじめとした牧師の家族の朗読聴けちゃうんですか!? どうなってんだ80周年!! すごすぎる…。
と、ここまでが2025年5月10日までに判明した80周年記念の本国での催しです。怒涛の情報量と、すごすぎるコンテンツの数々につい興奮してしまいます。本当に続々とクラシックコンテンツが復活しています…。
でも、日本国内の催し・行事もすごいんです。
【日本国内では】
●きかんしゃトーマス推しキャラ総選挙
2024年12月25日から2025年2月2日の期間内にオンライン上で、日本公式独自で"推しキャラ総選挙"なる投票を募集していました。1日に3体を選んで投票する形式で、期間内であれば1人につき何回でも投票が可能でした。投票ボタンにいないキャラクターは、その他に書き込むことで投票できました。
そして、その結果が3月に発表されました。
投票数は世界全体を含めてその数なんと111,890票。世界全体と日本単体で分けて1位から130位までのキャラクターが掲載されています。第3位までのキャラクターは特別な壁紙も用意されています。
世界全体では、第1位が絵本トーマス、2位にタンク機関車のオリバー、3位に模型期のトーマスがランクイン。
日本では、第1位がパーシー、第2位がトーマス、第3位はエドワードに輝きました。
日本の方は上位10位までは納得の結果ではあるのですが、世界全体の方でオリバーが2位に躍り出ていることや、6位にフライング・スコッツマンがいるのがすごいですよね。スマージャとか絶対ネタ枠でしょ…。
本当は開催期間中に各キャラクターについての詳しい紹介みたいなものを投稿したかったのですが、日本公式の杜撰なキャラクター紹介や(3日後に修正が入りましたが)キャラ選にショックを受けて諦めていました。
仮にランキング上位に選ばれたキャラクターが率先してプラレールなどの玩具化されたら嬉しいところですが、上位に輝かなかったキャラクターにもファンがいることを忘れないでいてほしいです。ぜるさんは満遍なくキャラクターに投票していましたが、毎日欠かさずウィフとブルーノに票を入れていました。ライアンが105位だったり、スクラフがランク外なのも納得いってないです(苦笑)
●ハッピーセットも80周年仕様
2025年1月17日から約4週間、日本マクドナルドから80周年記念仕様のハッピーセットが販売されました。昨年に続きおもちゃは全て『All Engines Go』のデザインで、カーリーとサンディーが新たに加わったほか、金のトーマスも登場して80周年を盛り上げました。
トーマスのハッピーセットは2015年4月3日から日本マクドナルドで始まり、以後も数年おきに知育おもちゃや塗り絵が発売され、今年で10年を迎えました。
今年はおもちゃのほか、マクドナルドのアプリから各おもちゃを読み取って、各キャラクターを主役にした2種類のゲームを遊ぶことができました。(現在は配信終了)
見た目の割に結構難易度高いんですよ。特に左。
さらに、公式Xでは、抽選50名に1,000円分相当の80周年記念デザインのマックカードが当たるキャンペーンも開催されました。
なんとぜるさんはこれを当てました。相変わらずトーマス運だけは強いですねぇ。デザインが可愛くて穴を開けるのが勿体無いので、家宝にしようと思います。
●汽車のえほん28巻『ジェームスとディーゼル機関車』発売
こちらは1月の記事でも述べましたが、3月に28巻『ジェームスとディーゼル機関車』が刊行されました。「いばりんぼ」、「どっちへいくの?」、「しょうぼう車のいろ」、「がちがちのこおり」の4話を収録。翻訳は前作から引き続き金原瑞人さんが担当。
長らく日本語での名称が不透明だったOld Stuck-Upは、"はなたかいばりんぼ"、The Works Dieselは、"しゅうり工場のディーゼル機関車"と、覚えやすくかつちょうどよく訳されていました。ドナルドの台詞にも注目です。
翻訳が難しい部分もしっかりとわかりやすく訳されていて、読みやすく、素晴らしい翻訳でした。興味がある方は、ぜひ購入してください。
それから、記念だなんだと言わず、今後も29巻から42巻まで継続して刊行を何卒よろしくお願いします…。全話公式の日本語訳で読みたいですし、より多くの日本人ファン(年齢問わず)にもクリストファー・オードリーの執筆した愛嬌のある物語や本にしか出ないキャラクターたちが知られてほしいです。
●原作絵本仕様のプラレールトーマス発売!?
前述の推しキャラ総選挙でも宣伝されていましたが、1月31日に公式オンラインショップのタカラトミーモールにて、レジナルド・C・ダルビーの描画した挿絵に基づいた「プラレール きかんしゃトーマス原作出版80周年 プラレールえほんトーマス」の発売が発表され、ファンの間で話題になりました。
これは3月15日に発売され、順次店頭に並んでいます。
『All Engines Go』の日本語吹き替え版が放送されてから、それまでのオリジナルシリーズのデザインの単品商品の生産はストップし、カートゥーン調なデザインでアクションに重点を置いた「GOGOトーマス」シリーズを展開してきたタカラトミーのプラレールですが、なんと80周年を記念して、オリジナルシリーズの金型を使って、2巻のあの挿絵のトーマスを忠実に再現した商品がこの時代に発売されました。
これのすごいのが、1992年からプラレールトーマスシリーズの製造を続けてきたトミー(現タカラトミー)史上初の原作モチーフの商品だということなんです。車体全体と顔は挿絵に基づいた仕様で、それに伴ってアニーとクララベルも4巻の挿絵をモチーフに見事に再現。なんといっても顔が可愛い!!
挿絵ではどうなっているのかよくわからない部分も、絵の具で描いたような優しいタッチを再現していて脱帽です。ただしシール処理なので日焼けに要注意。
少々お値段は張りますが、遊べるおもちゃとしても、コレクションとしても見逃せない特別なプラレールです。絵本に登場する仲間たちを紹介したミニブックレット付きと豪華なデザインのパッケージ付きで、購入する価値は大いにあると思います。現在オンラインでは在庫がなくなるほど人気ですが…
このほか、「トーマスとハロルドのパーティーコレクション」といった車両オールインワンセットも同日発売。セット特別仕様のピンク色の楽器運搬貨車には、絵本の挿絵から切り取ったキャラクターのシールが貼られています。
GOGOトーマスシリーズの新作も忘れてはいけません。4月からは「うたっておしゃべり! トーマス / パーシー / ディーゼル」が発売。GOGOシリーズ初のおしゃべりシリーズの車両単品です。それぞれ60種類の田中美海さん、越乃奏さん、山藤桃子さんのボイスでおしゃべりするだけでなく、番組本編の「一緒に引こう」や「パーシーの郵便配達」などの劇中歌と童謡が各キャラクター3曲ずつ収録。
英語(UK版)の音声も13種類種録。それぞれ英国の子役声優ショーン・ジェメット、オリバー・ミルチャード、ヘンリー・ハリソンの音声でおしゃべりするという豪華な仕様。
あまりにも良かったので全部買いました。ここまで来るとニアとカナも出てほしいのですが、最近単品が廃盤になったことを考えると望み薄なんですかね。主役の女の子キャラ人気ないのかな…。
トーマストミカにも新作が3月に登場。「ともだちと貨車がいっぱい連結セット」では、2D仕様のトーマストミカに加えて、本編を忠実に再現したアニーとクララベル、いたずら貨車たち、木材運搬貨車とタンク車がセットになっています。
●カプセルプラレールも80周年に力を入れている模様!
タカラトミーアーツが販売するお馴染みのガチャガチャ、カプセルプラレールも、80周年を記念したテーマ商品が続々登場します。1月の弾は、第16シリーズ『シマシマのゴードン』をテーマにした「しましまのゴードン編」が発売。
劇中通り、バッファビームを壊してしまい、ディーゼル機関車用の物を取り付けられたゴードンだけでなく、第5シリーズから登場しながらも2024年まで製品化されなかった双子のディーゼル機関車ハリーとバートも初登場! さらに、デンのバッファビームの色も本編通りのオレンジ色に修正されて再販しています。
3月には、2D仕様のトーマスの弾として、クレーン車のカーリーと、モーターカーのサンディーが新たに加わった「カーリーとサンディー編」が発売。2台ともクレーンのアームなどを動かすことができます。カーリーは特に可動域が広く、遊びの幅が広がります。この2台だけでなく、大大大冒険クラブのメンバー全員がラインナップされているで、前回取り逃した人も安心です。
5月にはどんな弾が出るのでしょう。既に某通販サイトでは7月までの情報が出回っていますが、このブログではあえて取り扱わないことにします。
楽しみに待ちましょう!
そうそう、ガチャガチャといえば、株式会社Qualiaから「きかんしゃトーマス 変顔マスコット2」も店頭に並んでいます。
「呆れ顔トーマス」、「うわのそらトーマス」、「困ったトーマス」、「驚き! トーマス」、「キョトンとトーマス」の5種類がラインナップ入り。
第1弾も思いましたが、私はこのトーマスの表情差分を変顔と認識したことはないのですが、令和のこの時代に模型初期の表情差分がリアルに再現されたマスコットが出るのって凄くないですか? 実際に回して、手に取って感動しました…。
●今年の映画は2本立て!?
昨年11月の記事でも紹介しましたが、2025年3月28日に、80周年記念作品として映画『ぼくのたいせつなともだち』が劇場公開されました。これは、2D第1シリーズ(通算第25シリーズ)のうち日本で放送されなかった6つの短編エピソードを日本公式独自に編集した短編集の映画でした。大大大冒険クラブの5台の機関車たちがそれぞれ活躍することと、チームワークなどの教訓を重視した内容で選ばれたようです。本編開始後には、原作が出版することになった経緯がトーマスから紹介されるところから始まるという特別な物でした。
そしてさらに、映画本編終了後には、80周年記念第2弾として、今冬にもう1本映画を上映する告知がありました。一体どんな物語なのかは、実際に映画を観て、公式からの続報を待ちましょう!
●舞台裏に踏み込んだ「きかんしゃトーマスの世界展」開催!
1月下旬、トーマスのマスターライセンスを保有するソニー・クリエイティブプロダクツは、きかんしゃトーマスの世界を楽しめる展覧会「きかんしゃトーマスの世界展 〜はたらく機関車たちのおはなし〜」の開催のプレスリリースを発表しました。2月13日にその詳細を発表。
展示内容は周年記念の原画展と思いきや、ウィルバート・オードリーと画家レジナルド・C・ダルビーの手掛けた1巻と2巻、クリストファー・オードリーと画家クライブ・スポングの手がけた27巻、28巻、35巻の原画(複製)の展示だけでなく、それらを形作った貴重品の展示や英国各地の保存鉄道の紹介のほか、テレビシリーズの舞台裏にも踏み込んで、設定画や第5シリーズのコンセプトアート、台本、マードックやボコをはじめとしたテレビシリーズの変革を代表する撮影用の車両プロップ、3DCGに登場するキャラクターの初期案やオルソグラフィック、マガジンストーリーの線画などを一挙に大公開という、今までにない特別な展覧会です。デジタルアートとコラボレーションした体験型展示作品や、フォトスポットも。
特別企画として、幼い頃から『きかんしゃトーマス』が大好きで、俳優やアーティストとしても活躍されている板垣李光人さんが応援サポーターに就任。本展のために板垣さんが描き下ろしたトーマスとレディーのイラストの展示や、音声ガイドを聞くことができます。
3月15日から5月6日まで京都鉄道博物館で開催し、その後全国巡回予定とのことです。次の開催は7月5日から9月15日の間、高知県立文学館で行われる予定のようです。新潟にも来てくれないかな…。
あまりにも気になったことと、前回のように新潟に来る保証がないので、思い切って京都に足を運んで見に行ってきました。後日詳しくレポートを書くつもりですが、これだけは書かせてください。なんとそこには、ぜるさんの最推しである、ウィフが、実際に第11シリーズと第12シリーズの撮影で使われた本物のウィフのプロップがそこにいたんです!!! 未使用の困った顔と一緒に!! 思わず本当に涙ぐんでしまいました。
しかもこの模型が展示されているコーナーは撮影可能エリアなんです(※原画が並ぶレンガ模様のエリアが撮影禁止でした)。人生でこんな幸せなことがあるんだ…
他にも撮影用プロップはまだまだあります。およそ40年前に作成されたボコや、マードック、モリー、ヘンリーとクロスビー駅、トーマスタウン新三郷からトーマスとパーシーのジャックスケールのプロップ、原鉄道模型博物館からハロルド、レニアス、ピーター・サムとそのほか貨車、英国のドレイトンマナーからクラス40(ディーゼル261)、ハンクも展示。
3DCGの資料では、『トーマスのはじめて物語』に登場した緑のトーマス、黒いジェームス、グリン、ジュディとジェローム、『伝説の英雄』のヒロ、『おいでよ! 未来の発明ショー』のケンジの初期デザイン案等も展示。ブルーマウンテン採石場の設定画や、第19シリーズ制作時のソドー島の地図にも注目したい。
中には動画もあり、70枚にも及ぶ第5シリーズのコンセプトアートのほか、約7分の『トーマスのはじめて物型』のストーリーボードを完成品と併せて紹介する動画や、360度回転するオルソグラフィックスではトーマス、パーシー、エドワード、ゴードン、バーティー、ハロルド、ウィフ、サー・ハンデル、メイビス、ピーター・サム、ヒロ、トップハム・ハット卿を見ることができます。
なんだこのぜるさん得な展示は…。真面目に新潟にも来てほしい…。通い詰めたい…。
思わず自我が強く出てしまうくらい素晴らしい展示の数々でした。お近くの方は是非足を運んで見てください。情報量に圧倒されます。
また、京都鉄道博物館の9周年記念日から、QRコードを読み取って自分の顔写真を3位まで最も似ているトーマスたちのキャラクターで診断してくれる、「きかんしゃトーマス顔診断」という特別企画も始まりました。
ぜるさんも笑顔、真顔、高校時代の写真を使って3回ほどやってみた結果、1位にそれぞれロージー、レディー、ナタリーと全て女の子のキャラクターが出ました。ひょっとしてぜるさんて可愛い!?
他の開催地にもあるかわかりませんが、面白いので是非やってみてください。
●大井川鐵道トーマス号がついにパーシーと再会!
静岡県の動態保存鉄道、大井川鐵道を走るきかんしゃトーマス号。本物の蒸気機関車にトーマスたちを模して走らせるイベントDAY OUT WITH THOMASの日本版として、2014年から毎年期間限定で大井川本線を運行しているきかんしゃトーマス号。
当初はトーマスとジェームスが運行して千頭駅にいるヒロと並ぶという物でしたが、年々キャラクターが増えていきました。2015年にはパーシーとラスティーが、2016年にはいたずら貨車といじわる貨車の展示やバスのバーティーの運行が開始。2018年にはウィンストンのアトラクションが増え、2019年にフリンが登場。2020年には静岡駅から新金谷駅まで2階建てバスのバルジーが運行を開始し、2021年ではトーマスが緑色で運行されたり、2022年にはトビー号が井川線を運行、2024年にはニアのロコトレインが新金谷の会場を走るといった具合に、毎年なんらかの変化と追加があり、社長が変わった今でも、子どもたちやファンを楽しませるために勢力を続けています。
しかし、2022年9月24日に発生した台風15号での土砂災害の影響により、運行区画が新金谷駅から家山駅までに縮小(昨年度は川根温泉笹間渡駅まで拡張)し、長らく千頭駅のパーシーやヒロに会うことが叶いませんでしたが、なんと今年、パーシーが家山駅へ移動してきたことにより、数年ぶりにトーマス号と再会することが可能となりました。
今年トーマス号に乗車すれば、家山駅でこの並びを見ることができるそうです。80周年記念に間に合わせるためだったのでしょうか。やはり親友が並ぶと映えますね。尽力した大井川鐵道の運営の方々に感謝です。
●おとなのトーマスひろば2開催
今年4月26日と27日にかけて、ホビーセンターカトー東京にて「おとなのトーマスひろば2」が開催されました。
おとなのトーマスひろばは、昨年から開催された公式絡みの展示・販売イベントで、模型期を中心としたテーマに、実力派のファンの方々が制作したNゲージ、OOゲージ、一番ゲージなどの作品展示や、保存鉄道の紹介など、ファンミーティングと販売を目的としたものです。「おとなの」とあるようにノスタルジーを感じさせる展示ですが、老若男女問わず子どもも、もちろん楽しむことができます。
27日には昨年同様トークショーも開催され、『機関車トーマスと英国鉄道遺産』の著者・秋山岳志さんと、元ソニー・クリエイティブプロダクツのチーフプロデューサー岡田忠明さんが登壇されました。
秋山さんは書籍に沿ってウィルバート・オードリーの出生や絵本が誕生するまでの話、保存鉄道の紹介が中心で、岡田さんは『きかんしゃトーマス』の舞台裏として、作品の権利を得てからの売り上げのお話と、バンダイ玩具(しゅっぱつしんこうシリーズ、トーマスエンジンコレクションシリーズ)製品の話を中心に熱く語り、場を盛り上げました。中でも特にSD(スーパーデフォルメ)トーマスの企画の話は興味深かったですね。
ファンの制作した模型やジオラマも本当に素晴らしく、細部までじっくりみさせていただきました。当日、話しかけてくださった方々にも感謝です。
●KATOからNゲージのデュークが9月発売予定!
同じく「おとなのトーマスひろば2」での情報ですが、なんとKATOからOO9スケールのデュークが発売されることが決定しました。担当者によると、9月発売を予定しているとのことです。
カトーではBachmann Trainsのトーマスの模型シリーズを取り扱っており、昨年にはトーマス専用の顔交換パーツが販売されたりしましたが、『きかんしゃトーマス』に登場するキャラクターの製品を制作・発売するのは今回が初めてです。
昨年、カトーがPECO社とのコラボレーションで、デュークのモデルになった実在の機関車であるスモール・イングランドのOO9スケール模型を製造・販売できて、その金型のままでデュークを作ることをソニーから許諾を得て実現したそうです。
金型流用の関係でテンダーはデュークに比べて小ぶりになりますが、Bachmannのスカーロイたちと公式に並べられる日が近々来るので要注目です。なお、今後、新規金型でキャラクターを作ったり、元あるD51からヒロを制作するのは制約が厳しく、実現することはないだろうとのことでした。
その他にも、トーマス専用の新たな顔パーツが2種類と、模型期をモチーフにしたトップハム・ハット卿と、エドワードの整備士の人形も販売されます。これらは今年8月発売を予定しているとのことでした。
●京都鉄道博物館にトーマス再び!?
動態と静態を含む、蒸気機関車から新幹線まで幅広く54両を収蔵する、今年で9周年を迎えた京都鉄道博物館の扇形庫エリアに、80周年を記念して、トーマスが再びソドー島からやってきます。
https://www.kyotorailwaymuseum.jp/pdf/thomas2025-2.pdf (リンク先pdf注意)
2022年の75周年の原画展に併せて、京都鉄道博物館にやってきたトーマスが、「きかんしゃトーマスの世界展」に併せて3年ぶりに再び登場。
登場期間は2025年4月29日から2026年1月12日と、かなり長めです。期間内には、転車台に乗ったりしながら、約15分のおしゃべりをすることも。
私も「世界展」のために京都に訪問中、偶然トーマスに会うことができました。3年前は京都に行けなかったので、見ることができて嬉しかったです。走ることはありませんが、目が動くんですよ。
他にも、niko and...等のアパレルショップのコラボレーションなど、充実した企画がてんこ盛りです。今回紹介するのはここまで…。情報量がすごくてまとめるのが大変でした。
【2026年はどうなる...?】
ここまでは80周年記念の様々な催し物やグッズ類をざっと紹介してきましたが、2026年以降のトーマスのコンテンツがどうなるかも気になるところですよね。
番組としては、日本ではAll Engines Goの第2シリーズの続きが放送中ですが、本国では最後に制作された第4シリーズ(通算第28シリーズ)が放送され、国によっては放送が完了しているところもあります。
2022年にはそのAll Engines Goの第3シリーズと第4シリーズとそれに伴う長編2作の制作が決定しましたが、その後の制作続行のゴーサインは出ていないばかりか、番組全体を制作するネルバナ・スタジオ(コーラス・エンターテインメント傘下)は倒産寸前で、2024年7月に人員とコスト削減のため大幅に解雇した上で、長期的な開発活動を一時停止するまで追い込まれています。
さらに脚本家のダニエル・シェアストロムによると、脚本の依頼が来ないだけでなく、番組の主要メンバーであった脚本家のクレイグ・カーライルと、クリエイターディレクターのモニカ・デニスがマテルを退職しており、2025年4月現在にて契約更新の可能性はほぼゼロであると考えられています。
このままコンテンツが無く潰れていくのだろうか… と、不安になった矢先に、5月9日のbuisnesswireの記事から一筋の光が差し込みました。
最後の文に、こうあります。(直訳)
"ー興奮はまだ続きます! 2026年のThomas & Friendsは、新旧ファンを魅了する、スリリングな新たな旅へと出発します!"
詳細には分かりませんが、これは、All Engines Goに次ぐ、新たなコンテンツの構築と、新番組を示唆するものと考えられます。
All Engines Goシリーズの存続は絶望的(日本ではまだ続きそう)になりますが、コンテンツがまだまだ続くのは嬉しい知らせです。しかも「新旧ファンを魅了する」という一文が気になりますね。先述のMotorizedとMetal Collectionの新作の発売もありましたし、これはひょっとすると、期待していいのでしょうか…?
これは私の推測になりますが、BWBA、AEGに次ぐ第4のリブートになることでしょう。表現方法としては、3DCGは安上がりと思いきや、TV番組用に作成するとかなり高価になるそうです。『PUI PUI モルカー』や、鉄道を舞台にした新たなモデルアニメーション制作など、近年では3DCGが盛んであった業界に比べて、元々人気なストップモーションやモデルアニメーションが世界で受け入れられやすくなってきたと感じますが、また一から模型を作るとなると、3DCGと同じくらいのコストがかかり、どちらも現実的ではない気がします。
また、3DCG期でCGIモデルを制作するにあたって資料としていたクラシックシリーズの撮影用プロップの数々がオークションに出品にかけられ、そのうち車両プロップの多くが3DCG期で継続して登場しなかったキャラクターであることから、クラシックの物語に戻る、あるいは第24シリーズの精神的続編ではなく、『The Railway Series』を原作としたまた新たな解釈のコンテンツになるのではないかと予想しています。
詳細については今年の10月あたりに再びbuisnesswireから続報が来そうな気がします。またお知らせすることがありましたら、(忙しくなければ)今度こそすばやくお届けするつもりです。
では。
※この記事に添付したスクリーンショットの著作権は全てMattel, Inc.に帰属します。
*1:AEG第4シリーズ内で建設された場所。