※この記事にはネタバレが含まれています。
また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。
AEG S4 E07 『Don't Train on My Parade』
脚本: サム・ビソネット
監督: キャンべル・ブライアー
内容: トーマスは春のパレードに使う山車を配達中に壊してしまい、作り直そうとする。
【このエピソードについて】
タイトルの元ネタは間違いなく1964年のミュージカル『ファニー・ガール』の曲「Don't Rain on My Parade」でしょうね。きっと今回も曲名とは関係のない物語なのでしょうけれど。あらすじからはいつもの我慢できないトーマスの回なのかなぁという印象を抱いていますが… とにかく見ていきましょう。
はい、いつものAEGトーマスのエピソードでした。
春祭りのパレードということで、2021年に英国と米国等の公式YouTubeチャンネルで投稿された『The Sodor Springtime Parade』シリーズを思い出しますね。日本では『オールスター☆パレード』として映画公開された物です。今回はイースターの物語ではなく、本物のウサギは出てきませんでしたが、少なくとも画面はとても華やかです。
物語では、せっかちなトーマスが、山車を運びながらパーシーとの競争に勝とうと近道を使います。ウサギのトピアリーがトンネルに引っかかるところまで見て、オリジナル第22シリーズ『ちゅうごくのすいしゃ』を連想させて嫌な予感がしましたが、幸いにもエピソードの大半を暴走で浪費した該当の回とは異なり、早くに海に落ちて決着がつきます。
この物語の道徳は、「何度でもやり直せる」という重要な教訓です。諦めないことにも似ていますが、パレードをきちんと行うために、壊れたトピアリーに花を飾ってみたり、農場で低木を積んでみたりと様々な努力や工夫をするお話となっています。
ただ、これってAEGの中で何度もやってることなんですよね。『ニアのおおきなふうせん』とか、『Calliope Crack-Up』とかetc ...。そういう意味では新鮮味はありませんが、今期から初めて見る若い視聴者向けに改めて行う必要があるということなんでしょうか。少なくとも前期『What's the Buzz?』での経験は生きていました。
挿入歌「Spring Start」は、その教訓を春の訪れと掛けて歌われる、トーマスとパーシーのアップテンポなデュオソングです。
曲自体は良いと思います。ただ、奇数回に必ず挿入歌を入れなければならない制約のせいかエンディングが性急に感じました。特に、歌でキャラクターの心情や価値観が変わるのは良いのですが、それまでできていなかったことがしれっと行われるのが気に入りません。山車のトピアリーを完全に戻すことは諦めていたのに、何しれっと戻せているんですか?! できるじゃん!! これまでの努力が無駄に感じてしまいます。
とはいえ、最後のパレードの場面でトーマスが運んだ山車のアイディアは素晴らしかったと思います。春と自然を感じられ、歓声からは少し感動さえ覚えました。
テレンス(今期本当に出番多いですね?!)の役割も良かったです。今期全体を通して彼がきちんとマッコール農場で働いている姿が見られたことと、そこで飼育されている動物の赤ちゃんたちとも仲良くしているのが見られて嬉しいです。
【チェックポイント】
トップハム・ハット卿の帽子コレクションの中でも、贈呈された物を除いて、ここまで思い切ったアレンジは初めて見た気がします。
トーマスが暴走する山車を追いかける場面での、パーシーの台詞「We going to need some chase music」にはちょっと笑いました。
またしれっとアニーとクララベルを牽いたことのあるキャラクターが増えましたね。
全体的な面白さ:☆☆
遊び心:☆☆
キャラクター:☆☆
BGMの良さ:☆☆☆
アニメーション:☆☆☆
独創性:☆
道徳:☆☆☆
【最終的な感想】
アニメーションと美術はいつも通り素晴らしいですが、それ以外には特に語ることはありません。いつも通りの平凡な「何度でもやり直せる」エピソードでした。
総合評価: 3/10
【AEG第4シリーズ総合評価】
1 Sheep Stampede 7/10
2 The Berry Best 6/10
3 Creepy Crawly Courage 8/10
4 Windmill Woes 5/10
5 Quacking Quandary 7/10
6 The Stinking Delivery 6/10
7 Don't Train on My Parade 3/10