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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

Thomas & Friends: All Engines Go 第4シリーズ第4話レビュー

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

AEG S4 E04 『Windmill Woes』

脚本: ブレント・ピアスコスキー

監督: キャンべル・ブライアー

内容: トーマスとパーシーとディーゼルは、風車を誤って壊した後、ゴードンにそれぞれ違う話を伝える。

 

【このエピソードについて】

 これも予告編でいくつかの場面が流れていましたね。ゴードンが真実を突き止められるかどうかみたいなあらすじなので、『クレーンしっそうじけん』や『Bells Are Ringing』と同じ、"視聴者が過程をわかっている上で行われる推理モノ"になると予想しているファンが多かったのですが、ちょっと違うんじゃないかと思っています。

確かにこの2つとも、推理ものっぽい雰囲気を出しながら、キャラクターが推理して当てるのを答えがわかっている視聴者がただただ眺めているだけのもので、主役キャラクターの相互作用を抜きにしたら本当につまらない物なんですよね。だから期待できないのは理解できます。

でも、今回はゴードンが主役の推理物というよりは、ゴードンが3台の話をまとめて、道徳を伝えるような話になると予想しています。では、予想が合っているかどうか、見ていきましょう。

 

©︎Mattel

 うーん、コメントに困るエピソードがきましたね。少なくとも予想は合っていました。推理もの、探偵ものというよりは、ゴードンが教育者としての立場で話を聞いてあげるお話です。AEGのゴードンの良いところは、変に叱責するのではなく、きちんと言い分を聞いて、解決に導こうとすることですよね。良い親の例です。

 今回の物語は、全体を通して、オリジナル第8シリーズ〜第11シリーズまで英国・米国版等のDVDにおまけとして収録されているラーニング・セグメンツ(子ども向け学習用のミニコーナー)、あるいはAEGのショートアニメ『きかんしゃがっこう』シリーズに似ているものだと思いました。

『みんなあつまれ! しゅっぱつしんこう』で幕間に挟まるクイズコーナーを見たことはありますか? もしそれが好きな人がいたら申し訳ないのですが、今回のエピソードを視聴している間は、あれを見ている虚無感に近い感じでした。

 

©︎Mattel

 やりたいこと自体はわかります。子どもたち側は経緯を思い返して、何が実際にあったのか真相を簡潔にまとめて、協力し合って、責任を持つ。大人のゴードン側は話を聞いてあげて、必要に応じて尋ねて、パズルのピースを組むように真相へ導く。そうすれば物事の解決が早まります。

私も、揉め事の仲裁に入る時や、子どもたちの相手をする際、今回のゴードンのような感じで立ち回っています。

 物語の前半では、それぞれ違うことを話すパーシー、ディーゼル、トーマスの回想シーンと共に、それぞれが経緯を語ります。この話みたいに、問題が起きた瞬間は頭が真っ白になって直前に起きたことを忘れがちですよね。特にそれが子どもだと叱られるのを避けるための自己防衛で、思わず自分の都合の良いように考えちゃったりとか。特にディーゼルの回想(虚言)には思わず笑いました

 

©︎Mattel

 物語自体はそれほど悪くありません。キャラクターが脚本に左右されず動いているように見えるし、道徳自体も良いと思います。

ただ、そういった回想シーンでのギャグや冒頭の競争以外に面白く工夫されている場面がほぼないので、退屈で虚無なんです。物語の後半はゴードンも協力して、ハロルドやカーリーとサンディーにも手伝ってもらってみんなで"協力して"風車を直すのですが、これもまあいつものメンバーですし、緊急時の対応用に装備を身につけたトーマスとディーゼルを除けば、何か新しい相互作用や展開が生まれるとかはなく、ただ平凡に展開して平凡に終わります。

 言い争わないで協力して責任を全うするというのがこの物語のミソなんですけど、物事が淡々と進むせいで、私にはちょっと弱く見えました。

 

 

【チェックポイント】

©︎Mattel

 未だエドワードとヘンリーが言葉を話したり、名前を呼ばれることはありませんが、ゴードンが2台に対して挨拶し彼らもゴードンの方を見て汽笛で答える場面があります。なんだかようやく再びキャラクターとして確立してきた感じがしますよね。この原作1巻を彩った3台が仲良さそうなのを見られて嬉しい。

しかし、こんな場面で喜んでしまうくらい、彼らはいつも空気なのでなんとかしてほしいと願いつつも、恐らく今期も喋ることはないんだろうなぁと思っています…。今までは期待していましたが、現在はそうでもありません。

 

©︎Mattel

 緩衝器が手のように動くアニメーションは下手な二次創作みたいで好きではないのですが、ある意味で緩衝材として機能してるのはちょっと面白いですね。

 

全体的な面白さ:☆

遊び心:☆☆

キャラクター:☆☆

BGMの良さ:☆☆☆

アニメーション:☆☆

独創性:☆☆

道徳:☆☆

 

【最終的な感想】

 良いエピソードはとことん評価したいですし、悪いエピソードはどこが悪くてどんな改善点が必要かを言えるのですが、こうやって平凡に始まって平凡に解決して平凡に終わられると、ものすごくコメントに困りますね。無論向こうもこんな大人のコメントは一切求めていないでしょうけれど。

ゴードンの論仕方や、3台がそれぞれ関係性を都合の良い解釈をしていた場面が面白くて好きですが、それ以外は特に改善点が思いつかないほど平凡でした。『きかんしゃがっこう』が面白くないわけではありませんが、ほぼそのロングバージョンです。

 

総合評価: 5/10

 

 

【AEG第4シリーズ総合評価】

1 Sheep Stampede 7/10

2 The Berry Best 6/10

3 Creepy Crawly Courage 8/10

4 Windmill Woes 5/10

 

 

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