Z-KEN's Waste Dump

喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

Thomas & Friends: All Engines Go 第1シリーズ第20話レビュー

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

f:id:zeluigi_k:20211221144632j:plain

AEG S1 E20 『Overnight Stop』『パーシー はじめてのキャンプ』

監督: キャンベル・ブライアー

脚本: ニキ・リットン

内容: パーシーは、トーマスとニアと一緒にメインランドへの配達で機関庫から離れて夜を過ごすことに不安を感じる。

 

【このエピソードについて】

 飛ばし飛ばしでレビューを書いているので、このブログでAEGのパーシーが主役のエピソードを紹介するのはこれが初めてですかね。

とはいえ、これ以前のパーシーがメインキャストで登場する話はどれも親友のトーマスとセットでした。第3話『ひみつのスパイ ナンバー・ワン』は巻き込まれる形で参加し、第9話『Percy's Lucky Bell』は彼の幸運のベルを題材にトーマスが主役を担っていたし、12話、14話、17話はトーマスと一緒に教訓を学んでいます。そうなると、安心を与える役割でそばにトーマスとニアが付いていますが、道徳を一人で学ぶといった面では、これが初めての2D版パーシーの単体主役ということになるのかもしれません。

 

f:id:zeluigi_k:20211221145050j:plain

©︎Mattel

 この話では、臆病で何事にも慎重かつ用意周到なパーシーが、冒険好きのトーマスとニアと一緒にゴードンに代わって配達するために、遠く離れたメインランドに赴き暗い森の中で一夜を過ごすお話です。

ん、ちょっと待って、いい意味で話が違うぞ。確か事前情報ではAEGのソドー島と英国本土は切り離されているはずでは!?

あれから終点として頻繁に出てくるお馴染みのヴィカーズタウン駅よりもさらに遠くの場所へ行くために設定を戻したのでしょうか。後で触れますが、ご丁寧にあのヴィカーズタウン橋まで登場しています。

 

f:id:zeluigi_k:20211221144913j:plain

©︎Mattel

 設定はさておき、私は子供の頃、このパーシーと同じように心配性で、キャンプ地など馴染みのない場所では私物がないと落ち着いて眠ることができませんでした。いつも愛用している幸運のベルのほか、この物語に出てくるナイトランプ、車輪磨き、扇風機などのパーシーの私物は、漫画『ピーナッツ』のライナス・ヴァン・ペルトの安心毛布に近いものです。(大人になってからはスマホと耳栓がないと落ち着けません 笑)。

その意味ではかなり共感できる部分があり、実際の一部の未就学児も共感できると思います。同じ状況になった時にその場にあるもので解決するヒントを得られるかもしれません。逆に、パーシーと共通点を持たない人は、彼のような友達や自分の子供を理解して、トーマスとニアのように落ち着かせるヒントを得られるのではないでしょうか。どちらかというとこの物語の本質は後者にあると私は考えています。

 

f:id:zeluigi_k:20211221145317j:plain

©︎Mattel

 物語として正直にどうかと問われたら、平凡だと思います。従来のシリーズを観た古参のファンからすると、パーシーは前に何度も本土を訪れているとツッコミを入れる人がいるかもしれません。私はAEGを監督の意図通りに別物のシリーズと捉えているので、それを抜きにすると、森の中で線路から離れ、キャンプファイアを囲んで歌ったり星を眺める辺りで、大半の未就学児向け作品と大差がない話だと思いました。

誤解しないでいただきたいのは、これは決して悪いエピソードではなく、設定を除けば、まあありがちだよねぐらいのレベルの話です。

 

f:id:zeluigi_k:20211221145833j:plain

©︎Mattel

 彼らの配達の目的地は、本土のウェイランドという地域です。この地名を選んだ理由として、リック・サヴァルは「自分の故郷の名前であり、とても遠くにあるように思えたから」と語っています(リンク)。彼が指しているのはアメリカ合衆国マサチューセッツ州に位置するウェイランドという町のことです。AEGのソドー島はこれまで語ったようにスカンクが居たり、砂漠やジャングルなどのバイオームが存在するなど極端にアメリカナイズされているので、当初はアメリカに近い島を想定していたのかもしれません。

しかし、偶然かどうかはわかりませんが、英国のノーフォークにもウェイランドという町が実在します。実際には鉄道駅は存在しませんが、これを踏まえるとトーマスシリーズでも上手く機能します。ちなみにソドー島からウェイランド近郊に行くには片道およそ7時間の鉄道の旅が必要だそうです。彼らは小さなタンク機関車なので仮に昼から出たとして2日かかるのも頷けるかも?

 

 そういえばこの子達どうやって動いているんだろう。水をくむところは確認できるけど、今のところ(40話時点)給炭シーンはないんですよね。環境保護のためでしょうか。それとも現代の若者が蒸気機関車に馴染みがないから?

 

 

【チェックポイント】

f:id:zeluigi_k:20211221144645j:plain

©︎Mattel

 今回で初めてAEGのティドマス機関庫の内装を確認することができます。従来の吹き抜けと異なり、各機関車ごとにお部屋のように仕切られていることが明らかになりました。部屋の壁にはキャラらしい物が飾ってあります。

まず、パーシーの部屋は、一番上のスクリーンショットを確認すればわかりやすいです。仲間達の集合写真、親友のツーショット写真、青空の写真が飾られているほか、彼の安心グッズとして幸運のベル、ペナント、扇風機、潤滑油、車輪のブラシ、緑のナイトランプが設置。

トーマスの部屋は、ペナント、親友のツーショット写真、ゴードンや、彼が尊敬するケンジ、ヒロ、そして前回のウルトラトレインのブロマイドが飾られています。ネジやナットなど予備部品があったり、柱には虹色の飾りがかかっています。

ニアの部屋は、ペナント、トーマスと牧場でのツーショット写真、観葉多肉植物、キリンが描かれたキルト(?)、ペンキ缶があります。柱と柱の間に彼女が好きな8部音符型の飾りがかかっています。

 カナとディーゼルの仕切は第33話『A Light Delivery』でより明確に見ることができます。この時点では、カナのところには桜か梅の木のようなものを模したエムブレムや、ーマスとカナのツーショット写真が。ディーゼルには"お気に入り"のオイル缶を確認。

 キャラクターごといろんな飾りがあって、この場面を見ているだけで楽しいです。大人機関車用の機関庫はリック・サヴァルによるとナップフォードにあるようですが、そこもこんな感じなのかな。観たい。いつか出るかな。

 

f:id:zeluigi_k:20211221144719j:plain

©︎Mattel

 よく見ると機関庫の扉の上の照明(?)もキャラクターごとに違うんですね。

 

f:id:zeluigi_k:20211221145102j:plain

©︎Mattel

 事前に知らされていた情報では、「ソドー島は元々英国の沖合にありましたが、それはストーリーの一部じゃなく重要ではありませんこの島は地域から切り離されていて、ー」と、ブライアー監督に言われていたので、本土どころか接続するヴィカーズタウン橋が2D期でも継続して登場するとは夢にも思っていませんでした。しかもCG期に忠実な再現度の高さ。ぶっちゃけこれが出てくるまで総合レビューでやんわりと反論する気満々でした。

ちなみにAEGのDVDに同梱されているAEGのソドー島地図では、橋の先のメインランドは英国本土となっています。結局繋がっているんかーい!! (安心した)。

なお、公開後の話では、ソドーが国から独立しているとのことでした*1

 

 

全体的な面白さ:☆☆

遊び心:☆☆

キャラクター:☆☆

BGMの良さ:☆☆

アニメーション:☆☆

独創性:☆

道徳:☆☆

 

【最終的な感想】

 設定のこととなるとついつい注目してしまいます。長文となってしまいましたが、私が物語について話せることはただそれだけです。評価はこれまでの個別レビューで最も低いですが、これ自体に価値がないわけではありません。

次回のレビューは2つ飛んで23話になります。

 

総合評価: 5/10

※この記事に添付したスクリーンショット著作権は全てMattel, Inc.に帰属します。