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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

Thomas & Friends: All Engines Go 第1シリーズ第50話レビュー

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

AEG S1 E50 『A New View for Thomas』『トーマスのあたらしいけしき』

監督: キャンベル・ブライアー

脚本: ジャヤ・ラムダス

内容: トーマスはハロルドを運ぶうち、自分が機関車である素晴らしさを改めて実感する。

 

【このエピソードについて】

©︎Mattel

 トーマスが鉄道の上でハロルドを運ぶというと、直近(と言っても9年前ですが)のS17『トーマスりゅうでいこう』を連想しますよね。くだんのエピソードは鉄道上とハロルドという制約の中で言い争いをするトーマスとダックの物語でした。今回のスクリーンショットを見た際にそれとか、スピンオフ『Percy Helps Out』や、S10『トーマスとスカーロイのえんそく』などの焼き直しなのではないかと思っていた自分がいました。

 

©︎Mattel

 そうですね。これは『トーマスりゅうでいこう』のありそうでなかった話という感じがしました。とはいえ、従来のヘリコプターのハロルドでは大きすぎて屋根付きの駅や鉱山の中に入ることは当然不可能だし、バスは可能でも50トンの機関車を吊り上げようとすれば墜落する可能性が高いです。なので、ありそうでなかったというより、絶対にできなかったというのが言葉選びとして適切かもしれません。日本公式web劇『サラリーマントーマス』の広告*1に使われたキャッチコピーを引用すれば、別の次元で実行を移せたことに感謝しています。

 

©︎Mattel

 トーマスとハロルドがどちらの景色が素晴らしいかについて口論するとか、遠足に夢中になりすぎて脱線事故を起こしてしまうとかではなく、運ばれているハロルド自身も彼の特徴を活かし、トーマスと協力して道を切り開くのが本作の特徴です。トーマスのおかげでハロルドが有意義に地上の景色、例えば山の中のトンネルや、水たまり、クリスタルの洞窟の中など上くんでは体験できないことを満喫しているだけでも十分に楽しさがあります。ここでは、AEGによくありがちな大袈裟で馬鹿げたギミックはなく、物語にしっかりと焦点を当てていて、集中して観ることが出来ました。

 ストーリーは非常にシンプルです。ただ、一つ気になることがあります。出口が塞がれてしまったとき、もう一方の入り口から戻って出られて、助けを求めることが可能なのではないかと考えてしまいます。入口の方も塞ぐ一幕を入れてもよかったのではないかなと。あとは、岩を退かす様子がどう見ても"機関車のやり方"ではないことだけツッコミを入れたいです。(笑)

 

©︎Mattel

 シンプルなストーリー性に加えて、見返りがあることで物語を気持ちよく終わらせているところが最も好きです。トーマスがハロルドの案内で空を飛ぶという描写は、普段はリアル思考の自分ですが、どこかで、何らかの形で見てみたいと思っていたことがありました。別次元だから成せることです。

 

©︎Mattel

 ハロルドのテールローターが(劇中では"リアローター"と呼ばれていますが)物語の中でピックアップされるのはフランチャイズ全体においても、記憶が正しければおそらく初めてのことですよね。テールローターのみの回転で推進するかどうかはさておいて、そういう面でも斬新でした。

 

 

【チェックポイント】

©︎Mattel

 AEGのハロルドがよく使う無線用語「Wilco」の説明があります。これ自体アメリカ口調ですが。UK版ではどうなっているのかな。トーマスが「Wilco」で答え、ハロルドも機関車達の口調を真似をして「Toot-ally awsome!」*2と発言するのがエモかったですね。

 

©︎Mattel

 アニメーションはAEG S1で最も優れていると言っても過言ではないでしょう。ハロルドが飛び回る様子は、2Dとは思えないほど立体的によく動き、彼のかっこよさをより際立たせています。カメラワークも素晴らしいし、鉱山の中のダイナミックな動きにも注目です。

 

 

全体的な面白さ:☆☆☆

遊び心:☆☆☆

キャラクター:☆☆

BGMの良さ:☆☆☆

アニメーション:AMAZING

独創性:☆☆☆

道徳:☆☆

 

【最終的な感想】

 完璧ではないけれど、かなり純粋に楽しめたお気に入りの作品です。フランチャイズの中で見てみたかった光景をAEGならではの作風で見られたこと自体嬉しかったですし、構成とアニメーションが良いので引き込まれました。エモい。

 

総合評価: 9/10

※この記事に添付したスクリーンショット著作権は全てMattel, Inc.に帰属します。

*1:2:57~

*2:AEGシリーズのみのキャッチフレーズです。