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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

Thomas & Friends: All Engines Go 第1シリーズ第34話レビュー

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

AEG S1 E34 『The Paint Problem』『かわくまでまてない』

監督: キャンベル・ブライアー

脚本: アンディ・ヤーキズ

内容: 星空を眺めたいトーマスは再塗装が必要になり乾くまで我慢しなくてはならない。

 

【このエピソードについて】

©︎Mattel

 最初に視聴したときはやや退屈に感じましたが、2回目以降、それが思ったより悪くないことに気がつきました。何故なら、世界を悩ませた感染症COVID-19との関連性があるからです。

このエピソードでは車体のキズから起こりうる錆や、施されたばかりの塗装が、人間で言う風邪や無症状の感染症に等しいことが描写されています。興味深い設定ですし、見ようによっては時事ネタですよね。たとえ表面では無症状でも自分の容体が落ち着くまではお家で待たなくてはならないという状況。自分は大丈夫だと思っていても、自分の身が持たなくなるかもしれないし、あるいは出会った人に移してしまうかもしれない。それを鉄の車体と錆で巧みに表現されています。

私も目前のことに我慢のできない子ども… うーん、いや、今もですね。…ですので、この回のトーマスにはかなり共感しました。

 

©︎Mattel

 こういうとき頼りになるのがサンディー。このAEG第1シリーズにおいてトップクラスに良いキャラクターをしているのが、私の中ではゴードンとディーゼルの両方だと思っているのですが、サンディーもお気に入りのキャラクターの一つなんです。他の彼女の主役回では、年頃の活発な子どもと同じように泥遊びや冒険に出かけたりおバカな遊びも行ったりするのですが、いつもはっちゃけてるわけではなく、修理のことになると誰よりも大人っぽくなるのが良いですよね。多分普段から賢いのだと思います。難しく考えすぎる癖もその頭の良さからきているのでしょう。

細かい作業を強いられるからというのもあるのでしょうけれど、我慢ができないトーマスに強くストップをかける役割がサンディーであることを私はとても気に入っています。修理屋としても信用できるし、上述の通り彼女の面白さの一つですから。

 

©︎Mattel

 最初に退屈と感じた理由はトーマスが何度もペンキが乾かないまま機関庫から飛び出そうとするからです。この繰り返しはもどかしいですが、よく考えてみれば、その要因は機関庫での待機からほとんど絵面が変わらないだけであって、シャロン・ミラーとサム・バーロウ時代と違って無意味なものではなく遊びたがりで育ち盛りの子供の心理に共通するものでした。というかこの手のエピソードでそれ以外に面白くさせる工夫を探るのは難しいですよね。

しかし、この繰り返しによって、より面白いと感じたのは、望遠鏡と流星群を見たいことには変わりないものの、トーマスが徐々に理解して成長していることです。何度も機関庫から飛び出しては失敗しますが、その失敗も同じではなく、ゴードンの車輪を汚して以降は、みんなを汚さないように避けていたり、最終的には身を持って学びましたね。

 

©︎Mattel

 乾くまで耐えれば普段通りに機関庫から出られる例にパーシーも待機するのも良かったですが、パーシーのダンスに関してはトーマスを楽しませるためとはいえそれ以外になさすぎて工夫の無い時間稼ぎのように見えました

 

©︎Mattel

 このエピソードの最大のポイントは道徳とサンディーのキャラクター性だけでなく、温かみがあることだと思います。ここでもゴードンはギャグの面でも教育者の面でも最高のキャラクターでした。特にラストシーンではゴードンだけでなく他の仲間たちも最高であることが示唆されていて、あまりこういう表現を気軽に使いたくは無いのですが、それでも心が温まり、泣きそうになりました。心に残るグッドエンドです。

 

【チェックポイント】

©︎Mattel

 トーマスと同じ色であるにもかかわらず、車輪が汚れて神経質になるゴードンが面白かったです。身だしなみに気を遣うのはAEGでも共通しているようです。

 

 

全体的な面白さ:☆☆

遊び心:☆☆

キャラクター:☆☆☆

BGMの良さ:☆☆

アニメーション:☆☆

独創性:☆☆

道徳:GREAT

 

【最終的な感想】

 たまには友達から離れる時も必要。特に風邪などで外に出られないときは。そんなメッセージと最後のゴードンのプレゼントがとても素敵でした。絵面はかなり地味ですが、気に入っているエピソードの一つです。

 

総合評価: 8/10

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