※この記事にはネタバレが含まれています。
また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。
AEG S2 E15 『Good as New』『まるで、しんぴんみたい』
監督: キャンベル・ブライアー
脚本: スーザン・キム
内容: トーマスは相棒のボクシーが老朽化で壊れたことに気づいてどうにか直そうとする。
【このエピソードについて】
せっかく予算が降りて冬のエピソードを作れるようになったのに、第17話の雪かきのお話の間に春あるいは夏のエピソードが挟まるのはちょっと変じゃないですかね。第2シリーズの冬エピはこの3つで終わりなのでしょうか。まあ来年の冬にクリスマスの魔法を題材にした映画第3弾が控えているのでそれを待つとして、このエピソードを楽しみましょう。
トーマスのイマジナリーフレンド、ボクシーが扱われるのは3回目ですね。いつかは来ると思っていたボクシーの老朽化。初登場の時点で"運命の宝玉"と同じくらいボロボロでしたからね。そもそもメンテナンス・ヤードにどうして佇んでいたのかはわかりませんが。ともかくボクシーにまた会えて嬉しいです。今後もちょくちょく出番があるのかな。
ウィフに発明家という特徴を与えたおかげで彼を扱える話の幅が広がったような気がします。もちろんオリジナルのウィフも「臭いけど頑張り屋」以上の性格がありましたけどね。今回は臭い発明以外の、発明家としての思考に焦点を当てています。大人枠で、子ども機関車の面倒を見るキャラクターがゴードンだけでない可能性を見出せたのは喜ばしいことですね。当初の予定ではちびっこたちに教訓を与える役はゴードンだけだったようですが、より幅広くキャラクターの相互作用を見せることで作品の幅が広がります。いつかエドワードも長老ポジションとして絡む日が来ると良いなあ。
それにしてもやっぱりレッジの良いところもウィフに組み合わせちゃってますね。スクラップに喜ぶところなんてまさにそれじゃないですか。廃棄物を宝物と認めるのが島で唯一とまで言われているし、レッジは二度と出てこなさそうで、複雑な気持ち。
「失敗は成功のもと」が今回のテーマです。「失敗から学ぶ」をテーマにした『カーリーのすごいマグネット』と非常に似ていますが、自分のスキルを磨くというよりかは、「古いものを役に立つものに変える」というオリジナルシリーズの定番のテーマと、DIYに挑戦し続ける努力を結びつけている、少し趣向の異なるものですね。自分にとって大切な"相棒"を作り直すことをウィフの発明品と絡めていることが大きなポイント。"The Vroom 3000"や、"Vacuuminator 5000"といった彼の発明品みたく何度も作り直しても時々暴走する事があるように、作り続けることは常にトライ・アンド・エラー。ここで語られるウィフの秘伝は、ものづくりだけでなく、人生のさまざまなことに共通するものです。それはもちろん全年齢に関係があります。
挿入歌「Good as New」はボクシーをみんなで作り替える時のラグタイム風の曲。歌詞は特別ではないですが、陽気な感じでキャッチーで覚えやすいですね。
ただ、解決策を探すためとはいえ、物語全体のテンポはあまり良くなく、歌とオチは唐突に訪れたように見えました。カーリーとサンディーが島一番の修理屋である事を考えると、元通りに作り直すより、新しく作り替えることへ気づくのに、時間がかかりすぎな気もしますけど。
新しく生まれ変わったボクシーは、他の有蓋貨車と殆ど同じ見た目ですが、中にスクラップを入れるための磁石を設けたことで、秀でた特徴が追加されましたね。個人的にはこれを完全再現したボクシーのおもちゃが欲しいところです。
いや、トーマスみたいに自分で作るか。
【チェックポイント】
トーマスにとっては100万台の新車より良いと思っているのが尊いですね。イマジナリーフレンドだけど。
時系列は不明ですが、パーシーが掃除機を苦手としている理由はここなのかなと思ったり。"Vacuuminator 5000"がラッキーベルを吸い込んでいますがその後取り出せたのでしょうか。個人的にはそのまま吸い込んでもらってても構わないけど…(笑)
全体的な面白さ:☆☆
遊び心:☆☆☆
キャラクター:☆☆☆
BGMの良さ:☆☆
アニメーション:☆☆
独創性:☆
道徳:☆☆☆
【最終的な感想】
他の未就学児番組で見覚えがある展開ですが、それがトーマスでもうまい具合にフィットしていると思います。クランキーやウィフなどのキャラクター活用も良かったし、ボクシーが題材なのも嬉しいです。
総合評価: 7/10