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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

きかんしゃトーマス 第24シリーズレビュー第8回

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

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S24 E 『Emily to the Rescue』

脚本: ベッキー・オーバートン

内容: 非常訓練で機関車たちが我先にと奮闘する中、エミリーは冷静に行動する。

テーマ: 落ち着いて明確に考える

 

【高評価点】

・エミリーの新しい性格が活きている。

・ゴードンとニアの扱い方。

 

【低評価点】

・物語には動機となる描写が存在しない。

・アームを上げたまま走行するロッキー。

 

 

 

【このエピソードについて】

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©Mattel

 珍しく今期の2度目の主役回を持つエミリーですが、エミリー主役が前提というより、物語のある段階の中で偶然にも主役となった、そんな感じの回でした。

 私は5月にこのエピソードを視聴した時、ハラハラするようなアクションが多かった事と、反復的なエピソードで無かった事でとても愉しみましたが、ハッピーエンドが用意されているにもかかわらず、何らかのモヤモヤが残りました。他の方のレビューを流し見した時に、そのモヤモヤの正体が明確に浮かび上がりました。

もしロッキーが動いたら橋がその後どうなるかとか、3台の脱線の意味とか、その辺ではなく、エミリーの動機が序盤の段階で何も描かれていない事でした。いつものようにトップハム・ハット卿が特定の任務をスチーム・チームに与えるところから始まり、エミリーがパーシーに追い越されるまで描かれるのは点検と日常的な光景のみで、特にエミリーが番号を欲しがったり、島で一番安全な機関車を目指そうとするといった心理的言動ないし行動を取らなかったため、2回目にエンディングを見た時にとても平凡に感じました。それがあれば、もっと強力なプロットになったかもしれません。

 そこまでのキャラクター同士の掛け合いや、事故、ハラハラな展開は、嫌な言い方をすると、不十分で平坦な構成のプロットをどれだけ面白く見せられるかに集中していただけのように見えます。

しかし、3台の機関車の事故は、傲慢さと自信によるもので、「落ち着いて明確に考えて行動する」という教訓をより強固にさせる働きがありました

 …そもそも非常訓練をスチーム・チームの7台で行った理由って何なんでしょう。

 

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©Mattel

 「Meet the Steam Team」シリーズのエミリーの動画で紹介されたように、いつも安全に気を配ったり、明晰に考えられるという、S7とS8~16までの性格の良い部分がミックスされたような新しい肉付けが活きています。S23『Rangers of the Rails』でもその描写はありましたが、今回はもっとわかりやすく、そしてプロットに意味がありました。

 全体的にスチーム・チームのキャラクターは良い方向で活かされていたように感じます。レベッカは少しわかりませんが…。非常サイレンが鳴っても、急行列車の責任を果たすために無視するゴードンも良かったです。

 

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©Mattel

 ニアの扱い方も良かったと思います。責を果たすために進んでロッキーを運びに行こうとするも、自分よりも速いレベッカに役目を譲るのは良い友達と言えます。

 

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©Mattel

 エンディングでは、エミリーが「安全な機関車(Safety engine)」として新たに定着しました。『Thomas' Fuzzy Friend』にてその布石と思えるような描写がありましたね。制作チームがエミリーに注目を集めるために何らかの努力をしようとしている頑張りが垣間見えますが、正直まだ少し弱い気もします。レスキューセンターの近場に居る時は進んでロッキーを持ってくるという感じでしょうか。はて、ロッキーを運びに行けない時は…? また別のエピソードをやるのでしょうか。

 そして初登場から17年間番号が無かったエミリーに「12」という番号が付けられました。今まで「12」が付く機関車が存在しなかったのは、いつか与えるこの時のために残しておいたのでしょうか。

 プロットの内容はともかくとして、これまで何の説明も無く設定が新たに追加されることが多かったので、エミリーの番号が与えられたことを説明するエピソードが設けられて嬉しいです。『KOTR』からブレンダム港にポイントが追加されたり、『TAB』ではナップフォード駅に大規模な操車場が追加され、第21シリーズはロージーがオーバーホールを受け、第23シリーズからはスチーム・チームにリベットが追加されるなどしましたが、いずれも何の説明もありませんでした*1

 ただ、まあ、そんなことより、フォントがこの上なくだせぇ。。。

 

 

【チェックポイント】

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©Mattel

 アルバートがナップフォード駅の作業員として働く姿が見られて嬉しいです。このまま定着してくれるといいなぁ。

 

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©Mattel

 ジェームスは傲慢な性格が活かされつつも、ギャグ担当としてユーモアのある出番があって面白かったです。オーバートンは以前にS22『あやまってよジェームス』で全力で誇張する酷い描き方をしましたが、今回のように自信過剰でちょっぴりお茶目な台詞を見るに、良い傾向になってきたと思います。

 

 

全体的な面白さ:☆☆

鉄道らしさ:☆

キャラ活用:☆☆☆

BGMの良さ:☆☆

アニメーション:☆

道徳教育面:☆☆

 

【最終的な感想】

 『Thomas' Fuzzy Friend』も同様でしたが、ベッキー・オーバートン執筆回にしては珍しく敵役のキャラクターが存在しないんですよね。対立無しでも健全な物語が書けるという点で『Thomas' Fuzzy Friend』を評価しましたが、今回の話は序盤に何もなさ過ぎて、「ふーん、良かったね」以上の感想が出てきませんでした。すみません。

 さて、安全な機関車として新たに生まれ変わったエミリーが今後も活躍するエピソードは来るのでしょうか。

 

総合評価: 5/10

※この記事に添付したスクリーンショット著作権は全てマテル社に帰属します。

*1:ロージーの件は、オーバーホールを受けるエピソードが制作時間の都合上お蔵入りになったと考えられます。