※この記事にはネタバレが含まれています。
また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。
AEG S1 E45 『Pop A Wheelie』『ディーゼルとしゃりん』
監督: ショーン・ジェフリー
脚本: スーザン・キム
内容: ディーゼルはトーマスと競走して車輪が外れ大事な配達物を危険にさらしてしまう。
【このエピソードについて】
…わあお。
これは私が見たAEGの中で、最も当たり障りなく記憶に残らないものです。
第一に、AEG S1において、同じ憧れと目標を持つトーマスとディーゼルが、お互いに出し抜こうと競走したのちチームワークを発揮する回が多過ぎます。第1話『トーマスのやくそく』も記憶に残らない脚本でしたが、それがAEGトーマスの第一印象だったので、これよりは残っています。『いえをはこぶほうほう』や、『A Light Delivery』は積荷と展開、そして道徳のおかげで記憶に残りやすいです。『ほんとうのいちばん』はよりメッセージ性が強いです。そして今回は、ディーゼルの車輪が外れてトーマスの車輪と交換するという特徴を持つにもかかわらず、教訓が全面に押され過ぎていて、説教くさく、物語を退屈にさせています。
教訓は、一人よりも二人(Two is Better Than One)。重要ではあるものの使い古されたネタであり、すでにそのヒントが序盤のカーリーとサンディーで描かれています。元々チームワークを焦点にしたシリーズですし。
第二に、ゴードンの代わりを受け持つことから始まる話も多過ぎます。第1話もそうだったし、第2話『トーマスロケット』もそうだし、うーん、数え出すとキリがありません。連結器が壊れたわけじゃないのがまだ救いでした。
それで、今回の物語は『トーマスのやくそく』バージョン2.0のように見えてしまうのです。
いたずら貨車の2両が準主役級のキャラとして登場し、それぞれについていることで、安全に運ぶことを忘れさせます。ライバルの2台を鼓舞する役割は視聴者側を熱くさせる利点があり、スローペースで進む『トーマスのやくそく』に比べてスピード感があり迫力が増しているように感じますが、それでも二番煎じの域を出ない上、序盤でカーリーとサンディーのチームワークに触れたことで展開が簡単に予測できてしまいます。
挿入歌「Together We Can」はタイトルの通り、"Two is Better Than One"的な教訓を繰り返し歌われる曲です。曲調はポップ・フォークで特徴的なのですが、この曲が収録されたアルバムを購入して聴いたときに、「新曲だ」と、勘違いしてしまうくらいに、このエピソードが自分の記憶から外れていて驚きました。決して悪い曲・エピソードではないのだけど、1シーズンの中でネタ被りが多すぎるのも考えものですね。
でも、結局2台で運ぶのなら、そもそも車輪を交換する必要がないのですが…。トーマスのひらめきに感化されて、なら… 尊いものがありますね。
【チェックポイント】
いたずら貨車がお叱りを受けるのもフランチャイズ的には珍しいですね。
ゴードンにですが。
一体、何の足しになる賭けなんだ? (笑)
全体的な面白さ:☆
遊び心:☆☆
キャラクター:☆☆
BGMの良さ:☆☆☆
アニメーション:☆☆
独創性:☆
道徳:☆
【最終的な感想】
チームワークの持って行き方は『トーマスのやくそく』より自然に見え、テンポが良かったのですが、同じような問題を抱えており、結局はどちらも無意味で当たり障りのない回という印象です。レビューするまでこの回の存在を忘れていました。
総合評価: 3/10