※この記事にはネタバレが含まれています。
また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。
AEG S1 E21 『The Joke is on Thomas』『じょうだんで わらおう』
監督: ジェイソン・グロー
脚本: ブライアン・スウェンリン
内容: ディーゼルを驚かせようとしたトーマスとパーシーの計画は失敗に終わるが、彼らが期待した形ではなかったが元気付けることに成功する。
【このエピソードについて】
この物語の教訓は中盤辺りのトーマスの発言からするに「冗談を言うのには適切と不適切なタイミングがある」を焦点に当てているのだと思います。それ自体は良い道徳ですし、全年齢に関係のあるものです。しかし、この物語には2つの問題点があります。1つは、トーマスとパーシーが適切なタイミングがどこかに気づいていないこと、もう1つは、最終的にディーゼルが大量の紙吹雪の貨車が混同していたことを面白がることでパッとしないことです。しかも終わり方が唐突すぎて全然教訓が活きてる感じが全然しないし。
前半は挿入歌「Get on the Laugh Track」で時間を費やしています。陽気なラグタイム風の曲です。歌詞はユニークだし、テンポと曲調が良く人気の高い曲ですが、ゴードンに鼓舞されたばかりのディーゼルが、割と真面目に仕事について考えている状況を考えると、ディーゼルを応援したくなる身で見ている分には非常に不快感が残ります。この空気が読めないヤンチャ小僧どもめ。
それにしてもYouTube公式で配信されてる方のこの曲、歌と音楽がズレてるのどうにかならないですかね。
そしてなんとオチに至るまで特に中身はないんですよね。前半は歌と共にディーゼルを元気づけようと時間を費やしていて、後半ではオチまでの過程でチェイスシーンに時間を費やすため、トーマスが解決できていない部分を理解するまでの尺が残されておらず、結果としてプロットを無意味にしています。
あと、ディーゼルが間違えて引っ張った貨車がでっかい爆発を起こすにしても、出てくるのは結局紙吹雪なので分かりきってるわけじゃないですか。なんの緊張感も生まれないし、彼らが慌てる理由が「またディーゼルが失敗でもしたら怒られるのは…」とかだったらまだしも、大袈裟じゃないかと思ってしまいます。紙吹雪と伝えず単に「爆発する」とだけ伝えていたら、多少の緊迫感はあったかもしれませんが。
そういうわけで、全体的に混乱するほど無意味です。このエピソードは、上述の「冗談を言うタイミング」の道徳に特化したものと、手違いで間違った貨車を配達をしてしまうものとで2つに分けた方がより上手くいくのではないかと思いました。後者を危険物と勘違いするとか。
【チェックポイント】
第20話に続いてゴードンのモノマネ上手いよね。それに対して寛大なゴードンもまたいい。もう親子じゃん、こんなん。
誰がどういう目的で敷いた線路なんですかね。スカーロイ鉄道のインクライン的な?
全体的な面白さ:☆
遊び心:☆☆
キャラクター:☆
BGMの良さ:☆☆☆
アニメーション:☆☆
独創性:☆☆
道徳:☆
【最終的な感想】
☆の数的には、アクションやチェイス、そして楽しい歌があるため遊び心があり退屈しません。しかし、物語の進行度合いとペーシングが、伝えようとしていると思しき道徳を台無しにしており、全く腑に落ちないエピソードだったなと、以下の低い点数になります。それに冗談自体も(少なくとも原語版は)大して面白くもなくて物語にも無関係なんですよね。
総合評価: -2/10