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喋りたがりの きかんしゃトーマスオタクによる雑記

Thomas & Friends: All Engines Go 第2シリーズ第3話レビュー

※この記事にはネタバレが含まれています。

また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

 

 

 

AEG S2 E03 『Ashima's Amazing Arrival』『アシマがソドーとうにやってきた』

監督: ショーン・ジェフリー

脚本: ニキ・リットン

内容: ソドー島にアシマが来る前に、トーマスたちは歓迎するために特別なことをしようとするが…。

 

【このエピソードについて】

 最初にアシマがAEGに登場すると知ったのは、記憶が正しければ、2022年のちょうど今ぐらいの時期に行われたロンドンでのイベントだったと思います。その頃はまだ彼女の登場を確信できる状態ではなかった時で、進行役の人が2D版アシマのプラカードを掲げている動画がネットに上げられていたのを見ました。最初はコラージュかと思いましたがなんと本物だったのです。まあヨンバオが出たなら他の国際機関車が出ても不思議ではないのですけどね。

それから何ヶ月か後に公開されたAEG 第2シリーズの予告編で、カートゥーンで動くアシマを見て、このお話がとても気になりました。しかし、そのあらすじを確認した時、少し不安になってしまいました。何故って?

 

©︎Mattel

 はい、私の不安が的中しました。これは、AEG S1第39話『おもいでをおくろう』と内容がほぼほぼ一緒なんです。該当の回は、ヨンバオがソドー島から中国へ帰るとき、彼の思い出に残る記念碑を探そうとちびっこ機関車たちが奮闘するも、ことごとく失敗に終わるという内容でした。ヨンバオをアシマに、送別会を歓迎会に、記念碑を特別な飾りつけ、送る歌をダンスミュージックに書き変えると、概ねこの物語になるんです。メッセージ性は若干異なりますが、国際キャラクターを用いている時点で、第一印象としては同じようにしか見えません。キミたちそれ前に学んだことと同じだよね?

 

©︎Mattel

 内容が被ってさえいなければ、この回のメッセージは普通に良いです。友達は歓迎の場ではなくあなた自身に会いに来ているのだと。ダンスのステップを正しく覚えるよりも、ごちゃごちゃの港を綺麗にするよりも、会うことを特別に喜んでいたら相手も特別に歓迎される気分になる。これは大人も子どもも全年齢に関係があるものですね。偉い人が来るのだったら話は別ですが、何事も伝える気持ちが最優先です。

ただ、これがアニーとクララベルだけでなく、クランキー、そしてアシマ本人にまで3回も言われると、ぶっちゃけ説教くさくてくどいのですけど。

 あとAEG S1に引き続き、「Train-tastic」という造語*1はなるべく使わず挑んでいただきたいですね。アイデンティティ被せはよろしくないと思う。

 

©︎Mattel

 にもかかわらず、最も好きな瞬間は、クランキーの行動でした。カーリーとサンディーが善意で港をきれいにしようとしているのに、クランキーは片付けたものを元に戻してしまう。最初はその理由を話さないので、視聴者目線でトーマスたちに肩入れしている人にとっては、どうして彼はこんなにだらしなくて意地悪をするのだろうと思わせるところを、トーマスがアニーとクララベルから教えを得た直後にその理由が判明するところが好きです。

確かにトーマスの計画に賛同して片付けられていたら完璧だったかもしれませんが、貨物は仕事の一部なので、彼の言うように、決まった場所におかなくてはならないんですね。ぷいと顔を背けるのが可愛い。

アニメーションも全体的に感情豊かで良いですね。リスがペンキ缶をい避けるところや、アニーとクララベルが喋っている間に後ろでクランキーが動いているのも何気にすごい。

 

©︎Mattel

 トーマスの計画は結構むちゃくちゃです。パーシーに歓迎会のためにインド風にトラを用意しようと依頼するのですが、まあここで一線を越えなかったのは良かったですね。動物園の動物は図書館の本ではないと。

カナが落としたペンキは… どう落とし前つけるのかなあ。

 

©︎Mattel

 アシマの出番は残りの約3分とタイトルの割に非常に短いですが、あらすじと展開を考えれば予測できることです。今回は歓迎会だったので次の出番に期待しましょう。

 挿入歌「Welcome to Sodor」はその歓迎で披露される楽曲。インド風(公式YouTubeによるとボリウッド映画風)のアップテンポな音楽とキャッチーな歌詞が楽しい曲です。歌詞全体はなんてことない単調なものですけど、伝える気持ちが大事ということなのかも。

 

 そういえば、前回の記事で一部の子役が成長期を迎えて交代したと思われるとお話ししましたが、トーマス役のミーシャ・コントレラスもこの辺から著しく低くなったようで、第2シリーズ全体を通して、時々違和感があるほどピッチを上げて子どもっぽい声に加工されているのが気になります。主人公の声優はそう簡単に変えられないのかもしれませんね。ピッチを変えなくてはならないほどトーマスに合わない高さなのだとしても、加工された声が気になってどうも集中できません。ミーシャくんの声好きなので…。

 

 

【チェックポイント】

©︎Mattel

 2D版のアシマも、ヨンバオに劣らずCG期からの再現度が高くてあまり大差を感じないですね。AEGでは珍しく上部の車輪(ラックレールと噛み合わせるピニオンを回すためにあるやつ)にピストンと連結棒が存在します。国際キャラ優待(ヒロとケンジを除く)。

声優はUS版がカナダ系インド人のディヤ・キチツリ(読み方これで合ってるか自信ない)、UK版が英国系インド人のサンディープ・ガーシャ。両方ともネイティブだし、アシマのキャラクター性にぴったりの声で安心です。前者は未成年の声優らしいのですがアシマは大人なのか子どもなのか、どっち想定なんでしょうね。大きいから大人か?

 そういえば、原語版ではAshimaの発音が「アッシーマ」から「アーシャマー」に変わりましたね。実は後者の方がインド人の名前として正しい発音なんですよね。「アッシーマ」に慣れた人には違和感があるかもしれませんが、発音の修正はとても良いことだと思います。

 このエピソードではあまりアシマについて紹介されていないので、次の出番に期待しましょう。CG期の薄っぺらいキャラクター性が魅力的なものに描かれていることを祈ります

 

©︎Mattel

 ご存知の通り、スカンクは英国には生息していません。でも一応、環境的には生きられるんですかね。ソドー島ならではの動物とされることにものすごい違和感はありますけど…。

 

 

全体的な面白さ:☆

遊び心:☆☆

キャラクター:☆☆

BGMの良さ:☆☆☆

アニメーション:☆☆☆

独創性:☆

道徳:☆☆

 

【最終的な感想】

 『おもいでをおくろう』の完成度がそれなりに高かっただけに、二番煎じでなければ、もっと良い評価をつけたかもしれません。個人的にはかなり期待外れで、ヨンバオの話よりずっと説教くさいですが、アニメーションやメッセージ自体は良いので観る価値は十分にあります。

 

総合評価: 3/10

※この記事に添付したスクリーンショット著作権は全てMattel, Inc.に帰属します。

*1:チャギントン』で頻繁に使われるキャッチフレーズ