※この記事にはネタバレが含まれています。
また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。
AEG S2 E8 『Carly's Screechy Squeak』『ギーギーモンスター カーリー』
監督: キャンベル・ブライアー
脚本: ジョン・ロイ
内容: カーリーがひどい音を出すようになり、サンディーは彼女を喜ばせようとオイル缶を改造したロボットを作る。
【このエピソードについて】
ぐええ、軋み音の音量を下げるか別の物に変えてくれ!!
サブタイトル通り、カーリーから出るひどい軋み音が鳴り響くところに着目した題材ですので、物語全体を通してキーキー音の連続なのが苦痛です。同様の理由でS21『クランキーのさいなん』が苦手でした。リアルな音はいいけど、不快な音までリアルにしないで、S13『ガタガタクランキー』みたいな音にしてほしい。自閉症の子どもを気にかけているようでつくづく配慮のないコンテンツだ。
ともかく物語の話をしましょう。サブタイトルはカーリーですが、主人公はどちらかといえばサンディーです。友達を喜ばせたくてついつい必要以上のことをしてしまう、そんな経験ありませんか? 私はこの回のサンディーにかなり共感しました。友達にしろ恋人にしろ家族にしろ、困っている時に喜ぶ顔を見たくて、あれもこれもやって余計に困らせてしまったこと数知れず。相手も私に気を遣って教えてくれないので自分で自分の行いに気がつくまで時間がかかりました(苦笑)
このエピソードはそれをテーマに描いたいわば滑稽劇です。物事を難しく考えてしまいがちなサンディーならではのお話とも言えます。展開は、カーリーの音を聞いた仲間が次々にサンディーに事情を説明して、彼女がどんどんオイルの量を増やしていくというもの。スリーストライクではありますが、噂話を聞いて試行錯誤している分、オリジナルのS12~16よりずっとマシです。最後の方に彼女が発明したロボットは馬鹿げていますが、笑ってしまう展開が舞っているのは予想外でした。
でも、カーリーがキーキー音を立てながら作業するくだりは、ひどい音を用いたギャグ以外に物語に何も追加しないので退屈です。もっと上手いやり方がありそうな気もします。先程の通り不快な音ばかりでうるさすぎるし、忙しくても、どうして予めヤードに居たサンディーに潤滑油を射してもらわないのかが疑問です。
最も良いのは、サンディーが自分の行いがやりすぎだったことに気がつく場面です。親友が本当に必要としていたのは小さな潤滑油で事足りた。そして「小さなものは大きな問題を解決できる」というサンディーのサイズと結びつけたメッセージがあります。大きさだけが全てではないと。カーリーとサンディーの親友のハグが尊いですね。
【チェックポイント】
カナを助けに行こうにも洗車したてを言い訳にするの、オリジナルのゴードンに近いですね。いいのかそんな大人で。と言ってもあれを片付けられるのカーリーかベレスフォードぐらいですよね。
サンディーが発明した"The Great Greece de Squeak-nator"。吹替版では"どでか油差しギーギーネーター"。
実は第1シリーズ『さよなら おばけたいじマシーン』にもプロトタイプ的なものが登場しています。また、サンディーの口ぶりからすると、性別は女性みたいですね。
全体的な面白さ:☆
遊び心:☆☆☆
キャラクター:☆☆☆
BGMの良さ:☆☆
アニメーション:☆☆
独創性:☆☆
道徳:☆☆☆
【最終的な感想】
道徳とメッセージ、それからキャラクター活用は素晴らしいです。個人的には、その尊い瞬間のためにカーリーにとってなんの足しにもならない退屈な時間を過ごさなくてはならないことと、耳障りな音によって何度も見返したいという気持ちにはなリませんでした。ギーギー音が大丈夫だよって人には視聴を推奨します。
総合評価: 4/10