※この記事にはネタバレが含まれています。
また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。
AEG S2 E24 『What's in a Name?』
監督: キャンベル・ブライアー
脚本: ジョン・ロイ
内容: クランキーがストレスを抱えているためトーマスは迷惑をかけないようにするが、クランキーは配達の指示を間違えてしまう。
【このエピソードについて】
これは全く予想していませんでした。何から何まで予想していませんでした。もちろん、良い意味でです。まず、映画第1弾『めざせ! 夢のチャンピオンカップ』から、メインランドの双子の電気機関車リフとジフが短編に初登場しました。映画では新キャラクターであるにもかかわらずほぼ脇役でしたが、今回の彼女たちは脇役ではなく、物語を動かす仕掛けとして登場するんです。
それだけでなく、物語の主人公はトーマスと、なんとクランキーでした。仕事づくめでカリカリしているクランキーに指摘をする場面は、オリジナルS17『ケビンとクランキー』に似ていますが、展開は類似性のない独創的なアイディアでした。
何より道徳が良いですね。「相手の名前を確認する」のが今回のテーマとなっていて、クランキーはどちらがリフとジフなのか確認せずに指示を出してしまい、島のあちこちで混乱が起きるというのが話の本筋。何でもそうですけど仕事中の確認って本当に大事なんですよね。学校で言えばテスト答案用紙の再確認もそうですね。忙しさのあまり確認を忘れてしまったり、せっかく指摘をもらっているのに聞き逃してしまうこと、時々あります。
威圧感とストレスを抱えるクランキーの配慮で指摘を遠慮したトーマスと、確認をおこたったクランキー両方がそれぞれの過ちに気づき学ぶところが好きです。クランキーも根の優しさが言葉から表れているのがまた良いですね。間違っていると指摘されて逆ギレしないし、私的に遠慮はいらないと教える、本当に良い大人のお手本です。現実にクソみたいな大人が多すぎる。
テンポはかなり良い感じです。10分があっという間に感じてしまうくらい。
ただ賛否両論はありそうなのが、名前の最後に「〜iff」の付く4体のキャラクター*1を寄せ詰めていて、物語を盛り上げるために、スキフが自分が呼ばれたと聞き間違える古典的なギャグが3回挟まれるんですよね。オリジナルS19『ロッキーきゅうしゅつさくせん』のキャプテンみたいな感じです。
個人的にはそれ自体古いですが、今回の物語自体が「名前の確認」をテーマにしているので、それに沿ったギャグということで全然OKです。どちらかといえば、リフとジフがことあるごとにセリフが被ったときにはしゃぐ方が鬱陶しいかも…(苦笑)
短編初登場のリフとジフ。見分け方がトーマスの口で説明されています。黄色がリフで、青緑色がジフ。今更だけどリフの方はそばかすがあるんですね。
両者とも陽気な性格で、何が起きても前向きに行動するキャラクターです。
そのうち『めざせ! 夢のチャンピオンカップ』のレビューも投稿するつもりですが、映画での彼女たちの印象は"空気が読めないほど陽気なただの良いヤツ"以上のものがありませんでした。このため、私の中では玩具以外に彼女たち双子にあまり魅力を感じられていません。吹替版ではリフが「〜よん」、ジフが「〜じゃん」を語尾につけるという変わったキャラ付けがされていたのはかなり印象的でしたけどね。
最も、今回は見分けをつけるのが難しい名前と容姿の双子の役割で登場したので、まだこの双子の評価はいまいちです。トーマスシリーズで云う典型的な双子キャラに過ぎないので。性格もマルシアとマルシオに似ています。でも今回出てきたことで、また登場する事があるかもしれません。その時はキャラクター開発や双子であること以上の活躍に期待したいですね。
【チェックポイント】
クランキーのバードストライク。機関車の顔に虫がぶつかる*2のと同じで、クレーンにもカモメがぶつかる… いや、口の中に入ることもあるんですわな。
ウィフに新しい助手ができました。紫色の雌鳥エルフィー。カモメのウィルソンみたいに今後も出てきたりするのかな。
全体的な面白さ:☆☆
遊び心:☆☆☆
キャラクター:☆☆☆
BGMの良さ:☆☆
アニメーション:☆☆☆
独創性:☆☆☆
道徳:☆☆☆
【最終的な感想】
あまり語ることはありませんが、個人的には良い物語だったと思います。道徳も、キャラクター活用も良かった。
総合評価: 8/10